ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

母子別室は子育てに影響する

2008年10月29日 | 母子別室
産後の一週間を、「デラックスホテル並みの豪華施設でフランス料理を食べ、赤ちゃんはベビー室に預け、母親はエステで一生の思いで作り」と言うようなみせかけのきらびやかさと、安楽さが持てはやされています。
そこには産後の一週間が母と子に絆つくりに必要な母性を育み時です。
さらには母乳の確保にとって特異的な鋭敏期とも言える大事な一週間であることを忘れて、自分の生活を満足するという人もいます。
医療者もお産の疲れを癒すために、ということで推奨しているのも事実です。マタニティ雑誌はそのような病院を推奨しています。
これらのお産を「ブランド出産」と言う人もいます。笑止千万である。

別室制の施設で教えられた赤ちゃんの扱いを、最良の育児法であるかのように錯覚して、
帰宅後もそのやり方をまねて育児するのが実情です。
その結果、育児不安を誘発します。
多くの場合、3時間おきの授乳をさせられる。
母乳哺育は、頻回授乳が基本である。
親が出すのではなく、赤ちゃんが出すのである。

赤ちゃんの扱いと母乳哺育による母性が完成されないからです。
母と子の絆がつくられないと「可愛いはずなのに愛せない」と悩む母親になってしまいます。

「最初の一週間」は育児体験を持たない、核家族化する今日の妊婦さんにとっては、育児実習のゴールデンタイムでもあるわけですが、この人生の始まりにおける一瞬の手抜き、うっかりした瞬時の息抜きが、一生の悔いになります。

多くの赤ちゃんは天国のような胎内生活を経験し、産道ではこれまで経験したことのない痛みや苦痛の試練を経て、新しい生活が始まります。それまでの暖かく宇宙遊泳のような楽しい世界と比べて、この未知の世界は騒がしく、まぶしく、寒く、そして重力のある、不自由な世界です。

心ない病院では、形ばかりの母との出会いを終えると、直ちに新生児室へとつれていかれます。突然の環境の激変です。そこでは心を慰めてくれる懐かしい母の匂いも温もりも、そしてやさしい声も聞こえてはきません。不安を訴えても誰も答えてはくれません。更に空腹を訴えても決められた時間が来るまで、その欲求は満たされません。加えて新生児室では、おっぱいからの直接の授乳時のように、五官を通じて行う互いの心の交流は望むべくもなく、多くの場合一定に時間を決めて、しかも哺乳瓶による「くわえのみ」で牛のお乳が与えられます。おしっこや排便でオムツが汚れて不快を訴えても誰も答えてくれません。どんなにメッセージを送ってもお母さんは現れてくれません。誰一人として不安や不満、そして甘えを受け入れてくれません。このように出生直後より赤ちゃんの生理や欲求を無視し、大人のルールを 守る事を強制した扱いに、やがて赤ちゃんはメッセージを送る事をあきらめ、
人との交流・・・例えそれが自分の母親であっても・・・お互いのコミュニケーションを取りやめてしまい、自分の殻に閉じこもります。サイレントベビー予備軍の誕生です。

皆さんの大切なお子さんのために、見せ掛けのきらびやかさにまどわされずに心の豊かさを、母と子の間に育まれる基本的信頼と心理的一体感と、母と子の共生生活へと向けて素晴らしい出発(たびたち)の場として施設を選んでください。

見せかけにだまされるな。
我が子の将来を見据えて産むとこさがしをしてください。
あなたのためではなく。



コメント
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