このアルバムは英国からデビューした彼等が活動拠点を米国に移して制作・発表したセカンド。
1. Ventura Highway (Bunnell)
2. To Each His Own (Beckley)
3. Don't Cross the River (Peek)
4. Moon Song (Bunnell)
5. Only in Your Heart (Beckley)
6. Till the Sun Comes Up Again (Beckley)
7. Cornwall Blank (Bunnell)
8. Head and Heart (John Martyn)
9. California Revisited (Peek)
10.Saturn Nights (Peek)
1曲を除いてメンバーの三人が均等に曲を持ち寄っている。メロディアスでポップなジェリー・ベックリー作品に対して、デューイ・バネルとダン・ピークの楽曲はもっとトラッドでアーシーな感じ。バネルとピークによる陰翳のあるサウンドにベックリー作品の親しみやすさが彩りを与えているのがアメリカの魅力かな。
とは言え冒頭を飾るバネル作の「Ventura Highway」は彼の作品の中では珍しく、明るくて颯爽としてまさにウエストコーストロックの王道のような曲。ドライブ中にラジオから聴こえてきたら思わずテンション上がっちゃうな。彼等のヒット曲の中でもいちばん好き。同じくシングルカットされたピーク作「Don't Cross the River」も良いし、それ以外にも「To Each His Own」とか「California Revisited」とか味わい深く、収録された曲はどれもレベルが高い。
アコースティックだったデビューアルバムよりもハードになり泥臭いレパートリーも増えたが、それほど重たく聴こえないのが彼等の特徴かな。これって長所でもあり短所でもあると思う。軽やかで端整なサウンドは受け入れやすい反面、引っ掛かるものが少ない。たぶん僕がそれほどのめり込まなかったのはその辺りじゃないだろうか。
デビュー当初「CSN&Yの再来」と呼ばれていた彼等。当時使われていた「CSN&Y的」という言葉って「美しいハーモニーのフォークロック」を形容するための記号だった。日本ではガロも「和製CSN&Y」なんて言われていたし。でも今考えるとCSN&Yって結構ソロパフォーマンスやアグレッシブなナンバーが多くて、それほどそういう定義に当てはまるグループでもなかったよねえ。むしろこの頃のアメリカのほうがよっぽどCSN&Y的。
それはともかくこのアルバムは良い。各メンバーの個性がそれぞれ感じられ、これからスターダムを駆け上がっていくグループの勢いを感じる充実の内容。
(かみ)
コメント一覧
かみ
酒好きオヤジ
最新の画像もっと見る
最近の「Album Review」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事