にわか日ハムファンのブログ記念館

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ファイターズという「明日のわたしたち」~トレイ・ヒルマンとの5年間が示すもの

2007-12-31 09:49:13 | 北海道日本ハムファイターズ
 2006年に日本シリーズ・アジアシリーズ制覇、そして2007年に交流戦優勝、そしてリーグ連覇を果たしたファイターズ。
 その要因についてはいろいろなことが語られています。バントの多用・進塁打・つなぎの攻撃、1点を守りきる投手力と守備……
 それらをまとめていくと、「チームとしてのまとまりの強さ」というものが、キーワードとして浮かび上がります。突出した選手に頼るのではなく、個々の選手がチームとして団結することで、決して戦力的に豊富ではないファイターズが勝ち得たのです。
 ただ、ファイターズというチームは、決して似たもの同士が集まった集団ではありません。それどころか、これほど多様なメンバーが集まったチームは、おそらくかつてなかったと言っても過言ではないでしょう。
 エースは日本で生まれ育った、イラン人と日本人のハーフ。守護神は守護神で、日本で生まれ、アングロ・サクソンの文化を身に付け、英語を話す日本人とオーストラリア人とのハーフ。
 台湾から日本に渡って学生生活を過ごした少数民族出身の選手もいれば、鎌ケ谷にはインド人と日本人のハーフもいる。挙げだせばきりがありませんが、この他にも、民族的・文化的背景が「一般的な日本人」と異なるメンバーは、まだまだいるのです。
 このような集団をチームとして統率していったのが、トレイ・ヒルマンその人です。彼もまた、アメリカで生まれ育ち、南部のプロテスタントの価値観を身につけた、「一般的な日本人」とは異なる価値観を持つ人物です。
 その彼がファイターズを率いた5年間は、衝突と議論、そして和解の歴史でもありました。
 12球団で最も仲がいいとも言われる選手同士はいざ知らず、「一般的日本人」とは異なるヒルマン監督の言動は、常に支持されてきたわけではありません。ある時はファンの間で論議を呼び、またある時は選手・コーチとの衝突を生みました。
 私自身を振り返ってみても、おそらくファイターズファンの中では、彼の言動を理解できている方だとは思うのですが、どうしても支持できなかったことはあります(この件については、いまだに違和感は拭えていません)。
 ですが、それぞれの衝突について、誰が正しいのか、正しくないのかを断じることは、ここでは大した意味を持ちません。
 むしろ、はるかに大事なのは、それらの衝突をファイターズが乗り越え、チームとして団結することに成功したという事実です。ファイターズが手にした栄冠の数々、そしてファイターズを愛する多くのファンの存在が、この事実の何よりの証拠です。
 そしてもう一つ大事なことがあります。そう遠くない将来、われわれが暮らす日本の社会こそが、ファイターズと同じ問題に直面するであろう、ということです。
 いや、それはすでにもう始まっていると言ってもいいでしょう。国境を越えてヒトが流れることは、すでに当たり前の時代が来ています。
 「出稼ぎ」に来る日系人の姿がすでに定着した街があります。私の街からそう遠くないところにも、様々な外国人が集まって暮らす街があります。観光客の大半を外国人が占める土地もあります。
 そして、日本が世界の中の1つの国として、それも主要な国の中の1つとしてあろうとする限り、そのような街や土地は、増えることはあっても、減ることはないでしょう。我々とは異なる価値観を持つ人々は、増えることはあっても、減ることはないでしょう。
 そんな中で、わたしたち自身は、どう進めばいいのか?
 確実に言えることは、いままでのやり方は、そのままでは通用しにくくなる、ということです。
 「一般的な日本人」が、当たり前のものとして共有してきた文化、つまりは考え方や感じ方、行動のパターンが、そのままで通用する範囲は、間違いなく狭まっていくだろう、ということです。
 では、どうするのか? 私が考える限り、道は3つあります。
 第1の道は、狭まりゆく世界に引きこもること。
 第2の道は、新たにもたらされる雑多な価値観に、ただ身をゆだねること。
 そして第3の道は、今までの価値観を活かしつつ、異なる価値観を持つ人々と対話を重ね、新たな「わたしたち」自身の価値観を作っていくことです。
 3つの道のどれも、決して完全ではありません。すべての人が納得できる答えを出すことは、残念ながら不可能というよりほかありません。
 ですが、北海道日本ハムファイターズファンとしての自信と誇りを持って、私はこう言いましょう。
 「ファイターズは、第3の道を選び、そして成功したのだ」と。
 もう一度問います。今までとは異なる価値観を持つ人が、これからますます増えていく中で、わたしたち自身は、どう進めばいいのか?
 もしあなたが第3の道を選ぶのならば、トレイ・ヒルマンが率いたファイターズの5年間の経験が、あなた自身にとって役に立つものとなるかも知れません。


 本年も『にわか日ハムファンのブログ』をご愛読いただき、誠にありがとうございました。
 2008年も当ブログと私ルパート・ジョーンズは、野球の新しい文化、新しい楽しみ方を提案し続けます。
 来年も当『にわか日ハムファンのブログ』をご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます<[__]>
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10 コメント

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Unknown (ハムぞー)
2007-12-31 10:52:16
おっさるように、どれもベストではありません。
しかし結果が皆にとってモアベターな
ものはおそらく第3案でしょう。

避けられない現実を直視し
それを踏まえてどう折り合いを付けていくか
今まで正しかったからといって
それが続くとは限らない。

野球だけでなく
世の中一般のことにも言えるでしょう。


よき新年を。
感想・・・というか雑感 (アパッチ)
2007-12-31 13:20:16
リーグ連覇、改めてお見事でした。ルパードさんのおっしゃるとおり、今季のファイターズは、まさしく「一般的」という枠から外れてて、「特異なチーム」というのが当てはまるかと思われます。

そんな今季のファイターズは、どこチームよりも2軍と1軍とのサイクル活動が活発で、しかも、その上がった選手がことごとく当たるという、ひょっとしてこれが連覇できた最大の理由はこれじゃないかと思われます。





世間というのは、常に変化していきます。今年は不穏な出来事が多く起こりました。不穏・不明な出来事というのは、絶える事なく起こりますが、かつて「野球とは、感動産業だ。」という名文句をかっ飛ばした球団オーナーが居ました。極めてその通りで、ファンというのは、野球を通して勝ち負けと感動を求め続けているのではないでしょうか。

とりわけ、故仰木彬監督は、「パ・リーグはいつでも危機なんだよ。」とも語っておられてました。

この世知辛い世の中に、我々はひょっとすると、「伝統の一戦」が無いパ・リーグから、貴重な何かを求めている幸せ者なのかもしれません。





今年一年、数々の話題をありがとうございました。来年もよろしくお願いしますヾ(^▽^)ノ
ありがとうございました (ドサンコ)
2007-12-31 15:42:51
今年1年楽しく読ませていただきましたし
お会いすることもできまして本当にありがとうございました。

ファイターズに限らず自分の生活の上で何かきっかけになるものやヒントを与えてくれる事は数多くあります。
ファイターズのこういったケースも仰るとおり何かに
生かされるというか生かしていかないといけないんでしょうね。
学ぶべきところは色々なところからある。
人生ずっと勉強ですね。
ハムぞー所長 (ルパート・ジョーンズ)
2007-12-31 15:49:39
時代が変われば、社会も変わります。
そしておっしゃるように、今まで正しかった答えが、正しくなくなることだってあります。
その時に、新たな正解を探す作業は、失敗が付きものの、非常に苦労を伴う作業となります。
ですが、その作業を恐れずにやり遂げたからこそ、得られるものがあるのだと私は思いますし、
われわれのファイターズが、それを示してくれているのだと思っています。

今年1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
アパッチさん (ルパート・ジョーンズ)
2007-12-31 16:07:37
ファイターズについては常々「ネタ球団」という表現を使ってるのですが、
なにかにつけて、フツーというか、これまでの野球チームではあり得ないことをやり続けているように思います。
個人的には、そんなファイターズが好きなのですが(笑)

>伝統の一戦
巨人・阪神中心の野球観を持っている人が言うような「伝統の一戦」は、
パ・リーグには存在しようもありませんよね。
その代わり、パ・リーグからはそんな野球観に縛られない楽しみ方や面白さを、見つけることができる。
他では手に入らない感動が、パ・リーグにはあるのだと思っています。
来年もそんな感動や楽しさ、面白さをどんどん見つけていきたいですし、
ブログを通じて発信し、共有できるようにしたいなぁというのが、私のささやかな願いです。
来年もよろしくお願いします~
ドサンコさん (ルパート・ジョーンズ)
2007-12-31 16:12:50
今年はドームでお会いすることもできてよかったです。本当にありがとうございました。

プロ野球は娯楽といってしまえばまさにその通りなんですが、
見方を変えてみたり、深く掘り下げて見てみると、いろんな発見があることに気づくんですよね。
たかがプロ野球、されどプロ野球というのは、こんなところでも言えそうな気がします。

来年もよろしくお願いします。
トラックバック (M・K)
2008-01-04 17:54:06
『海峡を越えたホームラン』という、今から見れば若干古い本ですが
(最新版で1997年)
その文庫改訂版のあとがきに、思わずうなってしまう部分があったので、抜粋という形でトラックバックさせていただきました。

どう表現すれば良いのか、自分でも戸惑う部分があるのですが、
日本国内で最も身近な異文化であり、
その一方で最も扱いにくいともされる、「在日」問題。
この部分を読んで、ある程度胸のつかえが取れたような気がします。
M・Kさん (ルパート・ジョーンズ)
2008-01-04 18:11:52
トラックバック拝読しました。
せっかくですので、そちらに出向いてコメントさせていただきます。では参ります。
Unknown (M・K)
2008-01-05 03:34:20
コメントありがとうございました。

この問題に関しては、ファイターズと違い、
まだまだ「和解」(共存)への道のりは険しいようです。

「本国」が外交の主張材料に利用することで、
日本人の反感を買うという、逆効果を生み出していることが
解決を阻む一要因だと思うのですが、そこに気付かないのか、
あるいは本国の国民から支持されるには、止むを得ないのか……。

どちらにせよ、「本国」の動向に嫌気がさす時があります。
M・Kさん (ルパート・ジョーンズ)
2008-01-05 10:15:56
なまじ距離が近いだけに、かえって相違点や対立点が浮かぶのでしょうか。

>「本国」
判断が難しいところですが、国の成り立ちを考えると、
やはりNational Identityというものを維持させるためには、
日本への強硬な態度を見せざるを得ないのでしょうね。
五輪予選の時にも、同じようなことは感じましたし。

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