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さとくーの取りあえず「ときめきブログ」

日常で感じた楽しいことからトホホなこと、果ては好きなモノまで節操無しに呟いてますv

読了

2011-05-22 23:36:05 | 読み物
「バイバイ、ブラックバード」、伊坂幸太郎氏

「抽選で選ばれた50人に小説の手紙が届いたら?」という趣旨の企画で書かれた本(らしい)。
借金で首が回らなくなり「あるバス」に乗せられることになった主人公、星野。
その前にお別れさせてくれと付添人?繭美に頼んだその人数、なんと5人。(5股)
普通ならその時点で「そんな男(が主人公なんて)イヤだ」と思うものだが、どの女性も
均等に「好きだ」と思う(そしてごく自然に思う)彼はたらしと呼ぶのはどうもしっくりこない。
繭美の人物描写が強烈で非常にインパクトがあるが、そもそも「何でバスに乗ることになったのか」と
ラストが委ねられている点が自分にとってはやや釈然としない。

「二人の距離の概算」、米澤穂信氏

古典部シリーズ(まだ2冊ほど読み終わってない;)の最新作。 
新入部員を迎えることになった古典部だが、仮入部員が何故か入部しないと言ってきた。
その真相は一体? 折木はマラソン大会の間にその解決を試みるが…。

マラソン中に他人と会話を交わし(当然、そうしゃべれるわけではない)、その間に推理を働かせ
解決をしていくという一種変わった形の安楽椅子探偵モノ。(でいいのか?)
まぁ、ミステリとしてなるほどと思うところもあるのですが、青春モノ(=登場人物の
成長や人間関係の変化)という色合いも併せている作品だと思う。

「平安朝の悪女たち」、三田誠広氏

(奈良)平安~そして鎌倉まで、歴史の中に登場する女性達を紹介したもの。
「悪女」というくくりよりも意図する、しないにせよ歴史の流れに影響を与えてしまった女性達、
という風に解釈しつつ読みました。
小説や話しというより歴史セミナーを文章化した感じかなぁ。
が、やはりこの時代(の天皇、藤原家)は系図があっても、何度読んでも(過去、この辺りは
永井氏の歴史小説とか読んでいるはずなのに)頭がこんがらがる。


明日から少し過ごしやすくなるみたいだが、雨は憂鬱だ。

「悪の経典 上・下」

2011-05-19 23:42:25 | 読み物
「悪の経典」、貴志祐介氏。

内容(「BOOK」データベースより)
学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。


…読み疲れた。(何だそれ) っていうか、上下800ページの粗筋が↑一行って;
やはり400ページ越えのハードカバーというのは圧巻で、一旦手にするまではちょっと悩む。
(読み始めたら相当のことが無い限り読み進めるだろうと思ったので)
やっと予約が回ってきたので今更感もあるでしょうが、そこは仕方がない。

主人公!?は蓮実という英語教師、授業の受けもよく生徒に人気もあり、そして様々なタイプの
教師の中でも揉めることなく上手く付き合っている、一見教師の鑑のようだが…。
確かに先を繰らせる力というものはすごく感じたし、実際一日で下巻の半分までは読んだ。
(相当暇なヤツですね;)が、長編ゆえか、それとも展開のせいか、下巻に至ると
話の失速感はちょっと否めない気がした。
あと読み終わってから見るとかなりトンデモな話であり、リアリティも吹っ飛んでしまっている
(人物からして)のだが、個人的には例えば同じような展開を他のとある作者が書いたとしたら
途中でやめただろうなぁというところを押し切って読ませる力というのはすごいと思う。

ま、最後のオチがそうだろうなという感じで自分でも読めてしまったのと(ミステリ好きの
悲しい性ですね)、で?(でっていうなw)というところはあるけれど、
氏の作品は初めてですが、レビューの評価よりは個人的には楽しめました。
あ、あと途中に●で塗りつぶしている単語があるのですが(所謂差別用語)、
最初そのことに気が付かず、何かキーワードのようなものなのかと一生懸命考えてしまった
おバカがここに一人。 ノ

読了

2011-05-16 23:36:08 | 読み物
という訳で、先延ばしになっていた読書メモ。 が、肩が痛いので手短に。(何だそれ)

「マリアビートル」、伊坂幸太郎氏

「グラスホッパーに続く~」とあったのだが、実はまだ読んでいない。(買ったので積読本にw)
チラと見たが、続編と言いつつも違うモノとして楽しめそうなのでそのままこちらを先に。
子供を殺された復讐のために「はやて」に乗りこんだ元殺し屋木村、ターゲットの中学生、王子。
有力者の息子を守るために乗った檸檬と蜜柑、そして彼らから奪おうとする天道虫。
新幹線の中で偶然(必然を含む)居合わせた殺し屋たちの狂想曲。

セリフ回しが伊坂氏っぽいなぁと思った、緊迫したばめんだけどどこかシニカルだったりユーモアだったり。
それぞれの殺し屋たちの個性が良く表れていて、他にも乗客がいるのにまるで彼らだけが
舞台の上にいるような錯覚すら覚える。
頼りなげそうながら機転を利かせピンチを回避する様や立場が二転三転する展開は面白かった。

「バツリスト」、蒼井上鷹氏

自殺した息子が書かれていたノートに書かれた人物リスト。 
70を過ぎた父親は彼らを自分の手で復讐しようと立ち上がり、そこに協力者も現れるのだが…。

書き方もあるが、正直分かりづらいストーリーだった。(自分が理解できないのがいけないのか;)
そもそも個人的復讐に協力者(しかも複数)が表れるというところからして有り得ないなと思うし、
最後まで謎のままだったあることが何となくオチとしてしっくりこないというか。


その他、マンガメモw

・図書館戦争 弓きいろ そういや文庫化にあたっておまけ(アニメ化のDVDのおまけ)が書き下ろされたとか。 
・はぴまり 円城寺マキ
・QUO VADIS~クオ・ヴァディス 新谷かおる 佐伯かよの(イラスト) 
・クリスティ・ハイテンション 新谷かおる 
↑の二つは出ると貸してくれるのですが、どっちがどっちの作だか(ご夫婦でイラストが似てるのでw)
分からなくなります。
・ヤンキー君と眼鏡ちゃん 
・GIANT KILLING 1~19
アニメ化されたので知っている方もいるのでは? 
サッカーに関しては「オフサイド、何それ?」という音痴ぶりですが、それでも充分に楽しめました。

…読書ってマンガのことですか、自分;

読了

2011-05-02 23:45:46 | 読み物
「人生相談始めました」蒼井上鷹氏

街外れで小さなショットバーを営むモーさんは、常連客の身の上話にのるうちに人生相談を始めるはめに…。
となるとちょっと安楽椅子ミステリ風な(基本この方はミステリなので)気配かと思いきや。
いや、そういう部分もあるのだけれど、思った通りの推理!?でアドバイスする、あるいは
裏をかいて逆のアドバイスをするも、結果は思ったのとは逆の方向にいくことが多い。
ちょっとブラック(今回はブラックよりはビターがあてはまるかも)な話は独特だなぁと。

「脱出迷路―呪い最終日」、上甲宣之氏

クトゥルー神話をモチーフにした3部作の最終話。
ハイ、相変わらずその神話自体を知らないので頭がこんがらかってます、が、
多分知らなくても(知ってた方がより楽しめるとは思うが)それなりに楽しめる本。
後味が悪いだけで終わらない分いいかなぁ。


そういやアマ○ンで注文したいものがあって(怪しいもんじゃないよ!)、その在庫が無く
入ったらお知らせメールを貰うよう設定したんだが、そのお陰でたま~に、おすすめの品というメールが来る。
今日来たのはやの/まんのパズル数点だったw 一瞬何故?と思ったが、そういやちょっと前に
その図柄(絵画)を探してたからだということに思い至ってそれはそれでよしなのだが。
が、ががが、いや、自分しか使ってないからいいんだけど、他人がメールを見ることなんて多分
無いんだけど、ついうっかり変なものをポチッとして(←どんなものか見るために)、
それ関連のおススメとか来たらイヤだわ~(だから気をつけよう)と思いました。
…例えば○○語辞典とかさ、ポー○ング集とかさ。

「モルフェウスの領域」

2011-04-25 23:36:47 | 読み物
「モルフェウスの領域」、海堂尊氏

内容(「BOOK」データベースより)
日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。
東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、世界初の「コールドスリープ」技術により
人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。
アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために五年間の“凍眠”を選んだのだ。
だが少年が目覚める際に重大な問題が立ちはだかることに気づいた涼子は、
彼を守るための戦いを開始する―“バチスタ”シリーズに連なる最先端医療ミステリー


ということでバチスタシリーズなのですが、前の物を読み返すことをしないのと、
読む間隔が開きすぎるために「これはどこに出ていた人?」と混乱する。
(人物相関図とかあってもいいんじゃないかと;←単なる物覚えが悪いだけ)

コールドスリープといういわば今まではSFの世界でしか起こりえなかったこと(現在でも
まだ可能ではないだろうが)を題材に取り上げているため、普段の「医療(ミステリー)」とは
また異なった印象を受ける。
アツシは2作目に出てきた少年だが、重要なキーポジション(世界初のコールドスリーパー)を担う。
果たして、眠りについていた彼が目覚めたとき、そのプライバシーは、また今後の過ごし方は
(前の記憶を持ったままでいるのか、それともすべてを新しいものとして生きていくのか)、
近い将来、可能になった時(が来ると思われる)の問題点を提起している。
とはいえ、いつもよりはファンタジックな面もあり、「これが今の医療の問題だ!」的な感の強い
最近の物よりは、お話として読める。(↑が、氏の言いたいことだろうから、それを否定はしないが)
その分、あくの強いキャラ(出てこない訳ではないけれど)が少ない分大人しさも感じるけれど。


そういや「マドンナ/ヴェルデ」がドラマ化された。
<といっても「5分間で分かるマドンナ~」というプチ番組を見ただけだがw
主人公(視点)を変えているので、多分本編より違う印象になるのではと思われるが、
それでも(本編で主人公だった)女医のイメージとは違う感じがしたなぁ。

…こんな感じで若干現実逃避中。<待て;

「砂漠の悪魔」

2011-04-21 23:58:39 | 読み物
「砂漠の悪魔」、近藤史恵氏

内容(「BOOK」データベースより)
大学生の広太は小さな悪意から親友を死なせてしまう。
平凡な大学生活から一転、極寒の北京で日本人留学生の鵜野と出会い、広大な中国西部を旅することに…。
終着地のウイグル自治区で、広太は生きる意味を見いだせるのか。


相変わらず読みやすい文体の作家さんだと思う。 
あ、あと前に読んだ本がページにビッチリ埋まっていた上に分厚かったからというのもあるが。(笑)
主人公が悪意から親友を死なせてしまい窮地に陥る展開には若干の無理を感じたし、
こんなドロドロ感(でもどこかさっぱり感が漂うのは氏の特徴か)も珍しいなと思っていたのだkれど。
その後とある事情で中国を旅する過程は、文章からでもその広大さや自分の行ったことのない
場所ではあるけれど、匂いのようなものが感じられるような気がした。
旅を続けるうちに日本にいては知ることのできなかった、広大な土地故に少数民族の抱える問題なども
盛り込まれ、話は重くなるのに、(いい意味で)そうと感じさせない分、あっさりとした感じを受けるかも。
そしてタイトルの「砂漠の悪魔」、これが意味することは話の中で言えばほんの少しだけしか
触れられていないような気がして唐突感を覚えるし、その経験があってからの(勿論、
それだけでなく旅を通しての、だとは思いますが)主人公の行動がぷっつりと尻切れトンボな
印象も受けました。
<じゃあどういう展開がいいのかと言われると困りますけど。(展開的にあまり救いのあるものとは思えないので)


「灰色の虹」

2011-04-17 23:43:13 | 読み物
「灰色の虹」、貫井徳郎氏

内容(「BOOK」データベースより)
身に覚えのない殺人の罪。それが江木雅史から仕事も家族も日常も奪い去った。
理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。彼は復讐を決意した。ほかに道はなかった。
強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。
七年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。
ひとりの刑事が被害者たちを繋ぐ、そのリンクを見出した。
しかし江木の行方は杳として知れなかった…。彼が求めたものは何か。次に狙われるのは誰か。
あまりに悲しく予想外の結末が待つ長編ミステリー。


読まなきゃ読まなきゃと思いつつ、結構厚かった(500P超)のと読んだら落ち込みそう!?なのとで
先のばしてきましたが、やっと週末に読了。(読み始めれば一気ですけど)

で、上の粗筋からも分かるように…やはり貫井節でございました。
江木を有罪に追い詰めた側が命を落としていく過程(というのも変な言い方だが;)の間に、
逮捕から有罪が確定されるまでの過去を江木側からの視点で文章は挟まれており、
先がどうなるのか、そしてどうしてそうなっていったかの両方の気持ちから次へと頁を繰らされる
力は相変わらず感心させられます。

そしてテーマ自体も。
「冤罪」というテーマの本は他にもありますし、被害者(冤罪を受けた側)からの視点で書かれたものもあります。 
が、この本のように警察が、検事が、弁護士が、人の一生を左右しかねない職に就いている
彼らの側からも、そして残酷なことにそれぞれが大きな罪、あるいは罪とも自覚しないまま重ねていった行動が描かれ、
一人の人生を、あるいはその近親者たちの生活を奪っていってしまう姿がリアリティと
そして自分もいつその側(=冤罪を受ける側)に立つかわからない不安さと共に訴えかけてきます。

最後の展開としては飛び抜けているものではない(読めてしまう)ですし、
元気になれる本ではありませんが(苦笑)、そこを変に媚びることなく事実を突きつけ、納得させ、
考えさせる手腕を持った方だなぁと今回も感心させられました。

「背表紙は歌う」

2011-03-24 23:21:47 | 読み物
「背表紙は歌う」、大崎梢氏

内容(「BOOK」データベースより)
「とある地方の小さな書店が経営の危機にあるらしい」よくある悲しい噂のひとつだと思っていたが、
書店営業仲間の女性がそのことを妙に気にしていて…。
個性的な面々に囲まれつつ奮闘する井辻くんは、東に西に今日も大忙し!出版社の新人営業マンの活躍を描いた、
本と書店を愛する全ての人に捧げるハートフル・ミステリ。
出版社営業・井辻智紀の業務日誌シリーズ第二弾。


出版社の営業という知っているようで知らない(のは自分だけか?)裏側が覗け、
そこに本を絡めたミステリーという氏ならではのシリーズ第二弾。
お仕事に焦点が多く置かれているせいか(という気がした)若干説明臭さも感じてしまうが、
普段はあまり触れることのない部分を知ることも出来るのでそういう意味でも興味深くはある。
流行の(売れる)本を置くだけでも本屋というのは成り立たないし、かといって本屋の趣味
(という言い方はおかしいですが)だけでも経営は成り立たない、
そのさじ加減の妙(や苦労)なんかも伝わってきます。

短編の最後が前回と同じく書き下ろしで氏の他のシリーズの登場人物が、明確にではないですが
登場するのはファンとしてはにやりとしてしまい、楽しさが増しました。


ついでに
「泥棒桟敷の人々」、赤川次郎氏

こちらは数少ない!?買ってくる本に(自分の中では)分類されているシリーズ。
シリーズならではのお約束ということで安心して、かつ赤川氏のユーモアミステリという特徴を
シチュエーションから活かしているものだと思う。(登場人物が多く、最後に無理に纏めた感はあるが。)
同じシリーズでも短編の方が好きかなぁ。 
長編なら他に好きなものが…と思って調べたら20年近く前に書かれた(同じシリーズ)だった。
…マンネリという声が聞かれようとも、それだけ書き続けられるのはもはや感嘆。

そういや、この間ダ/ヴィン/チに載っていた東川氏(「謎解きは~」の人)のインタビューで、
「赤川氏のようなユーモアミステリーが好きだった」という一文を読んで、
自分の好みにブレがないことを再確認。(笑)

読了

2011-03-17 23:50:46 | 読み物
そういや、読み終わった本が二冊あったことを思い出したので。(遅)

「脱出迷路―呪い二日目」、上甲宣之氏

和製クトゥルー神話(←が、そもそも原本が分からん!)の二作目ということらしいです。
三作で完結ということでここではまだ「首夢」の正体が分かりません。
パニック物とホラーと掛け合わせたような感じですが、エグイ描写が救いのある展開で救われているという感じ。
(そして救いが無い書き方をするのが山/田氏のような気がする)
完結してから同時予約したので、もうすぐで来るか…な。
<が、来年度から予算で(本の)購入費が削られたんだよなぁ。(涙) 仕方ないけど。


「at Home」、本多孝好氏

いびつな形の「家族」を描いた短編集。
「いびつな」とは一緒に暮らしているが本当の家族でなかったり、本当の家族でありながら
事情があって別々に暮らしていたり、と。
設定として「at Home」は面白いなぁと思いました。
全体的にさっくりと読めてしまった感はありましたが、(余韻が残らないという意味で)
個人的には(評価ほど)そんなに悪くない気がしました。

と、とある短編の中で子供がリカちゃん人形(とそのボーイフレンド人形)するくだりで
「そういや、リカちゃんのボーイフレンドは何人目なんだろう」という部分があるのですが。
実はそのちょっと前に某方とリカちゃん人形の話をし、挙句HPまで見にいったところ
(どうしてそんな流れになったw)ボーイフレンドのレン君(と言うのだそうですよ!、今の彼は)
の紹介文に「リカちゃんの新しいボーイフレンド」とあり「リカちゃん、何気に遊んでるな」
という会話を交わしたばっかりだったので個人的にツボって吹きました。


明日くらいそろそろ普通の買い物(普通ってなんだw)に行きたいのですが、
ちょっとはおさまっているといいんだけどなぁ。<ついでに言うなら揺れと風もそろそろ…。

「モップの精と二匹のアルマジロ」

2011-03-10 23:53:50 | 読み物
「モップの精と二匹のアルマジロ」、近藤史恵氏

内容紹介
大人気本格ミステリー、「女性清掃人探偵キリコ」シリーズ第4弾!
ポップなファッションで清掃作業員として働くキリコが、今回も鮮やかに事件を解決、となるか――
事の始まりは、キリコがたまたま、夫・大介が通うオフィスビルの清掃を受け持ったことだった。
ある日キリコは、見知らぬ女性から「夫の浮気を調査してほしい」と頼まれる。
ところが思いがけない事件が発生して――。地味な妻と目が覚めるほど美形の夫、
どこか不釣り合いな夫婦に秘められた謎に、キリコ&大介の名コンビが迫る、
心があたたまる本格ミステリー。


シリーズの前三冊は多分かなり前に出ていた…と思う。
図書館の書架に並んでいた(=予約待ちじゃない状態)のを借りたので。
「本格ミステリー」となっているけれど(いや、そうなんだろうけれど)、衝撃的な事件や殺人が
起こる訳でも難解な密室トリックがあるわけでもない。(本格=おどろおどろしいと思う低脳認識のせい)

謎解きの部分にあたる「浮気云々」については、途中からうっすらと読めてしまった感があるけど
(といいつつ、細かい点は違ってましたが;)ふとしたことで知り合いになった夫婦と
キリコx大介の二組の夫婦を通して相手の対する気持ちのひだが丁寧にかかれているので、
感情移入はしやすく読みやすいと思います。

ところでこれ、例によって姉のところから借りてきたんですが、うん、なんか読書傾向が似ているわ。
近藤氏しかり、坂木氏しかり、大崎氏しかり。
普通に読む分に難解なトリックの本だと疲れるし一気に読んでる時間が無い。
でもちょっとしたミステリ要素が欲しいし、読後感が悪くなければ一層よし、みたいな。
…いや、自分は本格もどろ~んと暗いのも行きますけどね。(食わず嫌いはあるが)


そして…やっぱり香川/照之はくどかった!(いや上手いけどさ!)

「月と蟹」

2011-03-08 23:56:59 | 読み物
「月と蟹」、道尾秀介氏

内容(「BOOK」データベースより)
「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも」
やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。
やがてねじれた祈りは大人たちに、そして少年たち自身に、不穏なハサミを振り上げる
―やさしくも哀しい祈りが胸を衝く、俊英の最新長篇小説。


最初はミステリ作家ということで著者を知りましたが、この本についてはミステリでも
ホラーでも純文学(←というのが実はあまり読んだことが無いので分かりませんが;)でもないような
どのジャンルか判別しにくいのですが、自分はかなり引き込まれて読みました。

父親を亡くし祖父宅に母と住むようになった息子、祖父も過去に事故で足を失い義足を嵌めている。
当然生活が豊かとも言えず、そして働いている母にはどうやら相手が出来たらしい。
そんな主人公と、同級生の女子(この父親が母の相手)、親に虐待されているらしい同級生、
この3人が共有し始めた秘密は決して明るく好ましいものとは言えなかった。
何というか、この本ではヤドカリを見立てて行った儀式や抱く気持ちは「子供は素直で純真」と
信じ込んでいる(あるいは信じたい)大人にとっては薄気味悪く映るかもしれない。
けれど、確実ではない何かに託して自分の不安を取り除こうというと抱く子供達の気持ちは
誰しも程度はあれ少なからず思ったことがあるのでは。(そんなのは自分だけ?)

最後に意表をつくような大きなどんでん返しがあるわけではないけれど、
気持ちが丁寧に描かれ、共感できる部分も多く、また醸し出す決して明るいとは言えない表現も
心の闇を反映しているなぁと思いました。


今日、換気&植木に水やりで窓を開けてたんですが、たったそれだけで鼻がえらいことに。
夜になって目が重たいのはきっと違う原因かと思ってたんですが、これもそうなのかなぁ。
<目の方に症状が出やすいので; ホントに今年の花粉はあなどれん;

読了

2011-02-28 23:44:26 | 読み物
「小暮荘物語」、三浦しをん氏

小田急線のとある駅から徒歩五分、築云十年のボロアパート「小暮荘」。
そこの住む人々と、あるいは係わりのある人の日常。

普通!?の日常を描いた話なのかなと思いきや、それぞれの話に共通するのは「愛(欲)」であったり「性」について。
突然消えた恋人とのけりをつけ新たに恋人を作った会社員、死ぬ前にセックスしたいと思う大家、
一階の住人を覗き見するサラリーマン等など。
なので際どい単語も出てくるものの、(そういったものに対して無意識にタブーなものと働くこともなく、
抵抗なく読めてしまうのは氏の力量なのだろうと思う。
住むにはお世辞にも最高の環境とは言えない小暮荘に住人達だけれど、何となく「いいな」と思わせる
人の繋がりや安らぎに溢れていました。


「ブレイズメス1990」、海堂尊氏

ただでさえ予約待ち必至なところに、このシリーズは(というより海堂作品は)全部がリンクしているので
前後に飛んだり、メイン(田口・白鳥)以外のキャラが主人公となると間が空き過ぎるのと相まって
「誰だったっけ?(どんなことをした人だっけ)になるのがちょいと辛いところ。
が、医療モノとしてはエンターテイメント感充分だし(ただしこんな医者が主治医としたら…と
思わなくもないが)、サクサクと読めました。

…にしても、イマイチ体調が良くない;(気温差についていけてないのか?)

読了

2011-02-17 23:58:40 | 読み物
というわけで引き続き読書(というの?というブツも含むが)メモ。

「賢者はベンチで思索する」、近藤史恵氏

フリーターでファミレスに勤める久里子、そのファミレスに訪れる老人。
他人からは痴呆の毛があると見られているが、公園であった老人はそんな様子は微塵も感じない。
そして身近に起こる謎を解いたのはこの老人だった。

「人の死なないミステリ」というか人物(主人公)の成長する様にも視線が注がれ、
描かれているのでミステリというくくりでは無いかもしれない。
が、自分(や家族)の置かれた状況に悩む姿は、読み手を共感させるものがあると思う。
そして謎の老人(笑)の存在、彼は一体何者なのか?という点も引付けられる一冊。
…ある意味オッサン(老人なので年上すぎるけど!w)ホイホイな自分向け一冊か。

「ふたつめの月」、近藤史恵氏

上の本の続編にあたるもの。 
久里子自身も少しだけ成長し、前作の最後に正体が判明したものの行方が不明になった老人と再会する。
そして日常に起こる小さな謎を解く手がかりを老人は指示してくれる。

ミステリ、ではないのかもしれないが(日常の謎が個人的なものだったり、広く意味のある
ものではないため)、読んでいて&読後温かい気持ちにさせてくれる文章を書く方だなぁと思う。
老人の正体は分かったものの、まだ謎な部分を多く残しているので続編的なものがあればいいのになぁと思う。

「図書館戦争LOVE&WAR1~6」、弓きいろ氏

ご存じ「図書館戦争」シリーズのコミック版である。
本を読むより分かり易いというのもあるが、もしかしてこれを先に読んでないか、姉?(笑)
ま、3巻で本1冊分ぐらいなので少なくともあと倍の巻数にはなると思われる。
さすがベタ甘、少女漫画にしても全然違和感なしである。←誉めている
堂上、郁等のイメージはとってもあっている(特に小牧さん)がちょっとイメージと違った
と思ったのは手塚のツンツン頭だけか?
そしてここでも思った、誰が一押しか?と考えてみて玄田隊長!と言いたくなった辺りの
自分のオッサン好き度具合が、もうね…。orz

「レインツリーの国」、有川浩氏

もしかしたら前にも書いている…か?(確認したら約3年前に書いていた模様)
ということで、こちらは再読なのであっさりと終了。
丁度↑で重なる部分(小牧x鞠枝エピ)を読んだので読み返したくなった時に文庫化とか
商売上手過ぎるぜ!<最早本の感想ではない;

「ブルー・ゴールド」

2011-02-16 23:35:36 | 読み物
「ブルー・ゴールド」、真保裕一氏。

内容紹介
零細コンサルタント会社へ左遷させられた薮内之宏は、業界でも悪名高い社長の伊比大介と共に、
長野県の酒造メーカーを大胆な手法で手に入れる。
だが2千億円の巨大取引成立寸前に横やりが入った。
その所有地の土壌汚染がテレビで告発されたのだ。
一体誰が何のために!? やがて予想もしなかった巨大企業が薮内たちの前に立ちはだかる!


これの予約を「天使の報酬」と勝手に勘違いしていました。<考えたらすぐに分かることなんですがね;
それは置いておいて。

タイトルの「ブルー・ゴールド」=水のことです。
タダで水が使える(=上水道が整備されている)ということを当り前に思っている自分
(や、多くの日本人)にとっては「水が非常に貴重なもの」ということがイマイチピンとこないですが、
こう提示されてみると確かにそうなのかと。
まだ水道が整備されていない国にとって、水は貴重な物、そして整備事情を巡っては諸外国
(の企業)が自分の利益を(その地に生活する人々の意よりも)優先させている実態がある。

ということで水に有害部室が含まれているデータから酒造メーカーを手に入れ、
取引を成立させようとした一会社がその本質を追ううちに大企業の思惑に気付き
何とか逆転をはかる!という筋なのですが、どんどん話が壮大になっていき、
そして(自分の頭ではw)難解なところもあるのですが、ミステリ風でありつつビジネスマン物語
でもある、その二つを上手く書いているかなぁと。
…こんな上司いたらやだけど、話を引っ張っていく上では魅力的なキャラであるし、
エリートコースから外れたと腐った主人公が次第に仕事そのものに対しての熱意を
持っていくところもいいなぁと思う、思うのだけれど、話が大きい割にその根幹が
私怨(に近い)だったのはちょっとオチとして弱いかなぁとは思う。

「ダーティ・ママ!」

2011-02-01 23:48:39 | 読み物
「ダーティ・ママ!」秦健日子氏

内容紹介
映画にもなったベストセラー《刑事 雪平夏見》シリーズに続く待望の新シリーズ!
43歳のシングル・マザー刑事・丸岡高子が1歳の愛息・橋蔵、新米刑事・葵と共に事件解決へひた走る!
爽快感120%の全3話。


ということで上にもあるように「アンフェア」の原作者の人である。(というか脚本家ですね)
どうでもいいことですが、「子」が付いているからと勝手に女性だと思い込んでいた自分;

刑事課への異動命令によって婦警から刑事へと変わった葵だったが、初日に彼女の目の前に
現れたのは子連れで出勤・捜査をする刑事丸岡だった。
犯罪すれすれの丸岡の捜査方法、赤ん坊の子守りと振り回される葵とのコンビが3話収録されています。
まず印象に残るのが、「母は強し」ということ。
今の働く母親の問題(保育所の数、時間的、物理的負担)を抱えていながらも、
子供と共に捜査に乗り出す丸岡のパワフルさが伝わってきます。
最初は強烈な印象過ぎて(あまりよくないイメージの)ちょっと苦手かなと思いましたが
コミカルな描写が混ぜられてもあり、ちらりと見せる本音(弱音)や子に対しての愛情の深さに
次第に応援したくなる、そんなキャラです。
相棒(子守役!?)となった葵も恋人との擦れ違いに悩み、規格外の上司に振り回され、
それでも段々と刑事としての自覚を持っていく姿はこれまた健気で応援したくンります。
事件や抱えている問題は深い、暗いものもあるものの、全体的にコメディっぽく書かれているところ、
また子連れ刑事という有り得ない設定でフィクションと捉えて楽しんで読むのがいい本かなぁと。


今日、比較的暖かいのは良かったのですが、換気ついでに窓を開けたら速攻鼻水が出てきたんですが;