短歌：台（閏）

高館山展望台の白影から最近消えた気のする頭部





Hail Sathanas.

短歌：バス停（閏）

真夜中の八木山橋はバス停が戻っています真っ赤になって




Hail Sathanas.

短歌：ナビ（閏）

真夜中の信号待ちでカーナビの指す我は凄い速度で海へ




Hail Sathanas.

短歌：路（閏）

我路円形校舎の螺旋階段で溺れた日から軽い右肩




Hail Sathanas.

短歌：額（閏）

出張先ホテルの部屋で額縁に隠されていた赤いタスケテ





Hail Sathanas.

短歌：信（閏）

信頼は実績でしか生まれぬと喚く上司は認知症気味




Hail Sathanas.

短歌：ボタン（閏）

ひとつだけ古いエレベータで光る無かった筈のＢ１ボタン




Hail Sathanas.

短歌：羊（閏）

嘗て神として愛され手違いで悪魔になったメンデスの山羊





Hail Sathanas.

短歌：約束（閏）

約束に破る権利がある故に破ったときの約束したり





Hail Sathanas.

短歌：倉（閏）

内の倉ダムの近くのトンネルを歩いた日から重い右肩




Hail Sathanas.

短歌：操（閏）

神でなく自己と向き合う４週で信仰は消ゆロヨラの霊操




Hail Sathanas.

短歌：黒目（閏）

映像や写真に於ける黒目度で大体分かる霊の年代





Hail Sathanas.

短歌：個（閏）

個人認証システムを鍛えるべくデータベースに溜まる変顔





Hail Sathanas.

短歌：好きなひと（閏）

首筋の蛙の手形翻し直向きにエコ唱えし乙女





Hail Sathanas.

短歌：輪（閏）

親指と人差し指で作る輪はもう冷たくてもう会えなくて





Hail Sathanas.