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がんを疑うべき人が抱える「9つの症状」と治療法

2021-09-16 15:30:00 | 日記

下記の記事は東洋経済オンラインからの借用(コピー)です。

日本人を悩ます「がん」とはいったいどんな病気なのか? がんの発見法から治療法までを、『超リテラシー大全』から一部抜粋・再構成してお届け。今回教えてくれるのは、東京がん免疫治療センター長の明星智洋さんです。
「2人に1人はがんになる」とまで言われていますが、がんにまつわる情報は様々です。今回は、がんについてのリテラシーを考えていきましょう。そもそもがんとは、細胞の暴走による病気です。人間は誰もが「がん遺伝子」を持っており、この遺伝子に異常が起きるとがん細胞が増殖し、身体のあちこちに悪影響を与えるようになります。
胃にできれば胃がん、筋肉にできれば肉腫、血液の成分ががんになる白血病など、その性質もあらわれ方も様々です。がんは遺伝が関係すると考えている人も多いのですが、遺伝的ながんというのは極めて限定的で、ほとんどが生活習慣によるものです。家族で同じがんになることがあるのは、食習慣・生活習慣が似てしまうからだと考えられています。
とにかく「早期発見・早期治療」が重要
がんに関してとにかく重要なのは「早期発見・早期治療」です。早く見つけ、適切な時期に治療できれば身体への負担は最小限で済ませられるのですが、病院嫌いによって気づいたときには手遅れ、ということも少なくありません。
ここではまず検診の仕方について紹介していきましょう。必要な検診と、そうでない検診について紹介します。まずは、推奨したい検査についてです。
<受けるべきがん検診の種類>
1 胸部CT
2 腹部超音波検査
3 胃カメラ
4 大腸カメラ(できなければ、便潜血検査)
5 血液検査
6 腫瘍マーカー(CEA、CA─9、SCC、男性はPSA)
7 女性の場合は乳がん、子宮頸がんの検査
まず、胸部CTで肺に腫瘍などがないかのチェックを行います。放射線被ばくが心配な方は、「低線量CT」といって、通常のCTと比較して被ばく量が10分の1程度に抑えられる検査もあります。腹部に対しては、腹部超音波検査をおすすめします。ただ、お腹の脂肪が多い方やガスが多い方は、うまく検査ができないこともあります。
そのような場合は、CTで腹部の臓器のチェックを行います。ただし、胃腸の内部は、CTや超音波検査では、見づらいので、できれば胃カメラや大腸カメラをおすすめします。6つ目の「腫瘍マーカー」は血液検査の一種なのですが、がんがあると特殊なタンパク質や酵素ができることがあり、その数値をチェックできる検査です。
種類が非常に多いのですが、胃がん、大腸がん、すい臓がんなどに対応しているCEAやCA─9がベーシックなものになります。余裕があれば、肺がんや食道がんなどに対応しているSCC、さらに男性の場合は前立腺がんに対応しているPSAがおすすめです。
女性の場合には乳がんと子宮頸がんの検査を行い、経過を見ておくと安心です。これらを1年に1度、かかりつけの病院などで受けておき、医師に「毎年の変化」を見ておいてもらうと早期発見につながりやすくなります。反対に、受けなくてもいい検査は以下の通りです。
<「受けなくてもいい」検査>
・胸部レントゲン検査
・胃バリウム検査
・PET検査
これらは検査として十分でなく、むしろ悪影響の場合もあります。まず胸部レントゲンでは1センチ以下の腫瘍を見つけることが難しく、特に心臓や横隔膜に隠れた腫瘍の見落としも多くなります。コスト的に割高にはなりますが、可能であればCTを利用したいところです。
また、胃バリウム検査もちょっとした泡がポリープやがんに見える場合があり、異常があればいずれにせよ胃カメラを飲むことになります。放射線技師によって検査の精度にも差があり、見落としの可能性もあるので、最初から胃カメラを選んだほうが安心でしょう。
最後のPET検査は、ブドウ糖代謝の指標となるFDGという薬を用いて、がんの有無を見ていく検査方法です。がん細胞は増殖するときに糖分を多く取り込もうとするので、その性質を利用した検査になります。
がんを疑うべき症状とは?
近年人気を集めているのですが、この検査は本来、すでにがんと診断された人が、がんの広がりを調べ、ステージを決めるときに使われるものです。そのため、精度としてそこまで高いものではなく、1センチ以下の腫瘍や、もともと糖分を多く取り込んでいる脳や心臓、血流の多い腎臓、膀胱などにがんがあっても見つけられません。
「PET検査を健常者が利用しても、がんの発見率は1%以下である」とアメリカの核医学・分子イメージ学会は伝えているほどです。さらにデメリットとして、被ばく量が多い、進行が遅いがんを見つけてしまって過剰治療につながる、といった問題もあり、検診は基本的におすすめできません。なお、もしも日常で次のような症状があった場合には、定期検査を待たずに近くの医師に相談してみてください。
【注意すべき9つの症状】
□ダイエットをしていないのに、直近3ヶ月で体重が10%以上落ちた場合
□37度5分以上の発熱が続く、毎晩大量の寝汗をかく場合
□便が黒くなった、急な便秘、便が急に細くなった、血が混じっているなどの場合
□爪がそってスプーンのようになっている、下のまぶたの裏が白い場合(貧血の疑い)
□咳が長引き、血痰が出る場合
□口臭が以前よりきつくなった場合
□舌のひだひだがなくなった、口内炎や舌炎がなかなか治らない場合
□急に血糖値が上がり、糖尿病と診断された場合
□皮膚が急に黒ずみだした、まぶたが腫れているなど、皮膚の状態が変化した場合
がんができると、「腫瘍熱」という発熱症状が起きたり、腫瘍部から出血して血便が出たり、貧血症状が出たりします。また内臓の働きに異常が出て、急にやせる、急に血糖値が上がる、肌に異常があらわれる、といったこともあるのです。
「何かいつもと違う」と感じる症状があれば、必ず受診するようにしてください。
治療法はさまざま
続いては、がんの治療についてです。がんの標準治療は、手術・化学療法(薬剤)・放射線に分かれ、何を使うかはがんの種類やステージ、また医師の得意分野によっても異なってきます。がんのステージはIからIVまでの4段階あり、たとえばステーシIのがんなら手術で腫瘍を切除するだけの場合も多いのですが、ステージが進行してくると抗がん剤や放射線を組み合わせての治療になっていきます。
肺がんなどの場合、抗がん剤でまず腫瘍を小さくして、切除する範囲を最小限におさえるという方法もあります。このように治療法の選択肢は幅広く、患者側も「どのような方法があるのか」を知っておくことは、ベストな治療を考える上で重要になります。
特に近年は化学療法の進歩がめざましく、従来の抗がん剤では悪性腫瘍も正常な細胞も一緒にたたいてしまっていたところを、「分子標的薬」という悪性腫瘍だけをピンポイントでたたける薬剤ができ、治療の選択肢も広がっているのです。
ただし、薬剤の種類が増えてきたことで、それらを「適切に扱える医師」が少ない、ということが課題にもなっています。また、分子標的薬のような新しい薬剤は薬価の設定が非常に高く、1日数万円かかることも珍しくありません。保険適用であれば高額療養費制度が使えますが、多用されれば国の医療費を圧迫することにもつながります。
人間の免疫機能を利用した「免疫療法」も注目を集めています。たとえば免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブ(商品名:オプジーボ)の治療も保険が一部のがんにしか適用されなかったり、効果があらわれるまでに時間がかかるので、急速に大きくなっているがんには効果発現が間に合わないなど、決して万能な治療なわけではありません。
中にはエビデンスのない薬剤を組み合わせるなど、信頼性に欠ける治療を行っているクリニックもあるので、「先進的な治療法」「代替医療」については慎重に考えていかなければなりません。
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「Journal of the National Cancer Institute」(2017年)に発表された論文では、代替医療を選んで標準治療をしなかった人が5年以内に死亡するリスクは、標準治療を受けている人と比べて5.7倍という結果もあります。いきなり飛び道具に頼るのではなく、早期発見を行い、標準治療で治していくほうが確実性は高いのです。
現在の医療では、固形がんの場合はステージI〜IIIまで、血液がんの場合にはステージIVでも治せる可能性があります。なお、このような最新の治療法について知りたいときには「がん薬物療法専門医」の資格を持つ医師が候補として挙がります。専門医資格の中でも最難関と言われる資格で、資格の取得・保持には幅広い経験と知識が必要になります。日本臨床腫瘍学会のホームページから名簿を検索することができるので、必要に応じて利用してみてください。
明星 智洋 : 東京がん免疫治療センター長



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