良心にしたがって

教職員の良心に従った行動と考え

不起立者をねらい打ちにした政治的な再任用(再雇用)拒否は許されない

2013年02月24日 21時22分26秒 | 日の丸・君が代強制
 大阪府教委は2月19日に再任用希望者に対して、採用通知を校長を通じて知らせてきました。
 再任用制度は、定年になった教職員に年金支給までの期間の生活保障として職を提供するもので、従来健康上の理由で職務に耐えないと判断された人以外はほとんどが希望通り再任用されてきました。ただし、ここ数年は府教委が目をつけた教職員に対して意図的に「勤務成績不良」の状況を作り出し、不採用を出してきましたが、それでもごく少数でした。
 ことし、府立学校で8人の希望者が再任用拒否(不採用)され、5人が保留になっています。さらに、私たちの耳に届いている限りで8人のうち2人が昨年の卒業式、入学式で不起立の教職員でした。もう一人も意図的と思われる処分を受けている人です。明らかに政治的にねらい打ちをしているとしか考えられません。
 3人のうちお二人が20日の夕方に府教委に不採用理由を問いただしに行きました。私たち有志の会やお二人の処分撤回を支援する会の人たち、所属組合や市民の方たち約50人が府庁別館にある府教委に押しかけて理由を聞きました。最初教職員課の職員は、室内は執務しているから廊下で話をしましょうと言い、半時間あまり話をしていたのに、その後、府教委は「話は本人にしかできない」「プライバシーに関わるから、本人が求めても立ち会いは認めない」「府教委側は複数で対応する」と突然傲慢な対応に変更してきました。それならなぜ廊下で話したのかと問いつめると「あれは間違い」と言いながらそれを謝罪もしない始末。さらに、やむなく本人が一人で別室での話に応じても「総合的判断です」と繰り返すだけで、具体的な中身に何一つ触れませんでした。要するに府教委の判断で何でも決められる、説明する必要はないという態度です。さらに廊下で残っていた市民については「庁舎使用規則で退去を求めます」と、本人が話を聞いている最中に建物の外に放り出す対応。
 民間では再雇用が義務化され、公務員も遠からずそれが波及する状態の下で、しかも公務についてはきちんとした説明が求められて当たり前の時代に、時代錯誤ともいえるこの対応は何なのでしょうか。府教委の役人はみんな橋下化していっているのかと思わされた一日でした。(つとむ)

がんばれ菅先生! 菅先生の職場復帰を大阪府教委に求める署名にご協力を

2013年02月19日 22時26分45秒 | 日の丸・君が代強制
 大阪府教委は、今年も昨年同様君が代斉唱時に式場内で起立しない教職員を処分する方針を変えていません。昨年の1・17通達は今年も生きていると校長に通知をおろしています。
 昨年不起立で処分された37人の教職員のうち、7人が人事委員会に不服申し立てを行い、撤回の運動を続けています。これを10数人の弁護士が協力して支え続けています。

 この7人の中で、事実上の解雇に当たる再任用拒否された2人のうちの一人である菅平和さん(堺工科高校)の支援する会がその撤回を求めて署名を提起し、現在教職員、教職員OB、卒業生などが協力して千数百筆が集まっています。支援グループがオンラインの署名も集めています。オンラインで署名が可能な方は、ぜひご協力をお願いします。

がんばれ菅先生! 菅先生の職場復帰を大阪府教委に求める署名
https://ssl.form-mailer.jp/fms/551da3dd200989

 座っているだけで再雇用の機会さえ奪うやり方は最高裁の「戒告以上の処分は違憲」という昨年の判決も無視するもので、生活権や人権を踏みにじる横暴です。みなさんの抗議の声を人事委員会にも届ける予定です。

君が代起立斉唱を再び職務命令で押しつける府教委に抗議します

2013年02月02日 00時32分16秒 | 日の丸・君が代強制
大阪府教委は昨年の1月17日の「卒業式での君が代起立斉唱通知」を今年も引き続き有効と再び教職員の思想良心の自由を蹂躙した通知を出してきました。私の学校でも、先日校長が職員会議で「式場内では起立斉唱ください。これは職務命令です」と命令ずくで強制することを明らかにしました。私たちは、この通知に対して撤回を求める抗議文を府教委に送りつけました。
 昨年の卒業式での職務命令による君が代起立斉唱押しつけを大阪府教委は再び繰り返そうとしています。反対の声を目に見える形で表現していきましょう。
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2013年1月31日
大阪府教育委員会教育振興室長様
「平成24年度卒業式及び平成25年度入学式の実施」通知に係わる抗議文
府立学校教職員有志の会

 大阪府教育委員会は、去る12月26日の校長会で、今年度の卒業式、来年度の入学式について、昨年度と同様に取り組むことを説明したと伝えられています。また、1月15日には各府立学校長に宛て「平成24年度卒業式及び平成25年度入学式の実施について」なる通知(以下、1・15通知)を出しました。
 私たち府立学校教職員有志の会(以下、有志の会)は、大阪府教育委員会に対して、校長会での説明の撤回、1・15通知の撤回を強く求めます。

 有志の会は昨年、「平成24年1月17日付け教委高第3869号の教育長通達」(以下、1・17通達)の撤回、これに伴う処分者を出さないこと、及び被処分者の処分撤回を求め、府立学校教職員を対象とした署名を2度にわたり府教委と手交しました。いかに多くの教職員が通知撤回、処分撤回を求めているかは府教委自身がすでに承知のはずです。また私たちだけでなく、多くの市民、また各教職員団体もそれらを求めていることも認識しているはずです。
 教職員、市民の声にまったく耳を貸さず、これらの人々の声を踏みにじり、橋下大阪市長や維新の会の政治介入により強行成立した各種条例に唯々諾々と従わんとする府教委の姿勢に、私たちは大きな憤りを感じます。政治権力の教育への政治介入を許さないことこそが本来府教委が果たすべき役割ではありませんか。

 1・15通知には「学習指導要領」を踏まえ、「国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう適切に指導する」とあります。「学習指導要領」の内容を百歩譲って認めるとしても、「日の丸」を式場正面の壇上に高々と掲げ、「君が代」斉唱の際必ず起立せよ、などという形式はそもそも規定されていません。教育課程の編成権が各学校にあるとするなら、掲揚・斉唱をするかどうかも含めて各学校の裁量に委ねられるべきです。
 また、1・17通知そのものが不当です。国旗掲揚・国歌起立斉唱という一種の儀礼(人によっては宗教的儀礼にもあたる)を、教育長の「職務命令」として教職員に一律課すことなど、教職員一人ひとりの国旗・国歌に対する姿勢をいわば試そうとするものであり、憲法に保障された思想・良心・信教の自由を踏みにじるものであることは明らかです。
 さらに、「万一の場合」とは一体何を意味しているのですか。また、「臨機の処置」とは一体何を指すのでしょう。何を想定してこのような事項を通知に加えているのでしょう。

 いずれにせよ昨年府教委は、卒業式・入学式の君が代斉唱時に起立しなかった教職員に戒告処分を行いました。さらに2名(1名は義務制)の教職員の再任用の職を奪い、非常勤としての職さえ保障しませんでした。そもそも、卒業式・入学式という学校生活・教職員生活の一場面で、君が代斉唱時に起立しなかったという、そのたった一事が「懲戒処分」にまで当たるほどの「非行」「罪」なのでしょうか。「職務命令違反」「教職員にふさわしくない行為」として指弾されねばならないことなのでしょうか。まして不起立3回目となれば免職されねばならぬほどのことでしょうか。「懲戒処分」に及ぶ他の「非行」行為と比べても、その処分の重さにおいて著しく均衡を欠いています。1・17通知やそれに伴う処分、あるいはその根拠となっている「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例」や「大阪府職員基本条例」は、ただただ力づくで、政治権力や府教委が教職員に言うことを聞かせるために作られたものとしか思えません。一体その先にあるものは何でしょう。自分のやっていることが一体何を目指しているのか、どんな結果をもたらすのか、判断力も批判力もないまま「ただ上司に言われたからやった」式のナチスのアイヒマンのような教職員を大量に生み出すだけです。学校現場に一層の沈滞をもたらすだけです。
 府教委は昨年の処分者の処分を取り消し、すべての被処分者の職を保障すべきです。

 教職員有志の会は1・15通知、1・17通達の撤回を要求します。またこれらを根拠にいかなる処分を行うことにも強く反対します。
以上

〒540-0038 大阪市中央区内淡路町1-3-11シティーコープ 上町402
市民共同オフィースSORA気付
府立学校教職員有志の会