茜のこと

2016-01-13 20:45:15 | 日々思うこと
茜が家に来たのは
蔵前の父が亡くなってすぐだった

自閉症の松が 人や車が恐くて
夜中や明け方にしか散歩できなくて
ある朝早い散歩の時に
ダンボールの中で泣いていたのが
ちいさな茜だった
ガムが体のそこかしこについていて
とっても怯えていた

誰かに引き取ってもらうまで……
そう思って家につれてきたけれど
その考えはすぐに撤回されて
家で飼うことにしてしまった
松がすごく親和的だったのも
飼うことに決めた一因だった

朝方早くに拾って
朝焼けの茜色の毛並みだったから
茜と名付けた

茜は病気もせずに 元気に育った
あまり人になつく犬ではなかったが
ベタベタするのが苦手な私には丁度よかった

変な歩き方をする松の散歩に つきあってくれた
いつも松の後を歩いていた
二匹はいつもぴったりくっついていた

松が天国にいってしまって
寂しさもあったようだが
少し のびのびともしていた 笑っ

松がいなくなって もう六年が経つ
その間 のんびり 少し寂しく過ごしてきた
山中湖で遊ぶのが好きだったね

吠え癖と噛み癖があったね
うちに来る前 なにか怖い目に遭ったんだろう
それを取り除いてあげることはできなかった

でも あの朝 泣いていた茜は
私には天使だったんだよ
あれから どれだけ
私の涙を拾ってくれただろう
本当に 茜 ありがとう

散歩してる時 美人さんねって
誉められるのが嬉しかったよ


もう ご飯も食べない 水も飲まない
ただじっと 静かに目を閉じて
時が流れる中に身を置いている

ずっと心臓の薬を飲んでいたけれど
もうそれも飲まない
痛がらないのなら 自然に委ねようと
家族で話した


あした また会おう





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