iwackeyの「水に流す日々」

30代編集者(3児の父)の毎日を水に流します。みんな流されろ!

横浜トリエンナーレ評をリストアップ。その3

2008-11-17 | internet
トリエンナーレも、いよいよ残り2週間を切った。もう自分が行くことはないと思うけど、最近の反応をリストアップ。といっても、テクノラティのブログ検索で「オーソリティ☆☆」レベルだと目ぼしい展評が見当たらない。オーソリティのハードルをなくして、35ページめ、18日前まで(10月末以降)。

前回(横浜トリエンナーレ評をリストアップ。その2)、前々回(横浜トリエンナーレ評をリストアップ。)も、ご参照ください。

◆「PUBLIC-IMAGE.ORG」
NEW JAPANESE ARTIST FILE 2008 | 新進日本人アーティストファイル 2008
現在、3年に1度のアートの祭典「横浜トリエンナーレ 2008」が開催中だ。だが、日本の現代美術の動向を示す絶好の機会であるはずのこの国際展覧会に参加するアーティストの大半は、海外からの招待作家が占め、残念ながら、国内アーティスト、特に今後のシーンを担うであろう若手作家の参加は、ほぼ皆無と言っていいだろう。そこで今回Public/image.では、今本当に見たい、そして、その存在を世界にアピールしたい新進アーティストたちをピックアップ。これからの日本のアートシーンを担う、リアルでフレッシュな才能はここにある。
浅井裕介、大野智史、葛西絵里香、金氏徹平、鬼頭健吾、黒川知希、さわひらき、高木正勝、パラモデル、松井えり菜、松山智一あたり。トリエンナーレの人選よりもよほどマシ。

◆yoshihirouedaさんの「にぶろぐ」
Yokohama Triennale 2008
ミランダ・ジュライの「廊下」。(中略) 狭い廊下に突き出したメッセージ。このメッセージをよけながら狭い廊下を通って行きます。メッセージによって廊下が人生のメタファーと思わせる作りです。ただその考えを否定するようなメッセージもあるのですが (右下)。「もう引き返せない」とか「あなたが子供の頃に夢見た物事は起きやしません」なんて聞きたくないよ。といっても、予めそれを知っていて来た訳ですけどね。
諸事情で未見だけど聞き知るにつれて「さかしらな…」という言葉がぴったりな作品内容かも。みなとみらい駅の吹き抜けに常設展示されているジェニー・ホルツァーとかにも感じる嫌味なインテリ臭。コピーライター以下で、現代詩未満。くさいくさい。「廊下」のキャパの問題で週末などすぐに入場制限がかかるようなので、日本語ネイティブでも逆方向から入って英語を読むふりをして、うしろを振り返る、というのは許されないのかな。

◆「彦坂尚嘉の41流アート」
横浜トリエンナーレの中の名品(加筆1)
昨日、横浜トリエンナーレを見て来ました。なかなか面白いです。/無責任に言えば、これで無くなる可能性は高いので、見た方が良いです。/これだけの世界大恐慌を乗り越えて開催を続けるだけの根性は日本の美術制度には無いのを、私は見て来ているのです。/東京版画ビエンナーレは中止になりました。毎日国際ビエンナーレも中止になりました。NICAFも中止になりました。/このトリエンナーレの見方や、批評の仕方はいろいろあると思います。批判の声も聞こえて来ます。しかし私は基本的に官僚批判は、一切しません。

◆adiaさんの「つれづれなるままに」
横浜トリエンナーレ2008「TIME CREVASSE (タイムクレヴァス)」その2
私がなぜ現代美術が好きかというと・・・よくわかりませんが、たぶん、○作品が大きいから のような気がします。。。え?それだけ?そうですね、あとは・・・○何が書いてあるか考えても仕方ないので、全体をぼーっとみて体感するように見れるから、細かいのを順番に見るより疲れない
爆笑。なかなか画期的な理由。共感します。で、トリエンナーレはadiaさんの条件を満たしていないのではないかと心配です(苦笑)。

◆P太さんの「アバトーンを目指して」
横浜トリエンナーレ2008~ボランティア奮闘記10 ただの愚痴~
横トリでよく言われる批判について自分が思うこと/(1)案内が不親切/(2)パフォーマンスが見られない/(3)みんなが楽しめない/(4)日本人&若手が少ない/(5)ボランティアが適当
当方は「ボランティアが適当」とは思わない。ボランティアの活用が下手だとは思う。
Chim↑PomとBATIK騒動

◆末永史尚さんの「につき(はてな)」
横浜トリエンナーレ2008の感想を一行で
「ぼくの国の文化はこんな感じなんだよ、ぼくの社会にはこんな問題があるんだ、そんな10分くらいのビデオ、見て見て!」といちどに50人くらいに言われ、「いやいや、そんなん一度につきあってみれるほど情報処理能力も時間も労力払う気もないから!」という感じ。

◆「延岡のアーカイブをつくる。」
横浜トリエンナーレに行った。part03
で、前にも書いたが、このトリエンナーレは作品を写真撮影する事が許されている。この事は注意書きとかにもどこにも書かれていない。ただ、パフォーマンスやってるところは控えたほうがいいだろうし、写真を撮るよりもむしろじっくり観賞したいと思ったので、撮影はしなかった。それで、中座して会場を出てから、会場そのものである重文の旧矢箆原家住宅の特徴的な急傾斜の屋根の萱を撮影しようとしたところ、係の人から"パフォーマンスは撮影禁止となっております"と言われた。/すかさず、"建物を撮っているんですが。"と言ったのだが、適当な嘘を付いていると思われたのか"すみませんが.."と重ねて言われる。建物の中ではパフォーマンスが延々と続いており、うるさくするのはいやだったのでその場を後にしたが、かなり不愉快。このトリエンナーレは、全体的に不親切なんだが、いったい撮影OKなのか禁止なのか、はっきりしてほしいものだ。

◆ささきさんの「まんがの」
芸術の秋(モノホン)
1つの作品を見れる時間なんて限られてる。1作品見れて5~10分くらいなもん。そんな短時間で芸術素人の俺が作品に込められたテーマやら発想やらを何の説明もなく作品だけ見て理解しろというならそれは無理。(中略) 恐らく今回初めてアートイベントに来た人はアートが嫌いになると思う。アートってこういう物なのかって、難しくてわからないやって感じると思う。(中略) 現代アートのイベントなんでしょ?表現方法が新しかったり、表現者の表現力がまだ拙いかもしれないじゃん。でも内容が理解できたら面白かったり、感動できたりすると思う。理解できないのが0だった訳じゃない。でも大半は、「ん~、これはなんだろう?」って思いながら答えが出せないまま次の作品に移動しなきゃならなかった。作品と作者に申し訳なかった。理解出来なきゃ作品は印象にも記憶にも残らないと思う。(中略) 次回もこんなならタイトルを変えてくれ「素人お断り! 横浜トリエンナーレ」って感じに。そしたら俺のような芸術素人は間違えて行く心配が無いから。

◆TADさんの「49%-Question」
芸術三昧浮き沈み
はっきり言って、最悪。展覧会に行ってここまで嫌悪感を抱いたのは、数年ぶりかも。(中略) そこに置かれる作品の順番の錯綜っぷりに伴う作品のコンテクストの読み取れなさ、キャプションの位置の混乱、そして何よりもこういう街中アート系で一番やってはいけない映像作品の乱発など、半分くらいから完全に流し見しちゃった。

◆yukiさんの「ramarama」
横浜トリエンナーレ
10万人突破したという来場者のみなさんは、楽しんでいるの?/ボランティアのみなさんは、がっかりしていない?大丈夫?
ほんとうに。現代美術のファンになってくれるかもしれない人を遠ざけてしまう「罪作り」な出来のイベントだったとしか言いようがない。「新聞女」とか「のびアニキ」とか言われても「ちょー多忙なのに『もう1回来い』というのかよ!」と怒りを覚えてしまう。

◆ディックさんの「ディックの本棚」
横浜トリエンナーレ ~ 日本郵船海岸倉庫・大桟橋
インスタレーションはアート空間そのものから創り上げて観客に体験させるところに意味があるので、そうしたイベントを記録した映画を見せられても、実体験ほどの感動はない。イベントの中にはおよそつまらない「思いつきだけ」と言ったようなものも混在している。/たとえば今回の日本郵船海岸倉庫の展示の中に、「ジャガイモを投げて銅鑼を鳴らす」というものがあった。しかも、それがビデオ上映だ。「こんなものの何がおもしろいのか、何がアートなのか」とぼくは思うし、それをビデオ上映しているのだから、さっぱりおもしろくない。

◆大里圭介さんの「ダメ工房日誌」
生ギネスがおいしかった、色々な思いを、ぜーんぶ吸い込んでくれたおいしい
生ギネス。

横浜トリエンナーレでは気に入らない作品もあったが、いちばん気に入らなかったのはカフェだ。一日中作品を見てもらおうという姿勢の割には、ダイエット中の女の子が食べるみたいな食べ物しか置いていない。店員のサービス精神も皆無に近く、無愛想だし、すべてが必要最小限。しかもそれが”最高にお洒落”だという扱いなので、値段は高い。横トリに限らず、アート系のカフェというのは、だいたいこんな感じである。美術イベントでどれだけ「アートはみんなのもの、美術の敷居を低くして、みんなに見てもらいたい」的なメッセージを発していても、カフェの敷居が高かったら、なんだ結局ぜんぶウソなんじゃん、という話になる。400円でお腹いっぱい食べられる食堂のカレーとか定食みたいなのを出して何の困ることがあるんだろうか。いやいやもっと単純に、アート=お洒落という安直な図式がいやなだけかも。
横浜トリエンナーレの感想メモ。
今回はメイン会場3カ所で、それぞれの場所も大きく、互いにそれなりに離れていて、閉館時間18時(最終入場17時)というのはどうなのか。さらにそこから50分程度かかる場所で15時50分に終了する20分間のインスタレーション(毎時50分開始で定員10名)を始めとして5作品。しょうがないのかもしれないけれど、「物好き以外は来ないでください」と言われているようで少し不親切かなと思った。(中略) 世間をにぎわすchim↑pomの問題での”ネットの反応”は、いかに一般的に現代美術が忌避されているかを示していたが、こういう問題への解決は、主催者側による、”美術好きでない人々の美術に対するリテラシー”への配慮みたいなところに求められるのではないか。
コメント (2)
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[11/09]文フリ。六本木ピカソ。新宿ジョット。

2008-11-09 | art & movie & music
昼、ひとりで外出させてもらう。秋葉原の「文学フリマ」へ。7回目にして初めて。何も買わないことに決めていたけど、ゼロアカのコーナーだけすごい熱気だったのには、とにかくびっくり。こりゃいわば「会場ジャック」だな。旧知のKさん、Sさん、Iさん、Hさん、初めてのKさんらにご挨拶。Kさん、Tさんなどもお見かけしたが、お取り込み中のようでスルーしてしまった。出版とか書店の初発の理念を考えさせられる営みだだった。

午後、秋葉原駅前のブックファーストに立ち寄り、六本木へ移動。ピカソ展2つをハシゴ。まずはサントリー美術館「巨匠ピカソ・魂のポートレート」。いつもより「若くていい女」率が高い気がするのは、テーマのせいか、デート客が多いせいか、それとも館内が暗いせいか。教科書にも載ってる「ピエロに扮するパウロ」が見もの。つづいて、国立新美術館「巨匠ピカソ・愛と創造の軌跡」。理解度が深まる展示構成で、初心者から通まで楽しめる。ドラ・マールとマリー=テレーズが並び、「ラ・セレスティーナ」「肘掛け椅子に座るオルガの肖像」もいいが、「朝鮮の虐殺」もいい。ブロンズ像の「雌ヤギ」も。

さらに、新宿へ移動。今日が最終日の損保ジャパン美術館「西洋絵画の父・ジョットとその遺産展」。学生時代に行きそびれたアッシジまだ行けてない。その後、地震で崩落したのもあったけど。一方、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂は2002年に修復が終わって、短時間の滞在しか許されなくなっているらしい。そうなる前に数時間かけて眺めることができてよかった。で、目玉の「サン・ジョルジョ・アッラ・コスタ聖堂の聖母子」もいいが、「殉教助祭聖人」のステンドグラスも間近で見るとなおきれい。ジョッテスキのひとり、ベルナルド・ダッディ「携帯用三連祭壇画」なんかも豪華。というのに妙齢の知的に見える女性が、「なかなか見れないゴシック絵画が見れてうれしいけど、わたし解説パネルの人名はどうでもいいの!もっと分かりやすく説明してほしい!」と力説していた。ゴシックとルネサンスの関係やビザンチンとの関係とかジョットがどういう位置づけなのかとか、すごく分かりやすいパネルだったと思うんだが…。まあ、100か200の画集をめくり、聖堂と美術館をめぐらないと整理できない世界だからなあ。夕方、渋谷のFoodshowで食材を買い込み、帰宅。
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ヒヒョーだのシソーだの。浅はかで高慢で。

2008-11-06 | news & opinion
早稲田文学の10時間シンポジウムも、批評家サミットも行けなかったわけだが、ニコニコ動画やSynodosのメルマガで読めるのだろうから、とくに問題はない。そのうちヒマを見つけてチェックするつもりだが、何よりも忘れないでおきたいのは、「批評は文学の、(現代)思想は哲学の『第二芸術』でしょ?」と、しっかり声を大にして指摘すべき、ということだ。ついでに言えば、「人文学って歴史学や経済学のような社会科学の『第二科学』でしょ?」とも、しっかり確認しておくべきだ。はっきりさせておかないと、調子に乗る人たちが多くなりすぎて困る。ヒヒョーとかゲンダイシソー、ブンガクにドメインを持つオレでさえ、そう思う。

あと最近、若い女性の、浅はかで高慢で(性格)不美人なケースに3件ほど、遭遇した。(1)タクシー運転手の「新人なので…」に腹が立つと書き込んで、「オレならすぐ降りる」という愕然とする「釣りコメント」を多数はべらせて喜ぶ。(2)こちらの残したmixiの「足跡」が気になるらしく、わざわざメッセージを寄こしておきながら、まともに返事をしたらガン無視。(3)男(オレじゃないよ)を自分から仕事に誘い、やる気(sexじゃなくてだよ)にさせておきながら「そんなつもりじゃなかった」とセクハラを主張。なんというか、世の中なめんなよ、と言いたい。万が一、当事者が読んでたらごめん、自分にとって「燃料」となる怒りを忘れないために、かなり脚色したネタです…。
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