三陸海岸

疲れた。医師はうつ病と。定年前に退職し、海辺に終の棲家を建て、不登校生や出社拒否の青少年と東山画伯の道の絵の碑に通った。

東山画伯-21 

2009-08-27 03:00:20 | Weblog



満月の光りの路やひろごり来
道しるべ
   雲一つない未明の 夜空
  おりなす星たちのパノラマ
  蒼黒い大海原 濃い墨で描かれたような階上岳

   闇を破る 灯台の閃光
  暗夜 船舶を目的港まで案内する 道しるべ
  人間の余生の道しるべは どこかにある……はず

   深い雪の壁に進路を阻まれ 絶望のどん底に陥ったときがある 
  東山は エゴの魂を没却させ 清純な心(利他心)を蘇生させ
  ようやく初夏の 朝露を含んだ草原に立った

   早朝の薄明の中に 静かに息づき
  坦々として 在るがまゝに在る
  ひとすじの道

   この道を歩もう という意志となるものが湧き挙がり
  芸術性の高い求道の魂に昇華させ
  全作品の道標となった道 生きる指針となった道を描いた
  それが「道の絵」である

── ぼく(著者)も絶望のどん底に落ち込んだときがある
  這い上がり 希望の道を歩みたい……と
  何度も 祈願し 図書館の書を読み漁り
 
   ときには 坐禅をし また 血の吐くような修行もし
  魂の昇華を図ってきた

   東山画伯の随筆を 思い出し
  「道」の絵を観て
  モチーフとなった景観に溺れた

   最近 水平線から昇る太陽のおりなすパノラマに浸り
  心の奥に浮かぶメッセージを太陽のささやきと享けとめ
  道しるべとして 導かれ
  海辺を終の棲家と定め
  やっと充足感の満ちた生活が始まった

   いま 余白の人生
  画伯の魂の遍歴というよりは昇華に 思いを馳せ
  もう一度 「道」の絵に問いかけている

   本日も 岬の先端に佇み
  航く フエリーを眺め
  東山画伯の魂の昇華に 肖(あやか)りたいと祈念している



   目に視えない自分……(仏性)
  本来の自分と出逢えるような 予感
  心に 一本の灯が点った

仏性の目覚めありけり海は夏




たましひの遊ぶ宇宙や涼新た