先日、『こんばんは、父さん』世田谷パブリックシアターでの初日を見てきました。
二兎社の公演を見るのはいつぶりでしょう。
本当に久しぶりです。
面白かったです。
出演者３人、幕間なしの１時間４５分。
１シチュエーションで、ぐいぐい見させられちゃいました。
ネタバレありです。
平幹二朗さん、飄々としていたかと思うと
過去の町工場をしていた頃を思い出してからは熱い父さんに。
こんな普通のおじいさんを平さんが演じているのは珍しいですね。
（いい年してヤミ金に借金しているんだから普通ではないか）
やっぱり、上手いなぁ。
なんでしょう、間かしら。
最初はどうしようもない父さんって思っていたら
町工場を大きくした頃の事を熱く語ったり
息子の事を実は大事に思っていたんだとか
どんどん変化して行って、こちらも納得していまいます。
佐々木蔵之介さん、自慢の息子と思っていたら
やはりヤミ金に借金のある身。
職も家庭も失ってしまい、今は廃屋となっている昔父親が経営していた工場跡へと
やってきています。
会社でエリートとして輝いていた時には
落ちぶれた父親を疎ましく思い追い返したりもしていたのに、
投資に手を出して騙され、自分も落ちぶれた身分になっています。
でも子供の頃に、家庭を顧みず気持ちが外に向いてしまった父親を憎んでいて
なかなか父親を受け入れられません。
・・・という難しい役。
簡単にこなしているように見えますねぇ。
終始父親に対しては頑ななのだけど
最後にほろっと心がほどけて、
この親子にちょっと明るい日が差し込んだようです。
溝端淳平君、この二人の大ベテランの胸を借りて
頑張っています。
というより、頑張らざるを得ないという状況でしょう。
声も出ていて、言っている事が分かるのは良いですよね。
固い感じを受けたのは、緊張のせいかしら。
ヤミ金の取り立てに来ているはずなのに
一生懸命この親子の世話をしてしまう青年。
取立て屋には似合わず、お人好しだし、まじめだし、暴力的ではないし
この世界でやっていけるの？
今日中に利子分だけでも入れないと、と自分がサラ金に借りてまで
立て替えようとする、健気さ。
ぜったいこの世界にいてはだめだわ～。
結果的に、疎遠になっていたこの親子の間を取り持った事になるのですが
それをきっかけにぜひ真っ当な職業についてもらいたいなぁ。
まだまだこの３人には、この先厳しい現実が待ち構えているんでしょうけど
この一晩の出来事で、ほんのちょっと温かい気持ちと希望が持てるようになったんじゃないでしょうか。
静かなエンディングでした。
としていました。
ドーンと打ちのめされ・・・
ドキドキ
ウキウキ
困る
