らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

43.稚内~昨日・今日そして明日

2005-12-11 | 01.Journey
写真:丘の上のロール(記事内容と無関係) 2002年08月10日12時01分撮影】

 北海道へ毎年旅に出かけている。稚内も好きな街で必ず訪れている。
サロベツ原野を巡り、利尻富士に落ちる夕陽を見ては毎回新たな感動
に浸り、稚内へ入る。故郷へ帰るかのように毎年立ち寄る店がある。
「天勝」と「ランチョン」。
 私はけっしてグルメではない。北海道を周る際は、コンビニの弁当
で食事をすませることも多い。そんな私であるが、「天勝」で寿司と
タコしゃぶを楽しみ、「ランチョン」の塩ラーメンで締める。

 「天勝」では店のおばあさんとよく話をした。中でも天気のハナシ
が多かった。「ランチョン」は、おじいさんとおばあさんが切り盛り
していた。ここの「塩ラーメン」はとびきり旨かった。俗に、「ラー
メンは北へ行くほど旨い」と言われているが、これはまさに魚介類系
のダシの賜物だと思う。

 しかし、そんな平和な稚内に2002年 6月末、大事件が起きた。

2002.6.29 稚内火災

 「稚内火災」。2002年 6月29日(土)18時15分頃に出火し、11時間
燃え続け、翌日30日の 5時25分に鎮火した。死者こそ出なかったもの
の、建物23棟、延べ床面積9068㎡が焼失する大規模の木造建造物密集
市街地の全焼火災となった。

 その年の 8月。恐る恐る稚内へ訪れた。やはり・・・。そこにいる
はずのひとがいない。そこにあるはずのものがない。これほど悲しい
ことはない。「天勝」も「ランチョン」も、そして他の店も。しばし
茫然自失となり、その場に座り込んでしまった。しかし、その時は、
「きっと再興するさ」と信じていた。だから、その数年後ランチョン
のご主人がお亡くなりになったことを、「竹ちゃん」のご主人からお
聞きし、その願いも叶わなくなったことを思い知ると、「ポッカリ」
と心の中に穴が開いたようになった。

 街は復興を目指している最中である。毎年訪れるたびに、少しずつ
ではあるが、街は確実に変化している。
 
 そして、2005年の10月。いつものように稚内へ訪れた。もう初冬の
様相。風が強く、これからやってくる厳しい季節を予感させる。

 防波堤ドームの近くに車を停め、「車屋源氏」の角を曲がり、焼失
した中心部を歩く。すると。「天勝」の看板の店が。建物も新しい。
「もしかして・・・」と思うや否や、のれんをくぐった。間違いなか
った。4年前の10月を最後にお会いしていなかった「おばあさん」の
変らぬ姿が、そこにあった。救われた気持ちになった。この3年間の
ご苦労をお聞きし、思わず落涙してしまった。

 稚内の市街地火災を過去のものにしてはいけない。市街地中心部に
は、防災上脆弱な木造密集地や既存不適格建築群がまだ数多く残存し
常に火災の脅威にさらされているという。「安心」、「安全」のキー
ワードの尊さをあらためて感じる。

 追伸。JR稚内駅前にある西條デパートが閉鎖されていた・・・

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8 Comments

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TBありがとうございました。 (jun)
2005-12-11 01:54:21
おじゃまします。

いやぁ、らば~そうるさんのボウリング解説は素晴らしいですね。

写真やイラスト付きで分かりやすいです。

私は、日曜の夜にボウリング大会に行って来ます。

うなれ、レブミッション!

光れ、メカテクター!(光りませんが)

・・・・・ガンバリます。



返信する
Unknown (みかちび)
2005-12-11 06:56:04
あ・・・。まるまるちゃんだっ!(ひどく興奮)
返信する
まるまるちゃん (まこにゃん)
2005-12-11 16:28:08
わたしはこれを畑のバームクーヘンと呼んでいます。
返信する
まとコメ失礼いたします (らば~そうる)
2005-12-13 22:46:44
to:junさん



コメント、ありがとうございました。

ブログの方へお返事させていただきます。



to:みかちびさん、まこにゃんさん



ロール、クリックすると動きます
返信する
ロール (fkh)
2005-12-14 04:52:29
これは、もしかして中頓別あたりでしょうあか?
返信する
おしい! (らば~そうる)
2005-12-14 23:04:17
fkhさん。



さすが。

北海道に詳しすぎるので、読みすぎですな♪

もっとも、この写真から中頓別の地名が出てくるところが

脅威なのですが・・・

単純に、豊富の風景です。ジャン、ジャン。

ほら。牛乳飲みすぎて、その後たいへんだった

ところですヨ。
返信する
Unknown (fkh)
2005-12-15 19:02:22
なるほど。

町営大規模牧場のあたりでしたか。

なかとんあたりだと、バックにもっと山が控えてるので、今ひとつ地震なかったんですが。ぐらぐら...。



あそこの牛乳、まいう~だったですね。

その後のことを考えなければ。(笑)



ちなみにあそこにも、SLが走っていたというのは、ちょっとマニアックな事実であります。

その奥の本流・豊幌ってところに炭鉱があったんですよ。

返信する
豊富→浜頓別 (らば~そうる)
2005-12-18 01:33:23
小文字全角さん。



>その奥の本流・豊幌ってところに炭鉱があったんですよ。



1984年の夏、初めて北海道へ上陸した時

サロベツ原野から豊富温泉を訪れました。



その後、浜頓別方面へ行こうと思ったのですが

ジャリ道で道幅が狭く鬱蒼とした感じだったので

「恐怖感」から引き返しました。

まだまだ「青かった」ですね。

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