(a) We lost the game, but we played honorably.
↑MS1:We lost the game. + MS2:We played honorably.
(私たちは試合に負けたが,堂々と試合をした。)
(b) I have a Chinese friend who speaks Japanese very well.
↑MS1:I have a Chinese friend. + MS2:The friend speaks Japanese very well.
(私は日本語を上手に話せる中国人の友達がいる。)
(c) The curtains hung in your room are beautiful.
↑MS1:The curtains are beautiful. + MS2:The curtains are hung in your room.
(あなたの部屋にかかっているカーテンはきれいだ。)
(a)~(c)はすべて2つのMSから構成されている。(a)では接続詞butを用いて2つのMSを合成している。(b)ではMS2を関係代名詞節に変形して2つのMSを合成している。(c)ではMS2を分詞句に変形して合成している。MSの合成方法は他にもあるし,MSが3つ以上合成された複雑な文もある。しかし,どれも単純なMSを合成したものにすぎないのである。
英文解釈なら,MSに分解して,そのMS同士のつながりを分析すれば,どんな文でも理解できる。英作文なら,MSを生成して,接続語句を用いてMS同士を合成すれば,どんな文でも作れるのである。
英文解釈の手順: MSに分解 ⇒ MS同士のつながりを分析
英作文の手順: MSを生成 ⇒ 接続語句を用いてMS同士を合成
Minimal Sentenceの生成手順
1.核になる表現を見つける。
2.Frameを確認する。
3.主語を決定する。
4.Frameに基づいてMSを生成する。
英作文の場合を考えてみよう。まず日本文の中でMSの核になる表現を見つける。核になるのは,動詞や〈be動詞+名詞・形容詞〉。(b)なら「話せる」と「いる」,(c)なら「かかっている」と「きれいだ」がそれに当たる。
次に,核になる表現が動詞の場合は,Frameを確認する。Frameとは,どのように語句を配列するかという文の枠組みであり,動詞の意味によってFrameが決まっている。ちなみに,英文解釈の場合なら,Frameを分析すれば動詞の意味がわかる。
日本語の場合は主語を省略されることが多いが,英語では基本的に主語は必要なので,核になる表現に対する主語を決定する。〈主語+述語〉の関係が決まれば,あとはFrameに合うように表現を当てはめるだけでMSを生成することができる。