壁を破る言葉
岡本太郎
企画・構成・監修 岡本敏子
イースト・プレス
あとがき
美術、音楽、映像、ファッション、或いはコンピュータのソフトを作ったり、イベントを企画したり。さまざまな場、やり方で、クリエイティブな仕事に情熱を燃やしている人が多い。
昔より職業に対する考え方はずっと柔軟に、幅ひろくなっているし、大会社の社員でなければ社会的に認められないという訳でもない。一見、自由なのだ。だが、自由であるからこそ、一寸先は闇で、常に虚無の風に身をさらしている。
ものを創る人は、必ず、ゆきづまるときがある。
壁にぶつかる。それが創ることだといってもいいくらい。
苦しみ、もがき、出口がみつからない。
そういうとき、どこでもいい、ぱっと開いてみて下さい。必ずこの中に、壁を突き破るヒントがある筈だ。
岡本太郎の言葉は簡潔だが、自身の血をふき出す壮烈な生き方に裏打ちされている。理屈ではない、説教でもない、彼の生身がぶつかり、のり超えて来た、その痕跡なのだ。
誰かの役に、たちますように。
岡本敏子