星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(71) カナディアンロッキー物見遊山(1)

2007年08月29日 12時59分44秒 | Weblog

カナディアンロッキー(Canadian Rockies)への旅といえば、レイクルイーズとジャスパーを結ぶ、片道240キロのIcefield Parkway沿いに展開する雄大で荘厳な標高3000メートルクラスの山々や氷河を見ながらドライブし、レイクルイーズ(Lake Louise)およびコロンビア氷原(Columbia Icefield)あたりに立ち寄るのが一番ポピュラーな観光コースでしょう。海抜1600~1900メートルの高地を延々と走りながら見る、スケールの大きなパノラマは、それだけで充分に中身の濃い旅を演出してくれます。

折角ケロウナに長期ステイしているからには「ロッキーに行ったことがある」「ロッキーを見たことがある」だけでは勿体無いので、カナディアンロッキーの豊かな大自然に直接触れ、肌身に感じることのできるような体験をしたいとかねがね望んでいました。いわば、「物見遊山」の「物見」だけで終わらせずに「遊山」を楽しむチャンスの到来を待ちわびていたわけです。

ホノルルに住む息子夫婦とサンフランシスコで仕事をしている娘とが8月後半にケロウナに集合した機会に、久しぶりに家族全員でカナディアンロッキー方面に遠足に出かけることにしました。2泊三日と時間も限られているので「物見」中心のドライブとならざるを得ませんが、「遊山」の要素も盛り込みたいと欲張りな企画です。

初日はケロウナから200キロのRevelstoke近郊にある温泉Canyon hot springsに立ち寄り入浴して昼食を摂り、午後は宿泊地Goldenまでの150キロを合計5時間ほどで走る、比較的楽な行程です。とにかく国土の広いカナダでは一日6時間、500キロ程度は走破しないと遠出のドライブは出来ないと言っても過言ではないと思っています。走るだけで一日が終わってしまいかねません。でもこれに慣れると300キロくらいの距離はさほど遠く感じなくなってくるから不思議なものです。大自然相手には体力と気力が求められます。

初日の目玉商品「Canyon温泉」が、カルシウム系冷泉を40℃くらいに温めてはあっても、消毒の塩素の匂いばかりが鼻につく、「あったかいプール」止まりであったのは、想定内とはいえ、残念でした。でも、なかなか経験できない「遊山」気分が味わえたので善しとしましょう。

途中でMt.Revelstoke National Park, Glacier National Parkと二つの国立公園の看板だけを見ながら、「次には来るからね!」と約束しながら、カナディアンロッキーめがけて、愛車のサイドキックちゃんに鞭を入れ続けたのでした。

Golden市内で夕食を済ませ、今回の物見遊山の基地となる、カナダ気象庁を早期退職した夫婦が営むBB(Bed & Breakfast、朝食付きのペンションのような宿泊施設。詳細は別稿にて記す予定。)に到着。レイクルイーズに寄りながら、コロンビア氷原まで足を伸ばす往復600キロの定番「物見ツアー」を明日に控えて、早々に床につきました。

BBの主人に求められるままに、明日の朝食のメニューをキッチリと決めたことは言うまでもありません。


ケロウナ便り(70) 流れ星

2007年08月15日 06時07分00秒 | Weblog

日本時間で8月13日の夜空に流星群が見られるとの話を聞き、こちらの12日の夜に注目していましたが生憎の曇り空。一日遅れながらケロウナ時間13日夜半に流れ星を探しに出かけて見ました。

と言っても、出かける先はいつもの散歩コース、裏山の新興開発住宅地の空き地。ここには街灯も無く、星空を眺めるには格好の場所とかねてから目星をつけておいたのです。ところが行ってみれば空き地にもかかわらず治安のためか街灯だけが煌々と照っています。その街灯の光が届きにくそうな、一番暗い所にミニバンと普通のセダンと2台の車が微妙な距離を置いて停まっています。

一番暗いからベストポジションに違いない、「あそこに行こう!」と主張する女房を制して、女房より少しは世事に通じていると思っている私は、「いや、待てよ。暗い所が好きなのは流れ星ファンだけじゃないぞ」と大人の配慮を示し、100メートルほど先の道路沿いに車を停め、横から差し込む街灯の光を手でさえぎりながら流れ星を探し続けました。

気温12℃前後、無風ながらジャンパーが邪魔にならない程度にひんやりとした空気が流れる場所にとどまること半時間、車に寄りかかりながらも上空を長時間見上げたので首が痛くなったこともあり、長く尾を引く数個の本格的な流れ星にも出会ったので、「ま、こんなところかな?」と、腰を上げて帰ることにしたのです。

「怖いもの見たさ」というより、自分の判断の正しさを確認したくて、件の2台の車の脇を通ってみると・・・・、車中には人影も無く、ガラスは曇ってもいません・・・???

ミニバンの脇に置かれた何やら大きな物を挟んで大の男が二人ゴソゴソと動いているではありませんか。直径60センチ、高さ2メートルもありそうな筒状の物体がパイプで作った櫓の上に据え付けられていて、脇には折りたたみ梯子まで用意されています。暗がりでよ~く目を凝らしてみると・・・・、どうやら大型の天体望遠鏡のようです。

野次馬根性丸出しで車から降りた私は「流れ星を見に来たのか?」と素朴な質問。この寒空にTシャツ一枚で望遠鏡を覗き込む青年(中年?)は、仕事帰りにこうして星を眺めるのが趣味で、今日も3時間前から来ていると(多分)目を輝かせて答えます。

太陽の2倍の温度を持つナントカ星の、ハロゲン電灯に似た青白い光の点を見せてくれたり、あと何億年か後には消えてなくなる運命にある(dying star)ナンチャラ星が傘をかぶったように鈍く明るく光を放つ様子を、梯子に昇ったり降りたりしながら望遠鏡を調整してくれて覗かせてくれました。何やら暗がりで調べて「あと2分であの方角に人工衛星が飛ぶのが肉眼で見られるはず」との説明。どうやら天体に関するあらゆる情報の詰まった携帯データソースのようなものを暗い中でしきりにチェックしています。

趣味を通り越して病膏肓、「超」の付く「星オタク」に違いありません。「こんな時間に何時間も星を眺めているようじゃ、家族はいないな」「結婚も出来ないな」なんて、星を碌に眺めたこともないのに「星さんぞう」を名乗る私と女房は、なんともロマンの無い話題で盛り上がりました。

2台の車の正体は「ロマンを追う男達」で、世事に通じた私が思い描いた「ロマンスに耽る男と女」ではなかったのでした。カナダの大自然に接するにはまだまだ修業の足りない、助平なCity Boyなのでしょうか、私って? 


ケロウナ便り(69) Fishing License

2007年08月12日 01時30分50秒 | Weblog

シアトルに住む友達Gさんご夫妻ががケロウナに遊びに来て、カヤックを体験したいとのことで、かねて下見を済ませてあるDeeLakeに意気揚々と出かけました。標高600メートルのケロウナから山道を登り、標高800メートル近くあるに違いない湖面を渡る風は真夏とは思えないほどに涼しく、長袖長ズボンの上に着たライフジャケットが無ければ肌寒く感じるほどの気候です。

カヤックも鱒釣りもまったく未経験のCity Boys, City Girlsの5人ですから、「無理しない」をキーワードに、カヤック、釣り用ボートいずれも料金表で一番短い2時間のいわば「お試しコース」です。下見で顔馴染みになっている貸しボート屋のお姐さんが手際よく手続きしてくれます。手続きの最後は釣りの免許Fishing Licenseの購入です。さすがに「二時間免許」は無く、当日のみ有効の「一日免許」Day Licenseが最短単位です。Kちゃんは来たるべきサーモンシーズンにも使える40ドルの「一年免許」を、私は「一日免許」、税込みで9ドルを買って準備完了です。

とりあえず一時間後にドックに戻ってお互いの安全を確認しあおうと、カヤック組みと鱒釣り組とでエールを交換し合いながら夫々の道に漕ぎ出しました。

湖畔に沿ってカヤックを快調に漕ぐGさん夫妻を遠くに見ながら、Kちゃんと我々夫婦の3人は5人乗りボートにユッタリと乗って湖の中ほどに向けて御機嫌に進みます。 今日はスポーツフィッシングに徹して、何匹釣ろうともすべてリリースすることを確認し合ったことは言うまでもありません。

適当な所をスポットと決め込み、いざ船を停めようとしたとき、紐を引っ張ってスタートさせたエンジンの止め方を教わっていなかったことに気がつきました。ニュートラルで流すとエンジン音が魚を追いやってしまうので、船頭3人が知恵を絞り、チョークを引いてエンストを起こさせ、見事にエンジンを停止させました。文殊の知恵ですね。

サーモン釣り用のしっかりした釣竿に、買い込んだばかりの仕掛けを付けて、海底にいる深海魚を釣る「しゃくり」に似た釣り方で竿を上下に「しゃくる」Kちゃん。姐さんから借りた疑似餌付きの虹鱒用釣り竿で、何の予備知識もないままに放り投げてはリールで巻き戻すだけの私。如何にカナダの山奥の湖とは言え、こんな二人に釣られるようなアホな魚が居るわけもありません。 Lake fishingには早朝か夕暮れ時がベストと聞き、今日は時間とスポットが悪かっただけと、わが身の非を棚にあげる二人。スポットにとどまること30分足らずで釣り糸を早々に巻き上げ、残りの時間はボートでの湖面回遊に方針を変更する柔軟思考の持ち主です。

快調にオールを回転させていたカヤックの姿が見えなくなったので、先ずこれに追いつき追い越せとばかりにカヤックを追ったら・・・。な、なんと、二人とも岸に上がってこちらに向かって手をしきりに振っているじゃありませんか。腰が痛くなったのと、カヤックに入り込んだ水でズボンの裾を濡らし寒くなったので30分でリタイアして体験搭乗を切り上げたとのこと。Gさんは筋金入りのCityBoyアンドCityGirlですね。

渡りに舟、いや、遠来のお客様に付き合うのがホストの礼、とばかりに我々も陸に上がり、本日のメインイベント握り飯アンド玉子焼きの定番ランチに 突入です。

最短2時間コースで設定されている貸しボートが30分で返却されたのは前代未聞とあって、店のお姐さんもビックリ仰天。カヤック2艘とボート一台で・・・・、「う~ん、よくわかんないけど15ドル!」と大幅割引の太っ腹の姐御ぶりです。

さすがの厚顔無恥の私でも、さすがに「一日免許」から「30分免許」に替えてと真顔では言えず、冗談のつもりでポロッとこぼしたら、「時々来る検査官が厳しいから」と真顔で応えてくれました。本当にいい人ですねぇ、このお姐さん!これには我々も大感激でした。また来るからね~っ!! 

それでも、これからは我々はカヤックとLake Fishingの「経験者である」と胸を張って言えるんだから素晴らしい体験をしたものです。
 


ケロウナ便り(68) 蜂たた器

2007年08月11日 04時15分13秒 | Weblog

高度1900メートルのレベルストーク国立公園で蚊の大群に悩まされたのが嘘のように、ここケロウナには蚊がいないので助かります。空気が乾燥しているせいでしょうか。

虫に刺されたときのためにキンカンやらムヒは常備していますが殆んど使いません。蚊取り線香にいたっては箱から出してもいません。その代わりと言うわけでもないのでしょうが、蜂が多くて常に身の回りを飛び回っています。

蜂が近づいても無視するようにして、手で払いのけるとか、追い払うしぐさをしないようにと注意されました。こちらの追い払う仕草を、蜂は自分を攻撃する相手と見て反撃に出るそうです。そうは言われても、目の前を旋回し手足に触れんばかりに飛び交う蜂を気にせずに放置するのは至難の業です。ついつい手や帽子で追い払わずにはいられません。

先日ゴルフをしている時に、右肩口にチクッと痛みを感じ「あれっ?!」と思って右肩を触ったら、いつ何処からどう入ったか、シャツの中に蜂が入ったらしく指先にモゾモゾする動きを感知しました。次の瞬間にはその動く物体は背中に回り羽音を出しているではありませんか!これ以上の攻撃から逃れる為、「やべっ!」とばかりに大慌てでシャツを脱ぐのが精一杯で、当然のことながら犯人は取り逃がしてしまいました。指先でキッチリつぶし殺してからシャツを脱ぐ冷静な対応が出来なかった自分の不甲斐無さを反省していますが、それは結果論であって、蜂に刺された経験も無く蜂の怖さだけを聞かされている、インドア派のシティーボーイの行動としてはあれが限度であったのだと、自分に言い聞かせて納得しています。

一度刺されるのは問題ないが、二度三度と刺されると体内にアレルギー原が出来、体質によっては呼吸困難に陥る等のトラブルの原因になるから要注意との生半可な知識を聞きかじっている、アレルギー体質の私としては、これからの蜂の攻撃をいかに撃退するかが、いわば「命がけ」の課題です。気のせいなのかどうか、以前よりも私の周りに蜂が飛来する頻度が増えたような気がしてなりません。

そんな悩みを抱えるシティーボーイにお誂えの「Mosquito Swatter」なる秘密兵器が見つかりました。ピンポンラケットくらいの大きさの面に電線を張り巡らせ、単2の電池2本が生み出す電流で蚊を感電死させる、定価7ドルの簡単な電気蚊取器ですが、動きの俊敏な蜂にも効果抜群なのです。飛んでいる蜂に正面衝突させてもよし、追いかけるようにして後ろから接触させてもOKなのです。写真は正面衝突作戦の成果です。

蜂におびえていた私が、今や遅しと蜂の飛来を待ちわび、蜂の姿を認めるやいなやラケット片手に中腰に構え、膝を軽く折って「さあ、何処からでもかかって来い!」と臨戦態勢に入るのを、遠巻きに目撃して蜂が恐れをなしたのか、心なしか、寄りつく蜂が減ったような気がします。

これで家の周辺対策は出来上がりました。問題はゴルフ場はじめ野外での作戦です。臨戦態勢に入ったこちらの動きを察知した敵がどのような反撃体制を築き上げるかです。虫除けスプレーを振り撒くだけで良いのか、この「電気蜂取器」をゴルフバッグに忍び込ませるべきなのか。

アルルギー体質シティーボーイの悩みは尽きるところがありません。


ケロウナ便り(67) 体験入園

2007年08月06日 03時56分33秒 | Weblog

バーノンで日系三世Sさんが営むリンゴ園に体験入園してきました。10月末の収穫に備えて、この時期はリンゴの間引きをするのだが、人手が足りなくて遅れ勝ちとの話を聞きつけ、猫の手よりマシかもしれないからと、間引きの手伝いを志願したのです。

BCデイ(BC州の創立記念日)のからむ三連休(Long Weekend)初日の今日は、バンクーバーに住む息子さんも帰省するが、農作業は休まず平常どおりとのことで、9時集合を約束して出かけました。途中で朝食を済ませ、手土産代わりのドーナツをぶらさげて呑気に出かけたら、道順を間違えて約15分遅れてSさん宅に到着。

「まあコーヒー一杯飲んでから」と、作業前にお茶に呼ばれ、「これじゃ何しに来たのか分からない」と肩身の狭い恐縮のスタートです。近所に住む、ワーホリで滞在中の娘さんも加わって3人の臨時作業員はSさんから間引きのワンポイントレッスンです。

一つの枝先にたわわに実るリンゴ集団の中から、お互いに接することなく適度な間隔を保ち健やかに育つように、余計なものを取り除く作業ですが、これがなかなか難しい。育ち具合、色づき加減、虫食いの有無などなどをチェックしながら取り除くものを判断しながらどんどん進めるのですが、ゆっくり手を休めて熟考なんかしていたら時間がいくらあっても足りません。「本当にこれ落としちゃってで良いんだろうか?」と迷い、「あっ、ゴメン!お前を落とすつもりじゃなかったんだ!」と、間違って落としてしまったリンゴに謝りながら、Sさんの今年の収穫に悪影響の出ないことだけをひたすら念じながら、一時間強の朝の実習を終了しました。

息子さんのガールフレンドも交えて親子水入らずであったはずのランチに、我々二人の臨時作業員もお邪魔虫で参加。本当に「何しに来たんだろう?!」

これだけご馳走になっては手抜きは許されません。午前中の薄曇に比べて午後のセッションは27~8度の炎天下での作業です。午後二時からの一時間はSさんの奥さんを交えて4人での作業。午前中の経験で要領を飲み込んだ臨時作業員二人は、Sさんの口から飛び出す朴訥な東北訛りに耳を傾けるゆとりも出来ました。新潟から嫁いだ奥さんの思い出話を聞いたり、お互いの家族のことをペチャクチャと雑談しながら、あっという間に二畝の間引き作業終了です。

ご馳走になったランチもこれあり、臨時作業員としてはもっと続けようと本気で提案したのですが、「今日はロングウイークエンドの初日、この辺で切り上げないと周りの日系人仲間から『働きすぎ』と後ろ指差されてしまうから」と流暢な東北弁で冗談交じりの閉会宣言です。「毎日やるんだから、休みの今日はこのくらいにしておこうや」の一言は説得力に富んでいて、納得でした。

またまたお茶に呼ばれ、眼下のオカナガン湖を眺めながらベランダでおしゃべりの続きです。同世代の4人ですから話が合い、話が尽きません。

カナダ生まれのSさんは、戦後16歳まで宮城県ですごしてカナダに戻り、目の前に広がる18エーカーのリンゴ園を今日の姿に育てるまでの紆余曲折を、肩に力入れるでもなく、淡々と訥々と語ってくれました。各種農機具が目の前の広い農地に、一箇所に纏めることなく、ほうぼうに点在しているのを見て不思議に思っていましたが、「農機具に放火された時のリスク分散のため」と聞いて、農園経営の厳しさの側面を思い知らされました。

眼下の湖に生じる波の姿形から風の動きを予見し、遠くの山の上の雲から天候を予測するんだと言いながら、遠くに投じたSさんの穏やかな視線の裏に隠されている、我々には計り知れない苦労と努力の積み重ねの数々を想像したら、Sさんの顔がずいぶんと輝いて見えました。

呑気な臨時作業員は、庭で作った野菜をお土産にもらい帰路につきましたが、リンゴ一つあだやおろそかに扱うまいと肝に銘じたことでした。

それにしても、この秋の収穫時期が待ち遠しいような、怖いような・・・。
我々の「お手伝い」が「足手まとい」であっただけであれば許されもしましょうが、間引きが間違っていたら・・・・。

祈、大収穫!!!

 


ケロウナ便り(66) K.L.O.

2007年08月01日 10時20分14秒 | Weblog

ケロウナの中心部を東西に走る国道97号線(Harvey Highway)に平行して、南側の住宅街中心部を東西に走る「KLO Road」と呼ばれる道路があります。コミュニティーカレッジOkanagan Collegeのキャンパスがあったり、ケロウナを訪れるゴルファーの誰もが一度はプレーしたことのあるThe Harvest Golf Clubに通じる、ケロウナの主要道路の一つです。

ケロウナに住んだことのある人、自分で運転して回った経験のある人なら誰でも知っている(と、私が勝手に思っている)、ケロウナに相応しい語感(これも私の偏見と独断)に満ちた「KLO」。更に言えば「KLOを知らずしてKelownaを語るなかれ」とでも言いたくなるくらいに有名な道路なんです。(KLOから一銭ももらってません!)

スペルから察するに、ケロウナの歴史上有名な誰か三人の頭文字を集めたものか、この土地に由来する個人の名前の頭文字に違いないと推測していましたが、誰に聞いてもKLOの語源が分かりません。

去年の夏、レイクカントリーの北にある町「Oyama」の名前の由来を調べたときにお世話になったケロウナ図書館を思い出し、早速行ってみました。案ずるより産むが易し。地獄で仏。渡りに舟。こちらの気持ちを見透かしたかのごとき、ドンピシャの解説書「Street Names of Kelowna」が見つかりました。インターネットの時代にあっても図書館は情報の宝庫であり続けています。

二十世紀初頭にハイウエイの南東側、現在のコミュニティーカレッジがある辺りを開発するに際して、市当局から払い下げられる土地を買い取るために受け皿会社を設立する必要があったそうです。時の実業家、資産家三人が共同出資して、そのために設立した会社が「Kelowna Land and Orchard Company」。なんのことはない、その会社の開発した土地を貫く道路に、その会社の頭文字を冠しただけの、あまりロマンの感じられない結論でした。「片想い」していたお姐さんが、実は三児の母であったことを知ってしまった瞬間のような、複雑な気持ちに襲われました。

因みに、このKLO社はその後成長を続け、今でもケロウナで果樹栽培と観光客相手の営業活動を継続しています。http://www.k-l-o.com/index.shtml

ケロウナとゴルフが大好きで、日本からケロウナを訪れてゴルフを楽しむうちに仲良くなり、気心知り合った仲間数家族が、誰言うと無く、「日本でも交流しよう」となり、立ち上げた会が、名付けて「KLO会」。

毎年ケロウナにケーローとして一所懸命仕事する現役の多い「ケーロー会」、現役に支えられるネンキンマンには優しく対応する「敬老会」でもあります。ネンキンマン第一号の私が会長に納まったことは言うまでもありません。名誉職に弱いんです、私。

KLO会よ、永遠なれ!!