短歌：傷（閏）

目覚めたら隣の部屋にいた朝の乳首の上の切り傷の筋




Hail Sathanas.

短歌：ボタン（閏）

フィッシングサイトに飛んで戻らないボタンに刻む「ここをクリック」




Hail Sathanas.

短歌：込（閏）

内回り先頭車両に陣取っていざ駒込駅二重階段




Hail Sathanas.

短歌：母（閏）

いつも誰か男を家に呼んでいて小１のとき出て行った女（ひと）




Hail Sathanas.

短歌：家（閏）

新潟や千葉、茨城にとどまらず福井にもあるホワイトハウス




Hail Sathanas.

短歌：先進国（閏）

仕事場へ向かう電車が命がけ先進国ととても呼べない




Hail Sathanas.

短歌：霞（閏）

使わせて内容傍受できるかな「霞ヶ関」と名付けたＷｉ－Ｆｉ




Hail Sathanas.

短歌：田（閏）

タマちゃんは氷山の一角でした田園調布１－５７




Hail Sathanas.

短歌：初夏（閏）

初夏に皐月病を患ひて杜鵑さながら飛びし新卒




Hail Sathanas.

短歌：階段（閏）

さつきやみ無人の暗き仕事場で何か転がる非常階段




Hail Sathanas.

短歌：兜（閏）

鞄から鎧兜の小刀を押収されたる小三の春




Hail Sathanas.

短歌：列（閏）

九十九橋今月28日の武者行列に振る手の稽古




Hail Sathanas.

短歌：魔法（閏）

平成が終わりガラケーが消えても矍鑠たり魔法のｉらんど




Hail Sathanas.

短歌：足（閏）

朽ちかけの注連縄憂う玉かぎる南足柄夕日の滝の




Hail Sathanas.

短歌：元（閏）

某処への架電は常に深更の水元公園電話ボックス




Hail Sathanas.