定年夫婦の暮らし方(店長日記)

盛岡に住む定年夫婦(昭和20年生)の暮らしを分ち合います。

115回ピースボート世界一周航海記その38(ギリシャ・ピレウス・アテネ)

2024年03月13日 | 今日の出来事

  2023年ピースボート航海記 その13(ピレウス アテネ)

     11月3日(金)ピレウス港 アテネ 7時着岸予定
 7時30分 5階で朝食
 8時30分 帰室
 9時    下船、PBスタッフに勧められて地下鉄を止めバスに乗ることに変更
      バス停へ
 9時20分 バスに乗車、プレウスから40分ほどでアクロポリスに到着

 アクロポリス博物館を目指して歩く、途中、ブズキを演奏しているストリートミュージシャンがいたので動画で撮影、50セント寄付。しばらく歩くと寂しげな音が聞こえてくる、バイオリンを小さくしたような楽器をチェロの様に立てて演奏している。ここでも撮影して50セント寄付する。
 やがて左手に近代的な建物が見えた、アクロポリス博物館だった。かってはアクロポリス内にあったが手狭になったのでここに建てられたとのこと。玄関までのアプローチに遺跡が見られる工夫がされていた。
 チケットは一人10ユーロ、ロビーでリュックを預けて入場。左右の展示棚に小物の焼物が展示されている。間近に見ることができたので形状も模様も良く分かった。造形も紋様も完成度が高く素晴らしい。ギリシャ人の日常生活がいかに豊かだったか偲ばれる。
 建物の通路の一部がガラスになっており下にある遺跡が見える、この博物館を建設する時に出た遺跡の保護と展示を兼ねて作ったのだろう。少し怖いが上から遺跡を見るのは面白い。
 破損しているが出土した大理石の彫刻が多数展示されている。その一角に大理石の柱や梁などを持ち上げる巻上機の模型があった。また、ブロンズ製の工具が展示されており分かりやすく、観覧者に親切だと思った。
 壺、皿、鉢、ランプ、針、紡錘器など生活の道具は見ていて楽しい、形、機能性はすでに完成されていると思った。小さなものでも施されている装飾文様は手を抜いていない、繊細で緻密、モノに対するギリシャ人の姿勢が現れている。そのまま現在の食卓に乗っていても違和感は無い。これだけでアテネに来た甲斐があった。
 12時前、お腹が空いてきたので博物館の2階にあるカフェで食事することにした。空いていた席に座ると、なんとアクロポリスが眼前にあり見上げればパルテノン神殿が見える特等席だった。12時までとあったブレークファーストを注文、パン3種類、野菜添えを添えた卵やき2個、チーズ2枚、サラダ、ヨーグルト、ストロベリージャム、蜂蜜、バター、ミニトマト、ジュースが出てきた。二人で29ユーロ、30ユーロで支払い、1ユーロはチップにした。パンは余ったので持ち帰る。
 満腹状態で見学の継続、映写室でパルテノン神殿が出来てから現在までの歴史を再現して見せてくれた。火事になったり、キリスト教会に利用されたり、トルコの支配下時代はイスラム教の偶像崇拝の影響を受けて彫刻を壊されたり、戦争で砲撃を受け大破したり、イギリスに彫刻を持っていかれたりした経緯を分かり易く表現している。残念な事に大理石の展示品のほとんどは破損している、オスマン帝国の占領時代に壊されたのだろう。鼻がかけたり顔の部分の破損が目立つ、従来の美術品だけでなく幅広く収集展示している。
 新しい博物館だけあって色々工夫している、ただ参考品を展示しているだけではなく、発掘の様子を見せることでアテネがどう言う所なのか、古代の遺産と現代をどの様に調和させるべきか問いかけている。また、ギリシャ時代の人々の暮らしや思いを理解して、その伝統を現在のギリシャにどの様に生かすべきか問いかけている。かって世界をリードしたギリシャ文明を取り戻すべき決意を感じる。
 博物館を出て、アクロポリスを目指す、入口でPBの乗客に出会ったのでアクロポリスのことを聞くと入場時間が設定されていたので諦めて戻ってきたとのこと。心配になったがとりあえず目指して歩く、大理石を敷いた坂道を登る、小さな道が幾つか出てきたが人が多い方を選んで登る、しばらく登ると入場口が見えた。
 チケット売り場の近くにPBの乗客から「入場券を買ったが入場時間が2時に設定されているので使えないから利用してもらえないか?」と言われた。すでに2時になっていたが予定があって戻らなければならないし無駄にしたくなかったので困っていたとのこと。早速、買い取っることにしたら喜んでもらえた。もう一枚はチケット売り場で購入、時間を聞いたら「Now」と言っていたので二人とも入れる。我々はゆっくり食事してから来たのでピークが過ぎ、空いていた時間帯だったのだろう。
 いよいよ、入場口から入る、大理石の道が続く、古代ギリシャ人も歩いたのだろうが立派なアクロポリスにしては粗末な通路だ。まず、ブーレ門(280年頃、ローマ人によって建造)までのジズザグの道を登ると正面には柱が林立し行く手を塞ぐ感じだ。ガイドブックに書いてある通り左手からアゴラの一部(へーバイオトス神殿(内壁や柱がほぼ完全に残っている点で貴重な建物、パルテノン神殿完成間も無い頃に建造されたと見られる、5〜6世紀頃内部はキリスト教の礼拝堂に作り替えられトルコ支配下でほとんど改装されたが独立後、国立博物館が完成するまで博物館として使用された)、聖アポストリ教会(11世紀初期に建てられた、1957年原型に復して再建された))が見える、ただ、柵があってかなり手前からしか見ることができない。
 前門には神殿や絵画館があったとのことなぜ、この入口にあるのかは分からない。全体の計画性が無いように思える、必要に応じて後から継ぎ足して行った感がある。
 柱だけ残る前門(プロピュライア)を通るとパルテノン神殿が現れた。完全破壊からかろうじて逃れたエレクテイオンと共に寂しげにも、周囲を威圧するかのようにも見える。かってはアクロポリスには色々な神殿があったそれが前門と同様計画的に作られたものではなく必要に応じて建造された様だ。
 工事用のクレーンや工事現場が残念だが仕方ない、クレーンを除いた状態を想像するしかない。林立するエンタシスの柱は迫力がある、どっしりと屋根の重みを支えびくともしない。国家安泰の願いと結びついているのかもしれない。梁や破風の彫刻(装飾)は剥ぎ取られ芯だけ残った、言わば屋根の重さを支える近代的な機能美を感じる。
 向かいに立つエレクテイオンの大きな壁と少女スコーレ像の組み合わせは彫刻作品の展示場の様だ。近づくことはできないので遠くから見るだけだ。
 アクロポリスはいたるところ工事中のため、近づくことはできなかったがアクロポリスの空間に立てたことを良しとしたい。博物館で見たパルテノン神殿の変遷が浮かんできた、石の塊になっていたかもしれないと思うと今、このように残っていることは奇跡的なことと思うべきだろう。
 戦いに明け暮れていても、これだけの文化を育んだギリシャ人のことをもっと知りたいと思った。
 アクロポリスを出て、坂を降りると音楽堂に出た。柵ごしにしか見られないが覗いた。コンサートに使われているとのこと、階段状のイスは新しく改修されていた。ここで音楽が聞けたらどの様に聞こえるのだろうか。遺跡を守るだけでなく活用することも必要だと思う。
 来た道を引き返しシャトルバスの停留場へ戻る、先に数人待っていたので一安心、30分以上待ってようやくバスが来る。賑わうアテネ市内からピレウスのターミナルまで街を見ながら帰る。

 

 地中海の島

 

 家が見える

 

 ピレウス港

 

 着岸風景、クルーズ船が見える。

 

 バス

 

 アクロポリス博物館

 

 アクロポリス博物館案内図

 

 内部、中央は地下の埋蔵物が見えるようにガラス張りになっている。

 

 こんな感じ、少し怖い。

 

 階段を登って展示スペースへ向かう

 

 丸柱が林立するパルテノン神殿をイメージさせる室内空間

 

 2階から見た1階の展示スペース、柱が目立つ。

 

 土器、形、文様が素晴らしい

 

 抽象文様

 

 形は現代と変わらない。

 

 ハンドルも機能的

 

 中央はオイルランプ

 

 水差し、庶民用か?

 

 オットセイ、猪、魚?

 

 柄付き壺

 

 注器、口の形状がモダン、口の位置が90度

 

 大量に作られたオイルランプ、油を溜めて芯に火をつけて使う

 

 大量の錘

 

 左、フィブラ(止め金具)?

 

 量産された、庶民用か?

 

 簡単な絵付けが施されている

 

 人形、表現がモダン、用途は?日本の土偶に似ている。

 

 紀元前550〜500年、座っているのはギンバイカを持つ女神、崇拝者の女がギンバイカの枝を差し出している。

 

 三頭蛇体(破風彫刻の一部)

 

 犬(首輪がついている)とライオン

 

 牛?

 

 巻き上げ機、当時の建築工法が分かる。

 

 型を使って量産していた

 

 金属製の工具(上は両刃斧、左は楔?、右は槌、床右は短剣)

 

 パルテノン神殿の模型

 

 パルテノン神殿正面

 

 屋根の構造、梁は木材、その上に石の板を覆った

 

 破風の浮彫りの再現モデル 

 

 守護神の座をかけてポセイドンとアテネが争っている場面、ポセイドンはアテネの人々に「塩水の噴水」を贈ると言ったのに対してアテネは「オリーブの木」を贈るといったところ、アテネを選んだという逸話があるそうです。(アクロポリス博物館)

 

 アクロポリス博物館のテラスから見たパルテノン神殿

 

 アクロポリスは高い崖に守られていることが分かる。

 

 レストランのテラスで

 

 テラスはレストランの一部になっている。これは「ブレークファースト」お勧め!料理がテーブルいっぱいになった。

 

 アクロポリス入場門

 

 案内看板

 

 花がキレイだった。

 

 ドーリア式柱が並ぶ前門(プロピュライア)左端の台座はアグリッパの記念碑、その右にあるのが絵画館(ピナコテーケ)

ローマ人が作った階段が途中まである。

 

 展望台

 

 エレクテイオンの全景

 

 周囲は残骸の大理石

 ()

 六体の少女像の柱(本物はアクロポリス博物館に所蔵されている)

  

 

 

 

 

 パルテノン神殿の全景、痛々しい姿だ。

 

 破風の彫刻、残骸(模作)だけが残る姿

 

 残された馬の彫刻(模作)が素晴らしい。

 

 柱の丸みが分かる。 

 

 修復した状態が痛々しい

 

 破壊され残された大理石の建材

 

 アクロポリスからの眺め、リカヴィトスの丘が見える。

 

 街の眺め

 

 ヘローデス・アティコス音楽堂、アクロポリスからの眺め、下に見物する人が見える。

 

 ヘローデス・アティコス音楽堂 トイレの先にあります。

  

 上部にアクロポリスから見ている人が見えます。

 

  11月4日(土)ピレウス港出港2日目

 7時30分、起床、地中海は波が高く船が揺れる。天気は薄曇り
 11時30分、昼食
 12時30分、帰室、原稿作成、記録、写真の整理など
 14時、アウシュビッツ報告会ミーティング 6階イベントルーム1
 内容が次の様になった
   1 導入
   2 ホロコーストとは
   3 ユダヤ人とは
   4 アウシュビッツとは
   5 ポーランド1日目 
     ・クリハラカズコ
     ポーランド2日目
     ・ヨコタフミヒデ
     まとめの感想
     ・ノハラココロ
     ・トキキョウコ
     ポーランド3日目 
     ・ユグチユキコ
     ・ユグチユキコ
     ・冨岡
   絵本の読み聞かせ「灰色の朝」
   締めの言葉
  


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