三陸海岸

疲れた。医師はうつ病と。定年前に退職し、海辺に終の棲家を建て、不登校生や出社拒否の青少年と東山画伯の道の絵の碑に通った。

八戸の夜明け 30  家庭崩壊

2008-08-31 07:32:08 | Weblog

男児殺害
“大好きなお母さん”に奪われた未来
「仲いい親子が なぜ!」
八戸の新聞紙上に 大きな見出し


相次ぐ身内への凶行
八戸市上組町で 
会社員が 妻と息子3人を殺害 自分は自殺


08年1月
八戸市湊町で 無職の男性が他殺体で発見された
約2ヶ月後 長男を強盗殺人の疑いで逮捕
八戸市根城で 18歳の少年が母親と弟妹を殺害し
自宅のアパートに放火
 

こんな事件は 八戸だけの問題だろうか
現代社会では 親が子を虐待し殺し……が頻繁に起こっている
それが飛躍し 子が親を虐待し殺し……こんな世相となりつつある
悪魔と化した親や子が増え 家庭が修羅の様相を呈している


教育についての論議に入りたくない とブレーキが掛かったが
以前に読んだ中学校の小野寺俊克校長先生の書いた「苦悩の教育論」
──人間となること……が頭に浮かび離れない


この校長先生は 教育のあるべき姿を論じている
もしかしたら わが国の教育に一石を投ずることになるかもしれない
すがるような気持ちで再掲する


八戸の夜明け 29

2008-08-30 07:23:16 | Weblog



自然
浄土である
厳冬の海辺にも 浄土
山にも野原にも 浄土
混濁した人間社会の中でも
こころに浄土を描き 安住している高僧

美・芸術である
彫刻や焼物 絵画や写真などに比し
調和のとれた自然の美
荘厳なパノラマ

癒しの園である
花鳥風月
癒し 安らぎの世界
楽園である

裁きである
人間が山を征服した とんでもない
自然の法則に順応しただけ
体力を養っただけ
装置が故障すれば 忽ち遭難する
飛行機だって 墜落する
船舶も 沈没する

恵み・善である
自然は万物を生み 育てている
人は空気や水 山や海の幸 その他
自然のめぐみを受けて 生きている

魚一匹 人間は作れない
野菜一つ作れない
ただ 畑を耕し 種を蒔き 肥料を施し 雑草をむしり
あとは野菜の種の生命力
自然(太陽や雨)のめぐみを待っている
冷夏の年には 不作となる

ロマンがある
星空


潤いと安らぎを与え
勇気を呼びおこしてくれる
時には童心にいざない
ロマンの世界にみちびく

神秘である
科学で解明できないことは迷信?
とんでもない
宇宙には 未知の世界が展がっている
神秘性がある
楽しい夢や希望がひそんでいる

摂理がある
何億年 何十億年も
一秒の狂いもなく運行されている 宇宙
偉大な何者かの計らいのように 精緻
人のこころも肉体も 自然の創造物
人間の実際生活にも
摂理(自然・社会・生理の法則)が存在する
摂理に反すれば 裁きに遭う

大自然はいいなぁ……
十数年もひたることにより 安らぎが生まれてくる
人間性が急速に 回復していることに気づき
明るい老後となるに違いない……こんな確信が生まれた



八戸の夜明け 28

2008-08-29 07:51:36 | Weblog




黄金の光の路
太陽が日輪の光(か)げを 海面に遺し
水平線を離れた

海原に輝く金色の輪が
ふくらみ 楕円形となり
一部から こぼれ

細い光りとなってながれだした
光の路は ぼくだけを目がけて走り
ぼくの移動を追いかけてくる

もしかしたら
太陽の国へ案内してくれる 路かもしれない
すべての人は太陽の国から
生まれてきたのではないか

みんなが 太陽の子
みんなが 神の子
みんなが 仏の子
みんなが 善男善女

貴男も
貴女も
君も
みんな一緒に
太陽の国へいこう

太陽のように
明るく
温かく
万物を慈しむ人間となろう

社会の一隅だけでも
照らしたいものだなぁ









八戸の夜明け 27

2008-08-29 00:01:10 | Weblog




 迷 い
四十歳過ぎ 立ち止まり
図書館の本を読み漁った
魂の琴線に触れるものがなかった
仕事しごと
虚しさばかりが大きくなった

老いた母の傍にいこう
故郷に帰ろう と決めた
母はその直前に他界
悔い……

自然に親しみ
こころの豊かな老後を……
海辺に終の棲家を建て
『豊心館』と名付け
以来 十五年

いまも ときどき
老いて死を待つだけが
老後ではないはず……
と思考する日がつづいている

道の碑のまえに佇み
老後の使命は……
運命とは……
宿命とは……
東山魁夷の碑に問いかけている

最近 五木寛之著『林住期』を読んだ
古代インドでは 人生を四つの時期
「学生期」「家住期}と「林住期」「遊行期」に分け…… 
社会人としての務めを終えたあと すべての人が迎える林住期
もっとも輝かしい「第三の人生」のこと
一緒に輝いてみませんか








八戸の夜明け 26

2008-08-25 10:34:06 | Weblog



暁の光り
紅に染まる 水平線の一点
赤味を帯びた黄金の光が こぼれ
ポッと 紅の太陽の貌
ふくれるように 展がった

金色に光る冠状の コロナ
コロナの周りから放射する 紅の光
深く より深く澄みきった 紺碧の空
海原にただよう霞が 薄れゆく

気高きものよ……
胸の中で昂ぶっていく たましい
宇宙の無限の 慈愛の光りを全身に浴び
畏敬の念が湧きあがり 立ち上がった

だが 掌を合わせなかった
熱いものが 胸の底から込み上げ
涙となって あふれだした

目に見えない偉大な 何ものかに
すっぽりと抱かれているような
安らぎの世界……

暁光のシーンに
本来の自分が引きだされ
感性が研ぎ澄まされていたのか

何億年 何十億年 一秒の狂いもなく
毎朝出現する太陽
すべての生物を 生み育んでいる







八戸の夜明け 25

2008-08-25 08:03:38 | Weblog




秋 暁
暁光を浴びて
オレンジ色に染まる ながれ雲
歓喜の歌声が充ちてくるように 展がり
金色を含んだ朱の大パノラマ

紅のパノラマが
下層の千切れ雲に なだれ墜ち
地表に紅の波動を こぼし
海辺をすっぽりと 包み込んだ

真紅の暁光を宿す
森の樹々
岬の磯馴松
丘のはまなすの真赤な実

わが家の
二階の窓という窓から
緋い焔

空も海も地表も 一瞬 静寂
紅の楽園の真っ只中にいる ぼく

地上に現れたパノラマの ゆるやかな移動
森の木々の梢から滑り降ち 渚を通過し
洋上へ走り去った

あゝ
真紅の 大パラダイス よ







月見草君はネオンの花となり

間もなく枯れる定めの月見草 
君は波乱万丈の道を歩むのか……  

八戸の夜明け 24

2008-08-24 06:38:30 | Weblog





中村真一郎著小説家の休業
 文学者は自分と出会うために仕事をし
 そして一作ごとに
 新しい自分を発見する
 人間の魂というものは
 無限にわきでる泉であり
 生あるかぎり いつでも未知の姿を
 自分に開示してくれる
……が浮かんだ

だれでも辿り着く 『死』
この現実を踏まえ
詩歌を詠み
文章をつづり
霊魂を覚醒させ……

善なる自分 と出会い
本来の自分 と出会い
真の自分 と出会い
神? と出会い
神意? に沿って生きる 
それは教育基本法の教育の目的 人格完成をめざし……
教育の目標 国家と郷土を愛する……
死ぬまで『人格の向上』『国家と郷土を愛する心』を……
ぼくだけでも こんな生き方をしようと決めた

だが自我に 振りまわされ
道から外れ
価値のない苦労をし
わがたましいを穢(けが)してしまった

今からでも もう一度
人格完成と国家と郷土を愛する国民となるように
真剣に生きよう
これが 真に価値ある生き方ではないか

沖航くフエリーをながめ
水平線の彼方に
パラダイスを描き

人間のたましいというものは
無限にわきでる泉であり
……を期待し
老いを忘れ
今もわきでるたましいの叫びを
詩を真似た散文でつづっている

たましいの叫び……
何と不思議 なことか
時には 天啓のごとくに ひらめいてくる
そんなスポットもある
時間もある
清純な心となっていれば 聴こえてくる

再度 挑戦した詩らしき文……、
ひいきめにみても短文の散文の羅列である
だが その方が書き易いし わかりいい……と勝手に決め
書き改めている




八戸の夜明け 23

2008-08-23 08:06:02 | Weblog




 悩める友よ
夜明けの波打ちぎわの 濡れた砂を踏み締め
一緒に歩こう
何もいわずに……

脳髄に沁み込む 磯の香り
足元にひびく 波の音
リフレッシュしたら
一緒にスキップしよう

太陽や星 月や地球は
一定の軌道をまわっている
明日も明後日も 陽が昇る
春は必ず めぐり来る

太陽が昇る?
太陽が昇る……のではない
春が来る……のではない
地球の自転である

君のために会社がある
……のではない
社会は君を中心にまわっている
……のではない








八戸の夜明け 22

2008-08-22 08:13:08 | Weblog




 蜃 気 楼
押し寄せてくる 夜明けの兆し
暁闇の世界に 空の碧さが深まり
薄れゆく星たちの光(か)げ
 
岳颪の大寒波
海原に立ち昇る水蒸気が 風に煽られ 
屏風を立てたように 列をなしていた

忽然と 濃い墨を含ませた太い筆で
一気に書いたような 山脈
裾に躍動する 真白き雲霧

海中にあるといわれている 伝説の島 
蓬莱(蜃気楼)か?
仙人が居住する不老不死の島か?

蓬莱は 海面から湧き上がる霧と
広がってくる碧色の空に
吸い込まれ 消え失せた

水平線上に
限りなく 純白な
薄いカーテン

向こう側が透けて見えるようで 見えない
きっと明るいメルヘンの世界が
繰り展げられているに ちがいない

輝く未来が潜んでいるような予感?
いや 極楽世界が顕現するかもしれない
懐かしい人々に 逢えるかもしれない
 





八戸の夜明け 21

2008-08-21 07:30:31 | Weblog




 引きこもり
スイスの心理学者ユングが  小学生時代に不登校となった
医師に相談しても良策が見つからず  親戚の家に預けられた
親戚の家では気楽になり  元気にあそびまわった

自分の家に帰るや否や すべてがもとの無気力無感動な人間となり
家に引きこもり 偏頭痛に悩まされ
「てんかん」模様の発作をおこすこともあった

後年 心理学者となったユングが
自分の中にNO1(実)とNO2(虚)の人格が存在し
親戚の家では『実』の人格がはたらき 快活な子供にさせた
自宅に帰えれば『虚』の自分がうごめき 
「偏頭痛やてんかん模様」の発作を起し 空虚な自分となった……

ユングが悩んでいたとき 父親が友人に
『ユングの将来が心配である 全財産を投げ捨ててもいい
自分の命をかけて 救ってやりたい』 と言っているのを窓越しに聞いた

この父親の愛語が ユングのNO1(実)の自分を鼓舞し
NO2(虚)の自分との葛藤が始まった
何日も苦悩し 『実』の自分が勝り やっと復学
(参照 『ユングの心理学』秋山さと子著)





 愛 語
愛語といふは 先ず慈愛の心を発(おこ)し 顧愛の言語を施すなり……
面(むか)ひて愛語を聞くは 面(おもて)を喜ばしめ心を楽しくす
面はずして愛語を聞くは 肝に銘じ魂に銘ず
愛語能(よ)く廻天の力あることを学すべきなり
 (お経『修證義』第四章発願利生)

ユングの父親の言葉は 最大の愛語だった
面はずして聞く愛語だった
ユングの肝に…… 魂に…… 深く刻み込まれた のだろう