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岸田首相「冬に原発9基稼働」発言も消費電力の1割、夏・冬にも電力逼迫か?電力危機列島ニッポン、原発再稼働が進まない3つの理由。(釈量子)【言論チャンネル】

2022年07月31日 19時02分05秒 | リバティ 学園 幸福実現党 関連  
 
「言論チャンネル」では、政治や経済、社会保障、国際関係などの時事問題の中から
気になるテーマを取り上げながら、本音の議論を進めます。 2022年7月20日収録

 

岸田首相「冬に原発9基稼働」発言も消費電力の1割、夏・冬にも電力逼迫か?電力危機列島ニッポン、原発再稼働が進まない3つの理由。(釈量子)【言論チャンネル】

 

◆岸田首相が「原発稼働」方針

先日、岸田首相が記者会見において「原発最大9基を稼働する」という方針を発表しました。これで、国内消費電力の約1割の電力を確保するとしています。

当初は、ネットなどで「岸田さん、ようやく決意してくれた」という喜びの声があがり、東電の株価も上がったものの、すでに稼働する予定の原発について触れただけだということが分かりました。

電気事業連合会の池辺和弘会長は「(原発を)きちんと冬に運転できるように、工事や検査に取り組みなさいという叱咤激励だと思う」とは言うものの、岸田首相の「指示」だけでは、冬の電力逼迫解消にはつながらないのというのが実態です。

◆予想される電力逼迫

昨今、石油、石炭、液化天然ガス(LNG)などの燃料の調達が世界的に厳しくなり、ウクライナ危機以降はエネルギー危機に拍車がかかっています。

特に、電力については、経済産業省が令和4年度の夏季・冬季について非常に厳しい需給の見通しを公表しています。

供給予備率(電力需要のピークに対し、供給力にどの程度の余裕があるかを示す指標) で、この冬については、令和5年1、2月には全国7エリアで安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できず、特に東京エリアでは1月で1.5%、2月で1.6%と、極めて厳しい見通しです。

真冬に電力が使えなければ、多くの生命が失われる事態にもなりかねません。(※1)

(※1)電力需給対策について 2022年 6月30日 資源エネルギー庁
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/051_03_01.pdf

◆今後の予定を説明しただけの岸田首相の記者会見

そこで岸田首相の「エネルギーの安定供給のために、最大で9基の原発の稼働を経済産業相に指示した」という発表に期待が集まったわけです。

しかし、実態は、すでに、10基は原子力規制委員会の安全審査に合格し、地元の合意を経て、一度は再稼働を済ませています。

10基のうち、先日発電を再開した大飯原発4号機を含め、6基が運転中です。

運転中の九州電力・玄海原発4号機については、9月から来年2月まで定期検査で止まる予定です。

現在止まっている4基(関西電力・美浜原発3号機、高浜原発3,4号機、九州電力・玄海原発3号機)については、定期検査が済めば、7月下旬から順次、運転が再開される予定となっています。

つまり、岸田首相はもともと予定されていた9基の再稼働を「しっかりやれ」と指示したのであって、別の原発を新たに再稼働するという指示ではなかったのです。

尚、高浜原発3号機では、検査中にトラブルが発生して一時的な停止を余儀なくされています。

他の原発の運転についても、実際にスケジュール通り進むかどうかは不透明ですが、それでも、9基が同時に稼働するのは、来年1月下旬〜2月中旬のわずか一か月にも満たない期間となっています。

だから「最大」9基と言っているのです。

そして、ここからが大変大事な部分ですが、先般発表された電力の需給見通しは、この9基が再稼働することが織り込み済みになっているために、今回の首相の指示では、電気事業連合会の池辺会長も述べたとおり「安定供給の改善にはならない」ということが重要です。

例えば、柏崎刈羽原発が稼働すれば東電は5%以上の予備率にたしますのでこれ安定供給には届きます。しかし、これができないわけです。

◆原発はなぜ再稼働できないのか

東日本大震災が起こる前の2010年には、全国に54基の原子力発電所があり、日本は米国、フランスに次ぐ世界第3位の原発大国でした。

そして今、「廃炉が決まっていない発電所だけで30基近く、3000万キロワット分くらいあるにもかかわらず、電気が足りないと言って喘いでいる国は他にない」と言われる状況です。

福島第一原発以外は設備が損壊しているわけではないため、技術的には運転継続が可能ですが、全国の原子力発電所の再稼働が遅々として進んでおりません。

ではなぜ原発は再稼働できないのでしょうか。

◆法的根拠なく停止している日本の原発

日本では福島原発事故後の2013年に、世界で最も厳しいとされる「新規制基準」が導入され、既存の原発にも遡って適用されました。

本来、法律というのは遡らない不遡及の原則があります。しかし、電力会社は、既存の原発も含め新規制基準に適合するよう、安全対策の工事を行い、原子力規制委員会の安全審査に合格しなければいけなくなりました。

本来は一度許認可を受けて運転されていた原発が、規制基準が見直されたから原発を止める必要はありませんでした。

しかし、止まった理由は、民主党政権のとき、当時の菅直人首相が浜岡原発を「依頼」お願いで止めたことが前例になってしまったからです。

またその後、原子力規制委員会の田中委員長が私的に書いたメモ、いわゆる「田中私案」も根拠になっていると言われています。

「依頼」も「メモ」も当然、法律的なものではないので、原発を止める筋合いはなかったのです。外国でも、このような不合理な運用をしている国はありません。

原発の規制基準は、今後も新しい知見を採り入れて見直される可能性が当然あるわけですが、規制基準が変わろうとも、原発を運転しながら対策工事や審査を行うのが、本来のあるべき姿です。

そもそも、「新規制基準」があまりに厳しすぎることや、審査が遅いことも、大きな問題です。

原発を再稼働させるためには、テロや大規模な自然災害が起きた場合に、十分対応できる施設を備えなければならなくなりました。

例えば津波に耐える防波壁、耐震補強、電源喪失時の予備電源の設置、消防車の高台へ常備され、とにかく過酷な事故に対応した安全対策が盛り込まれています。

これ自体は、過剰な設備とは言えないところもありますが、ただ、10万年前の断層など、過剰と思われる想定もあります。

◆遅々として進まない原子力規制委員会の審査

もう一つが、原子力規制委員会の審査が、遅々として進まないことを挙げられます。

例えば、北海道電力は、2013年7月、「泊原発」の新規制基準への適合性審査を申請しましたが、申請からおよそ8年も経過しているにもかかわらず、原子力規制委員会は「適合性」があると認めていません。

理由としては、「約12~13万年前の断層」をあげています。そこには「耐震設計上重要な施設を設置できない」とする基準を原発に適用しています。

泊原発は、世界最高水準の安全対策を施しているにもかかわらず、非科学的な理由で適合性を認めず、冬の北海道を危機にさらしています。

◆政府が本来やるべきこと

政府は今、「節電」を呼びかけており、プログラムに参加した家庭に2000円相当のポイント、中小企業に20万ポイントを付ける対策を検討しています。

しかし、政府の本来やるべき仕事は本来、経理課長レベルの「節電」の呼びかけではなく「発電」を押し進めることにほかなりません。

安全性が格段に高まっているにもかかわらず、原発が今止まってしまっているのは、新規制基準を元々ある原発に当てはめる際に稼働を停止するという、不合理な運用を行っていることに原因があります。

諸外国では規制基準を見直す場合であっても、原発を運転したままその変更を行うとの対応が取られてきました。やはり、審査は稼働中のまま行えば良いのです。

さらには、厳格すぎる新規制基準の見直しとともに、審査の迅速化を進めなければなりません。

資源のない日本は、ひとたび戦争が起きれば安全保障の環境が激変します。燃料が途絶えれば国民の生命と財産が脅かされます。

それが現実化しているのに、政府は危機感がなさすぎるのではないでしょうか。今は特に、ゼロリスクの追求ではなく、いかに安定的な電力供給を確保するかを考えなければなりません。

また、審査が長期化すれば莫大な経済的損失が発生し、国民の財産が損なわれるほか、電力の安定供給を阻害し、国民の生命、健康、わが国の安全保障を脅かすおそれもあります。政府は規制委員会に対し、審査を迅速にさせるべきです。

原子力エネルギーは国家の独立と安全保障の基盤です。政府は、法的根拠のないような縛りで止まっている原発に関しては、責任を持って、今ある既存の原発の速やかに再稼働させるべきです。

また、新増設や、建て替え、つまり廃炉する原発を新しいものに入れ替えることなどの方針を早期に明示することで、中長期的な観点からも電力の安定的な供給を図るべきと考えます。

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

 


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