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Kiyoshiのroom335

音楽・お酒大好きでMr.335 Larry Carltonの大ファンKiyoshiのブログです(^O^)/

S.R.V.のCrown Royal

2006-04-16 00:03:27 | Weblog

先日酒屋でカナディアン・ウイスキー「Crown Royal」を買ってきました。

なぜ買ったかというと、伝説のテキサス・ブルース・ギタリストSTEVIE RAY VAUGHAN(スティーヴィー・レイ・ヴォーン;以下SRV)がこのウイスキーを愛飲していたということを『IN STEP』(その年のグラミーも受賞)というCDのライナーで目にしたからです。
SRVは1954年10月3日にテキサス州ダラスで生まれました。1986年にアルコール中毒で瀕死の状態になって入院し、そこから回復したという経歴を持っています。このとき32歳でした。そして1990年8月27日に、35歳の若さでエリック・クラプトンらの目の前でヘリコプターの墜落により急逝しました。
このCDライナーの文章にはとても共感できるところがあるので抜粋してみます。

「音楽的な成功と正比例するかのように、SRVのドラッグとアルコールへの依存はひどくなり、‘86年にはかなり悲惨な状況になっていたようだ。コカインをお気に入りのカナディアン・ウイスキー、クラウン・ロイヤルに溶かして、それを水のように飲み続けるという、ほとんど自殺行為に等しいようなことを日常的に繰り返していた。そしてついに10月、入院ということになる。
(中略)
9月28日、ドイツでのライヴ後に道で、SRVは血の混じった嘔吐物を何度も繰り返し吐いた。翌日のチューリッヒのライヴを何とかやり通し、9月30日にロンドンへ移動、インタヴューやTV出演をキャンセルし、エリック・クラプトンをアルコール中毒から立ち直らせたロンドン・クリニックの医師、ヴィクター・ブルーム博士のもとを訪れた。アルコールで胃に穴が開いていて、医者に診せなかったらあとひと月の命だったと言われ、4週間の入院とその後のリハビリを指示された。それでもSRVは、どうしてもやりたかった10月2日のハマースミス・パレスでのライヴを行っている。演奏の前に「今日ここに来られて感謝している。どれだけ感謝しているかみんなにはわからないだろう。」と語ったということだ。また、ロンドンの入院中にはエリック・クラプトンがお見舞いに訪れている。クラプトン自身がかつて入院していた場所でもある。
(中略)
その後、ジョージア州マリエッタの治療センターに入院、退院後はオースティンでアルコール中毒治療プログラムに参加した。そうやってSRVは、本当に苦しんで苦しんで、自分の体を、そして精神をもクリーンにしていったのだ。そうしないと命はない、もうギターを弾けなくなる、音楽を演奏することはできなくなる。その思いから彼は、何が何でも再生、復活する道を選んだのだろう。
(中略)
‘86年の11月から、SRVは再びステージに立っている。ここから、SRVは素面でステージに立つようになったのだった。」

回復後のインタヴューで、SRVは次のように語っている。
「俺はどん底まで沈んでしまっていて、あとはもう上に上がるしかなかった。」
「俺は自分の靴の革バンドで自分を引っ張りあげようとしてた。でも革バンドが切れてたんだ、わかるだろう?俺は自分が一生トップにいることを心に思い描いていた。でも実際はガス欠の上ポンプもなかったんだ。だから俺は負け戦に挑むことを諦めたのさ。」

この後1989年に発売された5枚目のアルバム『イン・ステップ』は、初めてしらふで製作されたアルバムとなりました。
このアルバムの曲には、強いメッセージのこもった歌詞が随所に見られるのでその訳詩を少し紹介してみます。

1.THE HOUSE IS ROCKIN'

「店ではみんな楽しくやっている
遠慮せずにノックしてみな」


2.CROSSFIRE

毎日毎日、毎晩毎晩
街のネオンに目をくらまされる
あちらからこちらへと走り回り
誰にも他人に分ける時間などない
カネはない、タダでもらえるものなどない
誰か俺を救い出してくれないか
俺はすっかり行き詰まって
もうどうにもならないんだ


3.TIGHTROPE

旋風に巻き込まれ
息もできない
ひざまで湯につかりながら
冷や汗が流れ落ちる
社会の激しい競争の中では
カメに目をくれる余裕はない
ものすごい勢いで
時間が失われていく気がする

(中略)

俺たちは危ない綱渡りをしてきた
うまく生きようとして
危ない綱渡りをしてきた
毎日、毎晩
危ない綱渡りをしてきた
どこへ行っても
危ない綱渡りをしてきた
墜落したものから分別あるものまで
危ない綱渡りをしてきた
世界中どこでも
危ない綱渡りをしてきた
若者達を救うんだ
危ない綱渡りをしてきた
きちんとやろう
危ない綱渡りをしてきた
今夜こそやるんだ


7.WALL OF DENIAL

人は心の内に方便の嘘から生まれた
悪魔を飼っているものだ
奴らを着飾らせ、おもしろがらせ
目をくらまされてしまうのだ
奴らがいなくなるのが寂しくて
奴らを愛するほどになってしまう
その間も奴らは俺たちを滅ぼしていく
それでも、俺たちはそれを表に出せない

どんな問題であろうと
みんな心の内に持っている
真実から逃れることはできない
でも、真実の中でこそ俺たちは生き延びられる
この拒絶の壁が崩れ出す時
あとかたもなく

どんな問題であろうと
みんな心の内に持っている
真実から逃れることはできない
でも、真実の中でこそ俺たちは生き延びられる
この拒絶の壁が崩れ出す時
そうさ、この壁は崩れなくてはいけない
あとかたもなく


これらの歌詞は、自分にとってもすごく共感できる部分が多いです。
壊れて爆発してしまいそうな最高に激しいブルースにのせて、SRVは叫びと共にブルースを歌い上げる。ものすごいパワーを感じるし、怒りと言っても良い感情を込めて演奏される曲を聴いて、ただ凄いと言うしかありません。
ぶっとい弦(013~056)を張って、ボロボロのフェンダーSRVギターをかき鳴らし、“ギターをいじめにいじめぬく”と言う表現がぴったりの破壊的なライヴのスタイルは本当にすごいです。恍惚の表情で超絶なフレーズを延々と弾きまくる、そのライヴ映像を見たらきっと誰もが驚くでしょう。
俺もこんな風に、パワーとエネルギーで爆発しそうなブルースを演奏できるようになりたいと思います。

再びライナーから。
「『イン・ステップ』は彼の豊富な遺産の中で最も生命力に溢れた部分でもある。いかにも彼らしくカウボーイ・ブーツのかかとを鳴らしながらリズムを取り、目を閉じ、テキサス流の奔放さ全開で叫ぶのを聴くと、彼のパワーと威厳が思い起こされる。」
まさにテキサス・ブルースの雄、スティーヴィー・レイ・ヴォーンここにあり!

若くして亡くなったことは大変残念ですし、まだまだバリバリ弾いてもらいたかったですが、結果としてはジミヘン、ジャコパスなどと同じく伝説の人になったわけです。現在生きていたらどのような音楽を聴かせてくれるのでしょうか。


余談ですが、ラリー・カールトンも1990年~94年頃までSRVにはまり、SRVのギタートーンを出すためにSRV専属のギターテクニシャンを雇っていた時期もあります。また、SRVのバンド、ダブル・トラブルのドラマー、Chris Laytonを自身のアルバム『Renegade Gentleman』(‘93)に参加させたりするというかなりの入れ込みようだったようです。


カナディアン・ウイスキー「Crown Royal」の値段は思ったより安くて¥1947でした。でも箱入りで、写真にあるように巾着袋に入っていました。さすが“ロイヤル”というだけのことはあります。
これからさっそく飲んでみようと思います。


写真:カナディアン・ウイスキー Crown RoyalとSTEVIE RAY VAUGHAN&DOUBLE TROUBLE『IN STEP』のCD


STEVIE RAY VAUGHANについてもっと知りたい方は、一応公式ページです(SRVフォロワー、ファンはかなり多く、ファンのページなどは数多くあります)。
http://www.sonymusic.com/artists/StevieRayVaughan/


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