最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

トンデモ判決大阪地裁:朝鮮高級学校の無償化を命じる

2017-07-28 20:20:26 | 日記
時事通信の記事が分かり易いので、これを引用します。

朝鮮学校への適用命じる=高校無償化除外は「違法」-大阪地裁
国が朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から除外したのは違法だとして、大阪朝鮮高級学校(大阪府東大阪市)を運営する学校法人「大阪朝鮮学園」が国に処分取り消しなどを求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。西田隆裕裁判長(三輪方大裁判長代読)は「法の趣旨を逸脱するもので違法」と判断して除外処分を取り消し、無償化の適用を命じた。
高校無償化除外は適法=朝鮮学校側が敗訴-広島地裁

 同種訴訟は東京や名古屋など5地裁で起こされ、判決は2件目。広島地裁は19日、除外は適法と判断しており、訴えを認める判決は初めて。
 西田裁判長は「拉致問題の解決の妨げになり、国民の理解が得られないという外交的、政治的意見に基づき、朝鮮学校を無償化対象から排除した」と指摘。無償化の目的である教育機会の均等確保とは無関係で、適用の根拠規定を削除したのは無効と判断した。
 朝鮮学校では北朝鮮指導者に敬愛の念を抱き、国家理念を賛美する教育が行われていると言及したが、判決は「就学支援金が授業料に充てられず、朝鮮総連から不当な支配を受けている疑念を生じさせる特段の事情は認められない」とし、適用要件を満たすと結論付けた。



この裁判官は不思議な経歴をしています。高裁にいったのに、地裁・簡裁に戻るのははじめてみました。
それはそれとして、判決文がまだ出てきていないので何とも言えませんが、この趣旨通りであれば事実誤認も甚だしいとしか言いようがありません。

・そもそも高校は義務教育ではありません。その上で朝鮮高級学校は学校法人ではありますが、高校ですらありません。各種学校です。
・日本国内にあるどこの国の学校がもらっているとでもいうのでしょうか?この論拠から言うと、すべてのインターナショナルスクールが対象となりますね。こういう学校に通わせるという事は、日本政府の方針に従わせたくない親が通わせるところであり、そこに補助金を出すこと自体どうなんでしょうか。
・「朝鮮学校では北朝鮮指導者に敬愛の念を抱き、国家理念を賛美する教育が行われている」これだけで、十分反日的授業をしており、日本人の血税を払ってまで支援すべきものではありません。ちなみに教科書はこれです。
・「就学支援金が授業料に充てられず、朝鮮総連から不当な支配を受けている疑念を生じさせる特段の事情は認められない」とありますが、朝鮮大学校の教師が実質的なスパイ容疑で過去に逮捕されています。解説本は入手可能です。
本来なら、朝鮮からの仕送りで運営すべき学校をなぜ日本が肩代わりしなければならないのでしょうか。全くナンセンスとしか言いようがありません。

じん肺で死亡。未支給分は相続できるか。

2017-07-24 15:09:05 | 日記
平成27(行ヒ)349  じん肺管理区分決定処分取消等請求事件
平成29年4月6日  最高裁判所第一小法廷  判決  その他  福岡高等裁判所

じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者等が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合における労働者災害補償保険法11条1項に規定する者による訴訟承継の成否

時事通信の記事です。
じん肺認定をめぐり、原告の死亡後も遺族が裁判を継続できるかが争われた訴訟の上告審判決が6日、最高裁第1小法廷であった。池上政幸裁判長は、継続を認めなかった二審福岡高裁判決を破棄し、遺族が裁判を続けられるとの初判断を示した。
 その上で、認定について改めて判断するため審理を同高裁に差し戻した。
 原告は2009年にじん肺と診断された北九州市の男性。健康管理の基準となる「管理区分」の申請をめぐり、じん肺と認めなかった福岡労働局の決定を不服として提訴し、一審の口頭弁論終結後に死亡した。
 一審福岡地裁は「じん肺と推認できる」として決定を取り消したが、福岡高裁は「遺族には法的な利益がない」として訴訟を終了させた。
 第1小法廷は「労働局でじん肺と認定されなかった場合、労災の不支給処分を受けることが確実だ」と指摘。認定された場合、原告の未支給分を請求できる遺族には法律上の利益があると判断した。(2017/04/06-17:04)


裁判所の事実認定を見ていきます。
1 Aさんは15年建物管理者として働いていました。粉じんに触れる可能性の高い職場です。H21年に健康診断を受けたところ、病気が発覚しました。
2 労働局長は、地方じん肺診査医の審査に基づき、平成21年11月2日,Aが管理1に該当する旨の本件決定をしました。つまり、管理1はじん肺の所見がないという区分二なり、職場の影響ではないという判断でした。(参考 福島労働局
3 Aさんは納得いかず、審査請求を行いましたが、平成22年3月31日に同審査請求を棄却する旨の裁決となりました。
4 Aさんは平成22年9月29日,本件決定及び本件裁決の各取消し並びに国家賠償を求めて本件訴訟しました。が、第1審口頭弁論終結後の同25年9月14日に死亡しました。
5 地裁では平成25年12月10日、管理2以上に該当するとして,本件決定を取り消し、Aさんの(国家賠償請求)を棄却する旨の判決をしました。
6 平成26年6月6日、Aさんの妻及び子である上告人らが相続により本件訴訟におけるAの地位を承継したと主張して,訴訟承継の申立てをした。

地裁では、じん肺法の性質上、労働者の固有の権利であることが始まりであるのだから、Aさんの死亡で訴えの資格がないとしました。

これに対して最高裁は、
同法23条は,管理4と決定された者については,療養を要するものとしているところ,これは,労災保険給付の対象となる業務上の疾病として,「粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症」が定められ,療養補償給付等の対象とされていることに対応する規定であり,

給付金が絡むので、遺族にも相続権があるとしたわけですね。更に、

管理1に該当する旨の本件決定を受けたAは,管理4に該当するとして,本件決定等の取消しを求める本件訴訟を提起したところ,その係属中に死亡し,その妻及び子である上告人らにおいて訴訟承継の申立てをしたというのであるから,本件訴訟は,Aの死亡によって当然に終了するものではなく,上告人らがAの死亡の当時同人と生計を同じくしていたのであれば労災保険法11条1項所定の遺族に該当するものとしてこれを承継することになる。

第一小法廷判決
裁判長裁判官 池上政幸
裁判官 大谷直人
裁判官 小池 裕
裁判官 木澤克之

極めてまともな判断が出ました。
これが最高裁まで争われたこと自体、どうも納得いきません。というのも、労災がらみとはいえ100%の治療費とそれにかかわる費用が支援されるわけではないのです。さらには、国家賠償の対象になり得る内容であれば、家族の心理的負担は測定できないのでともかくとして、かなりの費用負担をして看病もしているはずです。1審は、死んだから交通事故の賠償金を払わなくても良いみたいな感じに見えてきますね。

口裏合わせの虚偽供述は隠避の罪に該当する

2017-07-22 07:53:47 | 日記
平成27年(あ)第1266号 犯人隠避,証拠隠滅被告事件
平成29年3月27日 第二小法廷決定

 道路交通法違反,自動車運転過失致死の各罪の犯人がAであると知りながら,Aとの間で,事故車両が盗まれたことにする旨口裏合わせをした上,参考人として警察官に対して前記口裏合わせに基づいた虚偽の供述をした本件行為は,刑法(平成28年法律第54号による改正前のもの)103条にいう「隠避させた」に当たる

裁判所の事実認定から見ていきましょう。
1)大型バイクが信号無視をして交差点に入っていきました。その結果、交差点右側から来たバイクに衝突し、衝突された被害者は脳挫傷で死亡しました。
その時、信号無視したバイクの運転手Aは、被害者を放置しました。
2)Aは逃れるために、珍走団(昔の暴走族)の仲間とバイクが盗まれたと口裏を合わせて警察に伝えました。
3)結局10か月後、Aはひき逃げ容疑で逮捕されました。その後事情聴取を受けた仲間は、Aがそのバイクに乗っているところを見たことがないし、持ってないし・・・とうその供述をしました。

そこで裁判所は、

被告人は,前記道路交通法違反及び自動車運転過失致死の各罪の犯人がAであると知りながら,同人との間で,A車が盗まれたことにするという,Aを前記各罪の犯人として身柄の拘束を継続することに疑念を生じさせる内容の口裏合わせをした上,参考人として警察官に対して前記口裏合わせに基づいた虚偽の供述をしたものである。このような被告人の行為は,刑法103条にいう「罪を犯した者」をして現にされている身柄の拘束を免れさせるような性質の行為と認められるのであって,同条にいう「隠避させた」に当たると解するのが相当である(最高裁昭和63年(あ)第247号平成元年5月1日第一小法廷決定・刑集43巻5号405頁参照)。

ということで、嘘の証言をしたAの仲間は犯人隠避であると裁判所は認めました。

刑訴法414条386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で有罪としました。

この辺りは議論の余地がないように思えますが、裁判長の小貫芳信氏は補足意見を出しました。
1)隠避行為とは,法廷意見が説示するとおり,「犯人の身柄拘束を免れさせる性質の行為」をいうものと解するのが相当である。当該虚偽供述が犯人の身柄拘束の継続に疑義を生じさせる性質のものであることを要するというべきである。

その通りですね。

2)被告人の虚偽供述の内容は,「Aがゼファーという単車に実際に乗っているのを見たことはない。Aはゼファーという単車を盗まれたと言っていた。」というものであり,AはA車を使用することは不可能であり,結局Aが本件事故車の運転者ではあり得ないことを供述内容とするものであるから,Aの身柄拘束を免れさせることに直接関わる虚偽供述内容といえよう。


これもそうでしょう。

3)本件は,虚偽供述にとどまるものではなく,Aと口裏合わせをした上で,前記虚偽供述をした事案である。・・・口裏合わせの事実は,虚偽供述が隠避に該当するというための重要な考慮要素というべきである。

4)口裏合わせを伴う本件虚偽供述は,「犯人の身柄の拘束を免れさせる性質の行為」とみることができ,刑法103条の隠避に該当する。・・・口裏合わせを伴う虚偽供述は同決定の身代わり自白と刑事司法作用を害する程度において差はないと思われるので,本件は同決定と類型を同じくする事案ということができよう。


ん?何が言いたかったのかな?という気がします。有罪に持っていくためのロジックがほかの裁判官と異なると?敢えて言うべき内容なのかなぁという印象です。公務執行妨害よりも重い罪にした点で新しかったのでしょうか。素人のにわか勉強なのでよく分かりません。

第二小法廷決定
裁判長裁判官 小貫芳信
裁判官 鬼丸かおる
裁判官 山本庸幸
裁判官 菅野博之


製造する上で容易に考えられることを書かなかったからと言ってクレームから除外されるわけではない

2017-07-17 07:09:04 | 日記
平成28(受)1242  特許権侵害行為差止請求事件  特許権  民事訴訟
平成29年3月24日  最高裁判所第二小法廷  判決  棄却  知的財産高等裁判所


1 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の他人が製造等をする製品又は用いる方法と異なる部分につき,同製品等に係る構成を容易に想到することができたにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合であっても,それだけでは,同製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存するとはいえない。
2 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の他人が製造等をする製品又は用いる方法と異なる部分につき,同製品等に係る構成を容易に想到することができたにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合において,客観的,外形的にみて,同製品等に係る構成が特許請求の範囲に記載された構成を代替すると認識しながらあえて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していたといえるときには,同製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存する。

事実確認から行きましょう。
1 ある薬の特許の保有者の一人が、輸入された薬について製造方法に関する特許を侵害しているので輸入の停止と、既に輸入したものを廃棄を訴えました。
これに対して、特許権侵害訴訟について製造等 をする製品又は用いる方法が特許発明の特許出願 手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事 情があるため、製造方法は、特許請求の範囲に記載された構成 と均等なものであるとはいえないと主張して、被上告人の請求を争っています。
2 特許出願時に特許請求の範囲で、目的化合物を 製造するための出発物質等としてシス体のビタミンD構造のものを記載していた が、その幾何異性体であるトランス体のビタミンD構造のものは記載していませんでした。
3 訴えられた側は、この種の薬を輸入販売している。
4 訴えられた側の製造方法ではトラン ス体のビタミンD構造のものである点でちがうが、その他は,上告人らの製造方法は,本件特許請求の範囲に記載された構成の各要件を満たしている。
5 特許の明細書には、特許請求の範囲外の他の構成を容易に想到する ことができたにもかかわらず、これを特許請求の範囲に記載しなかったのはそれだけでは特段の事情には当たらない。
6 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲外の 他の構成を,特許請求の範囲に記載された構成中の異なる部分に代替するものとし て認識していたものと客観的,外形的にみて認められるときは,前記1の特段の事 情が存すると判断できる。

結論は、
出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の対 象製品等と異なる部分につき,対象製品等に係る構成を容易に想到することができ たにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合であっても,それ だけでは,対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識 的に除外されたものに当たるなどの特段の事情が存するとはいえないというべきで ある。
出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の対 象製品等と異なる部分につき,対象製品等に係る構成を容易に想到することができ たにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合において,客観 的,外形的にみて,対象製品等に係る構成が特許請求の範囲に記載された構成を代 替すると認識しながらあえて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していたと いえるときには,対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲か ら意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情が存するというべきである。

正直いって、化学の分野は分かりません。ほんの一部の塩基の向きが違うだけで別の作用をしたりすることがあります。そうなると、分子構造だけではなく配列の向きまでもが限定されてきます。そこに来て製法については、どのように立証されたのでしょうか。
判決文ではそのあたりは書いていませんので、何とも。
例えば、車の部品のような製法と薬品の製法と一緒に製法特許として一括して扱うのはどうなのかなという気がしています。もちろんこの判断は、裁判官がするものではなく政策でどうすべきか決めていくべき話ですが、こういった現状に合わない法律で判断しなければならないのは何とかしなければなりませんね。

第二小法廷
裁判長裁判官 鬼丸かおる
裁判官 小貫芳信
裁判官 山本庸幸
裁判官 菅野博之

定期預金の相続は相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されない

2017-07-08 08:41:38 | 日記
平成28年(受)第579号 預金返還等請求事件
平成29年4月6日 第一小法廷判決

朝日新聞の記事が分かり易いので、引用します。

 遺産相続をめぐり、故人の定期預金が、相続人の受け取り分を決める「遺産分割」の対象に含まれるかどうかが争われた訴訟で、最高裁第一小法廷(池上政幸裁判長)は6日、「含まれる」との初判断を示した。最高裁大法廷が昨年12月に示した「預貯金も遺産分割の対象になる」という判例を適用した。
 従来の判例では相続人が合意する前でも、預貯金については各相続人が自分の相続分を引き出せるとされてきた。大法廷は昨年に「できるだけ幅広い財産を対象とすることが望ましい」として判例を変更したが、普通預金などが審理の対象だったため、定期預金や、積み立てた掛け金を分割で受け取る定期積金については判断していなかった。
 6日に判決が言い渡されたのは、死亡した女性の相続人の1人が、京都中央信用金庫(京都市)の女性名義の定期預金などから、自身の法定相続分の引き出しを求めた訴訟。第一小法廷は、相続人の間で遺産の受け取り割合が決まる前には、引き出すことはできないとした。

裁判所の認定から見ていきます。
1 ある人が亡くなりました。
2 その人は、信用金庫に普通預金債権,定期預金債権及び定期積金債権(以下「本件預金等債権」という。)を有していた。
3 相続人たちは、その預金を分割して相続したいと申し出ましたが、信用金庫は拒否しました。
理由は
(1) 共同相続された普通預金債権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである(最高裁平成27年(許)第11号同28年12月19日大法廷決定・民集70巻8号登載予定)。
(2)上記の制限は,一定期間内には払戻しをしないという条件と共に定期預金の利率が高いことの前提となっており,単なる特約ではなく定期預金契約の要素というべきである。


たしかに金融機関の立場からすれば、かなりの金額を定期で入れてもらって、その資金を貸し付けに回した直後に、解約を申しだされたらたまったものではないのは分かります。
だから
共同相続された定期預金債権及び定期積金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである。

第一小法廷判決
裁判長裁判官 池上政幸
裁判官 大谷直人
裁判官 小池 裕
裁判官 木澤克之

まあしょうがない判断でしょう。相続に関する法律がどうなっているかは別として、相続人が確定しないのに多額の定期預金を解約出来るとするというのは、非常に危険ですよね。相続人あるいは相続人のふりをして独り占めの可能性が出てきます。
金融機関側から言っても、いくら途中解約が可能とはいえ、簡単に解約できてしまうとなれば経営に大きな影響を与えかねませんし。普通預金ももう少し厳しくしてもいいんじゃないかとすら思います。これは司法ではなく立法への希望ですが。

吉見教授の従軍慰安婦を巡る名誉棄損裁判

2017-07-05 19:24:31 | 日記
いわゆる従軍慰安婦について、日本軍の強制があったとする吉見教授と、日本維新の会(当時)の桜内文城衆議院議員(当時)が街頭演説で吉見教授の従軍慰安婦強制はねつ造であると述べたことについて名誉毀損で訴えた裁判です。
6月29日に吉見教授の訴えが最高裁で棄却されました

被告の桜井氏のブログでは、淡々と描かれており、反対に吉見教授の支援団体(1)(2)では、こんな感じになっています。最高裁判決は、裁判所のものではなく支援団体がアップしていました。

それによると、民事訴訟法312条1項でしか最高裁に争えないのに、それに該当しないというのが棄却理由でした。
ということで、高裁での判決も出てきましたのでリンクを貼ります。

従軍慰安婦が、陸軍の仕官クラス(少佐クラス)の給料で雇われていたこと、慰安婦と民間人、軍人がピクニックに行っている写真が続々出てきているので、個人的には強制連行のというには無理があるのではないかという気がしています。
なので、少なくとも強制された奴隷ではないよね、という趣旨のようです。
こういうサイトばかりでなく、大学図書館また国会図書館に行けば直に証拠が見られます。

離婚裁判の陳述書が刑事事件の有力証拠とされた

2017-07-02 11:15:38 | 日記
平成28(し)639  再審請求棄却決定に対する即時抗告の決定に対する特別抗告事件
平成29年3月31日  最高裁判所第一小法廷  決定  その他  札幌高等裁判所

夫婦喧嘩は犬も食わぬとは申しますが、当事者にとっては重要な問題でして・・・
まさか簡易裁判で争われる軽微なものが、最高裁まで引き継がれるのかと思う反面、当事者にとっては容赦したくないという思いがあったのでしょう。という推測はともかくとして、本題に入ります。

1 請求人は,当時の被告人の妻Aに対し,その鼻部付近を手のひらで押し,同人を 転倒させて臀部を床に打ち付ける暴行を加え,よって,同人に加療約5日間を要す る左臀部挫傷,鼻部打撲の傷害を負わせた」との事実で起訴され,簡易裁判所から罰金15万円に処する旨の略式命令を受け,同略式 命令は,確定しました。

え?加療5日で15万円の罰金??高くないですか?痣ができたレベルでしょう。刑法208条では「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」とありますが、それでも高い気がします。この程度であれば、不起訴処分でしょう。


2 請求人は,無罪を言い渡すべき明らかな証拠をあら たに発見したとして,本件確定裁判に対する再審を請求し,新証拠として,Aの陳 述書等を提出。本件陳述書の内容は,実際に は暴行を受けていないし,けがもしていないが,請求人との離婚を有利に進めるた め,医師に頼んで診断書を書いてもらい,虚偽の被害届を出したというものでした。

3 原々審はその事件がなかったことの証拠として認めませんでした。

4 請求人からの即時抗告を受けた原審は,要旨以下のと おり説示して,原々決定を取り消し,本件について再審を開始する旨の決定をしました。

内容がかなり具体的で詳細だったようです。民事の陳述書は、証拠の一種として扱われて裁判がすすめられます。陳述書そのものが重大な証拠となることはほとんどなく、どんな流れだったのか、そのときの当事者の感情的な物が中心となります。なので、ここで証拠として採用されたということはかなり具体的であったため事実として認識されたのでしょう。

特に、請求人に対し虚偽の被害申告によって損害を 与えたことについての和解金として100万円を支払う旨の調停を成立させている ことも,本件の被害申告が虚偽でなければ説明が付かない行動といえる。

これは大きいですね。

5 Aの司法警察員に対する供述 調書のほか,医師の診断書,請求人(当時は被告人)の司法警察員及び検察官に対 する各自白調書等,本件確定裁判に係る犯罪事実を認定するのに十分な証拠書類が 提出されていた。また,検察官は,原々審に対し,本件再審請求に関する意見書の 添付資料として,請求人が,捜査機関から取調べを受けるより前である平成24年 5月25日にAの実家を訪ね,Aの父親に対し,「1回ドツイて暴力を振るってし ま」ったことを認めて謝罪する内容の手紙を手渡したことなどを内容とする捜査報 告書等を提出していた。同捜査報告書は,Aの司法警察員に対する供述調書や請求 人の司法警察員及び検察官に対する各自白調書の信用性を補強するものということ ができる。

検察官は最初の調書のまま突っ走ってしまったのでしょうか。後から出た証拠を、すっ飛ばしてしまったようです。
簡易裁判所は怖いですね。司法修習を終え、裁判所に勤務したての人が裁判官をやったり、裁判所調査官や事務長がやったりすることもあるらしいです。今回の原因になった簡易裁判所がどんな経歴の人が担当したか分かりませんが、裁判官がどんな人なのか運に振り回されるのは勘弁です。

結論
Aの証人尋問や請求人の本人尋問等を行わないまま, 本件陳述書の信用性は相当に高いなどと評価し,本件陳述書等の新証拠を基にする と,Aの従前の供述や請求人の捜査官に対する自白は信用するに足りるものとはい えないと断定して,新証拠が請求人に対し無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当た ると判断した原審の手続には,新証拠の信用性,とりわけ本件陳述書の作成経緯・ 過程の吟味を怠った点において,審理不尽の違法があるといわざるを得ない。


今回の裁判官 第一小法廷決定
裁判長裁判官 池上政幸 立派
裁判官 大谷直人 立派
裁判官 小池 裕 立派
裁判官 木澤克之 立派
裁判官 山口 厚 立派

民事裁判の陳述書が刑事事件の証拠になったというものですが、これは画期的な判断のようです。これまでこういう争いがなかったことの方が不思議ですね。
とはいってもこの判断は当然でしょう。で、暴力を振るったと虚偽告訴した元妻はどうなるのでしょうか。そこも興味あるところですが、情報はありませんでした。