日本の農業危機!バラマキ政策を止め、
農業企業家をバックアップ!
2011 年 1 月 24 日 | Author 小島 一郎氏ブログ転載
http://kojima-ichiro.net/1673.html
農業生産出額は8兆円あまりで、2000年(9兆円強)から15%減少。
農業人口は20年間で半減(482万人→261万人)。
耕作放棄地550万ヘクタールは埼玉県を上回る広さです。
つまり、土地は余っています。
農業の平均年齢は約66歳。
コメの価格を維持するための減反政策に40年間で
総額約7兆円の税金が投じられたが、
農業所得は20年前から半減しています。
自民党(今は民主党)、農水省、農協の
補助金漬けの保護政策の中、
日本の農業は危機的状況を迎えています。
莫大な税金を投入して、農業を弱らせてきた―。
これが日本の農業政策の成果です。
つまり、誰が見ても失敗。
農水省の統計によると、
コメ農家経営(2009年)は、平均で見ると、
全体の14%が1ヘクタール未満で赤字。
一方、20ヘクタール以上の規模では
1200万円近い黒字。
畑作なども含む耕地面積で見ても、
同じく農地の集約で所得は増える傾向にありますが、
約8割が2ヘクタール未満にとどまっているのが現状です。
また、専業農家の平均所得は554万円。
サラリーマンなどを兼ねる農家の所得は612万円と、
専業農家を上回っています。
週末だけ耕作するサラリーマンや公務員も、
意欲的な農家も
同じに扱うバラマキでは付加価値が低すぎです。
「農業を再生し、食料自給率を向上させます」と
民主党のマニュフェストには地域再生の目玉としていた、
戸別所得補償制度が、やる気あふれる農家に
冷や水を浴びせています。
この戸別所得補償制度は、昨年からまずコメについて導入されました。
定額分として10アール当たり1万5千円が支給され、
さらにコメ価格が下がれば変動部分として
差額に対して追加の支給がされます。
この戸別所得補償の対象となるには、
「生産数量目標に従うこと」が条件。
そのような制約によって、
政府から減反を求められて、それに従い、
減反した農地では、高品質のコメではなく、
安い農作物を栽培しなければなりません。
結局、
農協からの値下げに応じて差額を補償してもらっても、
美味しくて、評価の高いコメを作らず、
あえて国の政策に従ったら、
減収になってしまうことも起きています。
また、一律にバラマキをするために、
やる気のある農家に土地を貸していた人も、土地の返却を求め、
自分で作り始める人まで出てきています。これでは本末転倒!
やる気のある農家の後押しにならず、
生産性低下の流れにつながっています。
大規模化して生産性を高めようとする、
コメ専業農家経営への被害が大きい。
しかし、希望もあります。
日本には一粒5万円のイチゴがあり、
富裕層に売れています。
イチゴは様々な高品種改良により、
輸出産業になりつつあります。
また、リンゴ「ふじ」も輸出しています。
フルーツのようなトマト、霜降り牛肉、鹿児島の黒豚、など
日本には、未来の可能性になるような高品質な果物、野菜、肉類があります。
企業家精神を発揮して、政府の補助金に頼らず
販路の開拓、マーケティング、品質改良、コストなどの
企業努力を重ねている農家は、国内でも海外でも売れています。
日本は製造業において世界一の品質を生み出しました。
農業において、票稼ぎのバラマキ政策を止めて、
企業家精神を発揮できる環境を整備していくことで、
製造業と同じく、農業においても世界に誇る産業としていく可能性を
開拓していくことが政治家のミッションです。
TPPへの参加の議論の前に、戸別所得補償制度のような
バラマキ政策の見直しを求めます。
小島一郎