当帰よりあはれは塚のすみれ草
ほろほろと山吹ちるか滝の音
象潟や 雨が西妃に ねぶの花
象潟は東の松島 西の象潟とも言われた名勝地
昔は松島のような海の中に小島が点在した絶景だったという
ところが中世頃 大地震により土地が隆起して島も海も陸地になったらしい
芭蕉が訪れたのは 奥の細道紀行に出てくるこの場面
ねぶの花が咲いて雨に濡れている様子は あたかも楊貴妃のように美しい
そのように感じて 歌った句だろう
沢山の芭蕉の俳句の中で この歌は生涯忘れられない名作である
きさがたやあめがせいひにねぶのはな