1669．WILDERNESS

【写真：道なき道を進む 2007年10月08日15時26分撮影】

　
　６月だ。

　この季節になると、「北」への誘い（いざない）が、どこからとも
なくやってきる。それにしても、旅にはいろいろなスタイルがある。
ＧＷなどの長期休暇を利用し国内脱出、すなわち海外へ旅立つ人々。
悪くない。１日に10,000の人が訪れる観光地で、10,000人の中の一人
として10,000分の１の感動をシェアするのもよい。しかし、わたしに
とって旅とは「元気」を取り戻すこと。自分を見つめ直すためにじっ
くりと考える・・・。そんな旅が理想的だ。たとえ海外に行かずとも
国内にはよいところがたくさんある。特に北海道は。それがわたしの
こだわりになっている。

　そんなわたしは、ずっと“WILDERNESS”を求めてきた。林道の旅や
野宿の旅である。昼は、寒さや暑さ、雨風、そして路面の凹凸を直に
感じ取り、夜は星の下で眠る。ラクなわけではない。いったい何が起
こるのか、まったくわからない。それでもわたしはずっとそんなスタ
イルを続けてきた。「なぜ？」。それは一言でいえば、「自分だけの
風景」を求め続けてきたからなのかもしれない。

　感動的、感激するような場面に出会うためには、究極的には「自分
の足」でその場に行くことである。それも何度も何度も。同じ場所で
あっても、そこから受ける印象は毎回異なるものだ。「同一性の中の
変化」なのである。

　感動するための道のりは平坦ではない。苦労に苦労を重ね、やっと
そこに到達する。その時の達成感は、どんな言葉でも表現することは
できない。

　今年も、これからもそんな旅を続けていきたい。



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