goo blog サービス終了のお知らせ 

Side-A

そろりと再起動

終わりましたなあ。

2006年07月13日 12時25分27秒 | 日記

いやはや。終わりましたよ。

最終日、ベルリンで1泊して戻ったわけですが、既にホテルを出るころには体に変調が。寒い。でも気温30度(多分)。こりゃ風邪だな~、と気を引き締めつつ、でも全然引き締まらずに列車でデュッセルドルフへ。

荷物をおいて速攻コインランドリーへ。最後の洗濯です。そして、なにより原稿を書かなくてはいけません。Side-Bの最後2回分はすでにベルリンで送ってしまっていたので、あとはスタサカ。編集黒木さん(モードなファッションに身を包みながらも徹夜で仕事を続けるタフなヒトです)の怒りのメッセージがひたひたと。まずい。早く書いておけばよかった・・・。

洗濯物とノートパソコンをもってコインランドリーに出撃。既に4度目なので、ちゃちゃっと洗濯物と潜在を放り込んで洗濯スタート!そして、端っこの壁際でパソコンを広げて原稿をぱちぱちぱち。相変わらず寒気がぞくぞく。

洗濯終了のころに大方できあがり、ま、いっかー、と作業終了。洗濯も終了。ホテルへ帰って今度はパッキング。

……に取りかかろうと思ったが、どうにも体が思い。寒気どころか頭が全く動かない。うーん。あれですね、ワールドカップが終わって気が抜けましたね。

とかのんびりしている場合では無い。時刻は9時過ぎ。翌朝7時にはホテルを出ないとフライトに間に合いません。パッキングに2・3時間はかかるとすると、のこりは6時間。そのうち1時間は原稿の修正と送信にあてるとして、5時間・・・。

手持ちの抗生部質と解熱剤(2倍量)をぶちこんで、大量の水を飲む。ベッドサイドにも置く。そして、布団をかぶって寝る。寝る。ものすごい量の汗をかく――たしか、「ためしてガッテン」で、風邪の時は汗をしっかり出したほうがいい、っていってたような、ちがったような――と朦朧とした頭で考えつつ、とにかく横になる。全然寝られないけど汗は出る。どくどくどく。

AM1時。なんとなくすこし楽になったような気がしたので起きる。ベッドを見ると、ほとんど水溜り。ぐほ。原稿とかメールとか少し作業をする。また体が重くなってくる……もう一回は眠れないので、また解熱剤投入。そしてパッキング開始。

ミュンヘンでバッグを1つ買い足していたので、それを含めて荷物2個になんとか収納。終わったら4時半、おもったより早くおわったので、アラームを付けて2時間弱眠る。とはいえやはり汗だくで寝られず、横になるだけ。

時間になったので着替えて荷物を3部屋から1階へおろして、タクシーにのって駅へ出発!とりあえず駅で水と食料を買いこみ、ホームへ。予約していた列車の2本前のICEがちょうど到着。ならば、と乗って、とりあえず席を確保して今度は爆睡。

フランクフルト空港に到着、チェックイン……「オーバーウェイトです」何キロですか?「22キロです」あ、2キロオーバーですね?20キロですよね?「はい。20キロまでですが、貴方の荷物は42キロあります。22キロオーバーなので、220ユーロ(3万円以上)ですね」がーんがーんがーん。どこで増えたその22キロ?行きは大丈夫だったのに。

いまさらあがいても仕方ないので、おとなしくカードで支払う。このあとまずバルセロナの親戚の家に1週間居候するので、そこから日本に送ろう・・・。でも22キロ送ったら、それこそけっこうな額になるような。

飛行機は小さなローカル線モード。ヨーロッパ内ですからね。ブーンと飛び立ってブーンと2時間ぐらいで到着。バルセロ~ナ~!

 


ベルリン!ドイツ!アルゼンチン!

2006年07月01日 16時33分36秒 | 日記
朝4時起き。寝たのは1時だけど。何は無くともキャン待ち、1分でも早く、ウェイティングリストに名前を書きたい。何しろ今日は大一番、ドイツ対アルゼンチンです。

――昨日と一昨日の休日、はじめは観光をしようかな~、などと甘い考えでいたのだが、まず1日目はほとんど気絶状態で朝は起きられず。朝食の時間に間に合わなかったので、手持ちのカップラーメンに乾燥わかめをトッピング、さらに粉末ダシを加えて腹を膨らます。と、眠くなる。再び爆睡。起きるとすでに16時。慌てて準備してコインランドリーへ。たまりに溜まった洗濯物を一気に片付ける。そして、選択といえば読書。残りあと三分の一になった西部さんの著書をゆっくり読む……しみじみと、いい。ほんとにいい。感動しつつ読了。

1974フットボールオデッセイ

双葉社

このアイテムの詳細を見る


もっともっと西部さんの(ノンフィクション)小説読みたいです。西部さんの引き出しの多さと、脱線しがちな文章の癖が、こういう「芯の通ったストーリーの軸」があると活きているとおもいます。必読。

2日目も結局だらだらだら。ま、初めての休日だし。と自分を甘やかして2日間を浪費。そしてまた試合~。朝から列車でコトコトとベルリンへ。

メディアセンターでいつもの如くウェイティングリストに書こうとすると……「あなたはノーチャンスです。無駄です。帰ったほうがいいです」ってそんな。ちょっと粘って見ても無駄。と横を見ると作家さん記者さん数名。

どうやら今日はカードがカードだけに、事前にOKを出している人間以外は、追い返しているらしい。ウェイティングリストそのものも、ほとんど人数の余裕無し。うーむ。どうするか。

とりあえず、今日は「ダフ」する事にする。仕方なし。1回は普通に観客として見るつもりだったし。このカードはおそらくこの大会の中でターニングポイントになると思うので、やっぱりスタンドで見たい。

既にチケを入手済みの作家さんにくっついて、街へ。といってもチケを探しにだけ行ったわけではなく、どうせなら食事も、と。久しぶりのまともな食事……普通のイタリアンが旨いよう。そうこうしてるうちに別行動していた方から連絡。チケ、入手できそうとの事。値が張ったが今回にダフ予算は全部突っ込む。

スタジアムに戻ってチケットを受け取り、スタンドへ。席はアルゼンチンサイドのゴール裏2階、周りはかなりサックスブルー系。でも、本当にアルゼンチンサポが固まっていたところからはかなり外れていたので、ドイツ:アルゼンチン=1:1.2、ぐらいの比率で拮抗している。

ドイツの試合は元々「ドイツ」モードで観ているのだが、その上今日はゴール裏。プレス札もカバンにしまって、サポモード入ります。歌います。飛びます。叫びます。

――しっかし、あのキーパーの怪我がキーでしたねえ。「たら・れば」は禁物とはいえ、あそこでカードを1枚使ってしまって、後半~延長には攻撃のカードが切れなくなっていたし、最後はサブGKでPK戦。うーむ。サッカーは難しい。

ワールドカップのPK戦は(確か)負けてないはずのドイツ。スイスVSウクライナではPK戦に入った瞬間、場内に流れた「ケセラセラ」を、今回は延長に入ったところで! 気が早い。さらにPK戦になったところでは「スリーライオンズ」。PK戦で負けるとは微塵も思ってないと見た。というか、僕もPKになったら勝てるとは思ってたけど。

9時台後半の電車を予約していたのだけれど、PKまで行ったので慌ててバスに乗って中央駅へ。思ったより騒いでないな~、ドイツ。飲んだくれている奴もいないし。って思うのは、イングランド人を先に見てるから、だな。十分うるさいです。叫んでます。このまま最終日まで行くんだろうなー。いい大会かも、しれない。

列車の窓から外を見ると、三日月が水平方向に見える。ここでは太陽も地平線にしっかり沈むし、月もすごく低い位置に見える。頭では「ドイツは真っ平だから当たり前」とおもってても、すごく不思議。だって、夕日が「横から」当たるし。

さすがに眠くてへろへろになって(AM3時)部屋へ。テレビをつけるとBBCになぜかホストクラブ「愛」の社長さんが。なぜBBC。続いて『……日本ではパラサイトシングルの女性が顧客の……』とかっぽいナレーションをのせて、泣きながらカラオケを歌うホストクラブの客数名。アップあり。モザイク無し。日本だったら隠すんだけどBBCだしな~、とか思ったら意識朦朧。就寝。

スペインVSフランス@ハノーファー(2)

2006年06月29日 18時28分47秒 | 日記

ともかく今日はキャン待ち、しかもカードがいい。どう考えてもこっちがいいんだけど、どうやら記者人気は裏の「ブラジルVSガーナ」だった模様。わからんもんです。

とはいえ、競争率が高いことには違いないので、例の紙のウェイティングリストに書こうとする・・・が、今回の窓口はガードが固い。データ上でウェイティングになっているなら紙はかかなくてよろしい、と。強めに押して、どうやら本当にそうらしいので、まあ良しとしましょう。今日の会場責任者の仕切りに期待。

と、現れた会場責任者が超怪しげというか、おっちゃん壇上で仕切っている最中に携帯を受けまくり。いちいち「いや、今はチケット配布中だからさ、そうそう、あははは、じゃーねー」とか。ていうか、携帯ぐらい切っとけよー。

当初枚数が少ないか??と危惧されたチケットも、結局当初申し込んでおいてこなかったメディア(「no-show」って言われてます)が思いの他多く、かなりの数が配布される。早々にゲット。

で、キャン待ちの時はチケットカウンターの出来るだけ近くに席を取って動きをウォッチしているのだけど、チケを受け取って安心してPCをカタカタやってたら、突然叫び声が!! あわてて振り向いたら何やら騒動が起きている。

隣に座っていたイングランドのカメラマンに「ねえ、何が起こったの?」と聞くと、まず「君、中国人?」と聞かれる。いや日本人なんだけど、とパスを見せるとちょっと苦笑いしながら「あー、中国人が日本人のプレスを蹴ったんだよ」げ。ついに暴力沙汰か。

なんで?と聞いたけど彼もよくわかんないとのこと。とりあえず「いやー、蹴ったんだ~。その中国人はきっとほら、いいシュートするよ」とか言って「カンフーキックだね!(シャ~~!、と二人でキックのポーズ)」と無責任に盛り上がる。深刻になっても仕方ないし。

落ち着いたところでスタンドへ。相変わらず席番号が解りにくい。1列間違えて周りに迷惑を掛ける。ごめんなさいです先輩方。フランス国歌斉唱……スペイン人、ものすごいブーイング。自分の国歌斉唱のときより大きいぞ、声が。やばいんじゃないの~、あれは。

ゲームは、事前の予想通り白熱。スペインは序盤結構いいとこ見せたけど、最後は例のジダン1発で終了。ていうか、あそこでぶちぬいてきめちゃうとは……腐ってもジダン。

終わってまた相変わらずプレスセンターでご飯。なにしろ夜中なので、ここで食べておかないと食べ損ないます。むしゃむしゃ。決して旨くないけどむしゃむしゃ。高いけど(飲み物買うと1500円ぐらいになる)仕方が無い。

今回は1時すぎの列車を予約していたので、わりとゆっくり駅へ。しかし。例の「30ユーロ奪還」というミッションがある。気合をいれてDBのカウンターへ。

ちょっと弱気そうな係員(推定25才・男性)に目をつけ、気合で話す。「かくかくしかじか、でこういうことなんです。紙を書いてもらいましたほら。ここ。お金返してください」「ちょっと待ってください……(電話でなにやら相談)……うーん、困ったな…」

どうやらやはり決まり上は郵送じゃないとダメらしい。とはいえ30ユーロ。ユーロ高いし。4500円ですからね。粘る。

しばらくするとなにやら解決策を見つけたらしい。彼曰く、銀行に振り込むから、口座番号を教えろと。教える。またしばらく電話……こんどは「その銀行のコード番号を教えろ」と。って、それはカードに書いてないんだよう。でもそれが無いとダメらしい。仕方なくその場でPCを開き、飛んでいたHotSpotの電波を捕まえて繋ぎ、ググってSMBCの銀行コードを調べて伝える。ふう。

これでどうやら作業完了らしい。たぶん10日ぐらいで振り込まれるだろう、と。あとは信じるしかないですな。ま、ここまでやればある意味満足。

列車に乗ると、たまたま今日同じ試合を取材していた作家さんとお隣。同じくデュッセルドルフまで、ということで眠いながらもおしゃべり。というか、しゃべらないと寝過ごして終点(ケルン)まで行きそうなので、とにかくしゃべる。

最初は今日の試合のことなどなどを話していたものの、話題は例の川淵問題。僕は本編(Side-B)に書いた通り、辞めなくていいから別の形で責任を取るべき、と言う考えなんだけど、彼は「責任を取る必要は全く無い。しかし、人気がない会長は留任すべきではない。人気のない会長に求心力は無く、今までのように仕事はできっこない」という考え。うむ。たしかにそれも一理。任期切れですからね。

駅についてホテルに帰って、明日はやっと休日・・・。安心して就寝。


スペインVSフランス@ハノーファー(1)

2006年06月28日 23時19分49秒 | 日記

久しぶりに朝食をしっかり取る。このところ移動の連続で、まともな食事はひさしぶり。ゆっくり食べて準備して、今日はハノーファー。いったん近場のドルトムントに申し込んだのだが、さすがにブラジル戦。はねられたのでハノーファーに乗り換えました。まだ行って無いし、ハノーファー。ここに行けば、(たぶん)いけない会場はハンブルグだけ。

駅に早めに着いたので、自動券売機で席を予約。思いのほかさくっととれたので、ホームへ。予約した12号車に行くと――11号車で列車が終わっている。うーむ。とりあえず11号車に乗って、係りの人に聞いて見ると「12号車、壊れちゃったんで外したんだよ」って、軽く言うな~。もう慣れたけど。とりあえず空いている席があったので座る。

……カタカタカタと日記を書く。あと20分ぐらいでハノーファーかなあ。一気に3日分かいて、ちょうどこの上の行まで書いたところでおもむろに列車が停止。アナウンスがドイツ語でなにやら。人が降りていく。ん? 前にいた人に「何かあったの?」と聞いたら「どうもこの先で事故らしい。降りてタクシーでハノーファーまで行けって言ってるよ」しょーーーーっく。

隣の英語圏の人も同じくしょーっく。二人で「しかたないねえ」「タクシー、シェアしようか?」「そうだねえ」と、タクシー乗り場へ。と、駅員に声を掛けられる。なにやらカードをもらい、このカードを駅にもっていくと、タクシー代はペイバックするから、的な雰囲気の説明。ふむふむ。あまり信用せず、タクシーへ。

相乗りタクシー出発~。ほどなくアウトバーンへ。初アウトバーン!広い~!速い~! でも結構のんびり走ってるじゃん、運転手さん、とメーターを見ると140キロ……そうでもないです。

さらに加速。メーターを見ると、190キロ。そして右からアウディがぶぶぶーーん、と軽く抜いていく。軽く220キロは出してるな。あれ。こちらも負けずに加速。ちょっとだけ、怖い。ちょっとだけ。

ひた走るタクシー。ていうか、このスピードで30分たっても全然たどり着かないってことは、ハノーファーまでどんだけ離れてるんだ???メーターどんどん上がってるし。3人でシェアするとしても……頭痛いよう。

結局40分以上走って、ハノーファーに到着。自分の分(結局30ユーロ×3人)のレシートをもらって、DB(ドイツ鉄道)のカウンターへ。とりあえず言われたとおり、ペイバックを頼んでみよう。

「かくかくしかじか、なんですが」「だめです。この書いてある住所に、書類を郵送すれば払います」「ていうかワールドカップで来てまして、帰っちゃうんですよもうすぐ。日本まで送ってくれるんですか」「だめです。ドイツだけです」「なんとかそこを」「だめです」スポンサーだろうが~~~~~。DBは。

と怒っている時間は無いので、まずはメディアセンターへ行って、そこのボランティアに助けを求める。ボランティアさん曰く、それは駅で支払ってもらえるはず、とのこと。さらに駅の窓口で出すためのドイツ語の手紙までワープロで印刷してくれる。激しく感謝する。なんていい街なんだハノーファー。


ラストケルン

2006年06月26日 00時00分00秒 | 日記

やっとSide-Bの原稿が上がったので、ぼちぼち日記を再開。

2回目のケルン@トーゴVSフランスの時は時間に余裕があったので、有名な聖堂の周りをうろうろしたり(フランス人で身動き取れず)、ガイドブックに乗っている飲み屋に行ってみたり(あまりに混雑していたので支払いをぶっちぎり……ではなくドイツ人のおおらかな心に甘えてご馳走させていただき)、と一応観光っぽいことをしてみた。

が、今回はミュンヘン~シュツトガルトと旅がらすをした後にケルンに帰ってきたこと疲れもあり、速攻スタジアムへ。シュツットガルト→ケルンは列車で2時間ちょっと、キックオフ6時間前にはメディアセンター入り。

今日はチケットも事前に出ていたし、そんなに急ぐことはなかったのだけれど、なにはなくとも原稿。稼がないといけません。今回のネタは賞味期限が短かったので、とにかく早く原稿を書きたい。というわけで、ひたすら原稿執筆。プロットは書いておいたものなんだけど、オシムの件が発生したので付け加えたりしたら3回分の長さになってしまった。

こういう長めの原稿は画面だとどうにもまとまりが悪く、その上校正できなくて苦しむ。今回はプレス用のPCブース(プリンター付き)の横にポジショニングし、とりあえず印刷して校正しながら作業する環境を確保。

……したのだが、このPCセキュリティー厳しすぎ。Gmailに転送して印刷使用すると「Webベースのメールサービスは、セキュリティー上の理由でブロックされています」げ。んじゃ、Yahoo!メールは?「・・・ブロックされています」オフィシャルスポンサーだろーがっ。その上、その「ブロック」メッセージを出してるの、Yahoo!だし。

それでは、とファイルストレージサービスにアップロードしてアクセスする。「Webベースのストレージからにはアクセスできません」んー。ならば、自分のサーバーにFTPでテキストファイルをアップロードして、URLを直接たたく。今度はさすがに表示される。

んが。テキストファイルをブラウザ(このマシンにはブラウザ以外なーんにも入っていない!)で表示すると、印刷時にマージンの部分が切れてしまう。右サイドが途中までで余白になっちゃうのです。

負けないぞ!今度はテキストをワードにコピーして、HTMLで保存、それをアップロード。今度は完璧。印刷→校正→印刷、と普通の作業(ただし手間が3倍)で原稿作成。なんとか6時に終了。

キックオフまであと3時間、微妙な空き時間が出来てしまった。とりあえず2chとかmixiとかもろもろブログとかいろいろチェック。溜まったメールにお返事。日本とメッセ。どうやらFIFAは韓国をアク禁にしているらしいですなあ。あいかわらずですなあ。

試合はスイスVSウクライナ、これまた微妙なカード。裏がイタリアVSオーストラリアなので、むしろそのテレビ観戦で盛り上がる。特にイタリアメディア。そりゃもう、あの展開ですから大騒ぎです。60分あたりから叫び声が上がり始め、85分を過ぎるともう、全員仕事してません。普通に観戦。騒ぐ騒ぐ。PKが決まった瞬間は、オージー記者がっくり。イタリア叫ぶ。スタンドと同じです。

こちらの試合は……予想通りの超凡戦。というか、いままでが結構いいカードが続いたので、これがある意味で普通なのか。両方ともとにかく得点が入る空気がなく、前半終了時には「こりゃPKだな」の声しきり。ウクライナは10に9が玉をいれる展開がもう少しあれば。スイスは……ディフェンスは、よかったですね。うん。

異論はあろうが、日本代表もこのぐらいまで行くようになってくれればなあ、などとぼんやり考えながら見る。両チームともやっているサッカーは非常にシンプルだし、フォワードがシュートしないところも、どっか日本を思わせたり。錯覚でしょうがね。錯覚ですね。

PK戦になった瞬間、場内に大音響で「ケセラセラ」が! 会場大合唱。大会通じていえるのですが、とにかく音楽で盛り上げよう、という意思は感じます。昨日のイングランド戦の後なんか、「スリーライオンズ」をフルコーラス流しましたし。当然場内大盛り上がり。

思ったより外す人が少なかったPK戦で、ウクライナ勝利。正直スイスは守りは堅いけど……というチームだったので、これでいいのだ、というところでしょうか。次にむけては。ウクライナに限らずスイスもですが、とにかく足が動いていなかったですねえ。そろそろ疲労が溜まってきているころなのでしょうか。

試合後、追加で編集さんにメールを出して、駅へ。ちょうどデュッセルドルフ行きの電車が来たところなので、すかさず乗車。席は無かったけど、とりあえず乗れてよかった。一緒になった2人の日本人サポーター、話を聞いて見るとドイツ在住とのこと。今日の試合やらこれからの展開やら、ドイツ人の体臭のきつさについてお話している間に到着。おつかれさまでした。ちょっとワイルド系でいい男でした。

PKまで行ったので、近いケルンとはえ帰りついたらすでに2時。なんだかんだとメールやら処理して、4時就寝。明日はハノーファーでスペイン戦!


シュツットガルトでイングランド

2006年06月25日 11時21分45秒 | 日記

前日のミュンヘンから移動して、今日はシュツットガルトでイングランド戦。とりあえずキャン待ちなので早めに出て、1時ごろ現場到着。キックオフは5時。

とりあえずキャン待ちリストに名前を書いて、チケットカウンターに一番近い席を確保。ぼちぼち作業しながら、様子を伺う。ちらちら話を聞くと、4時にウェイティングリストが開くらしい。前日のミュンヘンは混乱したものの、それなりに秩序立ててキャン待ち配布がされたのだが、今回はどうなるか……こればかりは、現場に配置されたFIFAのスタッフのさじ加減ひとつなのです。

4時を前にカウンターの前は人だかり。なにがなんだか。一応配布の順番として、(1)試合の当事国:イングランドとエクアドル(2)R16に残った国(3)R16に残れなかったが、出場している国(4)出場していない国、の順番にメディアの名前が呼ばれる。

つまり日本は(3)。(1)と(2)は、それぞれ数名ずつ、といったところで順番に配布される。(3)でABC順だと、
アンゴラ、コスタリカコートジボワール、チェコ、クロアチアあたりが続いて……「ジャパーン?」

――『うぉ~~~~~~』『はいはいはい!』『こっちも!』……こりゃ、日本人嫌われますよね、確かに。

日本だけで多分数十枚。そこでほとんどのウェイティングチケットを配布し終わってしまったらしく、次の韓国とかで終了。今大会は中国のメディアが非常に多く取材に来ているのだが(日本ほどではない)、(4)の中国はどうやら1枚も入手できなかったらしい。床を蹴飛ばして集団で怒る怒る。周り中で、あきらかに日本人に怒りをぶつける言葉が飛び交う。言葉はわからなくても意味はわかるぞ、それじゃあ。とりあえず出場しようね。日本もだけど。

無事チケを入手し、スタメンをさくさくノートに書き写してスタンドへ。3位決でもう一回来る予定のGottlieb-Daimler-Stadion。って、微妙に社名を残せているのは(単なる社名じゃないからだけど)、力関係でしょうか。ミュンヘンなんて、アリアンツアレナの看板、取り外されてたし。ここは中も外側も、看板ばりばりです。周りはメルセデス・ワールド。時間があれば、ベンツ博物館にも行ってみたいよう。スタジアムの本当に隣だし。

試合は……腐ってもベッカム。とりあえずワンチャンスで勝ち。勝てば官軍。ファン大騒ぎ。テリーがMOMだったと思うんだけど、帰りのバスの中でイングランドの記者2名が「なんで奴がMOMなんだよ」「んなことFIFAが決めたんだからしらねえよ」「頭おかしいんじゃないか?」「もとからFIFAなんてしんようできねえぜ」的な悪態を(たぶん)吐き続けておりました。

予選リーグの途中、ニュルンベルグからの帰りに一緒になったイングランドサポーターが、「予選リーグは、とにかく勝つことが重要なんだ。でも、次のラウンド(R16以降)は、俺達はそれだけじゃ満足できないんだよ。“いいサッカー”をして“勝つ”。それがイングランド。わかるかい?」って言ってました。今日の試合を彼らは見たかなあ。どう思ってるだろう。結局勝てばいいのかもね。

今日はシュツットガルトで宿泊。前回来たときに、3位決の日とともに予約していたホテルへ。外観だけしか見てなかったけど、全然OK。目の前にホットスポットもあって、ばりばり電波飛んでます。快適~。明日はケルン、そんなに移動もヘビーじゃないので、ゆっくり就寝。


ミュンヘンでFIFAでシューマッハさん

2006年06月24日 23時20分30秒 | 日記

今日はドイツ!ミュンヘン!アリアンツ!こういう無駄に文明を使った感じの建物が大好きなので、来るたび楽しくなる。カードがカードだけに、そしてR16初日とあって当然キャン待ち。ていうか、FIFAからは「すでに大幅に人数オーバーなので、来ないでください」のメールが2回も来た。2回送らなくても。でも来ちゃいました。ドイツ戦なんだもん。

でもその前に使命がひとつ。前回のミュンヘンで買えなかった、家族からの指令:バイエルンミュンヘンのショップに行き、メフメット・ショルのグッズとダブル優勝記念グッズを勝ってくる、を実行せねばならぬ。

場所は確認済みだったので、電車を降りてそのまま直行。優勝Tシャツはすぐに見つかったけど、ショルの方はパッと見た感じでそれらしきものが発見できなかった。店の人に聞いて見る。
僕「あのー、ショルのグッズってなにかあります?」
店「あそこにあるシャツだけだよ。それに番号をプリントするのよ」
僕「あ、それでいいですよ」
店「お土産なの?」
僕「いや、僕の家族がですね、ショルのファンなんですよ。で、ショルグッズを買い占めてくるようにきつくいわれてまして」
店「おー、それはいい!いい家族じゃないか!」
僕「でしょー?やっぱショル、人気あります?」
店「もちろん!みんなショルはすきだよ!」
ついでにかっこいい時計がおもったより高くなく売っていたので、それも購入。これで家庭に平和がおとずれる。

で、スタジアムへ。カメラマンさん達の話によると、キャン待ちには2種類のリストがあり、FIFAが事前にデータベースから出力したリストと、その場で書かせるリストがあるそうな。で、会場担当者によるものの、まずはFIFAのリストから先にチケットを渡し、次に紙に書いたリストへ、最後にそれ以外、という順番になっているとのこと。で、その紙のリストは、公には「ない」ことになっていて、あくまで現場担当の裁量によるらしい。このあたりが、運営のアバウトさをあらわしています。

ともかく、その「紙に書く」リストの上の方に名前を載せるべく、12時台にスタジアム到着(キックオフ5時)。速攻チケットカウンターに行くと、とりあえず「ウェイティングリストは、オンラインのものだけですよ」と窓口で受け流される。でも「えー、紙の奴があるでしょ??ねえねえ?」とかさらに突っ込むと「んー、そうね、あと10分ぐらいまってね」。しばらくするとコピーされたリストの用紙が出てくる。上から2番目、ラッキ~。

そんなやりとりをしている間に、横にいて場を仕切る関係者らしき人物1名。英語・ポルトガル語をどんどん切り替えながら、そばにいるドイツ人ボランティアにドイツ語通訳もさせてテンポよく仕事をしている。みんな頭に血が上っているのでうるさいのだが、笑顔を上手く使って(このあたり、審判のフェイスコントロールと通じるところがある)、状況を動かしてく。すごい。

興味をもったので英語で話かけてみると「あ、日本語も大丈夫ですよ~、少しなら」げげ。何ヶ国語しゃべれるんだ。名刺を見るとFIFAのシューマッハさん。だとするとフランス語もできそうだ。こういう奴がうじゃうじゃいるのかなあ、FIFA。うーむ。

各会場の責任者(オフィサー)は、日本をいろいろな国から派遣されている。正直当たり外れがあるのだけれど、どうやらミュンヘンは当たりらしい。後日、同じ日のライプチヒはどうだったか聞いて見ると、あっちはイングランドのFAからきた人が仕切っていたらしく、これまた見事だったとのこと。R16初日ということで、それなりの人材を配置したのでしょうかね。

キャン待ちチケットの席に行くと……メインスタンド1階中央、前から3列目。げ。砂被り。目の前がベンチ(ただし微妙にスウェーデン寄り)、手を伸ばせば触れそう。ある意味プレス向けの席ではない。つーか、特等席じゃん。ひゅーひゅー。内心はしゃぐ。

ただし、ほとんどピッチレベルなのでちょっとメモを取るのに来るのに手間取る。でも両方とも一度見ていたので、なんとかなる。比較的わかりやすい2チームだし。

ドイツは、というかドイツの人達は、すでにテンションが上がりきっています。開幕戦、同じミュンヘンでやった時は国歌斉唱も微妙に控えめだったのだけど、もう今回はパワー全開、腹から吼えまくりです。街でも日に日に国旗をくっつけて走る車が増えてるし。これこそ開催国ですな。

ラーションのPK失敗を「大ブーイング押されて」って書いてある記事が多くて、多分ちょっとそれは大げさじゃない?と思っている人も多いと思う。でも、あれ、ブーイングなんてもんじゃないですって。スタジアム中に反響して、耳がどうかなりそうなぐらい。あんな真ん中にいて、平常心で蹴れたらどうかしてます。

ドイツ快勝。街はお祭り。ミュンヘンの街中に宿をとっていたので、こりゃ、今夜は眠れないかな~、ともおもったんだけど、そうでもなかった。試合終了後すぐに騒いで、ドイツ人はおとなしく帰った模様。イングランド人だと、裸でゲロを吐きながら飲み続けているんでしょうけどねー。

シュツットガルトへの準備をさくっとして、ゆっくり就寝。


シュツットガルト→ベルリン

2006年06月21日 08時14分38秒 | 日記
4時起床。きっちり3時間睡眠で起動する。朦朧としながら歯を磨いて着替えてチェックアウト、予定通り5時台のICに乗車してベルリンへ~~。

ハノーバーまでの4時間は予約が取れているので乗車……しようとするが、やはりというか酔っ払ったスペイン人がコンパートメントを占領してカーテンを閉めている。気合で追い出す。

Side-Bの次の原稿をこつこつと書き、さらに日記を書いたところでひと休み。一瞬気を抜いた隙に爆睡に入ってしまう……最初に乗った時には、向かい側にスーツの紳士がいた。のだが、途中で一瞬目覚めた時には、いつのまにか黄色のユニを来たおっさんに変身。またうとうとしているうちにハノーバー到着。今度は赤い服のおばさんが見送ってくれる。全く気づかなかった……。

ハノーバーからベルリンまで2時間弱。とりあえずホームに行って見ると、ICEが来ている。次の列車は予約してるのだが、30分後。リスクをとって乗って見るか?それとも次の列車かで安全策か? これまでの列車では、とりあえず乗ってみたら席がある、という場合が多い。ギャンブルだが乗ることに……満席。乗車率110%以上。ユニを着たドイツ人だらけ。さすがドイツ戦でしたごめんなさい。降参して連結部分へ。

そこにも席にあぶれた乗客多数。最初の1時間ぐらいはみんなむすっとしていたのだが、だんだん「疲れたねえ」「そうだねえ」的な会話が。何処から着たの?韓国?とか。とにかくまず「韓国?」ですな。あの試合だしなあ。印象強いよなあ。

それなりに疲れたものの、大会も13日目。列車移動も13日目、体が慣れてきてます。5時間以下なら大丈夫だいじょうぶ~。あっという間にベルリン到着。

新築された中央駅は――いや、ガラスですよハイテクですよ未来ですよ本当に。すごい。なぜカメラが壊れているのだっ!!!! と心の中でさけびつつ、まず今日の第一課題である「決勝戦の夜のホテルを予約する」というミッションを実行する。インターネットで探しても埒が開かないので、駅のツーリストインフォメーションでまずは聞いて見る。「9日の夜のホテル予約したいです。そうです決勝です。ファイナルですドイツがきっと来ますよ。で、部屋はどこか空いてませんかね?」

3件のみ空室あり。(1)150ユーロ、中央駅近く。(2)69ユーロ:中央駅からは遠いがスタジアムに近い。(3)80ユーロ:駅近くだがトイレ風呂共同。シャトルバスで移動する事を考えると中央駅近くがいいのだが、(1)のホテルに尋ねて見ると2泊分からしか受け付けて居ないと。2泊目は70ユーロにしとくがどうかと。もちろん却下。

インフォメーションの人はしきりに(2)を薦める。曰く「そっちの方がたしかに駅からは遠いけど、Sバーンで移動すればすぐだしスタジアムまで近いよ。だって荷物預けてからスタジアムに行ったほうがいいでしょ?」はい。その通りでございます。

トイレも風呂もついていて、まあ許せる値段。本当に決勝の取材ができるかどうかは解らないが、決勝の日にベルリンにいることに意味があるので、その場で予約。これで最後の2日間(3位決~決勝)の宿は決まった。

メディアシャトルに乗ってスタジアムへ移動。運転手のおばさんにどのぐらいかかるか聞くと「うーんと、だいたい30分ぐらいね」って遠いですね。思ったより。次回は注意しなきゃ――って、次回は決勝でその日は宿に行って直接スタジアム入りするのであった。もう関係ないか……いや、準々決勝で来る可能性もあるな。

シャトルバスの路線は、さながらプチ市内観光。戦勝記念塔をすり抜けて6月17日通りを一直線、その先がオリンピックスタジアム。をを。というか、設計者の意図通りに感動してしまう。

その設計者が作ったオリンピックスタジアム(2006年改装バージョン)は……なんでまたここでカメラが無いっ!!!! という、もうあの、なんていうか……どこを見ても絵になります。スタジアムはもちろん昔の石造りを出来る限り保存しながら使っているので荘厳そのもの。周囲には、これまたマラソン塔やら石造やら。そばの広い広い敷地(当初の用途は推測可能ですが)に、ワールドカップのプレスセンターをはじめとした巨大テントが林立している。

そのプレスセンターも、これまた今までで一番デカい。決勝用ですしね。他には無い施設がいろいろと。うぅ。Side-Bのネタがぁぁぁ。写真が撮れないじゃん。絵が無いと解りにくいじゃん。この日記でも。ともかくもいろいろ身支度して、初めてのスタジアムなので(ってほとんど初めてですが)、約1時間前に座席の下見へ。

スタジアムに入ると、コンコースは往時そのままの佇まい。石柱が林立するなかをぐるりと半周、メインスタンドへ。えーっと、23列のテーブル8……ない。テーブル9以降はあるのだが、23列にはテーブル1~8は存在しない。何度も確認したが、誰に聞いても「その先」「いや右」「左だよ」って、要するにチケッティングのミスらしい。うーむ。

とりあえず身近なスタッフを呼んで、存在する「テーブル9」まで連れて行く。
僕「……で、ここがテーブル9でしょ。8は何処にあるわけ?」
スタッフ「いやその、ちょっと待ってください(しばし仲間を集めて協議)……大丈夫です、その先のテーブル16に座ってください」
僕「それは了解するが、だれかその席のチケットを持ってきたらどうするんだい?」
スタッフ「大丈夫です。私が保証します」
僕「君は信用する。しかしこのスタジアムに居るスタッフ全員は信用できない。テーブル16のチケットを発行してください」
スタッフ「それは出来ません。大丈夫ですから。本当にここです」
僕「だったらこのテーブルの16番のシールをはがして8番に張り替えてください」
スタッフ「出来ませんが、とにかく信用してください」
……以下、繰り返し。

約10分大声で激論。とりあえず、そこにいた5人のスタッフの名前を全員控え、誰か座っていたらすぐに呼ぶから来てくれるよね? と念をおしていったん納得。でも信用はしないぞ。

メディアセンターに戻って飯を食う。めちゃ暑い中大声を張り上げていたので汗だく。コーラと水を1本づつと食事をオーダー。食事のメニューは――ソーセージと芋。ソーセージを2本にしてもらう。

試合終了後は速やかにデュッセルドルフに戻る予定なので、とにかく食べる。ついでに頼んだスープ(塩辛いポタージュ)をすする。スープが熱くてさらに汗だく。先発が発表されたのでノートに急いで書き写し、支度をして今日は早めに記者席へ。なにしろ前述の状況ですから。

――案の定、16番に座っている(日本人ではない)記者約1名。座っている人も多分よく解らずにそこに居るはずなので、すぐに先ほどのスタッフの中の「あんどりゅー」を呼んで連れて行き、どいていただく。「あんどりゅー」に、「また誰か来ると思うからそこに居てね」と言うと、さすがに今回は近くから見守ってくれる。

やはりというか、同じように迷い込む人多数。おそらく20人かそれ以上、発券ミスをしたらしい。大丈夫か? 決勝はこんなもんじゃないぞ、きっと。


ニュルンベルグ→シュツットガルト

2006年06月20日 21時15分39秒 | 日記
なにしろ21時キックオフな上、今日のシュツットガルトはニュルンベルグから3時間半ぐらい。あっという間についてしまう。というか、4時間以下は隣街気分になっているのは、既に距離感がおかしくなっている模様。

シュツットガルトはこのあと、3位決などで訪れる可能性があるので、注意していろいろと駅の配置やシャトルバスの場所をチェック。今夜はシュツトガルト泊まりなので、とりあえずホテルへチェックイン。

……しようかと歩き出したものの、思いのほか遠い。歩いても歩いても着かない。途中で警官、ガソリンスタンド、通りがかりのおじさんに聞いても「あ、この道をずーっとまっすぐ行ったとこだよ」の一点張り。

そしてだらだら続く上り坂。道の途中には小さなホテルがぽつぽつと。でもこれではない。ずーっと向こう。

20分以上(坂道を)歩いてやっと到着。ていうか、明らかに地図の縮尺を間違えた模様。あと2回分の宿をこのあと探さなくてはならないが、とにかく今回とは違うところにしなければ……。

チェックイン。ネットの料金は?「6時間16ユーロです。あ、あなたは2階だから使えませんね。3階以上が使えるエリアです」――はいもういいです。携帯で繋ぎますよあきらめます。ただでさえ高いホテルを取ってしまっているので(デュッセルドルフに3泊できる値段)、これ以上出す気は毛頭なし。

とはいえ。さすが高いだけあって広い。そしてベッドも大きい。なにより驚くべき事は、なんとエアコンが着いている!!!! 今回泊まったホテルでは初めて見るエアコン。よっぽど高級らしい。なのに遠い。悔しい。

スタジアムに行くまで結構時間があるので、もろもろ準備しつつ早めに出発。先ほどホテルに来る途中、駅の近くのホテル群で、次回の宿が取れるかどうかあたって見る事にする。

1軒目NG。2軒目も既にいっぱい。やはりホテルが少ないという噂は本当か、と思った3軒目。「ありますよ。ただしトイレが共同だけど」……いいです。それで行きます。デュッセルなみの値段だし。これでシュツットガルトの宿はFIX。

中央駅に戻ってスタジアムへバスで直行――思ったより遠い! シャトルバスで軽く30分以上。次回は注意が必要です。スタジアムは、そりゃあもう、どどーんと「ダイムラー」って書いてあります御ひざ元ですからね。って、アリアンツアレナは看板を外してあったのに、ここはOK?政治力っすかね。ダイムラーパワー。

試合はスペインVSチュニジア。試合開始早々から降り出した雨が、あっという間に本降り。こりゃどちらに有利かな?と思いきや、雨はどちらの味方にもならず。スリップ連発、とか行っているうちにチュニジア先制!ヤバイじゃんスペイン。

スペインは意固地なほどにサイドを使わず。ペナの幅だけを使って攻撃。そしてチュニジアはかなりスペインを研究してきたのか、前回のサウジ戦とは人も形も変わっている。MFの3人の連携で中央に蓋をして、きっちり守る。双方解りやすい。ていうか、今回いろいろ見てきて、強いチーム、勝ちきるチームは「わかりやすい」感じがする。見ていてさくっとフォーメーションが解り、何をやりたいのかの意図が見えるチームが勝っている。日本は?何をやりたかったのかわかりませーん。

ハーフタイムから後半早々にスペインが3人を投入、これが大当たり。その3人が絡んだ点で3得点で結果はスペイン快勝。前半はしょっぱいチームだなあ、と思ったけど、後半のスペインは迫力あり。ただ、やっぱりもう少しサイドをなんとかなあ。でも、それがスペインか。

試合終了後、予定通りにメディアセンターの食堂で飯をがつがつ。既に23時を回っているので、駅に帰ってもあるのはケバブぐらい。だったらここで食っときましょう。あり得ない味のパエリアだけど。スペイン人、怒らないのか?これ。

ダッシュしてバスに乗り、駅からタクシーでホテルへ。翌日の列車が5時台なので、とにかく早く帰る&早く寝る。シャワーをあびたり荷物を詰めたりしたらもう1時……3時間しか寝れないじゃん。

日本VSクロアチア@ニュルンベルグ

2006年06月18日 02時54分19秒 | 日記
おもむろに日記を再開。「例の」18日だ。ニュルンベルグは2回目という事でメディアシャトルなどなどの状況はわかっていたので、淡々とスタジアムに到着。

今回も、前回(オーストラリア戦)と同じく“記者会見チケット”と“ミックスゾーンチケット”はFIFAからではなく、JFAのプレスオフィサーから配布される模様。ちらちらと周りから「1時ぐらいらしいよ」とかきこえてくる、と思ったら目の前にJFAの広報さん。あの1時とか聞いたんですが?「あ、らしいですよ」もう一人の広報さんが配布担当なのでした。

しばし会場をうろうろ。そして共有スペースのプリンターでその日に泊まるホテルの地図などをプリントアウト。他にも何枚か出力しないといけないものがあったのでガシガシと出力していると、それを上回る量の出力を掛けている人が。なぜか日本語。よーく見ると、その「もう一人の」広報さん。……すいません。すっかり痩せていたので気づきませんでした。お疲れのようです……。

「1時ですか?」「たぶん。そのころやるつもりです」声も疲れている。あまり話かけるのも憚られたので、とりあえずそーっと立ち去る。

前回はその配布が始まっているのに気づかず、がやがやと人が集まっているのを発見してから慌てて走っていった。ので、今回はその広報さんの動きを目で常にチェック。予定の1時ごろ、比較的空いている机で、なにやら一人の記者さん(後ろに沢山の記者さん)と広報さんが話を始める。近くで聞き耳を立てる。

どうやら今回は会見・ミックスゾーンどちらも、とにかく枚数が少なく、割り当てを広報に一任して欲しい、という事を記者クラブ(東京運動記者クラブ、というのがあるのです)の幹事社(持ち回りで取りまとめをする社が変わります。以前私が違う業界で広報をしていた時、つきあっていたクラブは、たしか2ヶ月に1回変わっていましたが、運動記者クラブはどうなのかは不明。って、どうでもいい知識)の記者と話していたのだった。

まあ一同「無いものは仕方ないしねえ」モード。1社それぞれ会見とミックスを1枚づつ受け取り、その次に専門2誌。そちらも各社1枚づつで、「ワールド系は勘弁して欲しい」「だめですか」「なんとかそこは」的なやりとりしばし。結局マガジンとダイジェスト、双方が新聞社と同じ扱いで話がつく。

続いて雑誌。ナンバー、ヤァ・・・と続いて、一通り“会見かミックスかどちらか1枚”を受け取る。で、これが終わってからがやっとフリーランス。

まずは協会が選んだフリーランスの方々に、それぞれ希望する方のチケットを配布。ほとんどミックス希望。みんなコメントで記事を書かないといけないしなあ。大変だなあ。

で。「協会選定」以外のフリーランス(実はこれが大多数)の順番がやっと周ってきました。もちろん僕も含まれ。このころにはやっと状況に気づいた日本メディア(除く既に受け取った人)ががやがやがやと集まってきております。

しかし。ミックスはその時点で枚数が明らかに足りなかったらしく、ミックスゾーンに行きたい人は全員いったん保留。「……では、会見希望の方いらっしゃいますか?」はいはいはいはい。私会見でいいです。というか会見行きたいです。

とにかくコメントを取らなきゃ行けない状況ではないし、そもそも代表戦後のミックスゾーンは、選手1人に記者20人、という状況で群がるので、声など聞こえない。それより試合後の両方の監督の表情を見ておきたいなあ、と。もちろん、コメントを取るのが仕事の人も沢山いますし、それは大事なんです。ネットや新聞に載るのは、そんな人達の苦労があってこそですからね。

で、無事会見のチケットもゲット。選手リストも出たのでメモの準備もOK。久しぶりに準備万端でスタジアムへ。チームが準備万端かどうか……は、結果を見れば明白ですが。

試合中印象に残ったのは、お隣に座った賀川さんが「日本人は“湿った暑さ”に慣れていても、“乾いた暑さ”はあかん。乾いた暑さで水を飲むと、もっと喉が渇く。喉が焼ける」とおっしゃった事。たしかに、こちらに来て1週間ぐらい、炎天下が続いたころ水をどんどん飲んでいたけど、喉の痛みが治まらなかった。「そんなときには飴をなめればいい。レモンでも。向こう(クロアチア)は、こういう暑さに慣れてるだろうがね」。たしかに、途中から喉飴に切り替えたらすっかり喉の痛みはしなくなったのです。

サッカー選手の状況にそのまま自分の経験を置き換えるのはあたりませんが、少なくとも日本人が知っている暑さとは、か・な・り違ったものだったのは確か。フランス大会も暑かったけど、あれは「湿った暑さ」だったそうで。そう考えると「暑くなれ、暑くなれ、もっと暑くなれ」というコラムがどこかに載っていたけど、どうやらそれは外れてたらしい。確かにそのコラムの希望どおり「暑く」なりましたが。

というわけで引き分け。国内の論調は相変わらず「奇跡を願う」モードなんでしょうか?醒めてしまうのも嫌だけど、これもサッカー、と達観して楽しむのも、そろそろできるお年頃ではないかなあ>日本。

サポーターでも撮りたいな……とは思ったものの、持参したGR DIGITALは前日故障。これで3回目だし。華奢すぎます>GR。せっかくシャッターボタンも調整したのに……。

会見が終わって、そのまま宿へ。今日はニュルンベルグに宿泊して翌日はシュツットガルトへ移動なのです。駅で道を聞く、が、よくわからないと。なんとなくこっちの方、といういろんな人(途中4回道をきいた)を信じつつ、やはり迷う。が、少なくとも駅から数百メーター以内にいるのは間違いないし、まだ路面電車も走ってるのでなんとかなるだろ~~、とあまり心配せずに迷い続ける。

7回目に道を聞いた人が、やっとホテルの場所を知っていた。どうやら方向は間違っておらず、単純に駅から遠かった、ということらしい。くう。帰りはタクシーだな。

ホテルはネットで予約したのだが、紹介ページに「……とても静かな住宅街のなかにあり、静かな環境でおまちしております……」と書いてあった。嘘ではない。本当に住宅街の真ん中にある。ていうか、通りに面していない。建物の内側(よくヨーロッパにある、中庭)に面した、道路から一段入ったホテル。わっかんね~よ~~~、これ。でも見つかったからよしとする。

まずは、飯だ。チェックインするときに聞いたところ、「うーんとね、この近くにいいレストランが何軒もあるわよ。その角にギリシャ料理でしょ、向こうにはタイ料理。あ、こっちにはイタリア料理があるから、どこでも近いわよ」って、ドイツ料理は進めないんですかそうですか。

とりあえずホテルを出て、帰りに迷わないように道沿いにまっすぐ歩く。イタリアン発見。ちょっと覗く。イタリア語が飛び交っている。なんか盗まれそうなのでやめとく。

ギリシャ料理発見。メニューを見る。まったく雰囲気がつかめない。その上高い。見送る。

タイ料理は、発見できず。ぶらぶらとあるいているところで、なにやら人が入っていく店らしき入り口。覗きこむと、中庭みたいなところに机と椅子がならんでいて、ぽつぽつと地元民らしき人達がビールを飲んでいる。表の看板に「WM2006がなんとかかんとか」要するに中継を流す、ということらしい。そういえばドイツであんまりビールを飲んでいないし、今日はここで泊まり。ここで決まり~~。

入っていくと、滅茶苦茶視線が痛い。ま、あの試合のあとだからねえ。ビールを飲んで食事(肉と芋)をしていると、まわりから「やぱーな」という単語がちらちら。そして視線も。でも誰も話掛けてこない。話題にはなっているらしいけど。

あー、おなか一杯だな~、そろそろ出ようかな~、と思っているところでフランスVS韓国がキックオフ。なんとなく「おい、一緒に見るんだろ」的視線多数。仕方なくきりのいいところまで見る事に。だってホテルで見たいし~。つかれてるし~。でフランスが1点とったところで安心してホテルへ。

ホテルに行って、まずはテレビのチャンネルをワールドカップにして、ネットでリコーのサービス(@日本)の電話番号を調べておく。明日の朝、日本時間の午後に電話して「ドイツで壊れたし仕事で使っているし3回目だしどうしてくれる」とクレーマー化することに決定。絵は綺麗なんだけどなあ。壊れやすいのはなんとかならんかなあ。しかしそれがGRか。

そろそろ次のSide-Bのネタを考えないとまずい。つらつらと考えているうちに後ろのテレビから歓声が。振り向くとパクチソンゴール。あーあ。フランスダメダメ。ていうか。パクチソン凄すぎ。あそこで足が出ますか。

これでこの組もかなりややこしくなってきた。今回のW杯は波乱が少ないなあ、なんていっていたけど、なんのかんのいって予選終盤では盛り上がってきました。明日のスペインは、既に取材した人からは「ヤバイよスペイン。強いよ」と聞いていたので、楽しみにしながら就寝。

チュニジアVSサウジ@ミュンヘン

2006年06月15日 22時50分52秒 | 日記
時間が無いので(駅に着いたとき、既にキックオフ1時間前!)、とにかくメディアシャトル乗り場へ。開会式で場所は解っているので、わき目も降らずダッシュ!バス発見!乗り込もうとする、が、後ろにいた日本人プレスから「あ、それIBC行きですよー」と。危ない。すたすたと彼らはタクシー乗り場へ――すいませ~ん、相乗りさせてください!!!

そこは日本人同士ということで、快く同乗させていただく。タクシーはみーんなベンツ。当たり前ながら。幸い道は空いていて、高速をぶんぶん飛ばす。ほどなく到着。が。シャトルバスではないので、お客さん達と同じゲートに向かう。遠いよう。背中の荷物が重い……。

ゲート直前、入り口を一つにして絞り込んでいるので大渋滞。やむを得ず強行突破を図る。パスを回りに見せながら「えくすきゅーずみー、さー!!!!!」と叫びつつ人ごみを走りながら掻き分け、大群衆を横断、そして縦断。ゲートにたどり着く。今日がイングランド戦とかドイツ戦とかオランダ戦とかじゃなくてよかった……だったら今頃殺されているな。

とにかくその後もまだ距離があるので走る。ダッシュダッシュ!メディアセンターに駆け込んだ時点でキックオフ25分前。チケットは未だあるのか??

チケットセンターに走りこむと、ニコニコして係員がチケットを束で持ってひらひらしている。「はい、どうぞ」。余りまくってるし。

あと20分強。あらかじめ席を確認するのはあきらめ、なんか食うことにする。食わないと確実に試合中貧血になる……そうか。ミュンヘンはパンしかないんだ。かっちかちに硬いサンドイッチと、クロワッサンとコーラを買って、横のカウンターでがぶがぶ。がぶ。がぶ……硬いよう。顎がつかれるぅ。がぶがぶ。あと15分、まだサンドイッチが1/3残っているが、最後に気力であと一口食い、クロワッサンにかかる(クロワッサンは失敗だった!)。周りに破片を撒き散らしながら、3口で食い終わる。コーラで流し込み、そのまま走ってプレス席へ――

席に行くと――やっぱりガラガラ。一応自分の席に行くが、隣の席も空席なのと、そちらの方が机上のモニター画面が見やすいので移動。程なくキックオフ。間に合った~~。

メモもノートもなにも、とにかく動悸が正常になるまでゲームを観察。両者フォーメーションも解りやすいので、おもったよりポジションをメモるのが早く終わり、試合に集中する。

一進一退の序盤から、チュニジアゴール! 左にいた記者の人が叫んで両手を天につき上げる。あ、チュニジアの方だったんですね。どうもどうも、とご挨拶。

後半11分、サウジ同点!今度は右の人がガッツポーズ!あ、サウジですか。どうもどうも。あ、日本なんですよ。ワールドカップ終わっちゃってね。あはははあは、と二人で笑う。

と、電光掲示板になにやら表示が。「……サウジアラビアはW杯で7試合勝っていません。最後に勝ったのは1994年大会のベルギー戦です……」そんな余計な情報を試合中に。と思ってよーく回りを見ると、今日は明らかに「ドイツ人の普通のお客さん」が多い。多いなんてもんじゃなくて、ほとんど。そういえば列車の中でもゲートまでの道でも、記念写真撮ったりしながらはしゃぐ家族連れ多数。

つまり、今日はカードも地味だし、両国からの観客も少ないし、そしてスタジアムは巨大(観客数は66000人でSOLD OUT、の表示もあった)。ドイツ国民(というか主にミュンヘン市民なのか)のための試合、だったらしい。

なので、応援するというより、皆楽しんでいる雰囲気。ウェーブ周りまくり。プレス席も参加してるし、ってダメじゃん。

後半30分ごろから、ぞろぞろと客が帰り始める(このときまだ同点)。「電車混むしさ~、先に出ようよ」って感じで、どんどん帰って、ロスタイムに入ったころには既に2割かそれ以上、空席になってしまう。

その後、後半42分すぎにアナウンスが。「この会場でこのあと、ドイツVSポーランドを大型スクリーンで放映します。観客の皆様はお席を立たず、そのままお待ちください」無理です。それを自宅とかで見るためにみんな帰ってます多分。

――ロスタイム4分。その2分すぎにチュニジアゴール!左側ガッツポーズ!右側がっくり。ほどなく試合終了。そそくさとプレスセンターへ。ホッと一息つき、ネットとかいろいろ繋いでチェック。プレスバスに乗って中央駅へ。

バスで一緒になったカメラマンさん(日本人)は、これで4回目のワールドカップ。「この大会、トランスポーテーション最悪ですよ。ったく。とにかく何でも金とるし」あー、やっぱり今回は酷いんだ。

駅に到着。ともかくホテルにチェックインしなくては。地図を見ながら通りを2本すぎて――ありました。建物は古いけど部屋は綺麗。インターネットは……ばっちり「シグナルの強さ:非常に強い」。日本とのスループットを計って見ると、下りは1M以上出てる(上りは700kぐらい)。ボンのG-JAMPSを除けば、一番環境いいかも。これで51ユーロですか。ていうかデュッセルでひーひー言いながら繋げてる僕の苦労をどうしてくれる。ミュンヘンがもっとドイツの真ん中へんにあればなあ。

晩飯を食わないといけないので外出。2階がフロントなのだが、出入りは1階まで直接エレベーターで出られるのはかなり便利。外に出ると目の前に2軒スポーツバーが。そして並びにも2軒。計4軒に囲まれて、そうですまさに今、ドイツVSポーランドの真っ最中。街が妙に静かだと思ったら、みんなここにいたのね。ちょうど前半が終わったところで0-0。

ということは、約1時間後には結果がどうであれ街は賑やかに、というより騒がしくなる。勝ったら喜んで大騒ぎ、負けても悔しがって大騒ぎ。まずい。早く食って宿に戻ろうと決め、中央駅へ。ここの2階には「バーガーキング」があるのだっ!

日本から撤退して早幾年月。好きだったんですよワーパーが。早速ワーパーする……うまいっ。肉の旨みといいパンの歯ごたえといい、体に悪そうな調味料の感じといい、これこそワーパー。もぐもぐ食べてしまう。注文のミスで2個頼んでしまったのだが、そのまま2個目に突入。

コーラを飲んでいると突然、隣の店から歓声が。みんな大騒ぎで、抱きついてハイタッチ。ををっ。得点かっ、とコーラを持ったまま隣の店に移動。ノイビルっすかー。繰り返しリプレイ。そしてまもなく試合終了。また店中大騒ぎ。

よかったよかった……ってヤバイじゃん。帰らないと。小走りで掛けだすが、既に街は叫び声とクラクションが響き始めている。とにかく急いで帰る。

が。どうやら泊まっている宿は、渋谷で言うと公園通り、いやセンター街に面しているようなロケーションらしい。どんどん騒ぎが大きくなる。「の~~~いび~~~~る!」「ど~~~~いっちゅら~~~~んど!」。クラクションがぶっぶかぶ~~。当然クーラーなどないので、窓を開けていないとまだ暑い。しかしうるさい。ともかく我慢して、ワールドカップを楽しむ事にする。

ネット環境が快適なので、楽勝で日本のテレビをロケフリ。クロアチア戦の話題がNHKのニュースで、ヘッドラインの3番目に入っている。テロップが『クロアチア戦はフォーバック』。フォーバック、ってカタカナで書くとある種新鮮ですなぁ。各チャンネル如何に日本にまだ可能性があるかを一生懸命説明中。

凄く正直なところほぼ可能性は無いと思うし、試合終了後のカイザースラウテルンから帰る電車の中の日本サポーター達も、「まあ、そうだよねえ。こうなるよねえ」的なため息はあったものの、「けしからん」でも「まだ大丈夫だ」のどちらでもない、のがこちらの皮膚感覚。温度差、感じます。

シャワーも綺麗だし、ベッドも(少しだけ)広い。窓を閉めれば、いくらか「ぶっぶかぶー」の音も小さくなる。明日は18時にニュルンベルグ、ゆっくり眠れる。

ミュンヘンン2回目

2006年06月15日 03時38分03秒 | 日記
味噌汁をいただいて朝食をとり、風邪薬を飲んで出発。ほぼ完全に予定通りに駅まで到着。約1週間たって、いろんな勘所がだいぶわかってきた模様。

ホームに上がる。なんとなく不穏な空気。アナウンスがひっきりなしにドイツ語でなんとかかんとか。たまたま横にいた日本のカメラマンさんが「遅れてるみたいですよ」と。うーむ。ミュンヘンは初日といい、鬼門ですな。

10分経っても20分経っても、列車は来ない。もう一人の日本プレスの人が「遅れて列車がキャンセルになったらしいよ」と聞きつけてくる。って、まずいじゃん。

ちょうど数日前、FIFAがメディア向けに情報提供する「メディアチャンネル」を久しぶりに覗くと、『取材用チケットは、キックオフの90分前までに受けとりなさい。取材をキャンセルする人は、“必ず”(注:太字)メディアチャンネルを通じてキャンセル手続きをしなさい”と。さらには、“もしドタキャンしたら、まず1回目は1試合分のペナルティ、2回やったらもっとペナルティだから覚悟しなさい”(注:意訳・太字)』と注意書きが出ている。日本人は律儀に申し込みした試合は取材する人が大半だと思うけど、たぶん他の国はそんなこと考えずに「まあ疲れたし、このカードは行かなくてもいいか」的になっていると思われ。

ただでさえチケットを含めてオペレーションがまだグズグズな状態なので、組織委もそうとうカリカリしているのか。でもねえ。「ま、いいか」的な奴に、どんなに注意しても無駄だと思うんだけど。

で、だ。次の列車に乗ると、ミュンヘン着が16時30分。スタジアムまでは、メディアバスがすぐに出たとしても30分以上。つまり90分前に到着する事は、おそらく不可能……どうする!?

迷っている暇はない。とりあえず周りを見回し、英語ができて頼りになりそうなドイツ人を探す。基準は(1)スーツを着ていて出張に行く感じ(2)荷物は小さめの、できれば小奇麗なカバン(3)目が合った時に「どうしたの?」という目をする、の3点。列車の状況をホームで知りたい時は、この3点に合致する人に聞くと、だいたいにおいて詳しく(その上解りやすい英語で)教えてくれる。

近くにシュワルツネッガーを50倍知的にして筋肉を4割落とした感じのビジネスマン風ドイツ人発見(推定45歳)。聞いて見ると、キャンセルされたわけではなく、近くの駅で動力系のトラブルを起こして止まっているとのこと。モーターが着いている車両をその駅で交換しているので、たぶんあと30分ぐらいで来ると思う、と。1時間遅れなら、なんとかなるか。

お礼を行ってから、先ほどのカメラマンさんにも教える。彼はフランクフルトまで行って、また戻ってドルトムントで取材、とのことで、かなり時間がシビアになっている模様。その上成田で借りた電話がうまく動かず、フランクフルトで待ち合わせをしている人に連絡が取れなくて困っている。ので、電話をお貸しする。実はまだほとんど電話を使っていないので、このままだと料金の定額部分をかなり残して大会が終わってしまいそうだし。互助精神でどうぞどうぞ。

しばらくして列車到着。先頭車両に乗る。だれもいない。そしてエアコンが効いていない。がらーん。どうやら、この車両が交換された車両みたいです。適当な席に座って、iPodを聞きながら爆睡。

……突然、車掌に揺り起こされる。え、なんですかなんですか???「降りてください。この列車はここで終わりです。隣のホームに列車がいますからそこに乗って」わかりましたがミュンヘンに行くの?「大丈夫大丈夫」わかりましたはいはい。

まだ寝起きでぼーっとしているが、隣の車両(乗っていた車両より連結数が少なく短い。そのため、ホームをダッシュする羽目に)へ。駅名をチラッと見るが、記憶できず。とりあえず乗る。

やはりというか、大混雑。半分の編成の列車に乗客全員を押し込んだ上、その列車にもとから乗っている人もいたわけで。たまたま空いていた席を発見、隣の人に「空いてる?」と聞いてから座る。ほっ。

話を聞くと、彼もミュンヘンまで行くそうな。で、この列車なら大丈夫だよ、と。前述の(1)~(3)をこちらもきっちり満たしているので、とても助かる。そして、うとうとして寝てしまう。

……突然、その隣の人に起こされる。「次の駅で乗り換えなければならない。降りよう」。え。ミュンヘンに行くんじゃないんですか。いわれた通りに降りると、そこはフランクフルト空港駅。車内放送とかホームの放送を聞く限りでは、5番ホームがミュンヘン行きっぽい。行って見ると、先ほどの隣に座っていた紳士。ここでよかったらしい。またほっとする。

列車は30分以上後で来るとの事。ミュンヘン到着は16時半……って、要するにデュッセルドルフで「次の列車」って行っていた列車が、これから乗る奴らしい。くぅ。

暇なので、その紳士といろいろお話しする。彼はクリンスマンを「モダンでいいサッカーをする」と評価しているらしい。ためしにフォクツは?と聞いて見ると思いっきり嫌な顔をされる。フェラーは?「まあ、彼はいい監督だよね」だって。フォクツやっぱり人気なし。

列車が到着するが、短い編成だったため遥か遠くで止まってしまう。やばい。走る!走る!ダッシュ!――で、ぐいぐいと乗り込み、すかさず席を確保。後から着たフォクツ嫌いの紳士も席確保。よかったよかった。

1等車なのに、すでに乗車率110%ぐらい。紳士いわく、なぜ今日はこんなにダイヤが乱れているのかというと、今朝違う駅3箇所で飛び込み自殺があって、全国的にダイヤが大混乱だと。なるほどー。たしかにぐちゃぐちゃだし。「それからドイツのエンジニアはタコだから(意訳)、復旧できないんだよ、ほらさっきの列車も壊れたでしょ」、と。「だってね、私の携帯はソニエリ、PDAは富士通、あとカシオもつかってるよ。皆日本製さ」だって。まーねー。ドイツ=技術、という神話は、国民は信じていないらしい。

列車が到着、そしてなんとか席をまた確保成功。一路ミュンヘンへ……。

韓国VSトーゴ@フランクフルト

2006年06月15日 03時37分16秒 | 日記
昨日、元コーチ@ヒディング韓国、の人に教えてもらった韓国のシステムを参考にして試合に臨む。どうやらスターターは“オプション”の方、ディフェンシブな形らしい。でも韓国なので全然ディフェンシブじゃないし。とか言っているとトーゴ先制。てーはーみんぐー沈黙。

後半からは、教えてもらったもう一つの形、“オフェンシブ”な形にシステムが変わっている。選手をうまく入れ替えて、流れを変えていく。普通、これをやるよなあ。交代で。あーあ。

いやな事は思い出さないようにしつつ、試合に集中。と、左横のブース(スペインの放送局だった模様)に、へそ出しの美人が登場。手馴れた手付きでヘッドセットを装着。タバコをぷか~(本来禁煙なのかどうか不明ですが、試合中プレス席のあちこちで煙が上がってます。さすが喫煙大国)。声を聞きたかったのだが、なにしろ場内は「てーはーみんぐー」しか聞こえない。ブースで実況している2人組(男性)の声すら聞こえない。フランクフルトは屋根を閉じていたので、さらに声が反響して「ぶーん」という低い共振みたいな音も出るぐらい。声を聞きたかったけど、聞いてがっかりするより妄想するほうが幸せだったりして。あ、へそピアスもしてた。

ピアスに気を取られていると韓国同点。そして逆転。そうそうアジア枠維持のためにも、韓国にはがんばってもらわないと。次からアジアだからといって、オーストラリアの勝ちはアジアにカウントしてもらえないだろうし。確かに後半、聞いてた通りにメンバーとシステムが変わって、ボールの動きもよくなっていた。これができれば今頃(以下略)。

韓国が無事に勝利。アジアのために喜ぶ。今日は出来るだけ早くデュッセルドルフに帰りたかったので(1)滅茶苦茶に空腹だったのでとりあえず何か食う(2)翌日のミュンヘンのホテルを探しておく(3)日本からスキャンデータを送ってもらった「スポニチの金子達仁氏のコラム」をダウンロードする(4)ブログを更新する、と、どかだかとこなし、さらに日本とスカイプでなぜか雑談しつつ、シャトルバスの時間が来たのでいそいそとバス乗り場へ。

中央駅でいつものように自動券売機で列車の座席を取ろうとするが、電光掲示板を見るとあと5分ぐらいで(たぶん)デュッセルドルフに行くと思われる(雰囲気の)ICEがある(と思った。確信はなかった)。とりあえずホームに行けば何とかなるだろ~、と走る。案の定発車が遅れていて、その上まだ折り返し運転の前の列車番号が表示されていて、そこに居るICEがさっき電光掲示板で見たデュッセルドルフにいく(らしい)ICEかどうかがまったく不明。

とりあえず、一番座れる可能性が高い場所(が、27・28号車=だいたい先頭か最後尾で、そのためのチケットが無いと乗れない。なので、普通は空いている。要するにグリーン車です)まで行って、そこらへんに居るひとに聞いて見る。「でゅっせるどーるふ?」。「ああ、この列車なら行くよ。表示されて無いけど大丈夫だから」とか話していると別の人からも「そうそう、大丈夫だよ、これに乗れば」と言われ、素直に乗るとまだ席はガラガラ。W杯臨時列車らしく、予約は不要というより出来ない模様。らっき~。

スタジアムを出るあたりから、喉の左側壁が痛い。やばい。風邪の兆候か……僕は以前、睡眠時無呼吸症候群の手術を受けていて、喉を拡げている。いびきと睡眠不足は収まったものの、喉の構造が変わったからなのか、体調を崩すとまず喉が炎症を起こす。その上まずいことに、炎症を起こしすい方の親知らずが顔を出して虫歯になりかけていて、体の抵抗力が弱まってくると、親知らずと周りの歯茎が炎症で痛む→その奥の喉に雑菌が入って炎症を起こす→それがもとで風邪に移行、というのがおきまりのパターン。

国内にいるときには、まあ医者に行けばいいんだし~、とかだらだらして、熱が出てから何とかするのだがここはドイツ。早めに手を打たないとまずい……。幸い今回は、前回医者に行ったときに「3週間ぐらい出張に行くんですその間また再発するかもですなので薬くださいお願いです」と、渋る医者から無理矢理引っ張り出した抗生物質と炎症を押える薬を持ってきた。

デュッセルドルフに着くのはたぶん9時過ぎ。翌日はミュンヘンでその日は泊まりなので、なにかとやる事が多い。戻ってからやるべき事を順番に考える。(1)駅前のケバブドナルドでケバブを食う。(2)味噌汁を作って胃になにか入れてから、風邪薬を飲む(3)速攻着替えて溜まった洗濯物をかばんにいれて朝教えてもらった近くのコインランドリーを探して持っていく。コインランドリーは、見つけたとしてもおそらく閉店は23時、洗濯する時間を考えると結構ギリギリっぽい。

デュッセルドルフ着。走る。ケバブを食う。駅前のケバブは初日に食った(そして胃がもたれた)ところで、23時まで開いている事を確認済み。テレビではブラジル戦がやっている。見ながらバクバクぱくぱくと食う。チリソースを選んだことを激しく後悔。でも完食。店でミネラルウォーターとコーラを買い込んで、ちょうどやってきたトラム(路面電車)に飛び乗りホテルへ。かばんをひっくり返して風邪薬を捜索。あった。が。どれがどの薬か、よく解らない。雰囲気で飲む。持参した「ほぼ日袋(非常に丈夫なビニール袋。“ほぼ日”の通販で購入)」に洗濯物を投げ込み、ついでに洗濯中の時間つぶしのための書籍とiPodを投入。

教えられた通り、ホテルを出て、2つ先の通りを左折、そしてまっすぐ歩いていくと数分で左側にある……はず。交差点を2つ通過。未だ発見できず。トラムが走る道も通過。まだない。少しだけ不安になる。ま、ケバブ後の運動としてはちょうどいいか、と前向きに考えて歩く。歩く……。しかし無い。

あきらめて、ちょうど開いていたネットカフェ(だと思う。ウィンドウにPCとかインターネットとかの絵と料金らしい数字が描いてあって、覗き込むと個室っぽい部屋が並んでいた)のカウンターに座っていた兄ちゃんに「このあたりでコインランドリー知らない?」と聞くと、手に持った袋で意味を理解してもらえたらしい。「あー、服を洗うんだろ、それならすぐそこだよ。ほらほら、その“SUSHI”と書いてある店と“BAYER”と書いてある看板の間。数分かな。すぐだよすぐ」。通りすぎてしまっていたらしい。しかし傷は浅い。いわれた通りなら、ほんの50メーターぐらい戻ればいいはず。

戻り始める。注意深く店をチェックしながら歩く。ない。前回のコインランドリーで雰囲気はわかっているはずなので、思い浮かべて歩く。ない。ない……。あ。発見。

今回のコインランドリーは、たぶん前回のより10年は新しいはず。雰囲気も明るい。明るすぎて、最初はコインランドリーだと思わなかったのだ。よーく見ると、たしかに洗濯機が10台ぐらいずらり。洗濯物をたたむ人数人。で、やはり閉店は23時。時間は10時ちょうど。ギリか?前回は乾燥まで入れると1時間以上かかったぞ。

ともかく店に入って洗濯物を機械に放り込み、操作しようとするが、前と機械がちがう~。右をみると、親に連れてこられたと思われる男子(たぶんトルコ系、推定12才)が。素直に「助けてくれる?」と直球で聞いてみる。助けてくれる。

鉄則:困ったときには、聞く・頼む・助けを求めること。

洗濯機の横に座って、iPodで音楽を聞きながら本を読む。今度は西部謙司さんの新刊。クライフが優勝「できなかった」W杯西ドイツ大会を舞台にした小説。最初からぐいっと引き込まれる。我慢してドイツに来るまで読まなくてよかった~。大会中、しかもドイツで読むと、格別ですな。ゆっくり味わって読む事にしようっと。

読みながら、コインランドリーの客を観察。先ほどの子供の親達は、乾燥機の前で膨大なタオルと洗濯物をたたんでいる。やはりこちらも家族経営のホテルをやっている人たちなのかな。僕が泊まっているホテルも、たぶんトルコ系。たたんでまとめて両手一杯×2人分ぐらいの洗濯物をまとめて、帰っていく。

やはりトルコ系の男女がいちゃいちゃ。洗濯がなかなか終わらないので、女の方が何回も機械を見に行く。結構せっかちなのか。しばらくすると、洗濯機を動かしたまま外に出て入ってしまう。

結局僕一人だけになり、読書に集中。冒頭から出てくる(ベルディ・)フォクツは、96年ユーロのドイツ代表監督、というイメージで、僕の中では固定されている。ゴールデンゴールで優勝した後、「べーるでぃー!」とコールを受け観客に向かって走っていくフォクツをテレビで見たのが10年前。決勝トーナメントの前半だけ見て帰国したので、決勝は日本でテレビ観戦だった。

選手としてのフォクツに関心が無かったわけではないけど、知るチャンスもなかった。それだけに、フォクツをはじめクラマーさんやバイスバイラーなどの登場人物達が交わす会話が(西部さんの筆の冴えもあって)本当に楽しくて堪らない。ドイツ好き以外はそこまで楽しめるかは保障できないけど。

1974フットボールオデッセイ

双葉社

このアイテムの詳細を見る


今回のコインランドリーは、きちんと「あと何分」の表示が出るタイプ。その上、明らかに水の使用量が少ない。看板に「eco」とかなんとか書いてあったし。最近出来たチェーン点なのでしょう。機械もぴかぴか。

30分で洗濯終了。時間は10時40分。微妙だな……前回は乾燥機で20分以上かかった記憶が。洗濯も40分以上だったけど。一応自動でシャッターが閉まったりしないか、ドア周辺の構造を確認。当然のことながら、そんな近代的な(過剰に文明を浪費するタイプの)設備は、ない。タダのドア。よっし、放り込んで乾燥!

はじめに扉を閉めると、「あと50分」と表示が。全然ダメじゃん!でも、とりあえず誰かが閉めに来ても動いているなら閉められまい。スイッチオン!とたんに表示が「あと10分」。センサーで重さでも感知しているのでしょう。このあたりは(必要なレベルで)文明万歳ということで。結局10時50分に洗濯終了。いまいち渇きが悪いものもあったけど、まあそれは部屋で干せばよし。たたんでまとめて、ホテルへ。

今日は部屋で無線LANがうまく拾えない。そういう日もある。BBCを見ると、ザルカウイがどうしたこうしたとか。日常のニュースはネットで日本にいるときとほぼ同じだけ得られる。映像も(英語なのでなんとなく)わかる。特に不自由しないもんですな。

明日の準備は明日、ということにして就寝。

デュッセルドルフ→フランクフルト

2006年06月14日 06時17分26秒 | 日記
デュッセルドルフからフランクフルトまでは、ICEで約1時間半。今回、取材する試合を選ぶ基準として(1)デュッセルドルフから近い(2)強豪国同士の対戦は、どうしても見たい試合以外は避け、できるだけ取材がOKになる確率を増やす、の2点をまず前提としていた。まあ確かにいいカードは見たいのだけれど(イングランドVSスウェーデンとか、オランダVSアルゼンチンとか)、せっかくのワールドカップですから、とにかく見れるだけ見て、感じるだけ感じ取っておきたい。と言うわけで、今日は韓国VSトーゴ。フランスVSスイスの裏番組です。キックオフは15時なので、まあ9時台にホテルを出れば余裕。久しぶりにゆっくり出来る~。

昨夜、ホテルの人に「この近くにコインランドリーはないの?」と聞くことが出来たのだが(それまではコインランドリーがドイツでなんと言われているのかが解らず、うまく通じなかったのです。ウォッシャーサロン、だそうな)、彼女いわく「自分は知らないけど、午前中にいる人は知っているかも。明日聞いて見てね」と。さすがに日本戦の翌日で少々心も体も疲れていて、朝食を取る時間は作れなかったものの、持参の味噌汁(わかめ入り)で体を起こしてシャワーを浴びて出撃準備完了。

ホテルを出るタイミングで、その「午前中に居る人」に聞くと、どうやらホテルから数分のところにあるらしい! なんと。もし本当にあったら、遠いところにある奴を教えてくれた日本クラブ(だったっけ)の人にも教えてあげよう。って、そこに出入りする人はコインランドリーなんて使わないのか。駐在員だもんね。それから駐妻のヒトとか。

とりあえず今日は特に問題も起こらず、列車も予定通り。朝飯用に駅の売店でサンドイッチとコーラを買い込み、ホームへ移動。すいすいとフランクフルトに到着~。

降りたらそこはすでに「てーはーみんぐー」な赤い街になっていた。きっと奴らなら何処の国でも(たぶん南アフリカでも)ホーム扱いに出来るのだろう。駅前でところかまわず、てーはーみんぐー。歌う叫ぶたたく笑うしゃべる。あいかわらずやねえ。

僕を含めて、デュッセルドルフに拠点を置いたプレスは割と少なめで、主にボン、そしてフランクフルトというのが定番。ボンに張り付きな人もかなり。でも、昨日の結果で帰国日程が決まりつつあり。

で、フランクフルト組はホテルではなくアパートを借りて(大体数名でまとまって)、自炊しているらしい。自炊はしなくても、お湯を沸かせるのがうらやましいなあ。味噌汁飲めるし。

そんな方々には既に飽き飽きした光景かもしれないが、僕は今日が始めてのフランクフルト中央駅。まじまじと見ると、またこれはこれで美しい。鉄道な人にとってはたまらないんだろうなあ。列車の種類も色々あるし、ダイヤはほとんどパズルだし、景色は綺麗だし。以前、小学校の時から「鉄」の世界に入り、親の転勤で海外に居たときに日本からのお土産で「時刻表」を頼んでいた、という人物に聞いた話で、「鉄」にも色々あるらしいですね。彼曰く、(1)時刻表系(2)写真系(3)旅系(4)模型系、とそれぞれ相容れないのだそうな。深い。

大学時代の同級生に、やはり鉄分の高い(しかし普段は隠している)奴がいて、おもむろに「だってさー、京王線って面白くないんだもん。列車の種類が少なくて。やっぱりJRがいいよ」とか言われて何を言っているのかその時は理解不能だったのを思い出す。彼なんかは楽しめるでしょう、きっとヨーロッパは。

シャトルバスもそれなりに予定通り到着(だんだん、どこまでがいい加減でどこまで厳密かが掴めて来た)し、スタジアムにも順調に到着。フランクフルトは警備が(割と)厳重と言う話は本当で、X線と金属探知機の他に、ボディチェックも入る。そのため、チェックの列が男女別になっていて、女性は同性のスタッフにチェックしてもらえるようになっている。このあたりはきちんとしている。

「こいつらさぁ、妙に厳密な所といい加減なところが同居してるのは、日本人と同じなんだよな」と大先輩の編集者の方がおっしゃっていたのだが、たしかにまったくその通りで。ゲートは厳重でもチェックが大甘だったり、片方の列はX線はなしでもう片方はがちがちにチェックとか。要するに「やってます」と言う“事実”が重要なのは、日本と同じかもね。

カイザースラウテルン

2006年06月13日 17時43分05秒 | 日記
列車で相席(向かい合わせになった)の韓国プレスらしきヒトから話掛けられる(英語で)。1週間経ってギリギリ英語でもコミュニケーションが取れるぐらいになってきたので、なんとか会話可能な状態に。携帯で言えばアンテナ2本ぐらい。時々途切れる感じで。

「今日の日本のフォーメーションをどう思いますか?」あ、3・5・2ですよ間違いなく。あ、そこの田中は帰りまして、コマノ、というのが入ります。「4・4・2の時は?」うーん、あまり使わないと思いますけど、そうですねえ、小野が入ってこうなってあーなって……あ、明日韓国VSトーゴに行くんですけど、韓国のフォーメーションを教えてもらえませんか(ぜーんぜん知らないし←ダメな人)?「もちろん。まずこのフォーメーションのときは(以下略)……となりますね。もう一つ、こちらはオプションですね」ありがとうございます!名刺持ってますか?「あ、ごめんなさい。ホテルに置いてきてしまたんですよ」あ、そうですかー。でもまた明日会えますね「そうそう。明日また会いましょう!」そこへ、知り合いの日本在住の韓国プレスがやってくる。「このヒトねー、元コーチなんだよー。今は解説をいくつも新聞でやっててねー。ヒディングの時のコーチなんだよー」

……え゛。

結構えらそうに解説しちゃったんですけど。間違った事いってなかったかな。かなり焦る。今度は通訳(その知り合い)がいるという事で、元コーチ氏から矢継ぎ早に質問。「日本は戦術練習をやって居ないというのは本当か?」「ヒディングは、さまざまなケースに対応できるように、徹底的にシミュレーションして選手に叩き込んだんだ。ジーコはやらないの?」「オーストラリアはロングボールを入れてくると思うけど、日本は苦手じゃないのかな」「得点への“型”を持って居ないとしたら、それをどうやって打開すると思う」……無理です無理です解説できませんごめんなさい。とりあえず、「えーっと、ジーコはボンに入るまで具体的にシチュエーションを想定しての練習みたいなことはやっていなくて、この前の練習で初めてやったんです。で、彼は自分達のサッカーが出来れば勝てる、といつもいってるんですよ。ロングボールは確かに選手も気にしてますね。選手の間で話し合ってるみたいです」えーっと、嘘は言って無いよな。うん。

で、コーチ氏いわく「でも、崩されたときに、決まりごとがないと難しいんじゃないかな?」いやごもっとも。それは見ている人の93%ぐらいは思ってますから。うまい答えが思いつかないので、「ですから、ジーコは自分達の力が出せれば勝てる、と言ってるんです。でも日本にはロナウジーニョは居ないんです。ブラジルじゃないんで」と答えておく。汗。

カイザースラウテルンの駅は、青・青・黄・青・黄、ぐらいの感じ。声のデカイオージー、存在感では勝ってる感じです。実際、スタジアムの中でも(人数的にはたぶん同じか、青の方が若干多かったけど)、発声法の違いは如何ともし難く。そしてゲーム展開も、如何ともし難く。黄色サイドの太い声が激しく響き渡り、青に近いサイドに座っていたのに、正直声で負けている。うーん。こればっかりは、声質がちがうからなあ。

あ、試合結果ですか? 見てましたよね? テレビで。テレビの解説では「オーストラリアも足が止まっていますっ!とか言ってたみたいですけど、止まり方が全然違いましたから。青組、へとへとでしたから。

千歩譲って2点目までは譲歩しよう。3点目は……あれはないよなあ。