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「ブースター市場」を狙う製薬会社は追加接種で収益性向上

2021-08-22 12:00:00 | 日記

下記の記事はアンスワーズニュースオンラインからの借用(コピー)です。

[ニューヨーク ロイター]新型コロナウイルスワクチンを開発した米ファイザー/独ビオンテックと米モデルナは、ブースターショット(追加接種)から数十億ドルの収益を得る見込みだと、投資家やアナリストは予想している。これは、インフルエンザワクチンの市場(年間約60億ドル)に匹敵する規模だ。

インフルエンザワクチンに匹敵する市場規模
3社は、2回のワクチン接種を完了した人が長期にわたって予防効果を維持し、変異株に対応するためには、3回目の追加接種が必要になると予測している。現在、チリ、ドイツ、イスラエルといった国の政府が、急速に広がっているデルタ株に備え、高齢者らに追加接種を行うことを決めている。

米FDA(食品医薬品局)は今月12日、ファイザー/ビオンテックとモデルナの新型コロナワクチンについて、免疫が低下している人を対象に追加接種を認めた。

ファイザー/ビオンテックとモデルナは、今年と来年だけで計600億ドル以上の売り上げを確保している。これには、最初の2回分に加え、数十億ドルに及ぶ富裕国への追加接種分が含まれる。

2023年については、両ワクチンの売り上げは主に追加接種分の販売からもたらされることになり、アナリストらの予測によると、ファイザー/ビオンテック製が66億ドル以上、モデルナ製が76億ドル以上に達するという。最終的な市場規模は年間50億ドルほどになるとみられ、このパイをめぐって多くの製薬企業が競合することになる。

追加接種の必要性が指摘されている背景には、接種から6カ月たつと抗体のレベルが低下することや、ワクチン接種が進んでいる国でもデルタ株への感染者が増加していることなどがある。初期のデータでは、最初に高用量を接種するモデルナ製の方が、ファイザー/ビオンテック製に比べて効果が長く続く可能性が示唆されている。しかし、それが接種を受けた人の年齢や健康状態に影響されるのか判断するには、さらなる研究が必要だ。

どういった人にどれくらいの頻度で追加接種が必要になるかは、まだはっきりしていない。追加接種の収益性は、市場に参入してくる企業の数によって制限される可能性がある。研究者の中には、特に若くて健康な人に対する追加接種の必要性について疑問視する声もある。WHO(世界保健機関)は、世界中でより多くの人が最初の2回の接種を受けるまで、追加接種を控えるよう各国政府に要請している。

モデルナのスティーブン・ホーグ社長は今月上旬に行ったインタビューで「市場の勢いについては、どうなるかわからない。ただ、新型コロナワクチンはある時点で伝統的な市場へと近づいていくだろう。すなわち、どのような人々がリスクにさらされていて、私たちはそれに対してどのような価値を生み出しているのか、さらにはそうした価値を提供する製品がどれくらいあるかを検討し、それが最終的に価格に影響を与えることになる」と語った。

ファイザーは、このインタビューに対するコメントを控えている。同社は7月28日の21年1~6月期決算説明会で、3回目の接種は2回目の6~8カ月後に行い、その後も定期的な接種が必要になるとの見解を示した。

インフルエンザワクチンと似たビジネスに
一般の人にも定期的な接種が必要になるとすれば、新型コロナワクチンの市場は、毎年6億人以上が接種を受けるインフルエンザワクチンと似たビジネスになる。豪CSLのインフルエンザワクチン部門であるセキーラスの幹部デイヴ・ロス氏によると、米国のインフルエンザワクチン市場は世界市場の約半分を占め、4社が市場を分け合っている状況だという。

アトランティック・エクイティのアナリスト、スティーブ・チェスニー氏によると、先進国のインフルエンザワクチンの接種率は人口の約50%となっており、新型コロナワクチンの追加接種も広く承認されれば同程度の接種率になるだろうと見ている。

米国政府のデータによると、インフルエンザの予防接種は1回あたり18~25ドルで、競争によって価格の上昇は抑えられているものの、2021年は各メーカーが4~5%の値上げを行う予定だ。

ファイザー/ビオンテックとモデルナは、少なくとも競合が登場するまで、追加接種分のワクチンの価格決定に大きな力を持つと考えられる。ファイザーは当初、米国で1回あたり19.50ドル、EU(欧州連合)で同19.50ユーロという価格を設定していたが、その後の供給契約では、それぞれ24%、25%の値上げを行っている。

英アストラゼネカと米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、自社ワクチンの追加接種に関するデータを集めている。米ノババックス、独キュアバック、仏サノフィのワクチンもブースターとして使用される可能性があるが、これらはまだ規制当局の認可を受けていない。

モーニングスターでファイザーを担当するアナリスト、ダミアン・コノーバー氏は「これらの企業のワクチンはまだ市場に出ていないが、1年以内にはすべての企業がブースター戦略を持つようになるだろう」と話す。みずほ証券のアナリスト、バミル・ダイバン氏は、新型コロナワクチンのブースター市場には数年以内に少なくとも5社のプレイヤーが登場すると予想している。

米国で追加接種がどのように展開されるかについては、まだ多くの不確定要素がある。最初に接種したワクチンとは違うワクチンでブースターを行うことも可能だし、実際にそうなる可能性もある。米国立アレルギー感染症研究所では、すでに異なるワクチンを使ったテストを行っており、すでにそうしている国でもその戦略に問題は生じていない。

価格を抑制する要因の1つは、米国内で行われる予防接種のほとんどまたはすべての費用を、民間保険任せにせず、米国政府が引き続き負担することだ。そうすれば、政府はワクチンメーカーと直接、価格交渉を行い、購買力を背景に価格上昇を抑えることができるだろう。

ヘルスケア投資会社ナビメド・キャピタルのマネージングディレクター、ビジャン・サレヒザデ氏によると、少なくとも民主党政権が続いている間は、ワクチン接種率を高く保ち、新型コロナの新たな感染拡大を防ぐため、米国政府はワクチンへの支出を続けるという、同氏は「ウイルスが消滅するか、毒性が弱くなるような変異が起こるまで、支払いは続くだろう」と語った。

(Michael Erman、翻訳:AnswersNews)  



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