シャボン玉のひとり言

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草彅剛「演じることはやっぱり楽しい」 『ヴェニスの商人』でシェイクスピア劇に初挑戦

2024年10月18日 | 剛君
不朽の名作『ヴェニスの商人』で、草彅剛がシェイクスピア作品に初挑戦。希代の悪役・シャイロックを演じる。草彅にとってはシェイクスピアだけでなく、演出の森新太郎をはじめ、キャスト陣もほぼ初の顔合わせ。この難題を前にした心境を草彅に訊くと、いかにも彼らしい、軽やかでいて真摯な答えが返ってきた。




水と油くらい対極にいるほうが、面白い化学反応が起こる

――初のシェイクスピア劇への挑戦となります。これまでシェイクスピア作品に対してどんなイメージをお持ちでしたか?

なにもないですね(笑)。そもそも演劇とはなんぞやとか、シェイクスピアとはなんぞやとか、マニアックなことはまったくわからなくて。僕が興味あるのは、古着とギターとブーツだけ(笑)。でも水と油というか、それぐらい対極にいるもののほうが、面白い化学反応が起きると思うんです。僕自身わからないがゆえに、その世界に入った途端、どんどんのめり込んでいくような気もしていて。そういうところにこそ見たこともないような宝物が隠されていると思いますし、この座組みでやるからこそのシェイクスピアになったらいいなと思います。

――シェイクスピアと聞くと、俳優さんとしてはどこか気負ってしまいそうですが……。

いや全然(笑)。小さい時から板の上に立ってきたので、やっぱり本番が始まってみないと、その舞台がどういうものかなんてわからないとよく理解しているんです。でもだからこそ楽しみでもありますよね。どうなるかわからないその未知なるところが、いい意味で不安定というか、あやふやにしているところが面白いと思うので。何より僕の中にあるのは、観に来てくれた人に楽しんでもらいたいという気持ちだけ。だからそこに全集中していれば、どんな脚本であろうが構わないと思っているんです。

――草彅さんが舞台で演じるやりがいも、そういったところにあるのでしょうか?

そうですね。お客さんに喜んでもらえることがやっぱり一番。期待してもらっているのも感じますし、そもそもチケットを買ってもらっちゃっているわけですから。まだ完成してもいないのに(笑)。それは怖くもあり、そのドキドキ感がやっぱり楽しくもあるんですよね。

琴線に触れるような、観たら10年は忘れられない舞台になる

――ちなみに稽古はお好きですか?

うん、好きですね。とはいえ真面目な自分と不真面目な自分がいて、そのふたりがいつも戦っているような感覚です(笑)。

――自分の中で自分と自分が戦っている?

そうそう。「だって本番やってみないとわかんないんだからさ」と言う不真面目な自分と、「そこは演劇人としてしっかりやらないと!」と言う真面目なふたりが戦っていて。で、その先にあるのは、やっぱり僕はこの仕事が好きだってことなんですよね。そう、最終的にはこの仕事がとことん好きなんです。

――それは“演じること”が好きだと?

好きですね。正直、ちょっと大変だなって思うときもありますよ(笑)。怒ってもいないのに怒ったり、泣きたくもないのに泣いたり、これって体に悪いよなぁと思いつつ、だけどやっぱり好き。誰にでも出来る仕事じゃないとも思いますしね。せっかく僕にやらせてみたいと思ってくれた役であれば、僕は全力を尽くしてその役をやる。それこそ僕が生きている意味なんだと思います。

――今回演じられるシャイロックは、これまでとはまた違った役どころですね。

悪い役ってやっぱり面白いですよね。日常では言えないような言葉を発したり、態度を取れたりするわけですから。普段そんな態度を取ったら絶対に嫌われるってことでも、好んでやれる。それはやっぱり気持ちがいいなと。さらに初めての演出家、初めての共演者、初めてのシェイクスピアと初めて尽くし。きっと自分の中でも、新しい発見や新鮮な気持ちがたくさん沸き起こってくると思うので、そういったことをうまく掬い取ってシャイロックという役に繋げていけたらなと思います。

――まだ作品が出来上がるどころか、稽古開始前というタイミングではありますが、チケット購入を迷っている方の背中を押すようなひと言をお願いします!

日常とは一線を画す、現実逃避出来るような世界が広がっていると思います。シェイクスピアによって400年以上前に書かれた作品ではありますが、今でも古さを感じさせない、もしかしたら皆さんにとって身近な、琴線に触れるような舞台になるのではないかと思います。観たら10年は忘れられない舞台です。ぜひ劇場にお越しください。

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“いい人”草なぎ剛、“悪役”への思い「日常とかけ離れていることをできるのが一番の楽しみ」

2024年10月15日 | 剛君
俳優・歌手の草なぎ剛が、12月6日から来年1月10日まで東京、京都、愛知で上演される舞台『ヴェニスの商人』に主演する。さまざまな舞台に出演してきた草なぎが、稀代の戯曲家であるウィリアム・シェイクスピアの作品に挑むのは初めて。



温厚で穏やかな“いい人”のイメージがある草なぎだが、本作の高利貸しの悪役・シャイロックのように“悪い役”での好演も多い。周囲が“悪役”を求めること、役への臨み方について聞いた。

■悪い役でもいい役でも「僕と仕事をしたいな」と思ってくれることがめちゃめちゃうれしい


――シェイクスピア作品初挑戦ということですが、『ヴェニスの商人』の印象を教えてください。

【草なぎ】初めてのことは、いつも楽しい要素をたくさん感じられるので、またこうやって新作に挑めるなと思っています。脚本を読んだり、YouTubeで調べたり、ググったりしているのですが、シェイクスピアさんの400年くらい前の脚本が、こうやって現在にも語り継がれている魅力みたいなものを、僕自身も感じています。
 それを今、このタイミングでやるっていうのは、僕にとっても、皆さんにとっても意味深いものになればなと思って。今いろいろと自分の中で考えて、楽しんで何かを構築しているというか、そんな段階ですかね。

――今回、悪役・シャイロックを演じられるわけですが、なぜご自身にオファーが届いたと考えられますか?

【草なぎ】たぶん、スケジュールが空いてたからじゃないですか(笑)。

――そんな理由ではないと思います(笑)。

【草なぎ】分からないなぁ。なんかこれまでも悪い役というか、ちょっとエッジの効いた役…白井(晃)さん(演出)の舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』(20、21~22年/独裁者役)とか、ああいう役も僕にハマって。そういうのを、偉い方が見に来てくれて、重なったんじゃないでしょうか(笑)。

――草なぎさんは、普段から温厚で穏やかな印象がありますし、ドラマや映画、舞台などでもそういった役を数多く演じられてきました。一方でお話にもあった、舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』などで悪役も演じていらっしゃいます。求められるものが幅広くなっていくことについては、どのようにお考えですか?

【草なぎ】何にも考えないですね。どう思っていただいても、なんかうれしいというか…。人の気持ちって、自分からはコントロールできないものなので、悪い役でもいい役でも「僕と仕事をしたいな」とか「こういう役いいんじゃないかな」と思ってくれた気持ちがめちゃめちゃうれしくて。だから別に(演じる役は)何でもいいですよ。

大切なのは劇場に来た瞬間に違う空気感に誘うこと「この世界観にお客さんを引きずり込む」


――ご自身は、悪役を演じる“やりがい”についてはどのように感じていますか?

【草なぎ】楽しいですね。普段使わない言葉をせりふとして言ってみたり。そういう楽しみがあるのも役の醍醐味でもありますよね。日常とかけ離れていることをできるっていう。それが一番の楽しみですね。(今回は)どこまで自分は悪くなれるのかなって。

挑戦ですね。

――今回のシャイロック役について、「ちょっとでも共感できる」「ご自身と似てる」と感じてる部分はありますか?

【草なぎ】まだしっかりと台本を読み込めてなくて、実はよくわかってなくて(笑)。役作りってよくおっしゃるけど、それより大事なのは、いかにお客さんに楽しんでもらうかということ。別に(役と)僕の共通点とかそんなのどうでもいいんですよ。劇場に来た瞬間に、違う空気感に誘うことが大事であって、共通点とか探そうと思わないし、別に演出家さんがそういう感じだったら演技して役作り的なこと話すけど(笑)、別にないですよ。

――作品の世界観に観客を没頭させる。

【草なぎ】そうですね。この世界観にお客さんを引きずり込むというか、そこが大事だなと思っています。監督さんが「共通点を探してくれ」って言えば探すけど、分からないですよね。厳密にいうと、ユダヤ人の苦しさだとか、400年前に書かれたこの脚本の冥利だとか、難しいじゃないですか、考えると。なので僕はあんまり難しく考えず、何もない私ですけど、何かあるようにするのが演技で。セットや衣装もプロがやってくれるので、そこで自分がいかに楽しむか。

いかになりきるかというか、そういうところを楽しめればなって思ってます。

■『ヴェニスの商人』公演日程
【東京公演】日本青年館ホール(東京都新宿区):2024年12月6日(金)~22日(日)
【京都公演】京都劇場(京都市下京区):2024年12月26日(木)~29日(日)【愛知公演】御園座(名古屋市中区):2025年1月6日(月)~10日(金)
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草なぎ剛、舞台は“自分と一番向き合える場所”「日頃の生活や自分の思考を正してくれる」

2024年10月15日 | 剛君
俳優・歌手の草なぎ剛が、12月6日から来年1月10日まで東京、京都、愛知で上演される舞台『ヴェニスの商人』に主演する。さまざまな舞台に出演してきた草なぎが、稀代の戯曲家であるウィリアム・シェイクスピアの作品に挑むのは初めて。近年は映像作品のみならず、舞台でも活躍を見せている草なぎに、その魅力を聞いた。



■舞台のお客さんは「ちょっと間違ってる方が、身を乗り出して見てくれる」

――草なぎさんは、映像作品はもちろん、ファンと対峙する舞台でも活躍されています。ご自身は、舞台のどのようなところに魅力を感じていますか?

【草なぎ】「自分と一番向き合える場所」というか…。ドラマも映画も基本的には変わらないんですけど、舞台は(物語が)進んでいくので「ストップ!ちょっと待って、もう1回」といかなくて。そこの緊張感っていうのは、舞台ならではですね。突き詰めていくと、舞台があるゆえに自分と向き合うというか。「なんでこのせりふ昨日言えたのに、今日は間違ったのかな」とか、より自分に問い正す時間が増えるんですよね。

――ストイックに向き合うわけですね。

【草なぎ】でもそれって他の仕事も一緒で、本来そうであるべきなんですよ。人間って、僕なんか特にそうですけど怠け者なんで、楽な方に流されて「うまくいったからいいや」とか思ってたりして。だけどやっぱり舞台をやると、日頃の生活とか自分の思考とかそういうものを正してくれますね。

――日常から変わりますね。

【草なぎ】そうですね。食べるものとか睡眠とかも考えるし、しっかり体力を保つ。僕にとっては、舞台上だけじゃなくて、僕自身が生きていく上で、めちゃくちゃ大事なことをいつも学ばせてくれるというか。そういうところが舞台にはありますからね。

――エンターテイナーとして、舞台上で観客の心をつかむためにやっていることはありますか?

【草なぎ】必死になってたらいいんですよね。お客さんって、うまくいってるものはあまり面白くないらしくて、逆にちょっと失敗とかする方が注目するんです。なんかちょっと間違ってたりしてガタガタしてる感じの方が、身を乗り出して見てくれるような気が僕はしていて。

――確かに何かあると、より注目したくなりますね。

【草なぎ】もちろん、下手にやるってことじゃないですよ。必死に食らいついてやってるところが見たいわけで。今回も自分の役のせりふがすごいいっぱいあるんですよ。絶対必死になるし、あたふたもする。もう頭から煙が出てくるみたいな感じ(笑)。どう考えても面白いと思いますよ(笑)。

■上映期間中のルーティーンは“カレーそば”「必ず劇場の近くのそば屋さんをリサーチ」


――先ほどのお話のなかに、上演期間中は日常から変わるとおっしゃっていましたが、何かルーティーンはございますか?

【草なぎ】僕、だいたい(午後)10時には寝ちゃうので、いつも朝6時、7時には起きるんですけど、舞台になるとやっぱ体疲れてるんで、8時、9時くらいに起きて、コーヒーを飲みます。そして、いつもより多めにストレッチして、深く深呼吸して。今日も1日、無事に舞台を務めることができるのかなって(考えたりして)。
 あと、「カレーそば」食べますね。好きなんですよ。本番になると決まって「カレーそば」を食べる。

――ルーティーンにするほど、お好きなんですね。

【草なぎ】昔、イチロー選手が朝カレーを食べるとか言われていたみたいな感じですね。だから必ず劇場の近くのそば屋さんをリサーチしてもらって、「カレーそば」がなかったらお願いして作ってもらったり。(東京)日生劇場で『道(LA STRADA)』(18年)という舞台があった時に食べた、近くの「カレーそば」が今までトップでおいしかったですね。

――全国に「カレーそば」の“ツヨログ”があるわけですね。

【草なぎ】そうそうあります。今回も京都劇場だから、もうだいたいこことここってのがあったりして。「カレーそば」は詳しいです。

――今回に関しては、上演期間中に年越しを迎えます。年越しそばは「カレーそば」になりそうですね(笑)。年末年始は、ゆっくりできそうですか?

【草なぎ】あっ、でも家ではあまり食べないんですよね。劇場で食べるの。でもいいかもしれない。そうか、来年までまたいでいくのか。年末は29日が最後で京都ですよね? 東京に帰ってくるでしょうね。2、3日は多分休めると思うんですけど、舞台があって、年をまたぐ時ってやっぱりちょっと気が抜けてないところもあるんで。

――なかなか気が抜けない?

【草なぎ】おせち食べすぎちゃって、本当せりふ忘れちゃうんですよ(笑)。本当に毎日やってるのに、お腹いっぱいになったりすると、思考回路がどっか違うところにつながっちゃうみたいで(笑)。だから気をつけないといけないなって。お正月気分もありながら、必ず毎日一通りはせりふをブツブツ言ってた方が安心ですよね。

■舞台に立つのはこの世界に入っての“一番の核” できる限り立ち続けていきたい


――先ほどのお話のなかに、舞台は「自分と向き合える場所」という言葉がありました。大変さもあるなかで、今後その舞台とはどういう風に向き合っていきたいですか?

【草なぎ】舞台に立つっていうのは、若い時からこの世界に入っての一番の核になる部分。歌を歌ったり、人の前で立つのも舞台だし、何かそういう人の前で生で表現するっていうのは、一番芯を食ってる部分なので、できる限り立ち続けていきたいなと思っています。そこに重きを置くことが僕の人生の一番の、僕自身の物語っていうかストーリーになっていくんじゃないかな。

――ご自身にとって「舞台」はとても大きい存在なんですね。

【草なぎ】そうですね。板の上に立つって、どうしたって体を動かさないといけないので、健康だったり、元気じゃないとできないこと。いつに日か絶対に立てなくなる時がくる。そんなようなことも考えたり。自分との一番の戦いだなって。突き詰めて考えると、一番大事な仕事なのかもしれないですね。

■『ヴェニスの商人』公演日程
【東京公演】日本青年館ホール(東京都新宿区):2024年12月6日(金)~22日(日)
【京都公演】京都劇場(京都市下京区):2024年12月26日(木)~29日(日)
【愛知公演】御園座(名古屋市中区):2025年1月6日(月)~10日(金)
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草なぎ剛、活躍の場が広がり喜び「選んだ道は正しかった」 “自身の核”舞台への思いや今後も語る

2024年10月15日 | 剛君
人前で表現する舞台は「かけがえのない唯一無二の世界観」

近年、俳優としての評価がうなぎ上りの草なぎ剛。2017年9月22日に稲垣吾郎、香取慎吾とともに「新しい地図」を立ち上げてから7年、先月『with MUSIC』(日本テレビ)で立ち上げ後初となる3人そろっての音楽番組出演を果たすなど、今年さらに活躍の場が広がっている。俳優・歌手・タレントとマルチな活躍を見せているが、観客と同じ時間を共有できる舞台やコンサートが自身の核だという。今冬、舞台『ヴェニスの商人』でウィリアム・シェイクスピアの作品に初挑戦する草なぎに、同舞台への意気込みや生のステージへの思い、新しい地図として7周年を迎えた心境を聞いた。



NHK連続テレビ小説『ブギウギ』での羽鳥善一役も記憶に新しい草なぎだが、歌手・タレントとしても地上波テレビに出演、CMへの起用も相次ぐなど、ますます存在感が高まっている。『24時間テレビ47』(日本テレビ)内で放送されたドラマに香取が出演し、草なぎが語りを担当したことも話題を呼んだ。

草なぎは「確かに歌番組や『24時間テレビ』に参加させてもらったり、新しい風が吹いてきて、今まで声がかからなかったところから声をかけていただけているので、うれしい限りです」と喜び、「この道を進んできてよかったなと。自分がどの道を歩けば正解なのか、進んでみないことには誰もわからないと思いますが、選んだ道は本当に正しかったなと思えるし、これからもゆっくりゆっくり進んでいきたいなと思います」と手応えを口にした。



映像作品でも活躍する中、若い頃から舞台をより大事に感じているという。

「歌を歌うことも含めて、人前で生で表現するというのは、自分の中で一番の核となる部分なので、これからもできる限り舞台に立ち続けていきたいなと思っています。そこに重きを置くことが僕の人生の一番の物語になっていくんじゃないかなと。健康で元気じゃないとできないことだから、いつか絶対に立てなくなるときが来るということも考えるし、自分への挑戦だなと思うので、突き詰めて考えると一番大事な仕事なのかなと思います」

そして、ファンや観客と同じ時間と空間を共有できる場だからこそ、舞台は特別だと語る。

「生の空気感は何物にも代えがたい。もちろん映画に足を運んでいただいたり、ドラマを見ていただいたりするのもうれしいですが、僕自身もそこにいて、お客さんもいて、その作品がようやく出来上がるというのは、かけがえのない唯一無二の世界観なので」



また、舞台は「自分と一番向き合える場所」だという。

「ストップしてもう1回ということができず、やり直せないという緊張感は舞台ならでは。その緊張感がある故に、自分と向き合うというか、『あのセリフ昨日は言えたのになんで間違えたのかな』とか、自分に問いただす時間が増えるんです。ほかの仕事もそうあるべきですが、人間って、僕は特にそうですが怠け者なので、楽な方に流されて、『ドラマはもう1回やらせてくれるから大丈夫』とどこかで思ったり(笑)。舞台をやると日頃の生活や自分の思考を正してくれます」

舞台があると日常の生活も変わっていくそうで、「食べるものや睡眠も考えますし、体力も温存しないといけないなと。本当はドラマも映画もそうやって臨まないといけないんですけど、人間だから『もう1回できる』という思いがあって。でも、舞台をやるとそれは良くない考えだと思わせてくれるので、生きていく上でめちゃくちゃ大事なことを学ばせてくれる場所になっています」と語った。

シェイクスピア作品初挑戦に意気込み「新しい自分に出会いたい」

12月6日から来年1月10日まで上演される舞台『ヴェニスの商人』で稀代の悪役・シャイロックを演じるが、シェイクスピア作品初挑戦となる草なぎは、新たな挑戦に胸を膨らませている。

「初めてのことは楽しい要素がたくさん感じられるので。最近は再演も多く、それも楽しいですが、また新作に挑めるなという思いです。YouTubeで『ヴェニスの商人』をいろいろ検索して、なんとなくこんな作品なのかなと。シェイクスピアさんの400年ぐらい前の脚本が今現在にも語り継がれている魅力を感じているので、今このときにやるというのが、僕にとっても皆さんにとっても意味深いものになればなと思って、自分の中でいろいろ考えて何かを構築している段階です」

そして、役作りで内面を深めるというより、観客にどう受け取ってもらえるかということを最も意識して舞台に立つようにしていると明かす。

「台本を深く読み込んだり、役と自分の共通点を探したりというよりも、大きい声を出したりして作品の世界観に誘い、いかにお客さんに楽しんでもらうかが大事だと思っています。あまり難しく考えず適当にハッタリで(笑)。そして自分がいかに役になりきるか、そういうところを楽しんで、お客さんを作品の世界に引きずり込めたらと思います」

観客の心をつかむためには「必死さ」も大事だと語る。

「自分が必死になっていたらいいんです。お客さんはうまくいっているのはつまらないみたいで、ちょっと失敗するほうがみんな注目してくれるんです(笑)。間違ったりガタガタしているほうが、身を乗り出して見てくれるような気がしていて。下手にやるということではないですが、必死に食らいついてやっているところが見たいんだろうなと。今回、自分のセリフがすごく多くて、絶対に必死になるし、あたふたするので、どう考えても面白いと思います(笑)」

頭で考えて役を理解して演じるのではなく、現場での感覚を何よりも大切にしている草なぎ。以前インタビューした際に「こういう風にやらないとって決めて演じるとつまらなくなるので、何も考えないようにしています」などと話していたが、舞台は稽古で何度も同じシーンを繰り返して仕上げていくもので、普段のように鮮度を大切にする役作りとは異なってくる。

草なぎは「飽きますよね(笑)」と率直な思いを吐露しつつ、「自分と向き合う時間になるところが楽しくて、演じ方もいろいろあって、演出の仕方もいろいろあって、そこに協調性を持って真面目にやるという基本的なところが人として大事だなと。僕はいつも台本を自分のところしか読まないですけど、『剛、台本をきちんと読む大切さがあるだろう?』って舞台の神様に叱っていただいているような気がしています(笑)」と、自分を正す場になっていると改めて語る。

また、舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』(20、21~22)などでタッグを組んだ白井晃氏の演出を振り返り、「何回も何回も同じところをやって、本番までに喉が潰れちゃうんじゃないかなって思うんですけど、そこも自分との向き合いなんですよね。そういうことを乗り越えていくと新しい世界が見えて楽しくなってくる。本番も毎日同じことをやるんですけど、同じものにはならなくて。いつも自分を正してくれるものになっています」と話した。



舞台『シラの恋文』(23~24)はセリフ量が少なかったのに対して、今回はセリフ量が多く、描く世界観も全く異なる。

「『シラの恋文』はほわっとした作品でセリフ量が少なかったんですけど、今回はそれとは真逆で、めちゃくちゃ長セリフがあり、体力的にもすごくエネルギーを使うので、僕自身もめちゃめちゃ挑戦だと思っています」

そして、「声が枯れることもあると思いますが、それはそれでドキュメンタリーというか、舞台を見に来る方は声が枯れてくるほど楽しいというのがあると思います。毎日見に来てくれる方もいて、エゴサーチをするとそういった変化や必死になっている姿を楽しんでくれていて。今回もボロボロになると思うので、そこで新しい自分に出会いたいなと思っています」

俳優としての今後の展望は? 新しい地図としての目標にも言及

今後の俳優としての活動をどのように思い描いているか尋ねると、「役者としての展望はなく、いただいたお仕事をやるのみです」と回答。

「仕事があれば何でもウェルカムです! 自分がどういう役者さんになろうというのはなくて、呼んでくださることがうれしいなと。すごく自分自身、今満足しているし、満たされているので、その先の役者としての展望はなく、今いただいているお仕事と向き合っていけたら」

新しい地図としての今後については、『with MUSIC』に出演した際、10年後に「東京ドームでコンサートしていたい」と話していたが、「言うだけタダなので(笑)。そういう大きなことを言うと盛り上がるじゃないですか。盛り上げです!」とにやり。

言葉にすることで叶うこともあると感じているそうで、「言ったもん勝ちなところがあって、自分の気持ちも高まりますし。それが叶わなかったとしても、その思考に近づくので、思ったことをどんどん言うのもいいなと思っています」と話した。

東京ドーム発言の際も香取が「具体的すぎること言う」などとツッコんでいたが、草なぎにとって香取は、しっかりと意見を言ってくれる貴重な存在だという。

「この年齢になると怒ってくれる人が少なくなってきますが、慎吾ちゃんは僕のプロデューサー的な立ち位置のときもあって、慎吾ちゃんの意見はすごく取り入れることが多いです」

最後にファンに向けて「皆さんが楽しみにしてくれていることが僕の原動力です。期待に応えられるように僕も楽しませたいと思うので、これからも期待していてください! そして、『ヴェニスの商人』のシャイロック役では、『もうつよぽんなんて嫌いだよ!』と思われるぐらい嫌なヤツになってやろうと思っているので、楽しみにしていてください」とメッセージを送った。

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強い人たち・・・新しい地図

2024年10月13日 | 新しい地図
地上波出ずとも苦しさは「1ミリもない」 稲垣吾郎さん 7年に思い

先月、「with MUSIC」という音楽番組に香取君、草彅君と3人で出ました。7年前に「新しい地図」が始まってから地上波で歌うのは初めてだったせいか、反響が大きくて驚きました。テレビの影響力を改めて感じましたね。



たくさんあった楽曲 いまは「ひとつの曲をじっくり、長く」

 歌った後のトークで「緊張した」と話したのですが、本心です。普段は出ないアドレナリンが出て、どきどきして興奮する感じも思い出した。2人と一緒だったから、初心に戻ったというか。3人で出たことの意味は大きかった。

 テレビって異世界というか夢の世界。あっという間に解ける魔法みたいで、「自分は今、魔法にかかってるんだ」と信じ込まないと、とてもじゃないけどステージに立ってられない。もともと人から見られるのが苦手なんだけど、その感覚を久々に実感しましたね。

 歌ったのはソロの新曲と、「雨あがりのステップ」という、2018年に3人で発表したパラスポーツの応援ソング。「雨あがり~」は、東京とパリでパラリンピックが開かれた時、イベントや自分たちの番組で披露してきました。昔は曲がたくさんあったから、ひとつの曲だけ歌い続けることはなかったんだけど、この曲はじっくりと長く歌っています(笑)。曲というのは聞く人の中で完成形を迎えて、そしてまた成長していくものだと思ってるから、4年後のロサンゼルス大会にもつなげられたら、と楽しみにしています。

地上波出演減っても苦しかった思いは「1ミリもない」

 この7年で、環境はだいぶ変わりました。子どものころからずっと同じ会社やシステムの中にいたわけだから、「地図」を始めた時は当然怖かった。未知の扉を開けるように、右も左もどうなるかまったくわからない。いろんな都合でテレビに出る機会が減ったことを心配してくれる声があったのも知っているし、ありがたく受け止めていますが、僕は悲観的にはならなかった。

 そこに対する思いは、3人それぞれ、少しずつ温度差はあるかもしれませんが、「地上波に出られなくて苦しかった」という思いは僕は1ミリもない。ネットでの番組やラジオ、舞台と、その時々に100%を尽くしてきたから。

 今思えばそういう運命で、自然の流れ。これまでのことがなければ、今の幸せはないんだよね。同じ環境で続けることがベストだと思いがちだけど、人生ってそうはいかないじゃないですか。いつまでも同じ場所にいることがいいと僕は思いたくなくて、その時代ごとにできることを見つけたい。

 今後、僕の番組のゲストに「両親がSMAPファンです」という若いアーティストが来たら話のきっかけにできるし、若い世代に伝えられることがあるはず。世代交代なんて大げさなことじゃなくて、そういう「つなげていく」ことを大事にしたいと思っていますね。(聞き手・松沢奈々子)


72時間ホンネテレビでの3人の涙
慎吾君が言ったように、あの時の最後の涙でスイッチが入ったと・・・
3人3様の思いが決まった瞬間だった様に今思える
その中でも、吾郎さんの涙には驚いた 
今まで一度たりともあんな風に泣く姿を見た事がなかったから
吾郎さんの強さもまた7年間で揺るぐことが無いほど強固になったと思う
新しい地図 素敵な人たちのNAKAMAでいられる事が今とても嬉しくてありがたい

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