人気ブログランキング←クリックよろしくね [HRPニュースファイル507]転載
第二次安倍政権の国防政策を考える
◆「防衛大綱」の議論から見えてくる国防政策のポイント
2012年12月16日に投開票が行われた、第46回衆議院解散総選挙に
より、第二次安倍政権が成立しました。
安倍氏は民主党政権下で打撃を受けた政治の立て直しに対して
意欲を燃やしておりますが、特に喫緊の課題として、経済の
立て直しと共に日々深刻化する中国・北朝鮮の軍拡への対応、
すなわち国防体制の強化を挙げています。
本日は安倍政権の国防政策について取り上げたいと思います。
正式には、今後、「防衛大綱」2013年版として発表されることが
予想されますが、その議論の中から、安倍政権下で国防政策が
どのように進化するか、あるいはどのような限界にあたっているかを
予想する事ができます。
◆(1)「対中有事」を念頭に置いた防衛大綱の策定
安倍政権の国防政策で第一に画期的だと思われるのは
「防衛計画の大綱(防衛大綱)」の見直しに着手する上で、初めて
「対中有事シナリオ」が作成されようとしている点です。
(産経:2013年1月1日一面記事)
民主党政権下で策定された「H23年度以降に関わる防衛計画の大綱」
でも「動的防衛力」というコンセプトと共に「島嶼部攻撃」への
対応が盛り込まれていましたが、具体的な有事シナリオもなく、
サイバー攻撃や弾道ミサイル攻撃などの脅威と共に「列挙」される
にとどまっておりました。
しかし、今回「対中有事」を明確に念頭においたうえで防衛大綱を
策定する検討を始めたことは、「予想される危機」を具体的に
明らかにするという点で画期的だと言えます。
◆(2)「国防戦略」策定への布石
次に画期的と言えるポイントは、陸海空自衛隊の「統合運用」を
見据えている点です。
「対中有事シナリオ」を明確にしたことで、陸海空3自衛隊による
「統合防衛戦略」を立案する動きが出てきました。
1月1日の産経紙面では、防衛省が想定する有事として、
「尖閣、石垣・宮古、台湾への単独・複数同時進攻」が紹介
されています。
このように「対処するべき危機」が明確となったということは、
「それぞれ性格も能力も、また利害も異なる3つの軍種を、特定の
目的に向けて効率よく運用する」という戦略的発想ができるように
なったことをも意味しています。
そもそも陸・海・空の3軍種を統合運用するには、「明確な国防戦略」
の策定はもとより、「政治家の強力なリーダーシップ」が不可欠です。
なぜなら、「国家の主権者たる国民」の信託を受けた政治家が、
「向かうべき目標」を明確にしていなければ、3つの軍種の利害の
調整などできないからです。
「明確な脅威」の設定と、それに対処する「自衛隊の統合運用」
まで踏み込めれば、「国防戦略の策定」まであと一歩です。
あとは、(1)「国家戦略」の策定、(2)対応すべき脅威の優先順位、
が決定され、さらにオープンな国防議論をできるようになれば、
「専守防衛」の克服が可能となります。
◆「幸福維新」の志は生きている
そういった観点から振り返れば、国防に対する「危機意識」を浸透
させ、国論を「保守回帰」に導き、スムーズに国防政策を進める「世論」
を整えた「幸福維新の志士達」の活躍には、計り知れない価値があった
ということがわかります。
また、「政治家のリーダーシップ」を発揮できるかどうかは、
安倍首相の双肩にかかった課題です。
国防危機の回避のため、安倍首相にはぜひ志を果たして
いただきたいと思います。
この国を守り、未来を切り拓くべく、私たち幸福維新の志士は
戦いを止めることはありません!
まずは今夏の参院選において躍進を果たすべく、ご指導ご支援の程、
何卒よろしくお願い申し上げます。
(文責・HS政経塾一期生 彦川太志)
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