らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

357.Gibson J-160E

2006-10-28 | 12.THE BEATLES
【写真:J-160E by Orville 2006年10月24日21時46分撮影】

 ビートルズの使用していた楽器と同じ(オリジナル・モデルが理想)
モデルを「所有したい」という願望は、ファンの方で楽器を嗜まれる
方であれば、誰しも思われることだろう。今回は、"Gibson J-160E "
を紹介する。

ジョンの1本めは
  「盗難説」と「移動中破損説」があるらしい


 いわゆる「アコースティック・ギター」を最初に手に入れたのは、
中学生の頃であった。そのときはYAMAHAの廉価版のモデルを購入した。
しかし、弦高が高くスティール弦に慣れていないため、きれいな音を
出すことが至難の業であった。特に「F」はもう泣きそう。左手の人
差し指と、親指以外の指先はいつも血が滲んでいた。

 不思議なもので、そのアコギとはずっと社会人になるまで付き合っ
てきた。1990年代になってある日、横浜のYAMAHAに楽譜を買いに立ち
寄るとあの"J-160E"が展示されているではないか。価格は11万円。

 ジョンやジョージがグラナダ・テレビでマイムしていたね。

 すっかり気に入り即決で購入。よく見ると、それは「オリジナル・
モデル」ではなく、「コピー・モデル」の"J-160E by Orville "なの
であった。しかし、弾きやすさ、音の鳴り・・・、満足である。

 本家の"Gibson J-160E "の特色であるが、外観的に非常にネックが
長く見えると思われたことはないだろうか。その理由は以下の通りで
ある。ギターのネックとボディは通常14フレットでジョイントされる
のであるが、このギターでは、ピックアップをマウントするスペース
を確保するために、15フレットでジョイントされているからである。
つまり、指板が1フレット分ボディから飛び出し、ブリッジもサウン
ド・ホール寄りになるため、"J-160E"が独特のシェイプ(ネックが長
く見える)になっているのである。

 "J-160E"の音色については、マーチンと比較すると、やや粗いスト
ロークに適した音色ではないかと思う。ジョンがハイ・ポジションの
コード・フォームでブリッジ寄りをストロークするあの「力強い音」
は、「これぞビートルズの典型的なアコギの音」である。もちろん、
エレクトリック・ギターとしても利用され、その音は'YOU'RE GOING
TO LOSE THAT GIRL'で確認できるあの「軽やかで流れるような」音色
である。その場合、ボディが完全なアコーステック構造で大型である
こと、ピック・アップがネック側に取り付けられていることによって
ジャズ・ギターのような甘く丸い音になる特性がある。'I FEEL FINE'
のエレクトリック・ピアノのようなふくよかな音がそれである。ジョ
ージはこの「音」を嫌っていたのか、1966年にピックアップの位置を
サウンド・ホールのブリッジ側に移動させて使用した。

 この"J-160E"については、いくつかの「秘話」がある。紹介しよう。
最初にジョンとジョージが揃って1962年製モデルを入手したのだが、
ジョン所有の"J-160E"は1963年末に盗難にあい紛失してしまう。彼は
1964年の半ばに1964年製モデルを入手することになるのだが、それま
での期間はジョージの所有している"J-160E"を弾いていたのである。
すなわち、映画"A HARD DAY'S NIGHT"でジョンが弾いている"J-160E"
はジョージ所有のものである。

 ちなみに1964年製モデルは、1966年の日本公演でもサブ・ギターと
してスタンバイされた。1966年後半に、サイケデリック・ペイントが
施された後に、1967年から1968年にかけて塗装がすっかり落とされ、
ナチュラル仕上げになる。1969年のジョンとヨーコの「ベッド・イン」
で披露されたギターはこのモデルである。

 ジョージが所有し、「ジョンとジョージの二人から愛された幸運な
ギター」はジョージが亡くなるまで、彼の手元にあったという。また
ジョンの2本めのギターも現存している。

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14 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (タケチャン)
2006-10-28 02:46:58
横浜のYAMAHAって、ひょっとして相鉄ムービルの先、東急ハンズの近くにある、あのお店かな?僕も立ち寄ることあります。カジノとか、バイオリンベースとか外からも見えるように展示してますよね。



マーチンはアコギの鳴りを極めたものですね。ジョンもハローグッバイのプロモで使ってるのを見ることできますね。



J160EもPUをあれこれ変えたらしいですね。
返信する
良い音色ですネ! (TAC)
2006-10-28 08:23:19
映画「四人はアイドル」の中でジョンが「悲しみをぶっ飛ばせ」を弾いているのもこのギターなのかなぁ~?あれは良い雰囲気でした。エレキも良いがアコーステックギターの音色は秋の鈴虫の様です!なんてネ!
返信する
お久しぶりです。 (Johannes)
2006-10-28 12:00:12
PUの位置をブリッジ側にするとると、高音がでる感じになります。



ちななみにJOHNの謎の一本という160Eが目撃されてますが、ご存知ですか?レンタルかどうかは不明なんです。盗難の後、64年製ですが、ブリッジが黒いエボニー材で、セラミックではありません。2リングです。『ビートルズ・フォーエバー』という本の屋上での演奏の後ろに置いてあるので見て下さい。
返信する
横浜のYAMAHA (らば~そうる)
2006-10-29 02:58:32
to:タケチャンさん



>ひょっとして相鉄ムービルの先、東急ハンズの近くにある、あのお店かな?



ピンポン♪

大正解です。



AWシリーズやドラムでもお世話になっています。

ジョイナス店のほうへはエレクトーンで

インストのおねえさんと

時たまおハナシしに行っています♪



ニアミスしているかもしれませんね。
返信する
秋の鈴虫! (らば~そうる)
2006-10-29 03:09:45
to:TACさん



秋の鈴虫ですか♪

風情を感じる表現ですね~。



わたしも記憶があやふやなので

いろいろと調べてみました。

「悲しみをぶっ飛ばせ」で"J-160E"を弾いているのは

ジョージのようです。

ジョンは"Framus Hootenanny "という

ドイツ製の12弦のアコギを弾いています。
返信する
謎の一本! (らば~そうる)
2006-10-29 03:19:42
to:Johannesさん



Johannesさんもご活動の中でJ-160Eを

お弾きになっていますが、

PUの位置を改造されているのでしょうか?



『謎の一本』ですか~♪

未確認です。ぜひ確認してみたいですね。

情報、ありがとうございました♪
返信する
replica (River of Tears)
2006-10-29 21:00:30
TBありがとうございます。Gibson J-160Eはジョンが最も愛したアコースティック・ギターですね。でもあのベッド・イン・ギターと同一のもとのは知りませんでした。ジョン・レノン・ミュージアムに会った楽器はレプリカのようです。
返信する
>replica (らば~そうる)
2006-10-30 00:45:11
to:River of Tearsさん



突然のTB、失礼しました。

コメント、ありがとうございます。

らば~そうると申します。



J-160Eは結局、デビュー当時から

解散に至るまでずっと使用されましたね。

ミュージアムのギターは

やはり「レプリカ」なのですか。

近々、ミュージアムへ再度行ってみたいと

思います。

情報、ありがとうございました♪
返信する
その他は (River of Tears)
2006-10-31 00:22:12
GibsonJ-160Eはレプリカのようですが、その他、Rickenbacker325JG,Epiohne Casino,YAMAHA Dragon

Guiter,Gibson Les Paul Juior,Obatin Electric Legend 1651-4などは本物のようです。以上情報まで。
返信する
貴重な情報! (らば~そうる)
2006-10-31 22:23:00
to:River of Tearsさん

おぉぉ。ものすごい情報です。
ありがとうございました♪
返信する

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