あいおらいと

主に、お友達への連絡用でたまに、日々を綴ったり…していたはずが、いつのまにやら作品置き場になりつつあります。

ほわいとでーっぽいもうそう

2018-03-14 03:14:00 | もうそうはきだし中
お返しは何がいい?と聞けば、少し考えて、手作りのクッキーがいいと言われた。
つきあい始めてそこそこの年月を重ねた結果、バレンタインデーとホワイトデーは互いの手作りの品を送る、が定着してしまったから、これはこれで予想の範囲内。
彼女はチョコレートを使用したお菓子を作ってくれるけれど、僕の実力を考慮して、彼女がリクエストするのはほぼクッキーなどの初心者向けの焼き菓子。ただ材料を混ぜ合わせて焼くだけというのは面白味がないから、毎回同じ感じにならないよう、密かにレシピを調べたりするのは、もはやこの時期の風物詩だ。
いつもならそれで終わるのだけど、今年は課題がもう一つ。


朝起きると、メール着信の合図が表示されている。
しかも、着信したのは真夜中の3時14分。
着信時刻こそ異なるものの、一ヶ月前にも同じ経験をしているから、これは予測できたこと。
問題は、その中身だ。
一月前のバレンタインデーに、彼女へ一通のメールを送った。
それは、大手製菓メーカーが購入者向けに行っているサービスで、あらかじめ用意したメッセージを、2月14日の2時14分に指定した宛先へメッセージを届けてくれるという物。いわゆる「逆チョコ」という物を購入した際のおまけのようなもの。
彼女だったらきっと喜んでくれるだろう。
軽い気持ちで送ろうとして、ふと気づく。前に想いを言葉にして伝えたのが、いつだったか思い出せないことに。
言葉にしなくてもわかるというのは、ある意味理想的な関係だ。
けれど、時には言葉にして気持ちを伝えることも必要だ。
いい機会だからと好意の言葉を散りばめたメールを送ったところ、同日同時刻に同じ文言のメールが彼女から届いた。
同じ事を想って、同じ事をしてしまったことがおかしいと同時に嬉しかった。彼女も同じ気持ちでいてくれたことがわかったから。
同じ要領で返信できるようだったから、返事をしようとしてふと悩む。
彼女の性格を鑑みれば、返事がくるのは確実だ。付き合いが長いから、彼女がどんな返信をしてくるか、何となく予想はできる。
それを見越して同じような文面で返信すべきなのか、それとも、全く異なる文面で返信すべきなのか。
好きな人と同じ、という状況は単純に嬉しい。
だけど、違っている部分を愛おしく感じることだってある。
今回の場合、どっちを選べばより幸せな気持ちになれるんだろう?
同じかどうかというもの大事だけれど、一番伝えたいのは彼女への感謝と厚意。
散々迷いながら、自分の素直な気持ちを綴って返信した。
そうはいいつつも、また同じだったらいいな、なんて淡い期待もほんの少しだけ残っている。どきどきしながらメールを開き、その内容に自然と顔がほころんだ。
数時間後に会う約束はしているけれど、それまで待ちきれなくて、きっと彼女も同じ気持ちでいてくれる気がして、彼女へと電話をかけた。

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