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還暦おやじの洋楽日記

Homecoming / America

1972年に「名前のない馬」がいきなり全米1位になったアメリカというグループは、まさに彗星の如く現れた印象だった。70年代のウエストコーストロック好き人間としてはアメリカは当然視野に入っていてその後、それなりに聴いたけど、何故かあまりのめり込むことなく今に至ってしまった。今思うと当時の自分なら夢中になりそうな要素をいっぱい持っていたのに何故だろう。なので今更ながら彼等の楽曲を真面目に色々聴いている今日この頃。折しも結成50周年を迎えて新たな企画盤なんかも出ているようで。
このアルバムは英国からデビューした彼等が活動拠点を米国に移して制作・発表したセカンド。

1. Ventura Highway (Bunnell)
2. To Each His Own (Beckley)
3. Don't Cross the River (Peek)
4. Moon Song (Bunnell)
5. Only in Your Heart (Beckley)
6. Till the Sun Comes Up Again (Beckley)
7. Cornwall Blank (Bunnell)
8. Head and Heart (John Martyn)
9. California Revisited (Peek)
10.Saturn Nights (Peek)

1曲を除いてメンバーの三人が均等に曲を持ち寄っている。メロディアスでポップなジェリー・ベックリー作品に対して、デューイ・バネルとダン・ピークの楽曲はもっとトラッドでアーシーな感じ。バネルとピークによる陰翳のあるサウンドにベックリー作品の親しみやすさが彩りを与えているのがアメリカの魅力かな。
とは言え冒頭を飾るバネル作の「Ventura Highway」は彼の作品の中では珍しく、明るくて颯爽としてまさにウエストコーストロックの王道のような曲。ドライブ中にラジオから聴こえてきたら思わずテンション上がっちゃうな。彼等のヒット曲の中でもいちばん好き。同じくシングルカットされたピーク作「Don't Cross the River」も良いし、それ以外にも「To Each His Own」とか「California Revisited」とか味わい深く、収録された曲はどれもレベルが高い。
アコースティックだったデビューアルバムよりもハードになり泥臭いレパートリーも増えたが、それほど重たく聴こえないのが彼等の特徴かな。これって長所でもあり短所でもあると思う。軽やかで端整なサウンドは受け入れやすい反面、引っ掛かるものが少ない。たぶん僕がそれほどのめり込まなかったのはその辺りじゃないだろうか。

デビュー当初「CSN&Yの再来」と呼ばれていた彼等。当時使われていた「CSN&Y的」という言葉って「美しいハーモニーのフォークロック」を形容するための記号だった。日本ではガロも「和製CSN&Y」なんて言われていたし。でも今考えるとCSN&Yって結構ソロパフォーマンスやアグレッシブなナンバーが多くて、それほどそういう定義に当てはまるグループでもなかったよねえ。むしろこの頃のアメリカのほうがよっぽどCSN&Y的。
それはともかくこのアルバムは良い。各メンバーの個性がそれぞれ感じられ、これからスターダムを駆け上がっていくグループの勢いを感じる充実の内容。

(かみ)

コメント一覧

かみ
閲覧ありがとうございます。Venchura Highway良いですよね。軽快でさわやかで、私の中では70年代ウエストコーストロックのベスト10に入ります。
酒好きオヤジ
初めまして
初めてコメントさせていただきます。
同年代の者としてアメリカはCSN&Yと共に忘れられない存在です。
当時CSN&Yのマネと一部で言われ彼らも気にしていましたが直接CSNYのメンバーと会った時にアメリカの歌は好きだよと言われ感激したというエピソードを思い出しました。

私もVenchura Highway大好きですだいすきです。

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