薔薇と共に

4月8日に、母方の伯父が他界しました。享年74歳。


伯父は動物、植物が好きな人で、
昔住んでいた郊外の家の庭にはバラがたくさん植えてありました。
近所の池でおたまじゃくしを一緒に取ったり、野草の名前を教えてもらったり。
（その頃私は4～5歳）
すぐに花や虫の図鑑を買っていろいろ覚えるきっかけになったのは
おそらくこの伯父の影響じゃないかと思います。

その後さまざまな事情があり、伯父はこのバラ園のような自宅を離れ、
庭の無い都会のマンションで長い年月を過ごすことになりますが、
私の中では「バラが大好きなおじさん」のイメージがずーーーっと残ってました。


昨夜は通夜。品川区の斎場まで出かけました。
予想通り、祭壇はバラの花でいっぱいでした。菊の花はありません。
そして、お焼香もありません。お坊さんも居ないのでお経もありません。

故人は無宗教の葬儀を生前から望んでいたそうです。
お焼香の代わりに大好きだったバラの花を棺の上に供える、そんな式でした。
お経の代わりに、伯母、従姉、伯父が故人の思い出をたくさん語ってくれました。
今まで参列した通夜、告別式の中で、一番温かみを感じました。


そして、今日の最期のお別れの時には棺の中にバラをたくさん敷き詰めたのでした。
伯父は大好きな薔薇の花たちと共に天国へ旅立って行きました…。


お別れの仕方はいろいろ。そういうのが選べる時代になのですね。
自分は何と一緒に旅立つことが幸せな最期なのかな、とか
久々にしんみり考えた日々でした。

しかしなぁ、久々に親戚一同に会うのはこんな時ばかり。
小さな頃はお正月毎に集まっていたのに。
…なんだか寂しいものです。