2427．北海道 ～廃線のノスタルジー～

　大好きな北海道。車で旅をしています。その北海道の地図を眺めて
いる時間も好きです。視線は道路に向うのですが、ふと平行して走る
路線網に目がいきました。札幌を中心に函館本線、室蘭本線、千歳線
宗谷本線、石北本線、富良野線、石勝線、根室本線、釧網本線、留萌
本線、札沼線、江差線、そして、東北との連絡線である津軽海峡線。
これですべてです。記憶できるほどの数になってしまいました。

　初めて北海道を訪れた1984年の夏。車とともに走った灼熱の道の横
にはいつも列車が走っていました。稚内へひた走る国道 232号では羽
幌線と並走、稚内では天北線の勇姿を見ました。興部から名寄に向う
国道 239号線では名寄本線のハダ色の列車とともに走り、サロマ湖に
立ち寄ったときには湧網線の軌道を目にしました。

　まだコンビニとか携帯電話もない昔。駅にもお世話になりました。
夕食をゲットできず、空腹で野宿した根室標津駅、三国峠越えの国道
273 号線のダートを砂埃と格闘しながら走り立ち寄った十勝三股駅跡
そして流行にながされてミーハー気分で訪れた愛国駅・・・。

　まだ、「国鉄」を名乗っていた時代のこと。思い出はつきません。

　形あるものは・・・。そんな思い出の数々は1985年 4月 1日を境に
次から次へと地図上から消滅していきました。そして、次に北海道の
地に立った1990年 7月、深名線と函館本線上砂川支線、そして北海道
ちほく高原鉄道を除き、北海道のＪＲ鉄道網は、既に現在と同じ姿に
なってしまっていたのです。

　あっという間に時空がシュリンクしまったかのような現在。その活
動範囲はグローバルに広がるいっぽう、時間に追われる毎日。そんな
中、ちょっとだけ昔に戻って「スロー」な時間を過ごしてみたいなと
思います。例えば、コンビニに頼らず携帯電話ももたずに、北海道を
鉄道で巡ってみるとか・・・。


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