下記の記事は日経ヘルスアップからの借用(コピー)です
脂肪肝の患者は国内に約1000万人いるといわれる。その1~2割は慢性的な炎症を起こす非アルコール性脂肪肝炎(NASH)という病気に移行するが、自覚症状はない。NASHになると命を脅かす肝硬変や肝がんのリスクが高まる。脂肪肝を発症するメカニズムと、それを食い止める方法は脂肪肝の予防や改善につながる食事や運動などを解説する。
ここからは別のサイトからの説明を一部入れます。
{脂肪肝とは?
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪や余分な栄養が蓄積した状態をいいます。正常時でも、肝臓には5%程度の脂肪があります。脂肪肝の患者さんは、肝臓の脂肪が30%以上となり、肝臓が膨れ上がっていることが多いといわれています。
肝臓は体内で脂質代謝の中心的役割を担っています。この肝臓に、脂質の取り込みの増加や脂肪分解の減少、脂肪搬出の低下といった脂質代謝の異常がおこると、脂肪肝になります。
原因の多くは肥満や糖尿病です。BMI指数が30以上になると、多くみられます。
症状
初期段階では、自覚症状や痛みはほとんどありません。症状が進行すると、以下のような肝臓病の症状があらわれます。
・食欲不振
・全身倦怠感(だるさ)
症状がさらに進行すると、
・全身の痙攣(けいれん)
・黄疸(白目や肌が黄色くなること)
・胸焼け
・上腹部の痛み
などの症状が強まってきます。
脂肪肝による症状は軽度であることがほとんどです。}
以上別のサイトからです。
脂肪肝が疑われたなら、すぐに悪化の予防、改善に着手しよう。女性の場合は特に更年期以降に脂肪肝のリスクが高まる。「閉経前は女性ホルモンが内臓脂肪をたまりにくくし、余ったエネルギーは皮下脂肪として蓄積してくれる。だが、閉経後は男性と同様に内臓脂肪として蓄積されやすくなる。閉経前と同じ食習慣を続けることは危険」と、慶應義塾大学保健管理センターの横山裕一准教授は話す。
(イラスト:いいあい)
食事では、「脂肪や糖分を抑え、大豆製品や青魚、赤身肉など良質なたんぱく質が豊富な食事を取るのがお薦めだ」(三越診療所の船津和夫医師)。
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また、脂肪肝の原因の一つと考えられているのが酸化ストレス。そのため、抗酸化作用のあるビタミンやポリフェノール類を含む野菜や果物を取るのもいいという。なかでも手軽なのが飲料で、近年、コーヒーの作用が注目されている。船津医師は健診データをもとに、よくコーヒーを飲む群は脂肪肝の発症率が低いことなどを明らかにした(下グラフ)。
さらに、「運動を組み合わせることで、脂肪肝を改善する効果はよりアップする」と船津医師。これを示したのが2015年3月に肝臓専門誌に掲載された筑波大学の研究。正田純一教授らのグループは、NAFLDの患者を対象に、早歩きなど少し強めの運動を1日に30分以上行ってもらったところ、体重や腹囲に変化はなくても、肝臓の症状が改善すると報告した(下グラフ)。
169人の男性(BMI25~40)に、やや強めの運動(速歩など)を3カ月行ってもらった。速歩の効果は多くの人に現れたが、とくに週に250分以上を目安に歩いた群では体重に明確な変化はなくても、肝臓の脂肪が減り、脂肪肝の進行の指標となる血液中の線維化マーカーなどの値も低下した(出所:Hepatology;61,1205-1215,2015) (イラスト:いいあい)
睡眠も重要だ。睡眠の状態が悪くなると、血糖値のコントロールが難しくなるなどの事実が明らかになっている。その結果、脂肪肝と糖尿病を併発するケースが多い。横山准教授は「肝機能と睡眠の関連を、健診受診者755人について調べたところ、睡眠不足は肝機能の状態を悪くすることが分かった」と話す。
残念ながら、「脂肪肝対策に王道なし」(横山准教授)。脂肪肝の予防・改善に「これだけやれば」という方法は存在しない。毎日、コツコツと食事・運動・睡眠の改善に取り組むことだ。
NASHは、無症状で進む怖い病気だ。放置すると肝細胞が死滅・減少し、線維組織に置き換わる「線維化」が起こる。それが進んだ結果、肝臓が硬く変化し、正常な機能が失われた状態の「肝硬変」に至る。
NASHの経過に関する臨床研究では、5年で4人に1人、10年で半数に線維化が進行していることも分かってきた。さらに「肝がん」を発症する率は年2~4%とされる。
NASHになってしまうと、薬物治療はビタミンE剤などに限られ、健康な肝臓に戻すことは非常に困難となる。また、肝がんに至った場合、進行具合によって異なるものの、切除や肝移植などが主な選択肢となる。
肝がんの治療に「切らない治療」も
肝がんの治療法は、外科的な肝切除、肝移植などが主な選択肢となる。ただ、がんが3cm程度以下なら、ラジオ波熱凝固療法などの切らない治療も適用になる。これは皮膚の外から肝臓に針を刺し、その先端にラジオ波を加えて「がんを焼く」治療だ。
肝硬変の治療は症状の進行防止処置が基本
いったん線維化した肝臓組織を元の状態に回復させるのは難しい。治療は肝硬変で起こる貧血やビタミン不足を補いながら、線維化がそれ以上進まないようにする薬物療法が中心。具体的にはビタミン剤などの投与だ。アルコール性の場合、禁酒で肝機能が改善するケースもある。
■この人に聞きました
船津和夫さん
三越厚生事業団 三越診療所に所属する医師。専門は消化器(肝臓)。慶應義塾大学医学部卒業後、東京歯科大学助教授などを経て、三越総合健診センター所長に就任。12年6月から現職。「肝機能の値が気になる人は、2年に1度は腹部エコー検査を受けて」。
横山裕一さん
慶應義塾大学保健管理センター准教授。慶應義塾大学医学部卒業後、米国マウントサイナイ大学留学を経て、06年より現職。「閉経後の女性の体は、ホルモンバランスの変化が起こり、脂肪肝になりやすい。食事、睡眠、運動習慣を見直すことで防ぎたい」。
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