・・・山肌は、拡がる海の砂場
このまま進めば、水に溺れる
どうしようかと思いながら、
ふと左を見れば、
それまで気付かなかった景色、
街であろうか
どこへ続くのか分からない道が見えた
そこで、目が覚める
行き着く先が、あの世であるならば、
死=永遠の眠りであるようにも思えた
その道が、“奇跡”であるとも願いつつ
さりとて、
留まる先を無くした魂は、
しばらくして、肉体を離れ、
空気が蒸発するかのように浄化され
雲となり、雨が降る如く、循環し、
全てが混ざり合った後、
あらたな魂となり、
生まれたばかりの肉体に宿る
稀に、
何かの理由にて、浄化し切れず、
一片の固まりが残ったまま、
あらたな肉体に宿れば、
それを「前世の記憶」であるとか、
誰かの「生まれ変わり」などと、
称するのかも知れない
方や、人々の中に残る記憶は、
亡き者の過去の魂と同化、
もう一人の自分、
影となるのかもしれない
つづく