老春・相聞記

老齢・熟年カップルの夜の世界のやりとり

「阿部定事件」における男女の愛のかたち

2024-01-09 21:42:51 | 日記

女の性の内実は、昭和11年5月に起きた、あの有名な「お定さん」の事件が典型的な例ではないでしょうか。

好きが昂じて、殺害し、「定吉二人きり」という文字を相手の左腿に刻み込み、逸物を切り取って、それを持ち歩いていた事件です。のちに逸物を持ち歩いていたことを警察に訊かれると、殺したあとにも相手と一緒にいたいと思ったからだと供述しています。相手のすべてのものを独占したいという一念がそういう行為に走らせたということでしょう。のちに出所後の対談のなかで、定はあのことを「別に後悔してませんね。今でもあんなことしなきやよかったかしらん、と思うけども、・・・ちっとも後悔してないんです。死んだ人には悪いけどもネ。それが自分でも不思議なんだけど。・・・あたし、みんなもそうなんじゃないかと思うの。あたしみたいな考えをもってて、ただ、しなかっただけのことなのね。」と述べています。夢見たいな男が好きになって、純情一途に犯行にいたった定さんの心持ちがわかるような気もいたします。

 

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