ファンタジーノベル「ひまわり先生、事件です」

小さな街は宇宙にリンク、広い空間は故里の臍の緒に繋がっていた。生きることは時空を翔る冒険だ。知識は地球を駆巡る魔法の杖だ

第7章連載≪10≫「ひまわり先生、大事件です。徹と太一が黄色い狂気にとり憑かれています…」

2015年12月28日 | ファンタジーノベル

★登場人物の紹介★淳子編★
 夏目淳子も多摩川小学校に通う、徹たちのクラスメートです。淳子の父の夏目航平は、小さな町の印刷工場を経営する。昔は大手の印刷工場で印刷機のオペレータをしていた。印刷の世界は昔は今と違い職人の色彩感覚と経験の世界でした。印刷のインクは色の三原色、マゼンダ、シアン、イエローを何パーセント混ぜるかによって、印刷の色調は決まってきます。以前は、印刷職人のヘラの先で分量を調合していた。今はコンピュータによって色彩とインクを自動的に調合できるようになった。だから航平も、どんな難しい色彩の印刷も調合できる自信があった。冗談で、「俺は、紙と透かしさえなければ、本物の紙幣をそっくりに印刷することができるぞ…」と、富田工場長と話していたことがある。富田は淳子の叔父で、淳子が生まれる前からこの工場で働いていた。この工場で働く前に、どこで何をしていたのかは、航平以外町の誰も知らなかんった。ただ、幽玄寺の玄遊和尚だけは、既知の人間であるようです。時々、和尚と戦争中の満州の昔話をする時もあった。果たして二人が満州で、、満州の何処で何をしていたのかー、二人の懐かしい中國時代の談話の中に入れるのは、トキ婆さんと多摩川小学校の校長の三宅平八郎だけかもしれません。

10年後の彼女は、大手出版者の編集者になっていた。その後、小さな出版者を独立させ、文化革命の時、みんしゅ地下組織を作って中国の運動家の亡命を援助した。東南アジアの文化を紹介する出版物を主に発行。富田工場長の紹介で、妙に中国のアンダーグラウンドな人脈を持っている。

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ひまわり先生の子どもたち…、君子、悟、美佳、太一、徹たちの6年2組の新聞班は、誘拐された勇樹を捜すために、10年後にもう一度、小学校の桜の古木の下に帰ってきた。5人は固く手をつなぎ、桜の満開の下で、今この時の再会に、それぞれの顔を見合いながら感涙した。時の経過と共にお互いか失ったものに哀しみ、世界を彷徨い探し続けた末に見つけた心の糧がここにあったことを頷いた。多摩川小学校には、町に住む茜や龍や緑や源太たちの仲間がいた。

小さな街は、宇宙にリンクしていた、そして、広い世界の先は、生まれた街の臍の緒に繋がっていた。生きることは、いつも時空を翔る冒険だ。知識は、地球を駆巡る魔法の杖だ。見つけたものは、地球を闊歩した巨大恐竜の足跡とグーテンベルクと戯れる蝶だった…

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 二人の無惨な姿が発見されたのは、辺り一面が黄色で染められた広大なひまわり畑の耕地の畦道であった。徹は唇を大きく切って血を流していた。顔のいたるところに青黒い痣を残していた。洋服は泥だらけで、太一のほうは鼻から二筋の血を垂らし、上着のボタンが挽き千切られていた。大きくはだけたシャッツの胸を激しく上下させて、口からは、息をぜいぜい言わせ、空の一点を呆然とを見つめ、ひっくり返っていた。二人の姿は、畦道の傍らに大の字になって倒れていたところを見つけられた。

 のんびりと散歩をしていたひまわり先生と遊雅が、二人の姿を偶然に見つけた。いや、厳密に言うとひまわり先生と仲睦まじくデートをしていた遊雅が、熱い抱擁の後に口づけをしようと畑の茂みの中へ誘ったとき、二人を偶然に発見した。妙な物体に驚いて駆け寄り、抱き起こして介抱した。

 その時、二人は、自分たちが今、何処に居るのかさえ分らなかった様だ。黄色い壁に囲まれた畑の中で、茫然自失の状態で周囲を見回してた。徹は今どうして、遊雅の腕の中にいるのかさえ分からなかった。太一は、ひまわり先生が、どうして頬を叩いるのかさえ理解できなかった。二人から経緯を聞くと、黄色いひまわり畑の中でふざけ合っていたが、それ以後のことは説明が出来ないようだ。ひまわりの黄色が視界を支配して、意識が黄色に染まった、そして、我を失ったようである。幼稚園の頃より仲の良い二人だけに、頭を撫ぜたり叩いたり、大相撲の取組を真似たり、柔道の金メダリストと、グレース一族の柔術の格闘ショーのように、技を真似てかけ合って、じゃれあいをしていたのである。太一が体重をかけて徹を地面に倒した瞬間に、柔道の巴投げを真似て、徹が太一を後方に投げ飛ばした。徹のふざけた格闘技の技が見事に決まって、太一の体が空中にふーと浮いて、ドスーンと地面に投げ飛ばされた。太一は笑いながら徹に駆け寄り、釣り舟と戦艦ほどの違いのある大柄の自分の巨体を、徹に衝突させて押しつぶした。徹も息苦しいので、無我夢中で身体をもがきながら、手足をバタバタさせて、太一の顔を叩いたり、引っ掻いたり抓ねったりした。ひまわり畑を、ごろごろ二転三転と転げ周り、気がついた時には、泣きながら殴り合いをしていたそうである。

 太陽の光に向かって花びらを開花させる、ひまわりの黄色の狂気がとり憑いたとしか言いようがない。泥だらけの胸にも顔にもズボンにも、いたるところに極彩色の黄色い花びらが、プリント柄のようにくっ付いていた。地面に寝転んでいた二人を抱き起こした時に、お互いの間に何があったのか、まだ何がなんだか、ぼんやりと目は空ろ、お互いを探る目で見ていた。ひまわり先生は、「さあさあ、いつも仲のよい二人なのに?…」と、二人の顔を不思議そうに覗いて、尋ねた。二人は笑うにも笑えず、泣くにも泣けず、ひまわり先生の質問にただ、当惑するだけだった。10分前に自分たちの間に起こった事件に納得のゆく説明さえ出来なかった。遊雅は二人を、宇宙の未確認物体のように見ながら、「人間の心は、いまだ宇宙の果てのように広大無辺で、神秘に満ちているものだな。理性の裏に、いまだ荒々しい自然が隠れていて、その荒野に黄色い花が狂い咲きしたかな?」と、謎めいたことを呟いた。

 数日後、遊雅が謝るように、「この前はとんだデートになってしまったね、ひとみ先生を畑の中に誘った時だったよね。二人の時間があそこで止まったままだな…」と、もじもじと申し訳なさそうに、所在なげに言った。2人の間にはまだほのぼのした、古典的な恋愛が進んでいるようだ。徹が遊雅のキューピットとなり、2人の間に何通かのラブレターがと往復したようだ。その後で、ひまわり先生とは、幽玄寺の万葉植物園で初デートをしたようだ。でも遊雅とひまわり先生の思いでのファーストキッスは、太一と徹によって邪魔をされてしまった。そんな事よりも、さっきから太一と徹の間に起こった喧嘩騒ぎが、二人の間で話題になっているようだ。「遊雅さんは、きっと学校教育が悪いと思うかもしれませんね。子供は大人に成る未熟な段階ではなく、子どもには子供の精神世界があるの。ただ単に大人の型をはめても駄目なのよ…」と、ひとみが教師らしい児童心理から理解としようとする。遊雅は、「僕はそんなことはいってないよ」と、素っ気なく否定する。すると、ひとみが拗ねたように遊雅を見る。遊雅が仕方がなさそうに、機嫌をとりなそうとする。「つまりはね・・・」と、ちょっと本気になって話し始めた。「・・・人間は所詮、神にはなれないのんだ。人間の脳みその中で、理性などほんの数パーセントの表皮だけで、残りは、人類の進化を遡り、類人猿や恐竜やシーラカンスの脳と同じ、原子的な脳を持っているんだ。子供心には、恐竜の残酷さと猿人類の生存の知恵とヒトの凶暴さが共存しているんだ。黄色いひまわり畑が心のバランスを狂わせたのさと、言っておく…・」と、遊雅らしい理屈を一気に吐いた。ひまわり先生もただ、男の言い分を大人しく聞いているだけのしおらしさの、可憐な乙女ではない。「弟の徹君のことをそん
なに冷静に分析できるもんなの、鼻血を出している弟よ…。ちょっとは心配ではないのかしら…」と、憤慨したように言い返した。

ひとみ先生は、遊雅に教育論で対抗した。「些細だことだけれど、生徒たちに狂気の振る舞いが現れているの…」と語り始めた。生徒が教師を殴るなどの校内暴力は過去にあった。クラスの弱いものを隠れて、いたぶる虐めもあった。教師への鬱憤や積もり積もった恨みを晴らすために窓ガラスを粉々に砕くような、破壊行為もあった。その程度では狂気とは言えない筈である。「…学級崩壊とはちょっと違う異質なもの、不気味な心の崩壊が、始まっている…」と、遊雅に助けを求める教育下現場を語り始めた。けれど、今、言った事が、ひまわり先生のめの前で起こっている気がかりな事なのである。激情の末に教師をナイフで刺し殺してしまう衝動的な反抗は、昔みもあった。しかし゜、突発的に教室内で奇声を発して駆け回る崩壊は、もはや異常さを通り越している。遊雅に答えを求めたかった。すると、遊雅がボソッと言った、「ダ・イ・オ・キ・シ・ンかも…・人類滅亡の序曲かな…」と。ひまわり先生は、その意味がすぐにわからずに、「えー、それは何なの?…」と、真意を聞き返した果たして先生がどれだけ理解できるのか疑わしいが、遊雅は、ダイオキシンが人間に与えた最悪のシナリオ、「メス化する自然」のダイオキシン禍を、何とか易しく解説しようとした。

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ファミリーマートでTSUTAYAが出店するって・・・、コンビニの店員が忙しそうだな。

2015年12月28日 | エッセイ


ファミリーマートでTSUTAYAが出店するって・・・アエーヒー・・・。今コンビニは、その名前の通りお店に行けば何でも棚に揃っているー、何もかも便利に買えます。でも、宅配の荷物を預ける人、肉まんを電子レンジで温めてほしい人ー、冷えた体を温めたくって、一杯100円のホットコーヒを注文する人ー、家でキャベツの千切りを皿にもって、とんかつを食べるために列に並んでいる人ー、それこそ新年に恋人の家へ急いでゆく途中に、ボウボウの髭を剃り忘れた若者が、使い捨てのカミソリを買おうと落ち着きなくレジに駆け込んでくる姿ー、これから初詣に行こうとカメラを片手に「電池が、あーいけない」と呟き乍らドアーを出ていく姿ー、コンビニの店員はたいへん忙しそうだな・・・。そのうえ、もしもTSUTAYAの文庫本をレジに持ち込む姿ー、そうそう、急いで電気料金の納入伝票片手に慌ててカウンターにお金を置く姿もありそうですね・・・。もしもツタヤになら置いてある、あのベストセラーの又吉直樹の「火花」を嬉しそうに買う姿・・・、誰でも一回や二回はツタヤにお世話になるだろうな。多分私はコンビニでツタヤの宅配レンタルのDVDを近所のファミリーマートで受けとり、ついでにおでんとビールを買うだろう―かな。イヤヤ、チョット妻が寝坊して朝食食べられなかった人やお弁当作ってもらえなかった人がいるならば、恋人の作ったような「愛妻弁当」や、肥った人には「とツタヤの«UBⅭ»店舗を見たいですーね。

高度経済成長の時代の生産―消費形態「大量生産ー大量消費」の時代であり、そこに流れる社会のメカニズムは「スクラップ―ビルド」でありました。でもーね、今はもうそんなことは言ってられないよね・・・。ツタヤとコンビニが一体型店舗になったならば、多分、「多種ー少量生産」で「リサイクルーリペアーーリニューアル」の社会システムに合った亜店になるんじゃないのかな…?コンビニの隅に小さなテーブルとアイスクリームや紅茶をそこで飲みながら一休みするのは、もうすでに新しい生活形態になっていますが、最近調子悪いんだけれども、「血圧」計るかなー、最近太ったみたいだから「体脂肪」計るかなー、人によっては「血糖値」なんか測定したい人も居るかもしれません…ね。彼氏との熱いデートを重ねた恋人同士ならば「妊娠検査」死体かもしれませんーね。そうだから、コンビニで『健康診断』ができるボックスがあったら便利かもしれませんーね。序に、役所の代わりに婚姻届けができたら、それこそ「便利な便利な」、ユースフルビックコンビニになりますーね!!!

私はNHKの子供番組はムー・・・、どの番組もお金がかかってますね!!!

2015年12月27日 | エッセイ


子供番組はムー、どの番組もお金がかかってますね!!!

あなたの印象に残る子供番組といえば? 特に、「みんなのうたは」はNHK人気番組です。「山口さんちのツトム君」はここから生まれたヒット曲です。子供向け歌番組から子供ばかりでなくて、JPジャパンポップスとしてヒットした歌もあります。間違えていたらごめんなさいー、フジテレビの子供向けの番組『ひらけ!ポンキッキ』では、例えば、斉藤和義の「歩いて帰ろう」はここで流れていたのではなかったかな・・・???古くは、『およげ!たいやきくん』は、この番組のオリジナルナンバーで、この番組からヒットした歌ですーね。

歌番組手ばかりでなく、NHKの色々な「もの」を繋げて力の伝道という物理学の原理を遊びにして教えるという子供の教養番組「ピタゴライッチ」は、物が落ちる、歯車が回る、球や円柱が転がる・・・大人が見ていても面白いです。物理の数式や難しい専門用語は使ってないが、自然や物理の現象を優しく伝えています。例えば、「にほんごであそーぼう」などもまるで言葉遊びをしながらもクスッと笑える洒落ことば、意外な言葉の使い方で、言葉の不思議さに驚く寸劇もあり・・・5-10分の短い番組の放送なのだが、これもお金のかかった子供番組です。そんなお金をたかが子供番組に掛けるのは、勿体ない・・・という意見もあるし、子供は将来の大きな視聴者、子供が味方になれば視聴率が安定する、放送局は先行投資しているんだといううがった見解もありますーね。

ただ会社の休みの時、お正月の暇なとき、サラリーマンのパパは、こどもとこんな番組を一緒に見るのも親子の新しい絆になりますーね。

第6章連載≪9≫「ひまわり先生、大事件です。自然の猛威が襲います…」

2015年12月27日 | ファンタジーノベル


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★登場人物の紹介★龍編★
龍は、アマノ電気店の息子、父は考古学好きで、恐竜の化石を日本で発見したくて、よく息子に多摩川の上流をつれ歩いていた。だから息子を「龍」と名付けた。そもそも、恐竜の発掘が、父と母の馴れ初めで、大学時代の発掘のアルバイトで、縄文弥生遺跡を発掘したことから知り合っていた。龍はメカに詳しく、パソコンを組み立てる程のパソコン好き。彼の2階の部屋は捨てられたオンボロ家電が転がっていた。自分で修理して、部品を交換して使えるようにしたものがあふれていた。

 もう一つ忘れていけないのは、龍は数学の天才でした。数学のオリンピックの、「国際数学競技会 IMC」の参加を控えていた。未だ日本に「フィールズ賞受賞者」がいないので、期待されていた。10年後の彼は、インドの高原に聳えるアメリカ系のソフト開発の情報リサーチ部のスタッフの一員として働いていた。インドの街角で、悟と偶然再会する。その時ちょうど、遊樹の誘拐事件を聞く。その時、龍が悟にこういった。「何故、世界から餓死する人が亡くならないのかー」「どうして地球から戦争がなくならないのかー」「何故、世界から子供の誘拐や虐殺がなくならないのかー」…、それらの難問を解決するのが経済学であり、政治学であり、犯罪学の使命ではないのかな。「だから、悟よ、知識は人類の魔法の杖でなければならないんだ」。人類は恐竜から猿人類へ、ネアンデルタール人から人間にまで進化できるのかーな。でも、歴史の進歩って何なのか、人間の脳はそこまで進化できるのかな…。

 彼は近頃、人間の脳生理学に関心を持っていたー。人間の未来社会がどうなるのか。人間は社会という殻の中で生きるように順応してきている。人類は、猿から人間に進化した時に、社会と集団とタブーとルールを作ったが、社会環境の中でしかもはや生きられなくなった。だから、社会制度とシステムの進化は、人間の脳と感覚と内臓に依拠していると考えている。そこで、人工知能を持ったコンピュータとマイクロマシンに興味を持っていた…


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ひまわり先生の子どもたち…、君子、悟、美佳、太一、徹たちの6年2組の新聞班は、誘拐された勇樹を捜すために、10年後にもう一度、小学校の桜の古木の下に帰ってきた。5人は固く手をつなぎ、桜の満開の下で、今この時の再会に、それぞれの顔を見合いながら感涙した。時の経過と共にお互いか失ったものに哀しみ、世界を彷徨い探し続けた末に見つけた心の糧がここにあったことを頷いた。多摩川小学校には、町に住む茜や龍や緑や源太たちの仲間がいた。

小さな街は、宇宙にリンクしていた、そして、広い世界の先は、生まれた街の臍の緒に繋がっていた。生きることは、いつも時空を翔る冒険だ。知識は、地球を駆巡る魔法の杖だ。見つけたものは、地球を闊歩した巨大恐竜の足跡とグーテンベルクと戯れる蝶だった…

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関東地方に降った大雨は、煤煙で煤けた大空を透き通ったシーツのように洗い流し、台風の強風は、散水バケツを庭の隅に吹き飛ばし、木をなぎ倒して、多摩川町の路上をゴミだらけに荒らして通過した。地震の被災地もまた、台風に襲われ、北陸から東北地方は、災害のダブルパンチで、相当なダメージを与えたようだ。学区内の街も相当荒れ果てているので、ひまわり先生も心配そうに、「昨日の台風は凄かったね。多摩川町も台風の影響を受けて、商店街の看板が飛ばされたり、庭の植木鉢が大水で流されたようね。みんなの中で、被害にあった人はいませんでしたか。私も帰り道に傘を飛ばされて、ずぶ濡れになりました…」。大地震の後の、さらに嵐の襲来とあっって、今朝のひまわり先生の話題には、容赦のない自然に対する人間の弱さという、やや哲学っぽい表現が多かった。

「…人間の肉体は弱くて、凶暴な自然に対しては脆くて、無力なものね。まったく、本当に。ロケットは、宇宙空間に飛び、数千メートルの深海を潜水にすることができるというのに。その上、人間はとうとう、遺伝子操作によって神の領域を超越したのに。でも、自然の猛威には手も足も出ませんね。無力なものね。まったく、本当に。さて、今日はいい天気で、気持ちがいいですね。今日から救援活動をいたしましょう…」。
 すると突然、龍が手を挙げて、「先生、僕は昨日、父の仕事の手伝いをしました。都会に住む人は、自然の脅威を忘れています。お蔭で昨日は、停電になった家から、急いで懐中電灯を届けてくれとか、災害情報を聞く携帯用ラジオは売っていないかと、電話が鳴りっぱなしでした…」と、言った。

いつにもない龍の饒舌に、ひまわり先生の軽い駄洒落が飛び出した、「風が吹くと桶屋が儲かると言うけれども、台風が来ると電気屋さんが儲かるのね…」。すると、どういう訳か、茜が龍に声援を送った。「見た、見た、見たわ。昨日の大雨の中を、龍君が車に乗って商店街のバス通りを勇ましく突っ走るのを。みんなが遊んでいる時なのに、龍君って大変ね!」と。みんなからブーイングが聴こえた、「スミレ、ちょっと褒め過ぎじゃーねえかー。次の学級委員長は龍で決まりだな…」。茜はミス多摩川と言われるほど愛くるしい美少女です。小学校4年生の時、母の弥生が娘を自慢したい余り、雑誌に写真を送って、商業雑誌の表紙に載ったことがある。その時は、≪フラワー弥生≫の店先には、茜を撮ったグラビア写真が、歳末大売出しのように、花屋のショーウィンドにベタベタと貼られ、茜の誕生花のスミレが店先で配られた。町中を巻き込んで大騒ぎをした。それ以来、秋葉茜はスミレちゃんと呼ばれている。「スミレ、お前達二人はなんか、怪しいぞ。エーそうか、うだったのか…」と、太一もみんなに便乗して茶化した。クラスの半分が爆笑して、半分の女の子が太一を睨んだ。小6年の女の子は、もうおとなの女性に近づいていて、十分にリリックである、言葉に喜び、言葉に傷つき、言葉に騙され、言葉が運命を左右する。先生 再び龍が言った、「使えなくなった中古の電化製品を修理して、災害地に送ったりしたらどうでしょうか?新しい電化製品を買ったお客さんが、まだ使えるものを処分してと、山積みにしてあります。先生、できるでしょう?…」、と質問した。さっきから何か言いたくてうずうずしていた君子が、教室の後ろの方から立上って、漸く私の出番よ、といった顔で手を挙げた。「先生、町内の幽霊屋敷に使い古されたテレビや冷蔵庫が捨てられています。家電リサイクル法が始まってからなお更、粗大ゴミの不法投棄が増えています。刑法何条とか、不法投棄をすると罰金いくらとか、看板が書いてあってもいっこうに減らないです…」と、尻切れトンボの発言をした。どうやら、龍の言いたい事は、不法投棄された廃家電も修理して救援物資として送ったらどうだと、いう提案のようだ。君子の父親は、地元の警察署の警官なので、街の犯罪には君子も敏感である。茜と同じように、君子も龍を応援しているようだ。龍が何かに反発するように、「…安くて壊れやすいものを大量に作って、大量に販売する時代は終わったんだ。メーカは地球を壊さない丈夫な電化製品を作り、消費者は高くても愛着の湧くいい物を買うほうがいいんだ。だから、旧いものも修理して最後の最後までぼろぼろになるまで使うんだよー。簡単に壊れて、安易にリサイクルすれば言いと考えるのも間違っているんだ…」と、言った。

 教室では、普段、算数の問題を黙々と解いている龍だが、高倉健のようにはにかみながらも、言うことはなかなかに、理窟っぽく、ピンと筋が通っている。それが近頃の龍の魅力になっている。スミレがまた龍の方に顔を向けながら、うっとりとまどろんだ瞳を光らせながら言った、「先生、龍君はどんな故障でもすぐ修理してしまうんです。ラジオでも、パソコンでもたちどころに部品を集めて図面を見ながら組み立ててしまいます。龍君はエジソンみたいです…」。スミレのほめ方はやや大袈裟だ、どうやら茜の片思いのようだ。今の父は、テレビや乾電池や電子レンジを売っている電気屋の店主だが、昔は、外国のプラント建設に何ヶ月も出張する、大手ゼネコンの設計エンジニアであった。今の龍は、父を超えてしまうほどの電気知識を見よう見真似で覚えてしまった。

 そろそろひまわり先生の出番である。「龍君凄いわ、先生もその通りだと思う。資源リサイクルの時代が来ているのにね、壊れたら捨てる…、新しい商品がコマーシャルされたら、つい買ってしまう。大量生産、大量消費の時代ではないわね…。古い物を捨てて新しいものを買い換えるライフスタイルが、生活感覚に染みつ付いてるのねー!それにしても龍君の提案は、多分、今のリサイクル法の中では、ちょっと無理があるか知れない。廃家電と中古家電の区別があって、難しい問題がありそうだわ?洗濯機や冷蔵庫などの家電は、お金を払って古い家電を処分してもらってのがリサイクル法。だから、…先生もちょっと調べてみる…」、とやや困惑したような説明をした。

 翌日の朝刊には、関西の大型家電量販店が、客から回収した家電リサイクル製品を、闇ルートを経由して大量に中国に輸出されたと大々的に報道された。そしてローカル版には、小さく、多摩川小学校と商店街が、地域ぐるみの救済支援物資を東北へ送ったことが掲載されていた。
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歴史上で好きな人物は誰ですか?えー、皮肉にいえば橋下徹元大阪市長カナ?!…

2015年12月26日 | エッセイ
 
橋下徹にはどんな優秀な選挙参謀やブレーンやシンクタンクがついているのか、わたくしはよく知らないですが、たかが一弁護士、それは島田紳助の司会でお笑いも混じった、突っつかれ弾かれネタにされて弄られて、只の弁護士先生が法律も詳しい「タレント」、最近のクイズ番組の人気東大・京大卒業の「芸能人」のように、断片的な知識と教養も豊富な橋本先生となってしまった…。裏にアレレレ、吉本興業や芸能企画のプロがついていたのかな???と思われる大阪市民の心と「一票」をわし掴みにしてしまいました。ただの弁護士が、いつの間にか「野心」と「権力」と「政治力=パワー」と「権謀術数」に長けた、坂本龍馬モドキの維新の党の政治リーダになってしまった…、牙を隠したまるで市民の味方の、下心のある「スケコマシ」のような正義の味方になってしまった・・・のです。私はそんな偉大な弁護士兼政治リーダ兼芸能タレント兼闘う平成の「政治屋」を尊敬したいです・・・。わたくしは橋下徹さんが早く政界から引退して、政治家としても身を引いて、地味な法律家として法律事務所の片隅に座り、借金に追われた中小零細の倒産した社長のために、病院の支払いに困った病気を抱えた生活保護家庭の貧しい一家のために、将来も夢もあるが、法律にも疎く社会経験も浅い若者がブラック企業に脅かされて、残業代も深夜労働も長時間労働も耐えても、なお無給で会社を辞めさせてくれない悪徳企業に「法律」を武器に鉄槌を与えて、声なき人々の相談に乗ってほしいですーね!!!それでこそー、歴史上の伝説的人物としてに残るんですよーね。そうだからこそ坂本龍馬の「船中八策」を掲げることができるのですーよ。自民党政権の見方ばかりして、司法の独立なんか忘れた、淀んだ法律・立法府に対して、「それは許されない!」と法律の新体制を胸を張って、任侠のような法律家の啖呵を切れるのですよ・・・

それなのに、新党「おおさか維新の会」を結党して、「維新の党は終わった」などと言いながらも、その陰で自民党官房長官と何やらコソコソ密談するようでは、わたくしは、尊敬する歴史上の人物というよりも、油断のならない法律家ーとしか見れないですね。庶民を軽蔑しながら「牙」を隠して、「野心」と「権力」と「力」と「権謀術数」に長けた怪物としか見れないですね。自民党官房長官と何やらヒソヒソと「どうだね!安倍総理の次に総理大臣の席を空けておくけど…、橋下総理になってみないかーね」などと闇取引して密約、「自民党と公明党とおおさか維新の党が三本の矢として結束すれば、3/2の議席も取って、憲法改正もできるんだけれどもねー。どうかねー、そのためには衆参同時選挙の大作戦をするよ…」と約束を交わしているようではね…。