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ドラマW「戦後60年特別企画 祖国」・・歴史の悲劇は今もなお

2007年03月09日 12時16分04秒 | ドラマ・映画 全般の話

年末に観たんですが…今頃UPです。(遅!!)

戦後60年の2005年にWOWOWのドラマ枠“ドラマW”でオンエアされたTVムービー。

当事者たちにとって今なお消えない戦争の心の傷をモチーフに、静かで深い感動の人間ドラマが繰り広げられていくドラマです

日系ハリウッド・スター、マコ・イワマツの名演も特筆的で、ここには老境に達した者だからこそ醸し出せ得る人生の重さをも痛感させられます。

●原作、脚本●
《山田洋次》
1931年大阪府生まれ。東大法学部を卒業後に松竹に入社。
1961年『二階の他人』で監督デビュー。大ヒット作「男はつらいよ」シリーズをはじめ、『幸福の黄色いハンカチ』や「学校」シリーズ、『隠し剣 鬼の爪』などの作品がある。本作では原作と脚本を担当している。『たそがれ清兵衛』では第76回アカデミー賞外国語作品賞にノミネートされ注目を集めた。

他、脚本:平松恵美子、荒井雅樹

●監督●
《堀川とんこう》
1937年群馬県出身。1965年ドラマ「お母さん」で初演出。
「岸辺のアルバム」「丘の上の向日葵」「長崎ぶらぶら節」など多くのTVドラマの演出やプロデュースを手掛ける。1983年、芸術選奨文部大臣新人賞、95年ギャラクシー賞大賞芸術作品賞など受賞も多数。2002年には『千年の恋 ひかる源氏物語』で初の映画監督をつとめた。

●音楽●寺嶋民哉

●製作●WOWOW<2005/日>

●出演●
《上川隆也》・・小野寺一郎
1965年東京都出身。中央大学在学中だった1989年に、演劇集団キャラメルボックスに入団。 95年にTVドラマ「大地の子」の主役に抜擢されたことから脚光を集める。その後、舞台や映画など幅広いジャンルで活躍。2000年には『梟の城』で日本アカデミー賞助演男優賞を受賞。

《マコ・イワマツ》・・レオ/守谷亮(TOP画像参照)
1933年神戸出身。本名・岩松信。15歳の時に渡米、戦後にアメリカの永住権を取得した最初の日本人でもある。ダスティン・ホフマンと同期のパサディナ演劇学校で演劇を学ぶ。映画『砲艦サンパブロ』で、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされる。その後もハリウッドの東洋人俳優の中心として活躍。2006年7月21日カリフォルニア州南部の自宅で逝去、72歳だった。

《木村佳乃》・・守谷朋子
1976年東京都出身。NHKドラマ「元気をあげる~救命救急医物語~」で女優デビュー。その後、ドラマ「エ・アロール」「大化の改新」、舞台「ミ-&マイガール」「幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門」など多数出演。

《森口瑤子》・・小野寺玲子
1966年東京都出身。「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」でデビュー。初主演映画『UNLOVED』は、第54回カンヌ国際映画祭でレイル・ドール賞とエキュメニック新人賞を受賞。

《高橋マリ子》・・ユキ・モリヤ
1984年サンフランシスコ出身のバイリンガル。8歳の頃からモデルの仕事を始め、同世代の少女たちを中心に、圧倒的な人気を誇る。雑誌やCMなどを中心に活躍するほか、英会話レッスン本なども執筆。本ドラマでも全編英語台詞により、その才能を余すところなく発揮している。

その他出演;谷村美月、吹越満、南田洋子 他

●受賞●
平成17年度文化庁芸術祭参加作品。日本民間放送連盟賞番組部門テレビドラマ番組で優秀賞受賞(WOWOWオリジナルドラマ・プロジェクト「ドラマW」作品としては、03年度の『センセイの鞄』、04年度の『4TEEN』に続き3度目)、第23回ATP賞テレビグランプリ

●あらすじ●
出張で、ある南の島を訪れた商社マン・小野寺が出会った現地人パイロット・レオ。
半ば社交辞令で「日本へ来たらぜひ訊ねてください」と言い残した小野寺のもとへ、3か月後、レオが来日し、能登へ行くと言い残したまま、姿を消してしまう。
そんな彼の真実の姿は、第二次世界大戦中に戦場で米軍の捕虜となったものの脱走に成功し、余生を南の島でひっそりと送っていた旧日本陸軍飛行隊特攻隊員だった。そして、彼にはその無事を信じ、ひたすら帰りを待ち続けた母と妹の存在があった…。

***** ***** *****

レオが『祖国』を思い出したのは、ふとしたことがきっかけでした。
小野寺(上川隆也)は出張先のテニアンで小型機を操縦する老パイロット、レオ(マコ・イワマツ)と知り合いになります。
何気ない会話で懐かしい故郷の名前が出てきて、日本語をすっかり忘れていたレオの心に望郷の念が…。やがてレオは来日し、小野寺の故郷・能登に赴き、そこで突然消息を絶ってしまいます。

そして3年後、レオのことをすっかり忘れ、日常に没頭していた小野寺のもとに、レオの孫と名乗る少女ユキ(高橋マリ子)が現れ、レオの書き残した一冊のノートを持ってくる…。

***** ***** *****

戦争によって引き裂かれた家族の哀しみ、しかし長い年月を経ても変わらぬ深い絆を、ドラマはノート(遺書)を用いて少しずつ紐解いていきます。
レオと同時進行で、観ている側も、戦争が肉親をばらばらに引き裂いてしまうという悲劇、それらが人間の歴史には無限にあり、今も終わることなくあり続けていることに気づかされるのです…。

太平洋戦争で米軍の捕虜となり、さらに脱走して南の島に住み、日本を捨て、生涯を浦島太郎のようになって送った男。

彼は、第二次世界大戦中に戦場で米軍の捕虜となったものの脱走に成功し、余生を南の島でひっそりと送っていた能登出身の旧日本陸軍特攻隊員でした。

60年ぶりに訪ねた生家は荒れ果てていたものの、そこで彼は信じられない光景を目にします。

「生き恥をさらしては帰れない」

当時の兵隊はそう教えられて戦場に向った為に、日本人である事を捨てて生きる決心をしたレオ(守谷亮)。

マコ・イワマツ自身も15歳で単身渡米し、苦労を乗り越えハリウッドで活躍する数少ない東洋人ですが、その深く刻まれた皺がこの役にぴったりでした。美しい南洋の島の自然に負けないくらいの日本人の美しい”心”

山田洋次監督らしい人情に素直に浸れる作品だと思いました。
祖国で真実を知った時のレオ(マコ・イワマツ)の慟哭は、これからもずっと私の耳に残ることでしょう。 

故郷の偉大さ、母、家族の愛の深さを実感出来る、秀作です。

***** ***** *****

さてさて。実は今毎日WOWOW制作の「ドラマW」がアンコール放映されておりまして…。
また録画しちゃったらきっと観るのはずっと先。下手すれば観られずに人生が終わっちゃうかも?(←真剣)
と思い、無理やりオンタイムで観ております。

今のところ『アウトリミット』『アルバイト探偵(アイ)~100万人の標的』『神様からひと言』まで完了!
近日中にこれらをMIXした記事を書こうかな~と(予定は未定です…^_^;)画策しております。
今日はかねてから楽しみにしていた『MBO「~経営権争奪・企業買収の行方~」』です。

頑張れるのか?また今日もいけるのか?
いやいや…。なんとか頑張るのだ、私

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どんなに繰り返しても (みき)
2007-03-09 12:43:59
映画や本など,色々な方法で「戦争の悲劇」を伝えても,今もなお繰り返され続ける「戦争」とは「人間の義務」なのでしょうか?それでも,伝え続けなければならない。ということなのでしょうね。
返信する
マコについて… (ぬくぬく)
2007-03-09 13:17:19
私とマコが出会ったのは『バトールクリークブロー』というJチェンの中のマイナー映画。『醒拳』という映画の撮影中に失踪してひそかにアメリカで撮っていたという作品。これで、ジャッキーを鍛えるオジサンで出てました。小さくてよく動くオッサンだなぁと思いました。亡くなっていろんな背景ほ知り。日本には素敵な役者がいるんだと誇りに思いました。カッコ良い人生ですよね。
返信する
マコさんだ (ファイア-)
2007-03-09 13:41:50
このドラマ、すごく観たいなあ~DVD化熱望。
ぬくぬくさんも書かれてますが、マコさんてハリウッド・アジアで活躍した日本人なんですよね。渡辺謙さんも教えを乞うたとか…私も香港映画を見始めてからその存在を知りました。印象深いのは「グリーンホーネット」でのブルース・リーとの戦いです。
返信する
みきさん、やっぱこれは名作です (タイタン)
2007-03-09 15:57:57
どうして「祖国」というタイトルなんだろう?
と思ってみてたら最後にやっとわかった、という感じで、どわ~っと感動しました。

もっと伝えていかなくちゃいけませんよね…。
返信する
ジャッキーと!? (タイタン)
2007-03-09 15:59:34
うわ~そうなんですか。私はこのドラマ観るまで知らなかったのです。

ブルース・リーとも戦ってたの?
すご~い!!

その視点で観てみようっと!
返信する
ファイアーさん大丈夫です (タイタン)
2007-03-09 16:01:58
DVDになっていますよ。
ドラマWって最初「ずるいな~」と思ってたんですが(^_^;)
やっぱ料金とって制作してるから、いろんな試みが出来るみたいです。

ぬくぬくさんとファイアーさんにはお馴染みの方だったのですね…。
返信する
戦争の犠牲者 (で~ぶ)
2007-03-09 19:26:03
この映画は 観ていませんが、ストーリーを紹介され イタリア映画「ひまわり」を思い出しました。 ソフィア・ローレン&マルチェロ・マストロヤンニの大作です。 シベリアで 助けられた娘と 家庭も持ち、それ以降 ロシア人として暮すマストロヤンニも 犠牲者でした。 大地に咲く「ひまわり」が 美しくも 悲しい!!
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ひまわり、大好きです! (タイタン)
2007-03-09 21:03:22
あれはいい映画ですよね~。音楽もすごい好きです。

あ~サントラを聴きたくなってきた…!!
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