Sandy Cowgirl

植田昌宏。在阪奄美人。座右の銘は、「死ぬまで生きる。」

バイバイ、ブラックバード

2018-08-12 10:31:24 | 書評



バイバイ、ブラックバード です。

相変わらずの伊坂節という内容の小説です。
短編集なのですが、つながりがあり、
順序も重要です。

5人の女性と別れる、という5股男の話ですが、
どうしようもない男、というほどでもなく、付き添いの繭美が極悪すぎるので、許してしまう、
というか、どうしても憎めないキャラなところがいいです。

別れ話は悲しいはずなのに、理不尽なことに巻き込まれたように思えて、
主人公がかわいそうだけど、まぁ、仕方ないのかなぁって思いつつ、
男って、別れ際でも、最後までいい顔しようとする、情けない生き物だなぁって思いました。
なんだかんだで、怨まれたくない、という自己中心的な発想なんでしょう。

ところで、あのバス はなんなのでしょう?
繭美が言っているのは、ウソではないのでしょう。
最後に繭美がとる行動が真実を語っているのだと思います。

最後のキックは、どうなったのか。
最高のエンディングで、物語は幕を閉じます。
まるで、あしたのジョーのエンディングのようです、
あの後、どうなったのか、それは読者にしか分かりません。

というわけで、ぜひ、おすすめです、

優しい死神の飼い方

2018-08-05 17:16:05 | 書評


知念実希人 さんの 優しい死神の飼い方 を読みました。
軽いタッチで書かれるところから始まります。
シンプルにゴールデンレトリーバーに癒される感じの内容です。

1つずつ任務を着実に遂行していく、レオですが、
徐々に、本当の犬らしくなってくる、というか、人との交流から、感情を覚えていきます。

複数のエピソードが1つの事件につながり、
最後は、緊迫した事件の顛末が描かれます。
スリル満載です。


なんとなしに、癒されそうだから買って読んでみたのですが、
ハラハラドキドキして、ホロリと涙がでてくる感動作品でした。

とても癒されました。
なんだろう、そういうメッセージを伝えたかったのではないかも知れないけれど、
人を愛する、ということは、見返りを求める「好き」というものとは違うのだろうな、と思いました。
愛していると思うことは、やましいことなんかじゃないのかなぁって思いました。
当たり前だけど。