あるブログでこの果実写真を見、その著者から取り寄せました。園芸関係で使われるラフィアという紐はこの果実を実らせるラフィアヤシの葉から作られます。マダガスカル原生のヤシで、何とも奇妙な果実です。マダガスカルは古い時代にアフリカ大陸から切り離され、動植物が独自の進化をとげてきたことで知られています。まるで恐竜の時代にタイムスリップしたような、見事な造形美です。ちなみにラフィア属のRaphia vinifera はアフリカゾウゲヤシと言われ、南米産のゾウゲヤシ(Phytelephas macrocarpa)とともに、種子が白く緻密で硬いので、欧米では象牙の代用品として、チェスの駒やボタンなどの装飾品として加工されるそうです。写真の果実から種子を取り出して見ると、やはりとても硬い種子が出てきました。