らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1267.HER MAJESTY

2009-04-25 | 12.THE BEATLES
 ビートルズの実質的なラスト・アルバムとなった“ABBEY ROAD”。
このアルバムの最後‘The End ’が終わった後、アンコールのような
曲としてポールがアコースティック・ギター1本で‘Her Majesty ’
を披露してくれます。

 初めてビートルズと接し、“ABBEY ROAD”をレコードで聴いた頃、
この曲の位置づけがよくわかりませんでした。そもそもB面の「あの
豪華絢爛なメドレー」の1曲1曲を中学生の分際で識別できるはずも
なく、ただただ分厚い音の洪水に圧倒されていたのでした。また、裏
ジャケットの表記では‘THE END ’となっているのに、レコード盤や
歌詞カードには、“THE END HER MAJESTY ”と「微妙」な外観で表記
されているではありませんか。「いったい、どっちが正しいの?」と
謎は深まるばかりでした。曲を聴くまでは‘THE END HER MAJESTY ’
という一つの曲だと思っていたのです。

 ‘The End Her Majesty ’(実際にはそれは‘The End ’)が終了
した後に、長い「間」があきました。「ああ、これで終わりなんだ。
なんだか切ないよね」と思った瞬間・・・

 ジャーン!!(コードDの大音響)

とともに、ポールによるフォーク・ソング(懐かしい響きでしょ)の
ような曲が始まり、あっと言う間に終わってしまいました。「あれっ
これはなんだ? 曲の中で確か『ハー・マジェスティ』なんて聞こえ
たよね」とまるで未知の道を探検するような不思議な気分になったの
です。歌詞カードをよく読みなおしてみると‘The End Her Majesty ’
の中間あたりに、“20 seconds silence”と印字されていたのです。
‘The End Her Majesty ’が‘The End ’と‘Her Majesty ’の2曲
であることがわかったのは、高校生になったときでした。

 女王陛下に捧げてビートルズとしての幕を下ろすあたり、イギリス
気質を感じます。内容は、機知に富みながらもかなり痛烈ですよね。
このような曲を発表することが可能な背景には、皇室批判やパロディ
に対するイギリスという国の懐の深さがあるのではないでしょうか。

 ポールの“Martin D-18 ”による「弾き語り」には、テクニカルな
要素を感じさせてくれます。単純なアルペジオだけではなく、アルペ
ジオにストロークを混ぜた複雑なプレイです。

 ところで、‘Her Majesty ’も‘I Want You’と同様、曲の終わり
かたに「不完全」さを感じます。最後の「D」音が欠落しているから
です。この理由については、曲の始まりの「ジャーン!!」という大
音響とともに多くのかたが説明されていますので、ここでは割愛しま
しょう。‘I Want You’の「不完全さ」はジョンがエンジニアに対し
意図的に指示したものであるのに対し、‘Her Majesty ’のそれは、
エンジニアのミスによるものです。いずれにしても、この「不完全な
終わり」が「ビートルズに終末はない」ことの象徴であるとわたしは
勝手に見做しています。

 あ。‘Free As A Bird’とか‘Real Love ’のハナシは抜きですよ。



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