Sandy Cowgirl

植田昌宏。在阪奄美人。座右の銘は、「死ぬまで生きる。」

2017-07-01 16:30:07 | 書評


その男は、眠るときにいつも考える。
いや、誰でも考えているだろう、そして、考えがとぎれたときも知らず,眠りにつくのだろう。
彼はいつも、ライフルを構えている、眠る前の、彼の頭の中の話だ。
狙いをつける。
相手は、よくわからない、ただ無防備だ、そこは戦場のような気もするし、そうでないような気もする。
スコープは使わない。
日光を反射して相手に気づかれてはならないから。
体の中心を狙う方が確実だが、一発でしとめるなら、こめかみを狙うほかない。
理由は?
ない。
ただ、撃つ。
その男は、引き金を引く。
やったか?当たったのか?
そうして、その男はいつのまに眠りにつく。



中村 文則 さんの 銃 を紹介します。

言わずとしれた芥川賞作家で、なおかつ、国際的にも評価の高い作家さんです。
一人称なのに、ドライな作風というのは、得てして翻訳向きです、
彼の作品が海外に紹介されるのは自然だと思います。

本作ですが、彼のデビュー作です。
もちろん、文学作品ですので、こういう行動が推奨されるとかそういう話ではありません。
ただ、それのもつ、美しさっていうものをはっきり書いているのはおもしろいと思います。

ギターもそうだと思うけど

でも、もっと、銃は

美しい。

美しいギターをもてば、最高のアンプにつなげて、思う存分の大音量でならしたい。
じゃ、日本刀は? 銃は?

人間の体に密着して、いかにして行動に移しやすいか、
洗練されたフォルムの美しさたるや、他に類をみない、

あ、ギターの話ですよ。

でも、日本刀や銃はどうなんか。


すこし、残酷な感じの小説です。
とりわけ、女性への対処が、なんとも酷い。

でも、考えてみてると面白い、



あなたは、あの状況で、引き金をひきますか?



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