きっかけはほんの些細なこと。
些細なことだからこそお互い意地を張り合って、気がつけば矛の収めどころがわからなくなる。
最低限の会話以外は交わさずに過ごすこと数日。先に根を上げたのは彼の方だった。
つん、とあからさまに怒っているとアピールする彼女の袖をつかんで、絞り出すように小さな声で彼は呟く。
「…嫌いにならないで。」
そんな彼に彼女は答える。
「無理。」
端的な言葉に、袖をつかんでいた手が力なく離れた。
悲愴な面持ちで項垂れて立ち尽くす彼を、彼女はぎゅっと抱きしめる。
「嫌いになんてなれるわけないじゃない。だって、どうしようもないくらい、好きなんだもの。」
そんな彼女を彼はぎゅっと抱きしめ返す。
「ごめんね。」
「私の方こそ。ごめんなさい。」
「これからもずっと、好きでいい?」
「これからもずっと、好きでいてください。」
些細なことだからこそお互い意地を張り合って、気がつけば矛の収めどころがわからなくなる。
最低限の会話以外は交わさずに過ごすこと数日。先に根を上げたのは彼の方だった。
つん、とあからさまに怒っているとアピールする彼女の袖をつかんで、絞り出すように小さな声で彼は呟く。
「…嫌いにならないで。」
そんな彼に彼女は答える。
「無理。」
端的な言葉に、袖をつかんでいた手が力なく離れた。
悲愴な面持ちで項垂れて立ち尽くす彼を、彼女はぎゅっと抱きしめる。
「嫌いになんてなれるわけないじゃない。だって、どうしようもないくらい、好きなんだもの。」
そんな彼女を彼はぎゅっと抱きしめ返す。
「ごめんね。」
「私の方こそ。ごめんなさい。」
「これからもずっと、好きでいい?」
「これからもずっと、好きでいてください。」