埼玉県佛教青年会ブログ ~宗境なき青年僧の集い~

『大震災における、多くの犠牲者の方々に対し、心よりご冥福をお祈りいたします』 合掌

鎌倉新書のメルマガ「エンディングビジネス」を転載します。 by miyazaki

2009年12月03日 | 番外編 etc...

http://kamakura-net.co.jp/02ml.htm

 

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供養業界の今と未来が見える
月刊「エンディングビジネス」
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12月号

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 早いものでこよみは12月。今年も残すところ1ヵ月となりました。今年1年間
を振り返ることも必要でしょうが、その前にやり残したことがないか要チェッ
クの時期といえそうです。
 さて、今回は葬儀社離れにもつながる消費者の動向をテーマに取り上げます。

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葬儀社離れにもつながる消費者の変化
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 近年、葬儀業界では家族葬や直葬の増加など、規模の縮小が確実に進行して
います。こうした現象の背景には経済的な問題と人々の価値観の変容がありま
す。「葬儀にかけるお金がない」「そもそも葬儀にお金をかける意味があるの
か」といった声は、今日では決して少数派ではありません。
格差社会の進行で冠婚葬祭のような非日常的な儀式にお金をかける余裕のない
層が増える一方で、そうした儀式自体の価値を疑問視する人々も増えています。
「お金は死んだ人より生きている人にこそかけるもの」という考え方は、それ
なりの説得力を持っていますし、今後そうした主張がマジョリティーを構成し
ていく可能性もあるでしょう。
 この流れを食い止めるのは決して容易なことではありませんが、基本的には
やはり日本の伝統・風習、あるいは文化としての葬儀の意義や価値を改めて世
に問うていくほかはありません。なぜ葬儀を行うのか、葬儀は誰のためのもの
か、葬儀を行う意味は何かといったことを社会全体に訴え、議論を巻き起こし
ていく必要があるかも知れません。
 とはいえ、こうした取り組みは、諸刃の剣の要素も秘めています。議論の過
程で「葬式不要論」が広く世間に喧伝された結果、伝統的な葬儀を行う世帯は
マイノリティーになっていく可能性もあります。また、従来の葬儀の形式や型
にこだわらない人々が増加し、結果として葬儀社に依存しない葬儀が普及して
いくかもしれません。これについては次回以降に詳しく解説したいと思います
が、すでにそのような動きが始まっているのも事実です。
 葬儀に限らず、これまでの供養産業は一般の消費者が分からないことを丸ご
と引き受け、これを代行することによって成り立ってきました。しかし、今消
費者が望んでいることは必要な知識を得て、自らが選択したり、行動すること
にあります。もちろん、結果としては丸投げという選択肢もありますが、これ
も従来のように「分からないから依頼する」のではなく、「分かった上で依頼
する」という図式に変わってきています。当然、この対極には「何も専門の業
者に頼まなくても自分たちでできる」という考え方が生まれます。必要な知識
や新たな価値観を手にした消費者が葬儀社離れしていく可能性がそこにあるわ
けです。
 来年は節目の年となる2010年を迎えますが、この2010年代の10年の間にはさ
らなる変化が予想されます。これは葬儀業界のみならず、供養業界やエンディ
ングビジネス全般についても同様だと思われます。この変化の中心軸に位置す
るのは言うまでもなく消費者です。今起きている変化は業界というコップの中
の嵐ではなく、消費者や社会という大きな枠組みが変容しているということを
再認識する必要があります。