団塊の高楊枝内藤事務所

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社会保障・税一体改革大綱

2012-06-30 20:49:50 | 日記
(社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成)
一方、社会保障を支える財政に目を転ずれば、我が国財政は、税収が歳出の半分すら賄えず、国及び地方の長期債務残高は平成24 年度末には対GDP比196%に達すると見込まれる極めて厳しい状況にある。こうした状況を放置すれば、国債市場における我が国の信認が失われ、その結果、金利が大きく上昇し、財政危機に陥る事態にもなりかねない。
現に、こうした財政危機が生じた欧州諸国においては、国内外に保有される国債が信用を失った結果、政府が借入れを継続できなくなり、年金・医療など社会保障分野の給付削減措置が講じられる事態にもなっている。欧州政府債務問題を契機に、世界全体で、財政リスクへの市場の懸念が高まっており、財政健全化は、現在の社会保障の機能を維持していくためにも、直ちに取り組んでいかなければならない課題となっている。
また、我が国においては、今や国の一般歳出に占める社会保障関係費の割合は5割を超えており、税収が歳出の半分すら賄えていない現状に照らせば、社会保障関係費の相当部分を将来世代の負担につけ回していることになる。これに加え、毎年1兆円規模の社会保障の自然増が不可避となっており、今を生きる世代が享受する社会保障給付について、給付に見合った負担を確保しないままその負担を将来世代に先送りし続けることは、社会保障の持続可能性確保の観点からも、財政健全化の観点からも困難である。
国民すべてが人生の様々な段階で受益者となり得る社会保障を支える経費は、国民全体が皆で分かち合わなければならない。世代を通じて幅広い国民が負担する消費税の税率を引き上げるとともに、世代内でも、より負担能力に応じて社会保障の負担を分かち合う仕組みとしていくことにより、世代間・世代内の公平性を確保しつつ、社会保障の給付水準に見合った負担を国民全体で担っていかなければならない。
同時に、今回の改革で盛り込まれている社会保障の充実策は、年金国庫負担2分の1の恒久化を含め、消費税率の引上げによる安定財源の確保が前提であり、社会保障の機能強化や安定化を図るためにも、それに見合う安定財源を着実に確保していく必要がある。
今回の社会保障・税一体改革は、社会保障の機能強化・機能維持のための安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指すものである。その中で社会保障の安定財源確保を図っていくことなどにより、「財政運営戦略」(平成22 年6月22 日閣議決定)に定められている2015 年度段階での財政健全化目標の達成に向かうことで、「社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成」への第一歩が踏み出されることとなる。
財政健全化への取組の道のりは長い。今後一層の少子高齢化が進展し、社会保障費が増大していく中で、社会保障制度の持続可能性を確保し、同時に2020年度までに基礎的財政収支を黒字化する等の財政健全化目標を達成するため、更なる取組を行っていくことが必要である。


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