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還暦おやじの洋楽日記

CSN / Crosby,Stills & Nash

70年代前半の洋楽ロックにはまって「ミュージックライフ」や「音楽専科」を読み漁った身としては、当時のCSN&Yの再編話はビートルズのそれと同じくらい耳タコものだった。だから76年にスティルスとヤングのコラボが実現したのに続き、その翌年にCS&Nが復活したのは驚きだった。因みに僕にとってのヤングはソロでナンボの人。だからCSN&YよりもCS&N。
名盤「Crosby,Stills & Nash」が時代の気分を反映して明るく開放的な作品だったのに対して、「CSN」は自省的というか地味めな作品。夏の青い空の下で聴くイメージでない。アルバムジャケットの黒が象徴するように、夏の夜に聴くのがぴったり。
当時、クロスビーとナッシュはコンビで活動しており、そこにスティルスが加わったかたちだが、それぞれのバックミュージシャンが参加した豪華な混合編成となっている。

1. Shadow Captain
2. See The Changes
3. Carried Away
4. Fair Game
5. Anything At All
6. Cathedral
7. Dark Star
8. Just A Song (Before I Go)
9. Run From Tears
10. Cold Rain
11. In My Dreams
12. I Give You Give Blind

「Shadow Captain」はC&Nのサポートメンバーだったクレイグ・ダージが作曲を担当。CS&Nならではの、どれが主旋律か判然としないハーモニーから始まる冒頭にふさわしい曲。「See The Changes」は「You Don't Have To Cry」や「Helplessly Hoping」の流れを汲むCS&N節。以下、3人が代わる代わるリードを取る曲が続くが、スティルスの存在感が際立っていて、C&Nだけでは物足りないところをピリッと引き締めている。ラテン系の「Fair Game」も、アルバム最後を締めくくるアップテンポな「I Give You Give Blind」も気に入ったが、いちばんのお気に入りは、ゆったりとした心地良いギターフレーズとコーラスワークが印象的な「Run From Tears」だ。やっぱりこの人はヤングとは正反対に、バンドでやってナンボの人。
これ以降、彼等は何年おきかに再結成を繰り返して現在に至っているのでもはや希少価値はなくなってしまったが、このアルバムは彼等が輝いていた時代の最後の作品と思う。

(かみ)
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