西谷泰人先生のHPからです。
●宝くじの一等が2度当たった友人の話
世の中には運のいい人がいるものです。先週、手相鑑定にいらっしゃった30代の女性のお客様の友人に、ナント宝くじの1等に2回も当選した女性がいるそうです。当選金額はそれぞれ1億円と1億5千万円で、合計2億5千万円です。
その女性は飲食関係のお店をやっているそうですが、宝くじに当選してからは、毎日の営業時間はうんと縮めて休日もいっぱい作り、旅行をしょっちゅうしているそうです。お金はいっぱいあるので、お金のために働く必要はまったくありません。悠々自適な生活です。
そんな話を聞くと、運のいい人だナ・・・、羨ましいナ・・・、と思うのは人情です。でも次の話を聞くと、ちょっと考え方が変わるかもしれません。
●この世に生まれてきた、それはアンビリーバボーな幸運
遺伝学の分野の研究で世界的に名高い村上和雄・筑波大名誉教授が、毎日新聞のインタビューに答えて、次のように話していらっしゃいました。
「アポロ9号乗組員だったラッセル・シュワイカート氏に会った際「宇宙空間から地球を見ていると、ただ美しいだけでなく、自分が地球の生命とつながっていると感じた」と話していました。私も遺伝子という超ミクロの世界に降り立ち、同じ感動を味わうことができました。肉眼では見えない微細な空間に、万巻の書物に匹敵する遺伝情報が書き込まれ、正確に働いている事実を知ると、すべての生命の親のような、偉大な存在を感じないではいられません。
これだけ科学が進歩しても、われわれは細胞一つ、ゼロから作ることはできないのです。この世に生まれただけで、1億円の宝くじを100万回連続当選したほどの幸運といえます。生命を大自然からの贈り物、ないしは借り物ととらえ、感謝の気持ちを抱くべきです。そうすれば自然によい遺伝子のスイッチが入り、人生もおのずとプラスに転じてくるでしょう」
--もし努力して、成果が出ないときはどうしたらいいのでしょう。
村上教授はこのインタビューアーの質問に答えて、
「それでも努力やお金が無駄だったとはいえないでしょう。私は親から「天に貯金をする」との言葉を習いました。お金を自分のためだけでなく、世の中のため人のために使っておけば、一千倍、一万倍にもなって返ってくるという意味です。
私も研究者として業績を上げた際、その背後に先人たちの膨大な準備期間と試行錯誤が横たわっていることを実感しました。確かに費やした努力やお金は、自分に戻ってこない場合もあります。でもいつか必ず子や孫、あるいは社会の誰かの役に立っていくのです」
◇村上和雄(むらかみ・かずお)
1936年生まれ。京都大大学院博士課程修了後、米国オレゴン医科大研究員、バンダービルト大医学部助教授を経て99年まで筑波大応用生物化学系教授。高血圧に関係する酵素「レニン」の研究で、96年に日本学士院賞。(毎日新聞 2005年12月8日)
村上教授が述べていらっしゃることは、「あなたが今こうして地上に誕生し生きているという事は、素晴らしい奇跡である」「私たちは全ての生命の親のような存在があって生かされているとしか思えない」「多くの先人たちの努力と愛情で、多くの今日の幸せを与えられている」「それらに『感謝』する事が、人生を好転させる秘訣だと思う」ということです。
●大きな愛情ほど忘れがち
私たちは、そのように本当は恵まれ過ぎるほどの環境にいるのに、何かあると、人と比べて、すぐに不満を言っていないでしょうか? 人って、大きな愛情には気が付かず、感謝しないで、小さな愛情を受けた、受けないと敏感になっている・・・、そう思いませんか。
例えば、空気に感謝している人ってあまりいないでしょう。無かったら3分と生きていけないのに、いっぱい与えられています。水も全ての生物に必要不可欠。太陽の暖かい熱も光もそうです。もし無かったら、そこは氷の世界で、光もなく真っ暗闇。特別な微生物以外の動植物は存在できません。
そして、それらはタダです。食物もタダ。土地も、家の原料も全てタダ。「有料じゃないの?」と、みなさん思うでしょう。ところがタダです。お金を取っているのは人間です。
衣服も便利ないろいろな器具も、原材料は全てタダで与えられています。人や企業は、それを借用しているだけです。美しい木々や草花もそうですね。桜や紅葉、雪景色なんか、もう最高の自然庭園です。
それをつい当たり前のように思っているのが、私たち人間なんですね。それなのに一度も自然から光熱費を請求されたことも無ければ、空気代、水代、景色代などなど、請求は全然ありません。愛情が大きければ大きい程、人は気が付きにくいのです。そして、いっぱい与えられている大きな愛には気が付かないで、小さな不足には気が付きやすいのです。
「いっぱい与えるだけ与えているのに・・・」と神様は思っていらっしゃるでしょう。
●宝くじに大当たりしたような人生にする方法・・・与えられていることに感謝しよう
人に良くしたときに、すごく感謝してくれる人がいます。そうすると「そんなに喜んでくれるなら、次はもっと・・・」と、また良くしてあげたくなる。それが自然な人情です。宝くじの一等を当てた彼女は、一回目の当選でいっぱい神様に感謝したんでしょうね。だから、また与えられた。神様も嬉しくなったんでしょう。
宝くじに当たらなくても、何か幸運があったときにあなたが大いに喜べば、次には将来、億万長者になる夫を神様がプレゼントしてくれるかもしれません。または、あなたの事業が大成功するとか、あなたの子供が大出世するなど、色々あります。どれも、宝くじが大当たりしたのと同じくらい、すごいことです。
別に大金持ちにならなくても、もったいないくらい有難い親や、よくできた夫や妻、賢くて親孝行な子供、優しい恋人をプレゼントしてもらっている人は少なくありません。または名誉や人気、健康、美貌、スタイルの良さ、才能、友人、上司、部下、師、感動する作品、書物などの形でもらう事もあります。
宝くじの1等に匹敵する(あるいはそれ以上の)幸せは、いろいろな形で起こります。そう考えると、自分は意外に、もう既に宝くじ1等級のプレゼントをもらっている・・・、と思う人が多いのではありませんか。
小さくても幸せを感じて、感謝する気持ちを抱いていると、さらにもっと大きな幸せがやってきます。注意しなければいけないのは、その反対に、大きな幸せを与えられているのに、まったく感謝しないでいると“失うこともある”という事です。
●病気に悲しみ、文句をいうクセ・・・
私のところに届くお便りの中には、苦しみを列挙する人が多くいます。これでもかという程ご苦労されているのを読んで、本当にお気の毒に思います。でもそればっかりでは、神様も嫌になってしまうでしょう。こんなにいっぱいしてあげてるのに・・・、って。
ですから、与えられた幸せに対して、まず感謝をする。例えば、健康に関していえば、「元気な部分に感謝しよう」ということです。病気の部分ばっかりみて、苦しいとか、運が悪いとか、辛いとか、ついつい文句ばっかり言ってしまう私たちですが、そうすると病気の部分はいつまでも治りません。
内臓の病気をしている人でも、手足は動くし、目も見える。事故で体の一部分を失ってしまったとしても、命がある。自分にある健康な部分(愛されている部分)にまず感謝をすると、健康な部分がどんどん増えてゆきます。いっぱいしてあげている事に気付いてくれたことが、神様は嬉しくってしょうがないんですね。
「それなら、こんな喜ぶ事もしてあげよう」となる。
だから調子のいい部分に感謝をいっぱいすると、病気(の部分)が一晩で消えてしまったという奇跡も起こる。奇跡といっても、今の科学で分からないだけのことで、そういうことは実際に起こっています。
小さくても、幸せにすぐ気が付いてお礼をすれば、幸せがもう一度来る。またその幸せ(愛)に感謝すれば、また幸せ(愛)が与えられる、となります。
この法則については、拙著『人生は三度チャンスがやって来る』(創文刊)の第五章「幸せは幸せを呼ぶ」や、『幸せ思考』(創文刊)の第五章「幸せそうにすれば、運命は85%改善できる!」にも詳しく紹介しています。
●夫婦関係、人間関係、仕事の不調、認められない人は、こうしよう!
病気に限らず、何でも感謝です。夫婦関係や家庭の問題、人間関係や仕事の不調(認められないなど・・・)、みな同じで、感謝不足から幸運が堰(せ)き止まってしまっているのです。
プラス思考が幸運を呼び、マイナス思考で不運になる理由も同じです。プラス思考は感謝に近い気持ちだから幸運になる。でもプラス思考は、まだ感謝の心ではありません。
プラス思考よりもう一段上の感謝の気持ちまで行っているのが、何でも願う通りになれる『幸せ思考』という訳です。
あなたに今、行き詰っているところがあるならば、そこばかりを見ないで、うまく行っているいいところに、まず感謝しましょう。それが、奇跡的に現状を挽回し、幸運を呼び込む究極の方法なのです