◆ kana_3の言いたい放題 ◆

日々感じたこと、思ったことの記録

○ 競争主義

2005年01月15日 | ○ 昔の言いたい放題
 2004年、4月の新聞によると、三井住友銀行は、行員の月給の一部を差し引いて1年間積み立て、毎年6月に成果に応じたボーナスとして再配分する新たな給与制度を導入するそうだ。
 入社5年目以上の総合職の月給から1人当たり最大3万円程度を差し引いて1年間積み立て、その上で、6月の賞与支給時に、通常の賞与とは別枠で、個々の行員の成果・実績に応じてファンドの資金を配分する。部署ごとに部長や支店長がそれぞれの裁量で配分額を決める。行員が実績を残せば引かれた分より多い額が戻って来るが、評価が低ければ支給ゼロになることもあるという。
 
 会社にとって、月給の積み立て分をそのまま別枠の賞与として支給するため、人件費の総額は変わらない。しかし、支給の比重は、固定給部分の比率が高い月給から実績部分が高い賞与へ移るため、年収全体では成果主義が拡大する効果が見込める、とのこと。本当にそうだろうか?

 いかにも安直な感じがする成果主義もどきの制度である。
配分を部長や支店長がそれぞれの裁量で決めるという運用上の問題もあるが、一番の問題は、総額が決まっていてそれを行員で取り合うという仕組みである。
 これは成果主義でなく競争主義である。 全体として成果が出ようが出まいが、拠出した一定の積立金を取り合うわけであるから、成果主義とはいえない。

 全体として成果が出ようが出まいが、周りの人を蹴落とすと自分が得するわけであるから、チームワークも組織力もあったものではない。行員同士の競争の原理で業績を伸ばそうとするのはかなり無理があるような気がする。

 成果主義とは、まず社員が頑張って成果を上げる。全体として成果が上がれば賃金(賞与)総原資額も増える。その増えた総原資を個人の成果によって配分する。というものである。総原資が増える仕組みがなく、ただ単に個人成績で配分するのであれば、競争主義といわざるを得ない。
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