らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

612.SHE SAID SHE SAID

2007-07-10 | 12.THE BEATLES
【ミュンヘン・サーカス・クローネ・バウにて(1966.06.24)】

 ‘She Said She Said ’。この曲は“REVOLVER”で最後に収録され
た曲である。1966年 6月21日。ビートルズがワールド・ツアーを開始
する3日前のことである。

 この曲が成立した背景はよく知られている。ジョンはロサンジェル
スでLSDを試していた時に、俳優のピーター・フォンダと会った。
トリップしていたジョンに対してフォンダは「死ぬってどんなことか
知っているよ」と言ったので、ジョンは不快な気分になったという。
この時の「不快な体験」をもとに、ジョンは‘She Said She Said ’
を作り上げたのである。

 イントロから聴こえてくるギターのリフが、この曲のサイケデリッ
クな雰囲気を増長させている。そしてジョンの歌い方もどこか不気味
である。曲は、朦朧とした世界の中で、子供の時代へと展開する。

 She said you don't understand what I said
 I said no no no you're wrong 
 When I was a boy
 Everything was right

 ジョージのギター・リフとリンゴのドラムスがジョンのヴォーカル
に呼応するかのごとく追従する。そして上述の歌詞の展開になった時
曲は「4拍子」から「3拍子」へシフトする。実に効果的だ。相手の
言葉に圧倒されパニック状態になっている様を彷彿とさせる。

 ビートルズの曲には3拍子系の曲もあるが、ほとんどが4拍子系の
曲である。しかし‘She Said She Said ’のように、曲の中で巧みに
拍子を変えている曲がある。‘We Can Work It Out’‘All You Need
Is Love ’そして‘Two Of Us ’の例が、わかりやすいだろう。特に
ポールのそれよりも、ジョンの「変拍子」の採用はより複雑な印象を
受ける。

 さて、ジョンの変拍子は自然にこうなってしまったものなのだろう
か。意図的か否かは不明であるが、言葉のリズムに従って「そうした」
ようにも思える。‘Strawberry Fields Forever ’などはその最たる
ものだ。



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6 Comments

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Unknown (タケチャン)
2007-07-11 00:53:36
この曲はリンゴのドラミングも聴き所なんですよね。Rainもそうで、ジョンのボーカルとジョージのギターの両方と絶妙な掛け合いやってますね。リンゴはRainのドラムプレイを自分でもすごく気に入ってるそうですけど、She said she saidのドラミングも最高にいいです。

リズムをかえるのはジョンが得意にしてましたけど、感情の高まりを感じますね。Good morning Good morningもそうだし。
返信する
Ringo! (らば~そうる)
2007-07-12 00:30:02
to:タケチャンさん

リンゴのドラムス!
たしかにスタンダードなバック・ビートではありませんね。
いろいろと際立っているのですが
特にシンバルの使い方が印象的です。
ジェフ・エマリックの「考案」による効果の影響も
あるのかもしれません。
返信する
4拍子と3拍子 (mensurazoirri)
2007-07-13 23:48:34
昔「アンソロジー1」で I'll be back を3拍子と
4拍子のテイクで録音している様子を聴きましたが、
その時、彼らの飽くなき実験性に驚いたものです。

本文の記載にもあるようにShe Said She Said が
最後のレコーディングということは来日時に於いて
もう全部完成していたわけで、コンサートで古い曲を
取り上げる彼らがどんな気持ちでステージに上がって
いたのか、何となく窺い知れる気がします。
返信する
プライド (らば~そうる)
2007-07-15 00:43:45
to:mensurazoirriさん

>コンサートで古い曲を
>取り上げる彼らがどんな気持ちでステージに上がって
>いたのか

1966年のツアーのほとんどが1965年のツアーと
同じ曲ですからね。
リハーサルもほとんどなし。
オーヴァー・ダブを施し、スタジオでは音が厚かった
‘If I Needed Someone’‘Day Tripper’
‘Nowhere Man’そして‘Paperback Writer’を
果敢にもライヴで挑戦しましたが、音は薄っぺら。
音がよく聴こえた武道館での4人の気持ちを
推し量ると、なかなか複雑です。
返信する
Unknown (fenbu)
2007-07-15 22:23:27
久しぶりにお邪魔させていただき、色々見てました~。

金銀パールプレゼント

に思わず吹いておりました(笑)。

She Said She Said
ビーチ・ボーイズの「神のみぞ知る」のエンディングから、あの追っかけコーラスのインスパイアを受けたらしいですね。

ジョンの曲は、変拍子も、転調も、コーラスの合いの手も、みんな“詞”って思うこと、僕もありますね。
返信する
時間差攻撃も (らば~そうる)
2007-07-16 01:04:36
to:fenbu さん

あ。どうもどうも、いらっしゃいませ♪
金銀パール・・・はやってもうた
という感じです。
閲覧者が引いている姿がなんとなく見えます。

やはりビーチ・ボーイズなんですか。なるほど~。

ジョンには、あと拍を微妙にずらす
「時間差攻撃」がありますね。
‘Nowhere Man’の1番目のヴァースBの
“Nowhere man
 The world is at your command”と歌う部分の
出だしの「休み」や
‘Julia’などなど。

「ここで来るだろう」というタイミングで「来ない」
のでハッとします。
まるでベース・ボールの投手のチェンジアップみたいです。
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