goo blog サービス終了のお知らせ 

シャボン玉のひとり言

人生の後半 老後のボケ防止
日々の出来事・つよちゃんへの思い
気まぐれな、ほったらかしブログ・・・ぼちぼちと!

「大失敗して、色々と学び始めました」草彅剛が打ち明けた“調子に乗っていた”自分が変化したきっかけ

2024年06月08日 | 剛君
主演映画『碁盤斬り』が公開中の草彅剛氏。キャスターの有働由美子氏との対談で、撮影時のエピソードや俳優としてのスタンス、また近年における心境の変化などを語った。



「草彅さんには褒められたことがあります」

草彅 有働さんに会ったら、NHKの『紅白歌合戦』のリハーサルで履かれていたブーツの話をしようと思っていたんです。

 有働 よく覚えていらっしゃいますね! たった15秒ほどの会話でしたが、安い古着屋で適当に買ったブーツなのに、草彅さんに「いいですね」って褒めていただいて。

 草彅 イタリアのゴールデングースというブランドで、僕も好きだったので印象に残ったんです。

 有働 お洒落なブランドだとは全然知りませんでした。私は「私服がダサい」って言われるので、いつも「草彅さんには褒められたことがあります!」って言い返してます。

ファッションの話が出たついでにアピールさせて頂きますと、誌面では分かりづらいかもしれませんが、生まれて初めて髪を脱色して、染めました。

 草彅 とても似合ってますよ。

 有働 って、言わざるを得ない流れですよね(笑)。NHKにいて、その後も報道番組をやっていたので「不良のようなことはやってはならぬ」と思っていましたが、3月末に『news zero』を卒業して、その翌日には「この支配からの卒業~」(「卒業」作詞/作曲:尾崎豊)という気持ちで染めました。今日が、髪を染めてからの初仕事です。

 草彅 いいですよ、その色。新しい世界に入って、ふつふつと燃えたぎる感じで。これは赤ですかね。

 有働 フランス人のカラーリストが「赤ではないけど赤」と言っていました。私の遅れてきた反抗期みたいなものです。草彅さんは反抗期ありましたか?

 草彅 僕はいつも反抗していますよ。よく、「剛君は怒らないの?」と聞かれるのですが、実は常に怒っているんです(笑)。常に怒っているから、怒っているように見えないだけで。

怒りをエネルギーに

 有働 何に怒っているんですか?

 草彅 たとえば人間って誰もが死に向かって生きていますよね。それにイライラするんです。

 有働 え? わからん。

 草彅 人は生まれた瞬間から否応なく歳を取り、いつか死に直面するのは避けられない。その現実にイライラしてしまう。その怒りをエネルギーに変えて活動しているんです。有働さんも意識していないだけで絶対あります。怒り、出てますよ。

 有働 確かに、ニュース番組の間は、ずっと怒っていたかも。世の中に対して腹を立てたり、至らない自分自身にも……。

 草彅 自分に対しても苛立ちますよね。演出家のつかこうへいさんに「剛は自分の存在に対してイライラしているんだよ」と、言われたことがありました。その時は何言っているんだろうと思ってたんだけど、最近、理解できるようになりました。有働さんをテレビで見てて、やっぱり抑えてても反骨心のようなものが出ていたと思う。それが遂に解き放たれた。

 有働 お恥ずかしい。

 草彅 いや、いいと思います。僕も真似して、髪を赤にしてみようかな(笑)。

みんな天才なんですよ

 有働 草彅さんが主演を務める映画『碁盤斬り』が、5月17日から公開されますね。演じるのは、身に覚えのない罪を着せられた上に妻も失い、故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進。彼は、清原果耶さん演じる娘のお絹と2人で、江戸の貧乏長屋で暮らしています。実直な人柄の格之進は、ある切っ掛けで冤罪事件の真相を知らされ、命を懸けた仇討ちの旅に出かけていきます。

 映画を拝見して、草彅さんの敵に対する鬼気迫る表情に圧倒される一方で、作品の重要な要素でもある碁を打つ場面の静かな佇まいにも目を奪われました。お名前の出た、つかさんをはじめ先輩方が草彅さんを「天才」と評するのも納得です。

 草彅 つかさんは適当に言っているだけなんですよ(笑)。そう言った方が楽。つかさんは役者をその気にさせるために誰にでもそう言っているんです。ただ、僕から言わせたら、この世界で活躍している人は皆が天才だと思います。

 有働 と、言いますと?

 草彅 役者さんにはそれぞれ個性があり、みんな天才だと思わせる才能がある。『碁盤斬り』だと、清原さんもそうだったし、中川大志君もそう。有働さんも天才ですよ。

 有働 いやいやいや。

 草彅 生放送であれだけ臨機応変に対応できるのは凄い。僕には出来ないから。それぞれ才能のバリエーションが違うだけなんです。

 有働 ただ、役者の皆さんは他の方と比較されたり、評価されることもある仕事じゃないですか。

 草彅 20代の頃はあったかもしれません。今も、他人がまったく気にならないと言ったら嘘になりますが、過去の自分と比べて成長しているかどうかの方が大事ですね。自分が昔よりも劣っていることの方が、もっと悔しいです。

 有働 それはいつ頃から感じるようになりましたか?

 草彅 35歳ぐらいですかね。

 有働 何か切っ掛けがあったんですか?

 草彅 ちょうど酔っぱらってお騒がせしてしまった頃ですかね。

 有働 なるほど。ありましたねえ(笑)。

 草彅 大失敗をしたことで、色々と学び始めました。どこか調子に乗っていたところもあったと思います。環境も良かったし、何不自由なく仕事をしていた。アイドルとして20代を走り抜けて、ちょうど次のステージに上がる頃だったこともあるのでしょうね。以来、自分と向き合って生きるようになりました。

 有働 自分を直視するのは、辛い作業ではないですか?

 草彅 いや、他人と比べるより、自分と比べる方が楽ですよ。たとえば僕は10年ほど前からギターを弾くのが好きになりましたが、なかなか上達しなかったんです。前はお客さんの前で弾いて、逆に「頑張って」と応援されるほどでした。でもある時、泉谷しげるさんに「お前がファンに励まされてどうする。みんな金を払ってきているんだ!」と𠮟られて、その言葉が響いた。

 有働 まっすぐに受け止めて。

 草彅 それで自分の弾いているところを録画し始めたんです。そうすると「え? 俺ってこんな下手なの?」って思う。でも自分のダメなところがわかると、少しずつ上達していけた。「過去の自分に勝っているな」と思うことが出来るのは、とても楽しいですよ。

撮影中に我慢したピザ

 有働 今回の映画の撮影で苦労したことはありましたか?

 草彅 大好きなクアトロ・フォルマッジが食べられなかったこと。カマンベール、モッツァレラなど4種類のチーズが乗ったピザで、泊まっていた京都のホテルのものが絶品なんです。でも、格之進は貧乏な浪人という設定だったので、撮影中は我慢しました。

 有働 「一口ぐらいなら……」と食べてしまわないですか?

 草彅 食べませんね。演技に説得力が無くなるんですよ。上半身を脱いで神経を研ぎ澄ますシーンもあったので、贅肉がプヨプヨ付いていたら、「あいつ、美味いもの食ってるじゃん」と思われる。だから我慢しました。あと苦労したことで言えば、仇討ちの旅でボロボロになっていく様を見せるために、顔にホンモノの泥を塗るんですよ! あれは拷問です。

 有働 うわっ、乾いてカピカピになりますよね。

 草彅 そうそう。するとまた塗り足すんですよ。それも朝イチからですからね。寝起きで顔に泥を塗られるって……。

 有働 普通ではありえない。

 草彅 髭も徐々にボサボサになっていくのですが、特殊メイクで1本1本植えていく。それがとにかく痒い。花粉症の季節だったので鼻水も出てしまうし、泥も塗られている。その怒りが演技に活きた!

 有働 風雪の中を、仇(かたき)を探して歩きまわる迫真の演技に活きたと。

 草彅 そうそう。痒くても掻けないのに「はい、本番です」と言われたら演技をするしかない。でも、それがまさに格之進の人柄を表している。痒くても掻かないぞ、という武士の心です(笑)。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。