ゆう’sful LIFE

感染予防と看護について考えたことや勉強したことを綴っています。

医療者として 人として

2020年03月10日 | Weblog
COVID-19のおかげで多忙極まりないのですが、記録として残しておこうと思い、この記事を更新します。
(内容は匿名性を担保するため、個人や場所が特定されないように一部改変しています)

COVID-19の対策は一言でいうと難しい。
潜伏期間も、環境中での生存期間も長め。
臨床症状は、初期は普通の風邪と変わりないし、ほとんどの人は1週間程度で自然に軽快してしまう。
初期の段階で、sick contactも何もない患者を見極めるのは、今は不可能に近いと思います。

未知の新興感染症だから、最初の対策はどうしても厳しめになってしまうものです。
正体がわからないから。
それを緩めていくタイミングや方法は、これもまた難しいものです。

テレビなどでは連日感染者数の増加や、死亡者の数、誰がどういう行動をしたのかなど、報道していますが
多くの人が元気になっているという事実もきっちり報道してほしい。
どうしたらいいのかも抽象的な報道ばかりで具体的でないものばかり。
保健所などの行政をやり玉に挙げて批判が多いけれど、彼らは不眠不休で対応しているのです。
煽るばかりの報道の在り方には、何を伝えて、何をしたいのか分からず、疑問を感じます。
報道って、伝えることで何かを変えたい(=感染をとめたい)のではないのでしょうか。
少なくとも、現状それを成しているものは、ほとんど見当たりません。

報道をみて、不安になった無症状の人が外来や電話に殺到して、本来業務に支障がでています。
丁寧に対応すれば、安心して帰宅されるけれど、その数も時間も尋常ではありません。

それは、クリニックや中小医療機関からも同じです。
迅速検査では、インフルエンザしかできないということで、CT上で肺炎像があるというだけで患者を送ってきます。
PCR検査はゴールではないし、丁寧な問診や経過フォローが大切なのに、データばかりで患者さんが置き去りになっていることが少なくない。
仲間の病院でもそういったこと増えています。
軽症で、去年だったら自宅療養としていたような患者さんが片っ端から送られて来れば
外来はパンクし、PPEが不足し、おまけに、休校の影響で出勤できない職員もいるので人手不足。
医療崩壊は、目の前に迫っているから、トリアージをしてなんとか振り分けて、不必要なPPEを使わないようにしています。

そのような状況では、受け入れをお断りされることもあるでしょう。
ある所に、肺炎患者の受け入れを断られた医師が怒鳴り込んできたそうです。
「俺がコロナと言ったらコロナなんだ!」
医療者のこういった発言は許せないなと思うし、人としていかがなものかと思います。

不安故のことなのかもしれませんが、どんなことがあっても他人にこういうことを言ってはいけません。
あなたは医師なのですから。
有事の時には、人柄というか、真の姿が垣間見えるものです。
私は、2009年よりも状況はよくないと思っているし、教訓も生きていないなと思っています。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。